更新日:2025年4月24日
エアーダスターとブロワの違いは?特徴や正しい使い方を解説

エアーダスターとブロワは風でゴミや埃を飛ばせる道具ですが、どちらを買おうか迷うことがあるかもしれません。本記事では両者の違いや、エアーダスターの正しい使い方、電動エアーダスターの種類や特長、選び方を解説します。それぞれの違いを理解して、用途にあった製品を選びましょう。
エアーダスターとブロワの違い
エアーダスターもブロワも、空気の流れを使って埃やゴミを吹き飛ばす道具で、ともに掃除やメンテナンスに使われる点では共通しています。しかし、活用する範囲においては違いがあります。
一般的にエアーダスターは、機器の内部など、限られた範囲の清掃に使われます。対してブロワは、剪定作業や工場の清掃など、広範囲にわたってゴミや埃を吹き飛ばす際に用いる道具です。
エアーダスターとブロワは大きさや形状、風量にも違いがあるため、用途にあわせて選ぶ必要があります。以下にそれぞれの特徴について詳しく解説します。
エアーダスターとは?使用するケース

エアーダスターは、ノズルから風を吹き出し、埃やゴミを飛ばす道具です。送風範囲は狭く、特定の機械や物に対してピンポイントで使用できます。風量はそれほど大きくありませんが、局所的に高い風圧を発生させるため、細かい隙間の清掃にも適しています。
主な用途として、パソコンのキーボードやOA機器、家電、機械内部の埃の除去に加え、窓のサッシやフィルターの清掃など、手の届きにくい場所の掃除にも幅広く活用されています。エアーダスターにはさまざまな種類があり、手軽に使える缶スプレータイプや電動タイプのほか、工場や整備場などで使用されるコンプレッサーを利用した大型モデルもあります。
ブロワとは?使用するケース

ブロワは、広範囲の清掃に利用される送風機で、「ブロワー」と表記されることもあります。エアーダスターが狭い範囲に強い風圧を送って埃やゴミを飛ばすのに対し、ブロワは広範囲に強い風を送り、効率的にゴミを吹き飛ばす道具です。主な用途として、枯れ葉の除去、水滴の吹き飛ばし、機械の冷却などがあり、屋内外問わず幅広い場面で活用されています。
ブロワにはさまざまな種類があり、小型掃除機のような形状のハンディタイプから、持ち運びしやすい背負い式のモデルまで、多様な選択肢があります。充電式は屋外での使用に便利で、コード式は安定した電力供給が可能です。風量が強く広範囲を一気に清掃できるのが特徴ですが、風圧自体はエアーダスターほど高くないため、細かい部分の掃除には向いていません。
ブロワを選ぶ際は、用途や使用環境に合わせて最適なタイプを選ぶことが大切です。エアーダスターと併用することで、狭い場所から広範囲まで効率よく清掃ができます。
エアーダスターの正しい使い方
エアーダスターといえば、缶入りのスプレータイプを思い浮かべる人が多いでしょう。スプレー式のエアーダスターは、家電量販店やホームセンター、ショッピングサイトなどで手軽に購入できます。家庭でも広く使われており、キーボードや家電の埃を吹き飛ばす際に便利です。
しかし、誤った使い方をすると危険を伴うことがあるため、注意が必要です。特に、使用時にはいくつかのポイントを守ることが大切です。まず、エアーダスターを逆さまにすると、内部のガスが液体の状態で噴射されることがあり、機器の故障や凍傷の原因になることがあります。ただし、逆さまで使用しても液体が出ない仕様の製品もあるため、事前に確認すると安心です。
また、可燃性のガスを含む製品が多いため、火の近くでは絶対に使用しないようにしましょう。ガスに引火すると火災につながる危険があります。さらに、使用時には必ず換気を行い、密閉された空間での使用は避けることが重要です。ガスの成分によっては、吸い込むことで体調を崩す恐れがあるため、風通しのよい場所で使うようにしてください。
このように、スプレー式のエアーダスターは使用時の注意点が多いため、職場環境によっては電動式のモデルを選ぶのも一つの方法です。
エアーダスターの種類と特徴
エアーダスターは主に、缶入りのスプレー式と電動式の2種類に分類されます。ここではそれぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
スプレー式エアーダスター
