電報の活用術

ビジネスで電報を使うのはどんなとき?
知っておくべき電報シーン

メール慣れしている現代の人たちにとって、「電報」を使うのは時代遅れに感じるかもしれませんね。でも、実は電報はビジネスに欠かせないものなのです。どんなシーンで使われるのか、なぜ必要とされているのかを知っておきましょう。

間違いないタイミングでメッセージが伝わる!ビジネスで電報が必要な理由

「サクラサク」「ハハキトク」といった文がよく知られている電報。まだ電話が普及していない時代、急ぎで相手に伝えたい内容があるとき、電報は郵便の信書より早く送れることから緊急連絡手段として欠かせないものでした。現代では家庭用の電話、FAX、携帯電話、電子メールなどが普及したことにより、電報の緊急連絡手段としての必要性は薄れているのが実情です。

ですが、仕事上でお取引先にお祝いの言葉やお悔やみの言葉を伝える際、電子メールでは軽すぎて相手に失礼と思われる可能性があります。電話で伝えるにも相手がいつでも出られる状況にあるとは限りません。たとえば、結婚式当日の新郎新婦やお葬式当日の喪主に、突然電話をかけるのはかえって迷惑になることもありますよね。
また、お取引先で式典があったり、取引先製品が賞を受賞するような慶事があったりするときも、直接お祝いの言葉を伝えるのも悪くはありませんが、せっかくのおめでたい機会ですから、お取引先の企業全体にお祝いの気持ちを持っていることをアピールしたいもの。

このように、祝意や弔意を伝えたい大切なときや、相手の人生の節目にあたるとき、そして自分がその場に立ち会えないときなどに、タイミングを誤らず、マナーにのっとり、先方にも快く受け取ってもらえて、しかも効果的に印象付ける形でメッセージを伝える手段として、電報以上の手段はないかもしれません。

叙勲(じょくん)・褒章(ほうしょう)・選挙まで!?
ビジネスで電報が有効なシーン

ビジネスならではの電報を使う際、おすすめのシーンは数多くあります。送らなくても問題はありませんが、タイミングを逃さず電報を送ることで、会社として、いち営業マンとして印象づけにつながったり、信頼関係がアップしたりする機会になるはず。見逃す手はありません。
以下で、それぞれ電報を送るおすすめのシーンをみていきましょう。

就任・栄転など人事(昇進)のお祝い

お取引先の方の就任・昇進・栄転などのお祝いに電報を送れば、信頼関係をより深める機会となるかもしれません。正式な辞令を待って、送るようにしましょう。また、お世話になった方が定年退職されるときに電報を送るのも好印象を持たれるでしょう。

お取引先の祝賀行事のお祝い

お取引先で、代表者や役員の就任披露や、新社屋の落成などの「お披露目」の行事、創業〇周年などの「式典」を行う場合があります。その行事に参列しない場合は、行事の会場に祝電を送るとよいでしょう。

叙勲・褒章・表彰・受賞のお祝い

毎年2回、春は4月29日、秋は11月3日に優れた功績を残した方に贈られるのが、叙勲・褒章です。仕事でお世話になった方の授与が決まったときにはお祝いの電報を送りましょう。また、お取引先が表彰を受けたり、製品が賞を受賞したりしたときなども、電報を送るチャンスです。

選挙の激励・当選のお祝い

ビジネス上、お世話になっている方が選挙に出馬する際には、陣中見舞い、事務所開設などの選挙の激励や、当選のお祝いの電報を送ることで、企業名を印象づける機会になります。特にご当選祝いの電報は早く送ることが大事です。

会社の印象をアップする。結婚式で印象づける

ビジネスシーンならではの電報をご説明してきましたが、一般的によく使われる「電報の定番シーン」といえば、結婚式、出産、合格や入園入学などの祝電と、お葬儀への弔電でしょう。ビジネスにおいても定番シーンで電報を送ることは欠かせず、むしろ、ビジネスマナーのひとつといってもいいくらいです。ここでは特に「結婚式」の電報をビジネスとして、社外に送るケースを考えてみます。
まず、取引先の担当者が結婚するときにはぜひともお祝いの電報を送りましょう。お取引先の方、個人ではなく、そのご家族のお祝いごとに電報を送ってみるのも手です。例えばお取引先の方の子息子女の結婚式をはじめ、出産、合格や入園入学などなど……。大切なご家族に対しての気配りを形にすることで、相手に好印象を残せます。

ビジネスでは、お取引先と信頼関係を深めることが大事です。電報は、押しつけがましくなく、自然に相手に好印象を残す、有用なツールなのです。