電報の活用術

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社員に送る電報のキホン「弔電」編
~お悔やみの気持ちが遺族に伝わり失礼のない弔電の送り方~

社員の家族、または本人が亡くなったときの弔電は、悲しみにくれる相手に失礼のないように、ルールとマナーにそって丁重に送りたいもの。特に、近年は近親者のみで葬儀を行う「家族葬」が増え、会社関係者が参列しなくなってきていますから、電報で弔意を伝えることは大切です。最近の傾向を踏まえながら弔電を送る際のポイントについて、ご紹介します。

弔電の基本的な送り方&マナーを確認しよう

社内で訃報を受けたら、社内規定にそって、できるだけ迅速に弔電を打ちましょう。急ぎで出すものなので、短納期で手配できること、ミスなく送ることが重要です。インターネットでの手配は簡単なうえ、内容も目で見て確認できて早く送れますから、もしものときのために、チェックしておくといいですね。24時間いつでも注文可能かどうかも手配先選びの重要なポイントになります。

弔電を出す際は、以下のことを確認しましょう。

<確認事項>
・喪主
・通夜と葬儀の日程
・届け先と住所(葬祭場か自宅か)
・電話番号(葬祭場か自宅か届け先の番号か)
・弔電の依頼主(会社名か個人名か)
・宗教、宗派

亡くなった方が社員のご家族でも、社員ご本人であっても、基本的なダンドリは変わりません。まずは喪主の方のお名前を確認しましょう。葬祭場によってはいくつもの葬儀が同日に執り行われていることもありますから、フルネームで送ることが望ましいです。

送るタイミングはなるべく早い方がおすすめです。お通夜でも告別式でも弔電を披露するタイミングがありますから、お通夜もしくは告別式開始の1時間前には届くように手配します。

届け先について、社外の方の訃報の場合はその会社宛に送ることもありますが、社内の関係者の場合は葬祭場か自宅に届けるのが一般的です。間違いなく届くように住所をきちんと確認しましょう。

弔電の依頼主は、会社なら社名を略称などにせず、必ず正式名称にするのがマナー。また、個人名で出す場合は、役員以上などの高い役職の人の名前を打つようにします。

どんなメッセージを送る? 弔電の文章のルールとは?

続いて、電報の文面を決めます。インターネットなどで手配する際には、弔電のテンプレートが何種類もありますから、そちらを参考にして文面を決めるよいでしょう。気持ちが伝わるようにオリジナル文面にしたいときや、テンプレートにアレンジを加えたいという場合もあると思います。その場合は、弔電ならではのNGルールを知っておいてください。

まず、使ってはいけないとされる言葉には「忌み言葉」があります。代表的な忌み言葉は、「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉や、九(く・苦)や四(し・死)の音が不吉な言葉など。また、「死ぬ」「生きる」といった直接的な言葉は避けて「ご逝去」「ご生前」などと言い換えます。
さらに、故人の宗教によって気をつけたい言葉も。よく使われる「ご冥福」「成仏」「供養」などは、実は仏教用語。仏教徒以外の方にこうした言葉を使わないようにしましょう。

遺族に失礼がなく、会社としての誠意が伝わる文面選びを心掛けてくださいね。

どのように披露される? 弔電の読まれ方

通夜や告別式では弔電の披露の場が用意されます。「ただ今より、各所から頂戴しましたご弔電を拝読させていただきます」といった案内の後に、弔電が2~3通、多くて5通ほど読まれます。また、電報の受け取り側は葬儀の前後でそのメッセージを読み、また折に触れて読み返す可能性も。そのため会社から送る弔電は、弔問客が電報メッセージを聞く可能性があることを意識して文面を決めましょう。

近年多くなってきた家族葬。最近では、弔電を辞退されるケースもあるそうです。「家族だけで送りたいので、御香典、御供物、御供花、弔電などはお断りします」といった連絡を受けた場合は、ご遺族の方の意思を尊重しましょう。基本的に社員の家族や本人の訃報を受けた際は弔電を送るのが会社としてのマナーですから、訃報時にあわてないようダンドリを日ごろから踏まえておくことをおすすめします。

弔電の対象の規定を作成しておこう

日本は100才以上の高齢者が6万7千人(2017年厚生労働省調べ)にも及ぶ、長寿社会です。社員にも曾祖父母がご健在だという方が増えているのではないでしょうか。しかし残念ながらお亡くなりになられた場合、弔電の送付対象か否かに悩まれるかもしれません。そんな時のために見舞金・休暇と同じように、「慶弔規定」を作成しておくと良いでしょう。

慶弔電報についての規定を作成する際は、社員の辛い気持ちに寄り添う姿勢を表すためにも、見舞金・休暇と揃えることなく「申請があったお悔やみごとはすべて弔電対象とする」など、対象範囲をあえて絞り込まないのも、規定を作る担当者の腕の見せどころです。