安心できる商品を、無駄なくお届けすることが、私達の社会的責任です。
アスクル株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 岩田 彰一郎
インタビュー実施日:2010/7/30
  • お客様のために進化する
  • “エコプラットフォーム”構想
  • 安心してお使いいただける商品
  • 無駄のない配送
  • 次の社会最適モデル
  • お客様とのコミュニケーション

お客様のために進化する

「はじめに志(こころざし)ありき」というと、少しオーバーな表現になってしまいますが、人が何か行動を起こす時には、まず「こんなことがやり たい」という気持ちが先にあります。意志がないところからは何も生まれてきません。アスクルをスタートした時、私達の胸の内にあったのは「お客様に対し て、いつも最良のサービスを提供できる会社でありたい」という思いでした。その思いを形にするために生まれたのが、私達が“アスクルモデル”と呼んでいる 新しい流通システムです。事業開始当時、国内の流通構造には多くのロスが内在していました。もっと社会に適した効率的なモデルがあるのではないか?それを 構築できれば、よりお客様にご満足いただけるのではないか?と考えたところから、私達は事業をスタートさせたのです。
もちろん、お客様にとって何が「満足」なのか、何が「社会最適」なのかは、時代とともに変化していきます。企業が期待される役割も変わっていきます。事業をスタートさせた時の思いは、変わらず社員全員が共有していますが、事業内容は進化させていく必要があります。
こ こ数年、CSR(企業の社会的責任)という言葉が注目されています。社会に対する責任を重視し、環境問題などに取り組んでいくことは、まさに今の時代に求 められている企業の在り方なのだと思います。「お客様のために進化する」という企業理念を掲げる私達にとって、間違いなくCSRへの取り組みは最重要課題 の一つです。

本社(e-tailing center)

本社(e-tailing center)

“エコプラットフォーム”構想

「社会」というと実体がないものに思えたり、自分との関係を見いだしにくいと思われるかもしれませんが、アスクルにとって社会とは、あくまでお 客様一人ひとりの集合体なのです。さらに言えば「地球」も、その延長線上にあり、私達が暮らす環境の集合体だと考えています。つまり、「お客様のために進 化する事業活動」とは、社会が今抱えている、あるいは将来直面する大きな課題を、事業活動を通じて解決していくことであり、そういった経営姿勢を維持する ことを、お客様に対して約束することだと考えています。 企業が信頼できるかどうか、お客様はきちんと見ています。私達もお客様と正面から向き合う必要があります。ごまかしやスタンドプレーが通用する時代では、 もうありません。本質的な事業活動で社会に貢献していくという理念を、全社的に共有していくことが最も大切なことだと思います。そのために、今、私達が重 要な位置づけと考えているものが、“エコプラットフォーム(アスクルの5つの約束)”という構想です。これまでのアスクルの流通システムを、より効率的で環境に配慮したエコプラットフォームとして進化させ、事業活動を通じて社会(=お客様の集合体)の課題を解決していくため、今、事業の各段階において具体的な目標を設定し、取り組みを進めています。

大阪DMC

大阪DMC

安心してお使いいただける商品

ここ数年、私達が取り扱っている商品について、お客様から「どこで、どのように作られ、管理をされてきたのか」というご質問をいただくケースが 増えてきました。明らかに日用品や間接材購入への意識が高まっていることを感じますし、お客様の環境問題に対する積極的な姿勢が伝わってきます。
私達には当然、こういった疑問に正確にお答えする義務があると思っていますし、商品の環境対応や品質管理をこれまで以上に厳しくチェックしていくつもりで す。さらには、2011年までにすべてのオリジナル商品を環境に配慮した商品にすることを目標に取り組みを進めています。
今、お客様が商品に求めているのは、不況の影響もあって「安さ」が重要な要素だと思います。ただし、安ければいいのかといえば、そうではないでしょう。例 えばティッシュペーパーでも、安いことは当たり前として「やっぱり素敵なデザインの箱に入っていたほうがいいよね」という気持ちも必ずあると思います。オ フィスに置いても気分が良くなるし、お子様やお年寄りがいらっしゃるような施設でも、みんなの気持ちが明るくなるようなデザインのほうがいい。近年はそこ に「環境にも優しい商品であれば、もっといい」という意識が間違いなく加わってきています。「安さ」「デザイン性」「環境対応」…すべて揃った気持ちのい いバランスの商品。リーズナブルで安心してお使いいただける商品。アスクルがお届けするのは、いつもそんな商品でありたいと考えています。

