更新日:2025年4月24日
プチプチに裏表はある?正しい梱包方法を解説

プチプチの裏表は、包装物によって使い分けた方が良い場合もあります。本記事では、プチプチの裏表の使い分け方や梱包方法、またプチプチの形態や構造、粒サイズによる違いなどを詳しく解説します。
プチプチの裏表どちらを使用するべきという決まりはない
実はプチプチには裏表の決まりがなく、凸面と平面の緩衝効果にも差はありません。ただし、包んだときの隙間のでき方や包装物の引っ掛かりやすさ、テープの留めやすさなどの違いはあります。そのため、梱包する物によってプチプチの凸面と平面の使い分けが必要です。
プチプチの裏表の向きは包装する物によって変えるのが良い
凸面を内側にするのが良いケース
気泡面を内側にするメリットは、割れ物や曲面のある物を隙間なく包める点です。食器や壺、瓶詰め商品、電球などの梱包に適しており、破損のリスクが減ります。プチプチの凸面を内側にすると、外側は平面のため、プチプチで包んだ複数の物をまとめて箱に入れたいときに、隙間なくスムーズに詰めることが可能です。
梱包物を封筒に入れる場合、外面を平らにすれば出し入れしやすくなります。さらに、精密機器など、包装物をテープでしっかり固定したい場合、平面を外側にすればテープが剥がれにくくなる点がメリットです。
凸面を外側にするのが良いケース
プチプチの気泡面を外側にすると、包装物に傷を付けるリスクを抑えられます。ガラス製品やアルミ製品、CD、DVDなど傷を付けたくない物、気泡の跡が残りやすい物を包む場合に最適です。
内側が平面であれば、気泡部分が包装物に引っ掛からず、細かな細工物などの破損を抑えられます。細かい装飾の多いフィギュアや凸凹のある精密機器などは、凸部分を外側にして梱包しましょう。
封筒型の物や紙類を包装するときも、突起部分を外側にすれば角が折れる心配がありません。凸面を外側にすると、包装物をスムーズに取り出せるメリットもあります。
プチプチの3つの形態
1. ロールタイプ

プチプチを円柱状に巻いた物を、ロールタイプと呼びます。必要な分だけカットして使えるため、どのようなサイズの物を包む場合にも対応できるのがメリットです。一般的に、ロールタイプはまとめて販売されることが多いため、単位あたりのコストを抑えやすい傾向があります。家具や家電など大きな商品を梱包する場合や、オフィスの移転などで多くの物を梱包する場合に最適です。
そのほかにも、ガラスや陶器などの壊れ物や小さな物など幅広く利用できます。なお、ロールタイプは立てたり寝かせたりして保管できますが、かさばるのは難点です。また、利用の際に毎回プチプチを梱包物に合わせてカットしなければならないため、梱包作業に手間取る可能性があります。
2. 袋タイプ
袋状のプチプチもあります。カットの手間なく使用できるため、梱包作業をスムーズに行えます。ロールタイプとは異なり、切れ端が発生せず無駄なく使用できる点もメリットです。さらに、テープの切り貼り作業をする必要性も少なく、見た目がすっきりと仕上がります。
袋タイプはサイズ展開も豊富で、はがきサイズや用紙サイズなどさまざまな大きさが揃っています。包装する物に合わせて適切なサイズを選べば、商品が動いて破損するリスクを抑えられます。また、酒類などのボトル商品を入れるのに適した、マチ付きの袋タイプもあります。
袋タイプのプチプチは、アクセサリーやCD、DVDなど比較的小さい物を包装するのに向いています。また、小型の物を多数包装する必要があり、短時間で効率よく作業を済ませたい場合に最適です。ただし、家具や家電などを、大型製品の梱包に対応できるサイズはないため、注意が必要です。
3. シートタイプ

規定サイズでカットされたシート状の物が、シートタイプです。サイズのバリエーションが豊富で、包装する物のサイズに合った物を選べば、カット不要で梱包作業がスムーズにできます。規定サイズの中に適したサイズがないときは、オーダーメイドに対応してもらえる場合もあります。食器やガラス製品など、プチプチを商品に密着させたいときには、シートタイプが最適です。
