更新日:2025年2月27日
電池の種類を解説!用途に合わせた選び方やアルカリとマンガンの違いも

オフィスでもよく使用する電池ですが、種類や特徴、適切な使用方法について一般的に知られていない点は多くあります。「どの電池を選ぶべきか」「電池の液漏れはどう対処すれば良いのか」など、悩むこともあります。そこで、電池を効率的かつ経済的に使用できるよう、基本知識から選び方、長持ちさせるコツなどについて解説するので参考にしてください。
電池の基本分類と特徴
電池は大きく、一次電池(使い切り型)と二次電池(充電式)の2種類に分類されます。それぞれの特徴について解説します。
一次電池(使い切り型)の種類と特徴
一次電池は、使い切りを前提とした電池で、化学反応によって電気を生み出します。代表的なものには、アルカリ電池やマンガン電池、リチウム一次電池などがあります。
アルカリ電池は大容量と高い持続力を備えており、中~高電流を必要とする機器に最適です。DVDプレーヤーや懐中電灯、携帯ラジオなどによく使用され、長寿命であることから非常時の備蓄にも適しています。ただし、低温や高温に弱いというデメリットがあり、価格はやや高めです。
マンガン電池は手ごろな価格であることから、よく使用されています。放電性能はアルカリ電池に比べて劣るため、高負荷の機器には不向きですが、掛け時計や連続使用をしないリモコンなど、高い電力を必要としない日常的に使用する機器にぴったりです。
リチウム一次電池は高容量で、耐寒性にも優れているため、冬の屋外で使用する電気製品に適しています。また、自然放電が少ないので、長期保存にも向いています。高性能カメラやLEDライトなどに使用されることが多いですが、価格が高い点がデメリットです。
さらに、酸化銀電池は高品質で、医療機器などにも多く使用されています。高い出力と長寿命というメリットがありますが、ほかの一次電池に比べると価格が高めです。
二次電池(充電式)の種類と特徴
二次電池は繰り返し充電して使用できることから、「蓄電池」とも呼ばれます。使用には専用の充電器の購入も必要ですが、繰り返し使えるので長期的にはコストを抑えることが可能です。小まめに電池を廃棄する必要もありません。スマートフォンなどのモバイルデバイスなどに利用されています。
二次電池にはさまざまな種類がありますが、よく知られているものとして、ニッケル水素電池が挙げられます。ニッケル水素電池は大容量で、有害物質を含まず環境にやさしい点が魅力です。ポータブル電子機器やハイブリッドカーなどで広く使用されています。
リチウムイオン電池は高エネルギー密度と軽量性を兼ね備え、スマートフォンやノートパソコンでよく使われています。また、寿命が長く、低温特性にも優れているため、長時間屋外で使用することが多いデジタルカメラにも適しています。
電池の形

電池には用途によって、さまざまな形状があります。
円筒型電池
最もよく見かけるのが円筒型電池です。懐中電灯や時計、小型家電など、幅広く使用されています。一番大きいサイズが単1形で、単6形までのバリエーションがあります。
角型電池
角型電池は電気測定機器や無線機、電池自動車などでよく使われる形状です。角型電池の特長としては、円筒型電池に比べて無駄な隙間を作らず、機器に効率よく組み込むことが挙げられます。
薄型電池
直径に比べて高さが低く、「ボタン型電池」や「コイン型電池」とも呼ばれます。薄型電池の一般的なサイズは、直径1~3㎝×厚さ2~5mm程度です。薄型で軽量なため、腕時計や電卓などの小型電子機器に適しています。
【用途別】電池の選び方
電池は使用機器の特性に応じて選ぶことが重要です。選び方について解説します。
大電流機器に適した電池
デジタルカメラのような大電流を必要とする機器には、高容量のアルカリ電池やリチウムイオン電池、またはニッケル水素電池といった二次電池が最適です。
デジタルカメラやゲーム機のように液晶に画像や映像を表示する機器は、消費電力が高くなりがちです。そのため、電池がすぐに切れてしまうことがあります。しかし、高容量の電池を使用すれば、交換頻度を減らすことができ、いざ使用しようとしたときに電池切れを防ぐことができます。
低電流機器に適した電池
