USBメモリーの購入前に知っておきたいUSBメモリーの「いろは」
目次
1. USBメモリーの「いろは」:そもそもUSBって何?
何気なく使っているUSBという言葉ですが、これは「Universal Serial Bus(ユニバーサル・シリアル・バス)」の頭文字をとった略称です。
USBは現在、スマートフォン・デジカメ・マウス・プリンター等、パソコンに周辺機器を接続するための最も身近な規格の一つで、主にデータを転送する目的で利用されています。
近年のパソコンでは、USBポートが最低でも2つ以上ついており、USBハブを利用すればさらに多くの機器と接続することも可能です。
USBが普及する以前は、上記にあるような周辺機器を接続するための端子は、それぞれ独自規格のポートであることが多く、接続するにはそれに対応したケーブルを用意する必要がありました。
また、それらのポートは、パソコンの電源を切った状態でなければ抜き差しできないものでしたが、「ホットプラグ」という機能によって, 電源が入ったままの状態でも抜き差しできるようになりました。
現在ではそれらの周辺機器は一つのポートに繋げられるよう、「USB」に統一されています。
2. USBメモリーの「いろは」:規格・速度について
USB2.0、3.0、3.1、3.2
USB規格は1996年のUSB1.0から始まり、現在は3.2まであります。これは対応している転送速度によってデータ転送に影響が出ます。パソコン側が対応してさえいれば、それぞれの規格に見合った転送速度が出ます。
年代 | 1996年 | 1998年 | 2000年 | 2008年 | 2013年 | 2017年 (実装は2019年発売デバイスから) |
---|---|---|---|---|---|---|
規格 | USB1.0 | USB1.1 | USB2.0 | USB3.0 | USB3.1 | USB3.2 |
スピード(最大) | ― | 12MB/s | 480MB/s | 5GB/s | 10GB/s | 20GB/s |
備考 | ― | USB1.0の 電源管理などの 仕様改善 | USB1.1の 約40倍の 転送速度 | USB2.0の 約10倍の 転送速度 | USB3.0の 約2倍の 転送速度 | USB3.1の 約2倍の 転送速度 |
電力 | 5V/500mA (2.5W) | 5V/500mA (2.5W) | 5V/500mA (2.5W) | 5V/900mA (4.5W)+ USB BC | 5V/3A (15W)+ USB PD | 5V/3A (15W)+ USB PD |
USB3.1には互換性があり、規格の違う機器同士をつないでも機能します。
また、USB機器は端子の色で、USB2.0とUSB3.0を見分けることができます。(USB2.0は黒または白、USB3.0は青)
さらにはUSB2.0とUSB3.0で記載されているマークにも違いがあります。

3. USBメモリーの「いろは」:コネクタの形状
USBには、規格のほかにコネクタにも種類があり、大きく分けて、「USB Type」「micro USB Type」「mini USB Type」の三つがあります。
そこからさらに、それぞれA、B、Cと分かれている場合もあります。
Type A
ほとんどのパソコンに付いている、一番なじみのあるタイプ
Type C
最大の特徴は両面どちらから挿入しても充電できること。
現在はMacbookやiPhoneだけでなく、多くのスマートフォンにも使われ始めている。
micro USB2.0 Type-B
Androidのスマホの充電やデータ転送につかうコネクタの多くはこのMicro-B。形状は台形に近い形をしている。
Android系スマートフォンへの充電は、ほとんどがこのMicro-Bタイプのコネクタ。
Lightning
アップル製品にしか採用されていない規格。小型で裏表気にせずに挿入できるのが特徴。
4. USBメモリーの「いろは」:USBメモリーの現状
近年の半導体産業の状況
USBメモリーは、コネクタ+コントロールチップ+NAND型フラッシュメモリで構成されており、コネクタ以外は半導体から形成されています。
そのため、半導体市場の変動がUSBメモリーの生産量に大きく影響します。
日本の隣国、韓国と台湾は合わせて33%の半導体世界シェアがあります。両国は、半導体などの電子部品が主力産業になっています。
2019年以降の見通し
- 1.
- 中国による半導体の内製化。これまで輸入に頼ってきた半導体の、内製化を進めるために投資しています。
NANDなどの半導体メモリを主力産業としている国は中国との競争が激化します。さらには市況商品であるので、価格が大きく下落する可能性があります。 その中でも、メモリ主役の韓国には大きな影響が出ると予想されます。
- 2.
- 米中貿易摩擦の激化とそれに伴う中国経済の減速。中国経済減速の影響を受けると思われます。
しかし、韓国と台湾はアメリカによる対中関税をうけて、中国の代替生産拠点としての役割の可能性もあります。(2018年12月時点)
5. USBメモリーの「いろは」:USBメモリーの形状
4.回転式
本体部分に取り付けられた回転式キャップで接続部分を保護することのできるUSBメモリー
6. USBメモリーの「いろは」:USBメモリーの種類
1.防水・防塵
機械にとって水は天敵です。いろいろなデータを入れているUSBメモリーが、濡れてデータが消えてしまうのは大問題。
水から保護できる「防水タイプ」は、水濡れを気にせずに使用できるUSBメモリーです。外出時でも安心して持ち歩けます。
また、防水・防塵タイプのUSBメモリーは、アルミなどの金属製であることが多く、衝撃耐性を兼ね備えているモデルも多くあります。その場合、うっかり落としても安心です。
2.セキュリティ(指紋認証・パスワード型・ウイルス対策機能型など)
USBメモリーのセキュリティには、2パターンあります。
一つは、データそのものをウイルス感染から守る、ウイルス対策機能搭載モデルのUSBメモリー。
もう一つは、紛失・盗難により会社のデータが漏洩する可能性から守るモデルのUSBメモリーです。
このモデルのUSBメモリーは、パスワードロック機能・パスワード自動認証機能・指紋認証機能・自動暗号化機能があります。
3.超小型
サイズわずか2~3mmほどの「ミニUSBメモリー」、つまり超小型USBメモリーです。
パソコンに装着したままでも気にならないサイズなので、紛失の恐れがありません。
以前は16GB・32GBしか存在しませんでした。しかし、最近は64GB、128GBは当たり前で、256GBのような超高容量体のものまで発売されています。
4.書き込めるタイプ
書き込めるラベルシールがUSBメモリー本体についていて、ペンで自由に書けます。色分けだけでは対応しきれない案件ごとの個別管理ができます。
5.スマホ対応
スマホ直結型のUSBメモリーは、スマホからデータを移して、ほかのスマホやPCに移動することができます。
もちろん、Wi-Fiもモバイル通信も必要ありません。
例えば、iPhoneの場合、スマホに入っているデータをPCに移すときはiTunesやiCloudなどが必要ですが、そんな手間も一切必要ありません。