さらに、袋タイプでは包装が難しいような、厚みのある商品への利用にも適しています。ただし、包装する物にぴったりのサイズがなく、大きめの物を購入した場合に、カットする手間や余りが無駄になる点はデメリットです。また、包装する物によってはテープで固定する必要があり、多くの物を梱包するときにはビニールテープやセロハンテープなどで留める手間がかかります。
プチプチの粒の構造(2層式・3層式)による違い

2層式(片面タイプ)
2層式は、気泡面と平面が裏表となっている、一般的に出回っているタイプのプチプチです。2枚のポリエチレン膜内に空気を入れ、気泡を形成しています。シート全体に柔軟性があり、包装しやすいのがメリットです。幅広いシーンで利用でき、比較的低価格なため、費用を抑えて手軽に緩衝性を高めることができます。
3層式(両面タイプ)
3層式は、裏も表も平面となっているタイプです。2層式タイプの凸面に、1枚ポリエチレン膜を追加した形状です。2層式より強度が高く、重い物の包装に適しています。さらに、突き刺しに強く、尖った物や角張った物の梱包にも最適です。粒が表に出ておらず潰れにくいのが特徴で、繰り返し利用できます。
また、裏表どちらも平面のため、包装の際に引っ掛かって商品が破損する心配がなく、出し入れもスムーズです。両面がツルツルした平面のため、裏表を気にせず梱包でき、テープを使ってしっかりと梱包できます。
プチプチの粒のサイズによる違い
プチプチの粒のサイズは小粒から特大粒まであり、それぞれ特徴が異なります。
小粒
直径が7mm程度で、高さが2.5mm程度の粒の物が小粒です。柔らかく使用しやすいですが、強度は多少劣ります。薄くてかさばらないため、小さな物の包装に向いており、コンパクトな梱包が可能です。
中粒
中粒は直径10mm程度、高さ3.5mm程度です。最も一般的なサイズで、小さな物から大きな物まで幅広く使用できます。扱いやすさと強度のバランスに優れているサイズです。
大粒
大粒は直径20mm程度、高さ8mm程度です。空気の層に厚みがあり、少ない量でも緩衝効果は高くなります。
特大粒
特大粒は直径32mm程度、高さ13mm程度です。粒はかなり大きく、かさ増しに向いています。箱の隙間の補填にも最適です。
プチプチを使用する正しい梱包方法
プチプチは、使い方によっては、緩衝効果が薄れてしまう場合があります。効果的に使うために、以下4つのポイントを意識しましょう。
平面部を上にしてカットする
カットする際、気泡面が上の場合、切りにくいだけでなく気泡部分を切ってしまう恐れがあります。気泡部分が切れると、中の空気が抜け緩衝効果が落ちてしまうため注意が必要です。プチプチを切る際は、平面を上にすれば気泡部分を避けながらカットでき、プチプチの緩衝効果を最大限に活かせます。さらに、真っ直ぐ切ることもでき、梱包後の見栄えが良くなります。
なお、プチプチは、包装する物よりひと回り大きめに切るのがポイントです。包装する物を真ん中に置き、包んだときに1〜2cm程度重なるくらいのサイズにカットしてください。サイズが適切でないと包装の厚みに差が出てしまい、薄い部分に破損リスクが生じ、梱包後の見た目も良くありません。また、あまりにも大きくカットすると、荷解きに手間がかかるため注意しましょう。
包装する物によって裏表を使い分ける
先述した通り、プチプチには裏表の決まりはありませんが、包装する物の形状や材質によって使い分けなければなりません。2層式(片面タイプ)の場合、凸面は外部からの衝撃を吸収する効果が高いため、瓶や壺など割れやすい物を包装する際は、凸面を内側にします。また、ボールなど曲面のある物も、凸面を内側にした方が隙間なく包めます。
ただし、割れ物の中でも、材質が柔らかい物を包む際は注意が必要です。凸面を内側にして包装すると、気泡の跡が製品に付くことがあります。跡を付けたくない場合、凸面を外側にした方が無難です。
