電報の活用術

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社員に送る電報のキホン「結婚式」編
~働く仲間への心づかいも忘れずに。帰属意識の高まるお祝い電報の送り方~

従業員が「結婚式」を挙げる際、会社の福利厚生として必ず送りたいのが祝電。
結婚式には、当事者だけでなく家族や友人も出席します。その人たちに対し、たった一通の電報でも勤め先から届いていることで、その人が仕事場で活躍している、尊重されていることが伝わるのです。会社からの結婚式の祝電は、実は重要な役割を果たしているのです。
今回は、電報の定番でもある「結婚祝い」電報を例に、基本ダンドリを確認しましょう。また、祝電を使って、「一緒に働く仲間」をお祝いすることでコミュニティが活性化するメリットもあります。働く仲間とは正社員だけを指すものではありません。派遣社員や業務委託のスタッフなどにも目配りして手配しましょう。

結婚式の祝電、いつから手配できる?何に注意する?

電報は電報会社を経由して相手に届くものなので、電子メールのようにすぐ届くわけではありません。そのため、事前の手配が必要です。結婚式は、開催日時と場所があらかじめわかっているもの。従業員が結婚式を挙げることが決まったら、なるべく早めに祝電を手配しましょう。

■いつまでに?
基本的には、披露宴の前日までに結婚式の会場に届くように手配しましょう。それより遅くなってしまう場合も、披露宴開始の1時間前までには届くように。晴れの場に届ける電報で送り間違いなどがないように、時間に余裕をもって早めに手配することがおすすめです。

■事前に何を確認しておく?
・結婚式の日時、会場名と住所従業員が結婚式を挙げることがわかったら、まずは日時と場所の確認をしましょう。規模の大きな結婚式場で、ハイシーズンの開催ともなれば1日に何組も披露宴を行います。届け間違えられることのないよう会場の名前と住所は正確に、そして挙式、披露宴の時間も確認しておくことが大事です。

・両家名と、新郎新婦どちらかのフルネーム
宛名の新婦の名字は旧姓にするのが一般的。ただし、最近では婚姻届出を先に済ませて、披露宴を後日行うご夫婦も少なくありません。すでに新婦が婚姻届出を済ませて新しい姓に変わっていて、新姓の方に馴染みがある場合などは、旧姓でなくてもかまいません。
お子さんと一緒に結婚式を挙げるファミリーウェディング(パパママ婚)なら、電報の文中にある「お二人の門出を~」を「ご家族の~」に変更するなど、こまやかな配慮も心がけたいですね。

「電報を送る担当者になったけど、結婚式の詳しい日時や相手の方のお名前など、不明な点がある…」という場合は、式場に電話をしましょう。従業員(新郎または新婦)の名前と、電報を送りたいこと、不明点を伝えて、受け取りのお願いをしておけば安心です。

どのようなメッセージにする? 印象に残りやすいアイデアとは

職場から電報を送る場合、どのような文面がよいでしょうか。披露宴では電報披露の場が設けられ、何通かの電報が選ばれて司会者によって代読されます。読まれるケースも想定して、内輪(うちわ)でしかわからないような話題や、「やっとゴールイン」といったネガティブな内容の文面は避け、列席の人にとっても聞いて心地のよい内容になるように留意しましょう。

会社から送る場合は、スタンダードなお祝いの言葉をベースにしつつ、「●●部のエースである●●さん」「頼りがいのある●●さん」「部署での素晴らしいサポート力を家庭でも…」など、職場での活躍が伝わるような内容だと、誰にとってもうれしいものです。人材として会社が評価していることがにじみ出るような文面だと、本人のモチベーションにもつながり、披露宴の雰囲気もアップするのではないでしょうか。

結婚式の電報は種類も豊富。バルーン、ぬいぐるみ、フォトフレーム、プリザーブドフラワー付きなど、披露宴会場に飾りたくなるような電報を選べば注目されますし、会場の華やかさも増し、気がきいたプレゼントにもなり、おすすめです。

もうひとつ、結婚式の祝電の文面で、忘れてはいけないことがあります。それは「句読点をつけない」「忌み言葉、重ね言葉を避ける」などの基本ルールを知っておくこと。文を分ける句読点は「別れ」を思わせるものだからNGであったり、慶事が末永く続くように文末を思わせる句読点はNGなどの説があります。重ね言葉は「たびたび」「重ねて」「再び」のような言葉のことで、忌み言葉とは「別れ」「切る」「返す」「終わる」などのこと。別れや再婚を思わせる言葉は結婚式のお祝いメッセージでは使わないように気をつけましょう。こうした基本を踏まえつつ、あたたかな思いが伝わる言葉を選びたいものですね。

どこまで送る?派遣社員や業務委託のスタッフにもお忘れなく

結婚のお祝い電報は、正社員や契約社員以外の「一緒に働く仲間」、つまり派遣社員や業務委託のスタッフにも忘れずに送りたいもの。同じ場所で働いていても、相手への感謝の気持ちはなかなか伝えられないこともあるかと思います。結婚をきっかけにして、その気持ちを伝えるには、祝電というツールが最適です。ただし、会社の福利厚生の一環で送る場合は、福利厚生の適用範囲を確認することと、派遣会社との慶弔関連の契約を確認し、法令を順守するように注意しましょう。