時計やリモコンなど、低電流で長時間使用する機器には、低価格で長持ちする電池が最適です。代表的なものとしてはアルカリ電池、マンガン電池、ニッケル水素電池が挙げられます。
アルカリ電池はやや値段が高めですが、長持ちすることからコストパフォーマンスに優れているので、低電流の機器にもよく使用されます。
マンガン電池は安価なため、日常的に使う低電流の機器によく使われています。容量は小さいものの、使用を休みながら使うことで寿命を延ばせます。リモコンなどに最適な電池です。
ニッケル水素電池は、一次電池の代わりとしても使用でき、日常的に使うリモコンや時計に適しています。再充電可能なため、よく使用する機器でコストパフォーマンスの良さを実感できます。
アルカリ電池とマンガン電池の違い
コンビニや電気店などで気軽に購入できる電池には、アルカリ電池とマンガン電池があります。オフィスで使用するために購入する際、それぞれの違いがわからず、どちらを選ぶか迷うこともあると思います。そこで、アルカリ電池とマンガン電池の価格や性能などについて詳しく解説します。
性能と価格の比較
アルカリ電池とマンガン電池で迷ったら、性能、用途、そしてコストパフォーマンスの観点から選ぶことが重要です。
アルカリ電池とマンガン電池を比較すると以下の通りです。
| 性能 | 用途 | 価格 | |
|---|---|---|---|
| アルカリ電池 | 高容量で持続力がある | パワーを必要とする機器や長時間の使用に適している | 単4形4本で約400円台(メーカー、販売店により異なる) |
| マンガン電池 | 容量は少なめで軽量。使用していない間に電圧が回復するため、断続的に使うと長持ちする | 低電流機器に適している | 単4形4本で約200円台(メーカー、販売店により異なる) |
つまり、アルカリ電池は高容量で価格が高め、マンガン電池は容量が少ないもののリーズナブルです。したがって、アルカリ電池とマンガン電池のどちらを購入するか迷った場合、これから使いたいと思っている機器の消費電力量を確認してください。また、使用頻度も考慮し、どちらの電池が経済的に有利かを考えることをおすすめします。
使用環境による選択基準
アルカリ電池もマンガン電池も推奨されている使用環境は、5~45℃と同程度です。酷寒の環境下での使用は、性能が落ちる可能性があり向いていません。
もし、厳しい低温下で使用したい場合には、上述の寒さに強いリチウム一次電池も選択肢に入れてください。また、電池は湿度も大敵です。水分が付着すると錆やショートの原因になるので、長期間、湿度の高い場所に放置するのは避けてください。
電池を長持ちさせる方法と保管方法
電池をたびたび換えるのは手間もコストもかかります。そこで、できるだけ電池を長持ちさせる方法を紹介します。
電池を長持ちさせる方法
電池を長持ちさせるためには、使用する機器や環境に応じた工夫が重要です。以下のポイントを参考に、効率的に電池を使用しましょう。
まず、電池の消耗を抑えるためには、使用しないときに機器の電源をオフにすることが重要です。液晶画面を使用する場合は、画面の明るさを暗めに設定することで消費電力を抑えられます。また、機器の「省エネモード」や「待機モード」を活用することで、さらに電力消費を削減できます。
機器に適した電池を選ぶことも、無駄な消耗を防ぐ上で重要です。例えば、リモコンのように断続的に使用する機器には、使わない間に電圧が回復する特徴を持つマンガン電池が適しており、より長持ちします。
さらに、温度管理にも注意が必要です。電池は高温や極端な低温環境下では性能が低下しやすくなります。特に高温環境では化学反応が加速し、電池の寿命が短くなる原因となります。機器の保管場所や使用環境を考慮し、適切な温度で使用するよう心がけましょう。
正しい電池の保管方法
電池は冷暗所で保管するのが望ましいとされています。直射日光を避け、10~25℃程度の環境で保管してください。高温多湿の場所に放置すると、液漏れを起こす可能性があります。一方、冷暗所といっても冷蔵庫に保管すると、結露で錆が発生しやすくなるので避けてください。
保管しておくときには、ほかの金属と接触しないよう注意が必要です。金属類と一緒に保管すると、発熱や液漏れ、破裂などの危険性があります。また、パッケージを開けてしまうと空気に触れて放電してしまうので、ラップに包んで空気に触れないようにするのもおすすめです。