平面部であれば、包装する物を傷つけにくいため、アクセサリーやフィギュアなど、装飾がある物は平面を内側にして包装するのがおすすめです。凸面を内側にしてしまうと、まれに気泡が引っ掛かって破損する恐れがあるため注意してください。また、本や紙類、箱など、折れやすい物や潰れやすい物も平面を内側にしましょう。アルミやメッキ製品なども跡が付きやすいため、凸部分を外側にするのがおすすめです。
プチプチはテープでしっかりと固定する
プチプチで包んだ後は、ほとんどの場合テープで留める必要があります。しっかりと固定することで、輸送中のズレや破損が防げるため、テープは粘着力の強い物を選んでください。おすすめはビニール製のテープです。プチプチの材料であるポリエチレンに対して、特に高い粘着力を発揮します。なお、テープで留める際は、包装する物とプチプチを隙間なく密着させます。
一方、養生テープやマスキングテープなどは、粘着力が弱く、しっかりと固定する物には向いていません。ただし、手で切りやすく作業効率が上がるメリットもあり、剥がしやすくテープの跡が残りにくいため、プチプチを再利用する可能性があるときには適しています。
梱包箱自体の隙間も無くす
プチプチで包装しても、それを詰める箱の中に隙間があると商品が破損する恐れがあります。破損のリスクを減らすため、プチプチで隙間を埋めましょう。梱包箱内の隙間を無くすことで、より安全に包装物を輸送できます。
隙間を埋めるのには、特大粒のプチプチが最適です。小粒の物を選ぶと多くのプチプチが必要となり、費用が嵩む可能性があります。隙間を埋める際は、プチプチを折り曲げたり丸めたりして詰めてください。なお、隙間が広く、多くのプチプチが必要となる場合は、新聞紙や不要なタオルなどほかの物を緩衝材として使用するのもおすすめです。新聞紙を使用する際は、適切な大きさにちぎり、空気を含ませて軽く丸めて隙間に詰めます。
箱に詰めた商品に新聞紙のインクやにおいが移るのを避けたい場合は、新聞紙をビニール袋に入れた物を使用しましょう。不要なタオルを活用する際は、畳んだり丸めたりして隙間に詰めます。ただし、新聞紙や不要なタオルを使用すると、清潔感がない点はデメリットです。見た目を良くしたいときは、プチプチの利用が適しているため、送り先や状況に適した方法で、梱包してください。
ところでプチプチの正式名称とは?
「プチプチ」という名称は、川上産業株式会社の登録商標です。実は、発売しはじめた頃は「エア・バック」という名称でしたが、「プチプチと潰す緩衝材」と説明することが多かったため、プチプチという名称に変更となったとのことです。
プチプチの正式名称は、「気泡緩衝材」ですが、気泡緩衝材はメーカーごとに呼称が異なります。
酒井化学工業株式会社の場合、「エアーキャップ」と「ミナパック」です。株式会社JSPは、「キャプロン」という呼称で気泡緩衝材を販売しています。株式会社和泉の「エアセルマット」や、もりや産業株式会社の「エコロガード」などもあります。そのほか「エアークッション」や「エアマット」「エアパッキン」「緩衝材」なども気泡緩衝材の呼称です。
オフィス移転や製品発送時はプチプチを上手く活用しよう
プチプチは、オフィスの移転時や製品の発送時に役立ちます。移転時に家電を運ぶ際は、ディスプレイ表面や角などにプチプチを巻いておくと良いでしょう。電源プラグやリモコンなど、細かな物をまとめておくのにも使えます。
移転で運び出す机や椅子などの家具に角があれば、プチプチで保護します。食器類がある場合、袋タイプを利用すれば作業がスムーズです。一方、顧客に製品を発送する際にプチプチを利用する場合、輸送中の破損に細心の注意を払わなければなりません。発送する製品に適切なプチプチを選び、破損を防ぎましょう。
まとめ
プチプチに裏表の決まりはありませんが、梱包する物により、使い分ける必要があります。基本的に、割れやすい物や曲面のある物には凸面を内側にして使用します。装飾などがあり破損しやすい物や、跡が付くのを避けたい物には平面を内側にして使用してください。プチプチを上手に使い、正しい梱包で製品を守りましょう。
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