更新日:2025年1月30日
キーボードの掃除方法とは?使えるグッズとともに掃除の手順を紹介

日々手が触れるキーボードの汚れが気になる方は多いはずです。しかし、水濡れNGの精密機器なので丸洗いするわけにもいかず、どうやって掃除すべきかと悩む方もいるでしょう。そこで本記事では、キーボードの掃除方法と、キーボードの掃除に役立つグッズを紹介します。
キーボードの掃除が必要な理由とは?

キーボードが目に見えて汚れることは少ないので、「そもそも掃除する必要があるのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、見えづらいだけで実際にはかなり汚れていることも多いため、キーボードの掃除は必須です。
素手で長時間触れるキーボードの表面は、皮脂や手汗、飲食物などによる汚れが付着しています。さらにその汚れをエサに雑菌が繁殖し、便器の数百倍まで増えることもあるとされています。
また、キートップの隙間に細かなゴミやホコリが入り込んで接触不良を起こし、反応が悪くなることも少なくありません。最悪の場合、内部に入り込んだ汚れがもとで故障するリスクもあるため、定期的に掃除することが大切です。
キーボードの掃除に使えるグッズ
キーボードを掃除する必要性は把握できたものの、何を使って掃除すればよいのかわからない方もいるはずです。そこで、掃除に役立つグッズを紹介します。
キートップを取り外せるキーボードの場合
デスクトップパソコンのキーボードは、主に「メカニカル式」「静電容量無接点方式」「メンブレン式」に分類されます。
このうち「メカニカル式」と「静電容量無接点方式」はキートップが外せます。キートップが外せる場合、下記の掃除グッズを用意しましょう。
- キープラー(キートップを外すための工具)
- キーボードブラシ
- 中性洗剤
- ノンアルコールタイプのウェットティッシュ
- 綿棒 など
キープラー付きのキーボードもあるので、職場のどこかに保管されていないかチェックしてみましょう。
キートップの取り外しが難しいキーボードの場合
先で紹介したデスクトップパソコンの「メンブレン式」や、ノートパソコン(ラップトップパソコン)の「パンタグラフ式」はキートップの取り外しが困難です。不可能なわけではありませんが、再組み立てに苦労します。
無理にキートップを外すよりも、下記のグッズを使って掃除しましょう。
- キーボードブラシ
- ノンアルコールタイプのウェットティッシュ
- 綿棒
- エアダスター
隙間に入り込んだ汚れを吸着するクリーニングゲルを使うのもおすすめです。
「メカニカル式」「静電容量無接点方式」など分解できるキーボードの掃除方法

