PROJECT

ロボットを進化させ、
人類の明日をよくする。

MUJIN様×アスクル
「ピッキングロボット」開発プロジェクト

[ ROBOT ]

PROJECT MEMBER

ディアンコウ・ロセン氏
株式会社MUJIN
CTO 兼 共同創業者
ロボット工学博士
鳥居 寛氏
株式会社MUJIN
テクニカルマネージャー
池田 和幸
IO(イノベーション・オフィサー)
ECR本部
配送マネジメント
執行役員
田之頭 充
ECR本部
センターイノベーション
マネージャー
寺田 翔太
ECR本部
センターイノベーション

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日本の労働人口は今後減っていく。
人手に頼らない「物流」の仕組みを。

2015年初頭、アスクル社内であるプロジェクトが立ち上がった。主導したのは、アスクルのIO(イノベーション・オフィサー)の池田。エンジニア出身で、テクノロジーにも精通した彼が企んだのは、物流の現場に最新のロボット技術を導入することだった。
池田とともにこのプロジェクトを担った、物流部門のマネージャーの田之頭はこう語る。

「アスクルが全国7箇所に展開する物流センターでは、倉庫に保管された商品の中からご注文いただいたアイテムを物流スタッフがピッキングして梱包し、お客様のもとへ配送しています。近年、アスクルではお客様のさまざまなニーズにお応えするために取扱商品ジャンルやアイテム数が拡大しており、それにともない、物流の現場ではますます多くの人手が必要になっています。しかしご承知の通り、日本ではいま労働人口が減少しており、労働力の確保がいっそう困難になっていくのは明白。将来に向けて、特にいま人手に大いに頼っているピッキング工程などを自動化する仕組みを構築すべきではないかという問題意識から、ロボット技術の活用を本格的に検討するようになったのです。」

物流工程へのロボットの導入にあたって、池田は自分なりのビジョンを描いていた。しかし彼がイメージしていたロボット技術を実現できる企業は、まだ日本国内には見当たらなかった。ただ一社、新進気鋭のベンチャー企業を除いては。

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ロボットに「眼」と「知能」を。
それを実現できるパートナーは一社だけだった。

物流における商品のピッキングを自動化するのは、実は容易なことではない。たとえば、ケースの中にばらばらに置かれた商品を的確に拾い上げるだけでも、従来のロボットにとっては至難の業であり、しかも扱う商品の種類は膨大だ。池田は当時をこう振り返る。

「ロボットが『眼』を持ち、自ら判断して動作する『知能』がなければ、物流の現場では真に機能しないと考えていました。そんなロボットが実現できないかと、国内の産業用ロボットメーカーを片っ端から訪問して話を持ちかけたのですが、返ってくるのは『不可能』という答えばかり。おそらくメーカーの方々からは『頭のおかしい人だ』と思われていたかもしれない(笑)。しかし、そんな中でMUJINさんだけは『できますよ』と応えてくれたのです。」

MUJINは、2011年に設立されたロボット技術のベンチャーだ。同社のCTO(最高技術責任者)のロセン氏は、米国カーネギーメロン大学でロボット技術を研究し、その成果をもとに、大きなポテンシャルを秘める日本市場で起業した。ロセン氏はこう語る。

「従来の産業用ロボットは、事前にプログラミングして動作を教え込むことが必要でした。ですからピッキング工程のように、ランダムに配置された膨大な種類の商品をロボットに拾わせるためには、その動作パターンをすべてティーチング(教示)しなければならない。これは現実的に無理であり、だから物流の自動化は困難だとされてきました。しかし私たちが開発した技術は、いわばロボットに脳と眼を持たせ、ティーチレスで自律的に動作させることができます。それはまさに、アスクルさんが望んでいた技術でした。」

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アスクルには、ベンチャー精神に
あふれた人間が実はたくさんいる。