電池を長時間使用しない機器に入れたままにするのも注意してください。入れっぱなしにすると電池が消耗していってしまいます。
また、取り外した電池が新品と混ざらないようにすることも重要です。うっかり新しい電池と古い電池を一緒に使ってしまうと、容量の少ない古い電池がダメージを受けて液漏れを起こす可能性が高まります。
電池を備蓄するときは、記載されている使用推奨期限もチェックしましょう。アルカリ電池の単1~4形の場合、使用推奨期限はおおよそ10年程度です。期限を過ぎても使用は可能ですが、性能が低下し液漏れを起こす場合があります。
電池のトラブルと対処法
電池のトラブルとして多いのが液漏れです。液漏れを起こす理由や、液に触れてしまった場合の対処法について解説します。
液漏れの原因と対策
液漏れは長期間使用せずに放置したり、電池が消耗しきった状態で使い続けたりすることで発生しやすくなります。また、高温環境での使用も液漏れを引き起こす要因となります。
液漏れを防ぐための対策としては、使用しないときは電池を取り外すことが大切です。長期間放置する場合、機器から電池を取り外すようにしてください。また、使用推奨期限内に電池を交換することでも防げます。保管する際は高温多湿を避けた環境を選びましょう。
もし液漏れが発生したら、液漏れした電池は速やかに取り外します。そして、液体が付着した箇所を乾いた布や綿棒で拭き取り、中性洗剤で軽く清掃してください。
液漏れが機器内部に浸透している場合、分解できる範囲で清掃し、必要ならメーカーに相談しましょう。機器への影響を最小限にするためには、定期的に電池を確認し、液漏れが起きる前に交換することが大切です。
液漏れに触れてしまった場合の対処法
電池の液漏れが体に付着した場合は、直ちに流水で十分に洗い流し、必要に応じて医師に相談してください。
アルカリ電池から漏れる電解液は強アルカリ性の水溶液であり、付着したまま放置すると化学やけどや失明のリスクがあります。万が一、目に入った場合は、きれいな水で目を洗い流し、速やかに医師の診察を受けてください。この際、目をこすることは避けましょう。マンガン電池の電解液は弱酸性ですがやはり目に入ると危険なため、こすらずに洗い流し、必要に応じて医師に相談してください。
衣服に付着した場合は、液が肌に触れないよう注意して衣服を脱ぎ、付着部分を水で十分に洗い流します。その後、通常通り洗濯を行えば問題ありません。
液漏れ電池の正しい捨て方

液漏れした電池を廃棄する際は、液が手につかないよう十分に注意してください。ビニール手袋などを使用することをおすすめします。漏れている液や、液が粉状になって付着している場合はティッシュなどで拭き取ってください。
液漏れをした電池は未使用であっても、使うことはできません。廃棄する際は、ほかの電池と同様に地域の廃棄ルールにしたがって処分します。自治体によっては、不燃ごみや有害ごみとして指定された日に回収に出せる場合があります。「ほかのごみとは分けて透明の袋に入れる」や「電池の両端を絶縁用テープで覆う」といったルールが定められていることが多いので、事前に確認しましょう。
また、自治体によっては役所や公共施設、商業施設の入り口などに専用の回収ボックスを設置している場合もあります。これらを活用することで、より安心・安全に処分が可能です。
リサイクルマークが付いている電池については、電気店でも回収している場合があるので、近くのお店で確認してください。
事業者が電池を廃棄する場合、自治体では受け付けていないことがほとんどのため、許可を持っている業者に引き取ってもらうことになります。その際も、ほかの産業廃棄物と一緒に出さない、絶縁テープを貼る、などの取り扱いについて業者に確認してください。
まとめ
電池には使い捨てのリチウム電池やマンガン電池、充電式のニッケル水素電池など、さまざまな種類があります。それぞれの電池には、使用するのに適した機器や使い方があり、電池の特性を理解しておくことで、効率的かつ経済的に選ぶことができます。オフィスでもコストを抑えながら、最も適した電池を選んでください。
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