電報の活用術

電報をもらったらどうする?
返礼のマナーを知っておこう

電報はお取引先の相手とコミュニケーションをとるチャンス。というのも、電報をいただいた場合、返礼を行うのがマナーとされているから。一方的なコミュニケーションではなく、双方向のコミュニケーションが生まれるのです。

知っておくべき電報の返礼マナー

まずは、電報を受け取った側としてのマナーを知っておきましょう。
電報をいただいたら、まずは電話か手紙でお礼を伝えるようにします。一番早く手軽なのが電話ですね。電報をいただいた当日や翌日など、なるべく早いほうがベターです。

すぐに電話ができないようなときには、手紙でお礼状を出します。封書で送るのが最も丁寧ですが、ハガキの礼状でもかまいません。メールでもよさそうですが、人によってはマナーを気にする場合もありますので、やはり、電話か手紙がよいでしょう。

この返礼で大切なのは、タイミングを逃さないこと。ハガキなどで礼状を出す場合、できれば1週間以内に送りたいもの。結婚の祝電への礼状では、結婚式後に新婚旅行に行くなど、すぐに返礼できないケースだとしても1カ月以内が理想です。弔電をいただいた場合も祝電の場合と同様、礼状はなるべく早く送りたいものですが、喪主の体調不良などやむをえない理由で遅くなる場合も、せめて49日までに送りましょう。

どんな文面を送るか

電報をいただいた際の礼状として、どのような文面を送ればいいのでしょうか。
祝電の場合は、「このたびは祝電をいただきまして誠にありがとうございました」といった文面に、結婚式の写真、出産祝いなら赤ちゃんの写真、卒業や入学のお祝いなら式当日の写真などを添えてもよいでしょう。

より具体的な礼状として、例えばビジネス上のお付き合いのある取引先の方から結婚式の祝電をいただいた場合の見本をご紹介します。

例:
「さて、このたびは私たちの結婚式のために、祝電をいただきまして、誠にありがとうございました。まだまだ未熟なふたりではありますが、〇〇様の祝電のお言葉を忘れずに、明るい家庭を築いていきたいと思います。
これからも〇〇様と今まで以上の関係を築いていけますように、一層職務に励んでいきます。
今後ともご指導ご鞭撻(べんたつ)のほどよろしくお願いいたします」

弔電をいただいた場合も同様に、はがきなどで「亡き父〇〇の葬儀の節はご丁重な弔電を賜りまして誠にありがとう御座いました」といった文面を送ります。

弔電のお礼の場合は、書き方に大事なポイントがいくつかあります。・故人との続柄は、「亡き父」など喪主からみた関係を書きます。社葬の場合は「弊社 代表取締役会長 故〇〇〇〇儀」などと書きます。
・葬儀の会葬者に出すお礼状として「会葬礼状」がありますが、弔電へのお礼は別に用意します。
・弔電とともにご香典をいただいた場合は、香典のお返しを用意しましょう。
・句読点「、」「。」は用いません。
・季節のあいさつ文は不要です。「拝啓」「敬具」は両方入れるか、両方なしでもよいです。

ここでは、社葬で弔電をいただいた場合の返礼文の見本をご紹介しましょう。


例:
「このたびは弊社 代表取締役社長 故〇〇〇〇儀 葬儀に際しましては
ご多忙中にもかかわらずご丁重な弔電を賜り厚く御礼申し上げます
おかげさまで葬儀告別式は滞りなく済ませることができました
ここに生前のご厚情に感謝申し上げますとともに
今後も変わらぬご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
早々拝眉の上お礼申し上げるべきところではございますが、略儀ながら書中を持ちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます」

電報は、裏を返せば相手とコミュニケーションをとるチャンス

返礼の際のポイントは、忙しい中、配慮をいただいたことへの感謝やお礼の気持ちを込めることと、すぐにお礼の気持ちを伝えることです。あわただしいときには、礼状を書くのも大変かもしれませんが、文章は定型のものでもかまいませんからなるべく早く送るようにしましょう。また、マナーにのっとった対応ができるということが相手に伝わると、企業として、またビジネスマンとして、信頼関係を築けるでしょう。

こちらが電報を送る側になったとき、返礼がマナーである電報は、相手にスルーされないので、つながりを作るチャンスともいえるのです。電報をきっかけに、お取引先の方と親交が深まるとよいですね。