ここからは、具体的な掃除方法を解説します。まずはキートップが外せるタイプの掃除手順から確認しましょう。
1. PCの電源・キーボードの電源をオフにする
作業開始前に、必ずパソコンとキーボードの電源をオフにしましょう。通電したまま掃除すると、故障する恐れがあります。有線の場合はパソコンからケーブルを抜いておくと安心です。また、この後キートップを外しますが、再組み立ての際に正しい位置がわからなくなる場合があります。後で位置を確認できるように写真を撮っておきましょう。
2. キートップを外す
確実に電源をオフにしたら、次にキープラーを使ってキートップを外します。キープラーを真っ直ぐ上に引き上げるよう意識すると、スムーズに外れるはずです。
一度に全てのキートップを外すと紛失しやすくなる上に、再組み立ての際に大量のキートップの中から該当のものを見つけ出すのに苦労する可能性があります。「テンキー部分→右手領域→左手領域……」のようにエリアを分け、部分的に進めるのがおすすめです。
3. キートップ自体の汚れを除去する
キートップを外したら、キートップ自体の汚れを除去しましょう。ノンアルコールタイプのウェットティッシュや、中性洗剤入りの水に浸した柔らかい布などで拭けばきれいになるはずです。ゴシゴシと強くこすると塗料が剥げてしまう場合があるので、やさしく拭き取りましょう。
汚れがひどく拭いてもなかなか取れないときは、中性洗剤を希釈した水に浸すなどして丸洗いしても問題ありません。この場合もガチャガチャと擦り洗いはせず、やさしく丁寧に洗いましょう。
なお、水道水には塩素やミネラルが含まれており、拭き取った後に白っぽい跡が残ることがあります。安全面に問題はないとされていますが、気になる場合は精製水のような余計な成分が含まれていない水を使いましょう。
4. キーボード内部を掃除する
続いて、キートップが外れた状態のまま、内部を掃除します。ノンアルコールタイプのウェットティッシュやキーボードブラシ、綿棒などを使って、内部に溜まったゴミやホコリ、汚れをやさしく除去しましょう。
5. 乾燥後に組み立てる
掃除手順の3~4でキートップやキーボードが濡れた場合は、完全に乾くまで再組み立てはせずに待ちましょう。水分が残ったまま再組み立てすると、内部に水が入り込んで故障する恐れがあります。
キートップやキーボード内部は凹凸が多いため、タオルなどでしっかり拭き上げたつもりでも水分が残っていることがあります。乾燥時間は長めに取った方が安心です。
全体がしっかりと乾き切ったら、手順1で撮影した写真を参照しつつ再組み立てしましょう。これで掃除完了です。
「パンタグラフ式」や「メンブレン式」など分解が難しいキーボードの掃除方法
続いて、キートップを外して分解するのが難しいタイプのキーボードの掃除手順を紹介します。
1. ノートパソコンの電源をオフにする
分解NGタイプのキーボードを掃除するときも、まずは電源をオフにすることからはじめましょう。ノートパソコンの場合は本体の電源を落とします。メンブレン式の場合は、パソコンとキーボードそれぞれの電源をオフにしてください。
2. キーボード表面の皮脂汚れなどを拭き取る
確実に電源をオフにしたら、次に表面に付いた皮脂汚れや飲食物による汚れなどを、ノンアルコールタイプのウェットティッシュで拭き取りましょう。
このとき、細かなゴミやホコリがキーの隙間に入らないように注意します。また、力を入れ過ぎると表面が傷んだり内部にウェットティッシュの水分が入り込んだりする場合があるので、やさしく拭き上げましょう。
3. キーボードの隙間の汚れ・ゴミを取り除く
続いて、キーボードブラシなどを使って、隙間のゴミや汚れなどを細かく除去しましょう。目に見える範囲のゴミや汚れが除去できたら、エアダスターでホコリを吹き飛ばします。ゴミを取る前にエアダスターを使うと、キーボード内部にゴミを押し込んでしまう可能性があるので、先にゴミを除去してから使用しましょう。
クリーニングゲルを使用するのもよいですが、グイグイと強い力で押し付けると隙間にゲルが入り込んでしまう場合があります。「メカニカル式」や「静電容量無接点方式」とは異なりキートップが外せないため、ゲルが内部に入り込むと取るのが大変です。
もし完全に除去できないくらいまで入り込んでしまった場合、故障するリスクがあります。クリーニングゲルを使用する場合は力加減に注意し、内部に入り込まないようにしましょう。
キーボードを掃除する際の注意点
キーボードを掃除する際に、注意すべきことがいくつかあります。ここで紹介する内容を守らないと劣化や故障につながるため、掃除をはじめる前に確認しておきましょう。
漂白剤を使用しない
ホワイトなど淡い色のキーボードは、長く使っているとシミや黄ばみが目立つ場合があります。このとき漂白剤を使いたくなる方もいるかもしれませんが、漂白剤はプラスチック素材を劣化させる恐れがあります。さらにキートップの文字が消えてしまうこともあるので、漂白剤は使わないようにしましょう。
また、酸性洗剤やアルカリ性洗剤を使用すると、表面が溶けて傷んだり金属が腐食してしまったりする場合があります。キートップを丸洗いする際などに洗剤を使う場合は、中性洗剤を選びましょう。
アルコールなどを使用しない
キーボードを除菌するために、アルコール入りのウェットティッシュやエタノールなどで拭きたいと思う方もいるかもしれません。しかし、アルコールの使用が想定されていない製品が多く、アルコールを使うと表面が劣化したり色落ちしたりする場合があります。
キートップの印字が消える可能性もあるので、掃除の際にはアルコール成分の入っていないウェットティッシュや中性洗剤を薄めた水に浸した布を使いましょう。また、布を使用する場合は、色が付いていない無地のものを選ぶのがおすすめです。色柄物だと濡らしたときに色落ちして、拭いた部分に色が移る場合があります。
分解掃除は、メーカー保証の対象外になる場合がある
「メカニカル式」や「静電容量無接点方式」の製品は分解して掃除できますが、分解したことが原因で不具合が起きた場合はメーカー保証が受けられなくなる場合があります。特に内部の基盤が露出するくらいまで分解した場合は、メーカー保証の対象外になる可能性が高いので注意が必要です。
例えばパソコンの周辺機器メーカーであるLOGICOOLは、「許可なく修理・変更・分解などを行い生じた問題や損傷は保証しない」としています。キートップを外すだけなら、それほど複雑な作業ではありません。しかし、うまく再組み立てできなかった場合や、作業中にうっかり傷を付けて不具合が起こった場合には、保証なしで修理に出すか買い直しになる恐れがあります。
手順を確認した上で「難しそう」と感じた場合は、無理をせずにキーボードブラシやエアダスター、ウェットティッシュなどを使って掃除しましょう。汚れを放置し続けると不具合が出たり故障しやすくなったりするので、長く使い続けるためにも定期的に掃除してきれいな状態を維持することが大切です。
なお、メーカー保証には保証期間が設定されており、期間を過ぎると分解などをしていなくても保証が受けられなくなります。メーカー保証の期間はメーカーによって異なるので、保証書などで確認しましょう。
まとめ
汚れが目立ちにくいキーボードですが、実は想像以上に汚れており、雑菌が繁殖することもあります。また、放置した汚れが内部に入り込み、不具合が起きたり故障したりする場合もあります。キートップを外して掃除できる製品もありますが、基本的にはノンアルコールタイプのウェットティッシュやキーボードブラシなどで掃除するだけでも問題ありません。汚れを放置せずに、定期的に掃除するようにしましょう。
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