スプレー式は、一般に認知度が高いエアーダスターです。圧縮したガスを缶の中に封入しているので、ガスの力で局所的に強い風圧の風を噴射できます。
パソコンキーボードの隙間や機械の内部、窓のサッシなど人の手の届きにくい細かい場所の掃除に適しています。単価が安く、スイッチを押すだけで手軽に使え、静音性にも優れているのが利点です。
一方でガスを使用するため独特の臭いがし、ガス漏れや引火の危険性もあるのがデメリットです。また、使い捨てなので何度も購入する必要があり、その都度ゴミが出ます。スプレー缶であるため処分方法もやや面倒ですし、長期的に見るとコストや環境面でも懸念があります。
電動エアーダスター
近年はエコやコストの観点から、充電式で何度も使用できる電動エアーダスターを使用するケースも増えています。電動エアーダスターは電力で圧縮空気を噴出することで、埃やゴミを飛ばす道具で、電動工具に近いイメージです。充電式またはコードをつないで使用するので繰り返し使える上、ガスを使わないため引火の危険性もありません。
スプレー式同様、パソコンのキーボードやシュレッダーの機械内部などの掃除に使えるほか、引火の恐れがないためガスコンロなど火気がある場所の掃除にも活用できます。さらに、塗装面の乾燥、金属加工や木材加工時における粉の吹き飛ばし、洗車後の水滴飛ばし(溝などの細部)など、幅広い用途に使用可能です。
ただ、充電式の場合は使えるまでに時間がかかり、コード式は屋外での使用は困難です。またバッテリーを搭載している分かさばって重さもあり、使用時に稼働音も生じます。
家庭では音が気になる場合もありますが、業務用やオフィスでの使用では電動式がおすすめです。ただし、キーボードの掃除のみの使用など、用途によってはスプレー式で事足りる場合もあるので、ケースバイケースで使い分けましょう。
電動エアーダスターのメリット
電動エアーダスターには、スプレー式にはないいくつかのメリットがあります。そのうちの主な3点について、以下に詳しく紹介します。
連続使用できる
電動エアーダスターは、充電式かコードをつないで電源を取るため、スプレーのようになくなると買い換える必要がなく、繰り返し使用できます。
長時間連続で使用しているとパワーが落ちてくるスプレー式とは違い、風力も一定に保つことが可能です。また、中には多様なノズルが付いて用途によって替えられるタイプや、暗い場所で便利なライト付きの製品もあります。
長時間連続で利用する場合や、頻繁に使用する場合は電動エアーダスターがおすすめです。
安全性が高い
電動エアーダスターはガスを使用せず、圧縮された空気を吹き出して風を発生させるため、安全性に優れています。可燃性のガスを含まないため、火気の近くでも使用できます。
また、パソコンなどの電子機器を掃除する際、静電気の発生は故障の原因となることがあります。電動エアーダスターの中には静電気の発生を抑える設計が施されたモデルもあり、デリケートな機器のクリーニングにも適しています。
コストパフォーマンスが高い
電動エアーダスターはスプレー式に比べて本体価格が高めですが、充電や電源接続によって繰り返し使用できるため、長期的に見るとコストを抑えられます。スプレー式のように使い切るたびに買い換える必要がないため、ランニングコストがかからず経済的です。さらに、スプレー缶のような廃棄物が出ないため、環境への負担が少ないのもメリットの一つです。
電動エアーダスターの選び方
電動エアーダスターを選ぶ際は、パワーやタイプ、電源方式や連続使用時間、静音性などをチェックすることが重要です。以下にそれぞれのポイントについて詳しく解説します。
パワー(風速・風圧)で選ぶ
電動エアーダスターを選ぶ際には、風のパワーをしっかり確認することが重要です。風の強さは「風速」や「風圧」で表され、商品説明欄などでチェックできます。
風速は「○m/s」という単位で表記され、1秒間にどれだけの距離を風が移動するかを示します。この数値が大きいほど、ゴミを吹き飛ばす力が強くなります。電動エアーダスターの風速は、20m/s程度から、70m/sを超える非常に強力なモデルまで幅広く展開されています。
一方、風圧で表記されている商品もあり、「MPa(メガパスカル)」という単位が使われます。風圧は風速の2乗に比例するため、この数値が大きいほど、より強い風力を発生させることが可能です。
