約1500年もの歴史を持つ越前和紙は、古来より奉書や株券など重要書類に用いられてきました。紙の神様を祀る岡太（おかもと）・大瀧神社には江戸幕府に代々紙を収めてきた証として至るところに葵の御門が残されています。そんな伝統の地で、ヨシ紙という新たな和紙作りに挑戦しているのが山田兄弟製紙です。ヨシは河川の水質を浄化する注目の植物。ヨシ原保全のために刈り取ったものを紙の原料にすれば木材を伐採しなくてすみ、環境に配慮した原料になります。その反面加工に手間がかかり、高い技術力が要求されます。始めた頃は「何を酔狂なことを…」と呆れられたこともあるとか。やがて環境への意識が高まるにつれ、ヨシ紙も再評価。素朴で味のあるヨシ紙の風合いに秘められた、技とモノ創りを諦めない職人魂を感じとってください。