※アスクルのオリジナル商品に関する詳しい内容は、こちら(オリジナル商品へのこだわり)をご覧ください。

アスクルのオリジナル商品
オリジナルフラットファイル

無駄のない配送

お客様の声がきっかけになって、環境への取り組みが進化する…そんなことが、私達の仕事の現場では実際に起きています。その代表的なケースが 「ECO-TURN(読み方:エコターン)配送」。私達が商品をお届けした後、お客様のお手元に梱包材や緩衝材が残ってしまうことを「どうにかできない か」と、ご指摘いただいたことで、ECO-TURN配送は生まれました。再利用可能な折りたたみコンテナやリターナブルバッグによって商品をお届けし、ア スクルが回収、再び配送に使用するこの仕組みは、2009年4月から東京エリアでスタートし、全国の当日配送エリアへの拡大に向け、準備を進めています。
現在も進化と改善は続いています。破損が起きないように、リターナブルバッグの強度を高めたり、折りたたみ方を工夫したり。そういった試行錯誤を繰り返し ながら、可能な限り無駄を省いた配送に一歩一歩近づいています。ECO-TURN配送をお試しいただくと、ほとんどのお客様が継続的にご利用いただいてい ることからも、私達は確かな手応えを感じています。
配送については、さらに大きなテーマとしてCO2排出量の「見える化」と「削減」にも取り組んでいます。もちろん、今のお届け方法 が完成形だとは考えていませんし、まだまだ改善の余地はたくさんありますが、これからも常にお客様の声に耳を傾け、より「社会最適」なお届け方法を模索 し、進化を続けていきたいと考えています。最も大切なのは、「環境問題」という概念だけに根ざして新たな試みを続けるのではなく、一人の生活者としての素 直な感覚を忘れないこと。それこそが私達の回帰すべき原点であり、エネルギーを生み出す源泉なのだと思います。

※ECO-TURN配送に関する詳しい内容は、こちら(ECO-TURN誕生秘話)をご覧ください。

ECO-TURN
ECO-TURN配送

次の社会最適モデル

私達が最初にお客様とした約束は、「注文した商品が“明日来る”」ことでした。アスクルの社名の由来にもなった、この約束によって、私達はスタートラインに立つことができ、現在、大都市圏のお客様とは「明日来る」から「今日来る」という約束ができるまでになっています。
その後、ビジネスが広がるにつれて、私達は別の視点も持つようになりました。お客様が頼んだ商品すべてが、本当に「明日来る」「今日来る」必要があるの か。すぐに必要な理由が明確にある場合以外、納期を優先させてバラバラに配送するよりも、ある程度まとめてお届けしたほうがコストや環境負荷も少なく、お 客様に喜ばれるのではないか…こういった視点をベースに、2008年に始めた新規事業が、大企業のお客様を対象とした間接材一括購買サービス 「SOLOEL(ソロエル)」です。
SOLOELでは、私達がこれまで培ってきた流通プラットフォームとノウハウを最大限に活用し、購買業務を代行するだけではなく、購買改革コンサルティン グも提供します。お客様とメーカーの間、企業と企業の間に立ち、商品を揃えるプロとして、より最適な購買をご提案します。この独特な立ち位置、役割だから こそできることが間違いなくあると考えています。

お客様とのコミュニケーション

私達の事業をこれまで支えてきたのも、これからのキーワードになるのも、それはひと言でいえば、お客様とのコミュニケーションです。アスクルが 一番得意とするのは、人と人が出会い、人と商品がつながるインフラ作り。今後は、単に私達からお客様へ商品をお届けするだけでなく、双方向でつながること ができるインフラ、一緒に循環型の社会を実感できるプラットフォームを構築していきたいと思います。
その第一歩として、「お客様と生産者の顔と思いが通い合うオープンでフェアな場」というコンセプトの次世代型ECサイト「アスマル」を2010年秋にオー プンする予定です。急激に拡大し続ける個人向け電子販売チャネルにおいて、お客様と適切にコミュニケーションしていくことが今の企業には求められています が、私達も新しいB to Cネット流通の創造を目指し、お客様に新しいお買い物体験を提供できればと思っています。
お客様の立場や特性によって企業に求める要素はさまざまですが、多くのお客様のご要望が集まり、それが大きな社会的なリクエストとなって企業に求められて くるのだと思います。私達は、このリクエストにいち早く応え、「常に社会(=お客様の集合体)から必要とされる会社でありたい」と本気で考えています。そ のためには、当社の原点である、“お客様のために進化する”という言葉をもう一度肝に銘じ、お客様と一緒に社会のインフラとして次のモデルを追求し続けて いきたいと思っています。

アスマル

2010年7月30日

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