ただし、風速や風圧が高いほど稼働音も大きくなる傾向があるため、必ずしもパワーが強いタイプが最適とは限りません。使用する環境や掃除する対象に合わせて、適したモデルを選ぶことが大切です。また、風量を数段階で調整できるタイプもあり、用途に応じて風の強さを変えられるため、利便性を重視する場合には調整機能付きのモデルを選ぶのもおすすめです。
タイプで選ぶ
電動エアーダスターには、形状や大きさが異なるさまざまなタイプがあります。使用場所や用途に応じて適した製品を選ぶことが重要です。
フローガンタイプ
ノズルが細長く、手元のレバーで風量を調整できるタイプです。ボタン式の調整機能よりも細かい風量調整が可能で、強い風を発生させるため、洗車後の水滴を吹き飛ばす用途にも適しています。ノズルが細いため、窓のサッシや狭い隙間の清掃にも向いています。
樹脂製タイプ
金属製に比べて軽量で安価なため、扱いやすいのが特徴です。柔軟性があり、落としたり物に当てたりしても傷をつけにくいため、安全性の面でも優れています。軽さを活かして持ち運びやすく、落ち葉集めや砂飛ばしなど屋外での作業にも適しています。汎用性が高く、幅広い用途で使えるタイプです。
ミニタイプ
通常のエアーダスターよりもコンパクトで、10~15センチ程度のサイズのものもあります。小型で収納しやすく、バッグに入れて持ち運ぶのにも便利です。特に、パソコンのキーボードや精密機器などの細かい部分の清掃に適しており、デスク周りに置いても邪魔になりにくいのがメリットです。
電源の方式で選ぶ
電源の方式は主に、AC電源式と充電式の2つの種類があります。AC電源式はコンセントにつないで使用するタイプで、充電切れを気にすることなく、安定して使えるのがメリットです。ただし、コンセントがある場所しか使えず、使用範囲もコードが届くところに限られるなど、不便な面もあります。
一方、充電式はコードがない製品が多く、軽量で持ち運びやすいのがメリットです。充電はコンセントにつなぐほか、USBで充電できるものもあります。ただ、使用中に充電が切れる恐れがあるので、充電設備のない場所で使用する際は、モバイルバッテリーなどを準備した方がよいかもしれません。
また、充電式はバッテリーが経年劣化するため、AC電源式より寿命が短い傾向があります。屋内で決まった場所で使用するならAC電源式、屋外での使用や持ち運びには充電式がおすすめです。
連続使用時間で選ぶ
電動エアーダスターを選ぶ際には、連続使用時間も重要なポイントです。これはフル充電した状態でどれだけ連続稼働できるかを示しており、多くの機種は10~20分程度の連続使用が可能です。ただし、風量を段階的に調整できるモデルでは、最も弱い風量で使用すると2時間程度持続する製品もあります。
一般的に、連続使用時間はバッテリー容量に比例します。そのため、商品説明に記載されている連続使用時間だけでなく、バッテリー容量も確認するとよいでしょう。容量が大きいほど長時間使用できるため、特に屋外での作業や長時間のクリーニングを行う場合には、バッテリー容量の大きいモデルを選ぶと安心です。
静音性で選ぶ
オフィスや住宅街など、騒音に配慮が必要な環境で使用する場合は、静音性の高いモデルを選ぶことが大切です。電動エアーダスターの音の大きさは「騒音値」として商品説明に記載されており、「○dB(デシベル)」という単位で表されます。この数値が小さいほど静かに動作します。
一般的な電動エアーダスターの騒音値は90dB前後で、風量が強いモデルでは100dBを超えるものもあります。参考までに、ドライヤーの騒音値は約80dBとされており、それよりもやや大きな音がするイメージです。ただし、騒音値が70~80dB程度の比較的静音性に優れたモデルも販売されているため、音が気になる場合はそのようなタイプを選ぶとよいでしょう。
まとめ
エアーダスターとブロワはどちらも風の力でゴミを吹き飛ばす道具ですが、エアーダスターは狭い範囲をピンポイントで清掃するのに適し、ブロワは広範囲を効率的に掃除できる点が大きな違いです。
エアーダスターにはスプレー式と電動式があり、安全性や環境負荷、長期的なコストを考えると、繰り返し使える電動式が特におすすめです。風量や形状、連続使用時間などを比較し、用途や使用環境に最適なモデルを選びましょう。