そしてアスクルとMUJINは、まだ世の中で誰も実現していないピッキング工程のロボット化に向けて、共同でプロジェクトをスタートした。ロセン氏は「池田さんは本当にチャレンジ精神が旺盛で、ぜひこの人と一緒に仕事がしたいと思った」と言う。MUJIN側でこのプロジェクトのリーダーを務めた鳥居氏もこう語る。

「私もアスクルのサービスを利用していて親しみをもっていたのですが、正直、ここまでベンチャー精神のある企業だとは思っていませんでした。池田さんや田之頭さんには私たちと同じ志を感じましたし、ぜひ期待に応えたいと気合いが入りましたね。」

当初、田之頭は「本当にできるのか?」と半信半疑だったが、MUJINと協業するうちに、これは凄い技術だと衝撃を受けたという。そしてまず、埼玉の物流センターにプロトタイプを開発して導入。そして、2016年5月に横浜の物流センターが移転拡充するのに合わせて、こちらにもさらに進化させたロボットを導入することになった。このタイミングでプロジェクトに新たに加わったのが、当時入社2年目の寺田だった。

「池田さんからいきなり『ロボットに興味ない?』と声をかけられて、私がやっていいんですかと即答しました。実際に現場でプロトタイプを見た時は、ロボットがこんなことまでできるのかと感動しましたし、ぜひ新たなロボットを自分の手で導入したいと。」

そして寺田は、MUJINとともに新たなロボットのテストに明け暮れることになった。

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お客様に大きなメリット。そして
この挑戦は社会課題の解決にもつながる。

「ロセンさんや鳥居さんは自分とはまったく発想が違う。何か問題が起こった時、こんな方法で解決するのかと驚かされることばかり。私も理系出身だったこともあって、MUJINさんと一緒に仕事をするのはとても刺激的でした」と寺田。

そして2016年末、横浜の物流センター内で最初のピッキングロボットが稼働を始めた。物流の実ラインでピッキング工程の完全自動化を果たしたのは、物流という分野はもちろん、社会最適という視点でも大きなイノベーションだ。

「いまはまだ一台の導入ですが、これでナレッジを確立できればさらにロボット導入数を順次拡大していきたい。こうしたロボット技術で物流を革新することで、お客様にもたらせるメリットは計り知れません。ロボットは24時間稼働できますし、人材確保が難しい夜間にも作業させることで、お客様へのお届け時間をいっそう短縮することができる。ロボット導入で物流コストが下がれば、よりリーズナブルな価格でお客様に商品をご提供できる。物流の面からも、まさにアスクルはお客様のために進化しているのです。」

そしてこの取り組みは、労働人口減少というこれからの日本社会が抱える課題を解決する、その答えのひとつになるともアスクルは考えている。ロセン氏も、アスクルとのこのプロジェクトをこう評価する。

「ロボット導入で単純な作業から人が解放され、もっと知的な仕事に力を注ぐことのできる環境になります。そしてそこから、世の中を変えるような新しいイノベーションがまた生まれる。アスクルさんは、本当の意味でイノベーションを志向している企業であり、そのためのリスクも果敢に取ろうとしている。リスクのないところにリターンはない。ぜひ今後も力になれればと思っています。」

目指すは、人間のパフォーマンスを超える物流ロボット。アスクルとMUJINのチャレンジは、これからが本番だ。


※所属、内容は取材時のものです。

みんなの明日をよくする方法

お客様のために
「物流」を進化させる

  • 課題
    まだまだ多くの人手を要している物流のプロセス。今後、国内の労働人口が減少していくことを受けて、お客様へのサービスを向上しつつ、人手に頼らない仕組みを構築しようと企画。
  • 解決策
    従来、自動化が困難とされてきた商品のピッキング工程において、ロボット技術を導入。アスクルが掲げるビジョンを実現できる、ロボット技術ベンチャーと共同でプロジェクトを発足。
  • 実現の壁
    埼玉の物流センター内でプロトタイプを開発して検証。新規に開設された横浜の物流センターにその技術を展開し、世界で初めて物流現場でのロボットによる商品ピッキング自動化を実現。