更新日:2024年12月26日
冬も安心・安全に!常備したい凍結防止グッズ・雪対策グッズ

企業には、自然災害が発生した際に従業員の安全を確保し、必要な配慮を行う義務があります。突然の大雪が発生した場合にも慌てず、従業員の安全確保と、事故や怪我を防止するため、必要なグッズを用意しておきましょう。
この記事では、冬本番を迎える前に企業として必要な備えを確保したい企業の担当者に向けて、あると便利な凍結防止グッズや雪対策グッズを紹介します。
凍結や雪には備えが必要!
比較的温暖な地域に住む人は、大雪や凍結の発生に慣れていません。災害級の大雪が突然発生した場合、適切に対処できず、大混乱につながるリスクがあります。
災害級の大雪が発生した日には、公共交通機関がストップする・道路の一部が閉鎖されるなどのトラブルが起こることも珍しくありません。タイヤチェーンの常備といった自動車における雪対策がなされていないことも多く、大雪の日には視界不良となるため、自動車通勤している従業員が交通事故に遭う可能性も高まります。
真冬の大寒波は、いつ来るかの完璧な予測が不可能です。天気予報を見てから必要なグッズをそろえようとしても間に合わない可能性が高いことから、前もって十分な準備を行い、雪の季節に備えましょう。
備えておきたい凍結防止グッズ・雪対策グッズ
企業として備えておきたい冬の備えは、駐車場や社用車に関する凍結防止・雪対策グッズと、オフィスに常備したい寒さ対策アイテムに分類できます。自社にとっては何が必要かをよく検討し必要なグッズ・アイテムをそろえ、寒波の到来に備えましょう。
駐車場の凍結防止グッズ・雪対策グッズ

全国では、凍結・積雪した企業の敷地内で足を滑らせ、転倒する事故が多数発生しています。真冬の夜勤中に事故が発生した場合、ほかの従業員がすぐに気づけるとは限りません。事故の発生から発見までに時間がかかると命に関わる危険もあるため、凍結防止対策を取り、トラブルを防ぐことが重要です。
以下では、駐車場の凍結防止対策や社用車の安全管理対策として活用できるグッズを紹介します。
凍結防止剤
凍結防止剤は、オフィスの駐車場・玄関などの凍結防止対策として使用する薬剤です。多くの凍結防止剤は、塩化カルシウムでできています。塩化カルシウムには水に溶けて発熱し、凝固点(水が氷に変化する温度)を大幅に下げる働きがあるためです。
雪予報が出た段階で凍結防止剤を散布すると地面にある水分が凍りにくくなり、凍結を防止できます。凍結防止剤は、雪の影響で駐車場や玄関などが濡れているとき、気温の低下による凍結を防止するための手段として活用も可能です。市販の凍結防止剤の中には、融雪剤としても使用できる商品もあります。塩化カルシウムが原料の融雪剤は即効性が高く、素早く雪を溶かしたい場合に便利です。
融雪剤
積もった雪を素早く溶かして事故を防止したいときには、融雪剤を活用しましょう。融雪剤は主な成分により、塩化ナトリウムタイプ・塩化マグネシウムタイプ・塩化カルシウムタイプの3種類に分類できます。
塩化ナトリウムとはいわゆる「食塩」で、塩化ナトリウムタイプの融雪剤を活用すると、凝固点を最大約-20度まで下げることが可能です。塩化マグネシウムはいわゆる「にがり」の主成分にあたり、塩化マグネシウムタイプの融雪剤を活用すると、凝固点を最大約-30度まで下げられます。塩化カルシウムは、凍結防止剤にも配合されている成分です。塩化カルシウムタイプの融雪剤を活用すると、凝固点を最大約-50度まで下げられます。
雪かきスコップ・シャベル
駐車場や玄関などへ積もった雪に融雪剤を散布しても、すぐに溶けないことがあります。そこで、積もった雪を細かく砕き、邪魔にならない場所へ移動したいときには、雪かきスコップやシャベルがあると便利です。
雪かきスコップには主に、先端が尖った「鋭角スコップ」と四角い形状の「角型スコップ」があります。鋭角スコップは非常に固く締まった雪を切り崩すとき、角型スコップはやや固い雪を切り分けるときに使用するスコップです。少量で柔らかい雪を扱う際には、プラスチック製の軽いシャベルが役立ちます。
スノースクレーパー・スノーブラシ
社用車のルーフに積もった雪を下ろさずに走行すると、ブレーキをかけたときにフロントガラスへ滑り落ちてきて視界不良を招くリスクがあります。従業員の安全な走行を後押しするためには、ルーフの雪下ろし専用グッズ「スノーブラシ」を用意しておきましょう。
ルーフに積もるほど雪が降っているときには、フロントガラスが凍結してしまう恐れもあります。フロントガラスへ付着した氷を素早く取り除きたい場面に備えて、スノースクレーパーを用意しておきましょう。
スノースクレーパー・スノーブラシの両方を用意する場合、いずれの用途にも使用できる兼用タイプを購入する方法もあります。
解氷スプレー
フロントガラスの凍結を素早く解消したいときには、解氷スプレーを使用する方法もあります。解氷スプレーとは、エタノールやアルコール類の配合されたスプレーを噴射して、凍結を解消するグッズです。フロントガラスの凍結対策として専用カバーを用意する方法もあるものの、解氷スプレーを活用した方が通常、必要コストは安くすみます。
凍結防止カバー
社用車の台数が少ない企業では、台数分のフロントガラス用の凍結防止カバーを購入して雪対策する方法も一案です。凍結防止カバーを活用すると、解氷スプレーやスノースクレーパーで氷を取り除く作業の手間がかかりません。連日雪が降ったときには、従業員の負担を大幅に軽減できます。
凍結防止カバーにはさまざまな便利機能が搭載されていることも多く、商品選びを工夫すれば、雪の季節以外も活用が可能です。例えば、UVカット機能を搭載した遮光カバーは、夏場の車内の日焼け対策としても活用できます。
車載防災セット
駐車場や社用車用のグッズは事務所や倉庫に常備するのみではなく、車載防災セットとして各車に搭載しておくとより安心です。例えば、営業回りしていて突然大雪になった場合でも、携帯シャベルがあれば、マフラーやタイヤ周りの雪を移動できます。社用車で泊まりがけの出張に出かけて雪予報に気づいたときに凍結防止剤を使用すると、立ち往生になるリスクの回避も可能です。社用車ごとに一式そろえる手間を負担に感じる場合は、必要なグッズがセット販売されている商品を購入しましょう。
オフィスでの凍結防止グッズ・雪対策グッズ

業務中に大雪が発生した際には交通が麻痺する状況も想定して、従業員の早期帰宅を促すなどの措置を取る必要があります。帰宅のチャンスを逃してオフィスに残された従業員の安全を確保するためには、寒さ対策グッズを用意しておくと安心です。以下では、オフィスの寒さ対策や帰宅難民になった従業員の安全管理に役立つグッズを紹介します。
気泡緩衝材
外部気温がマイナス4度以下になると、凍結によって水道管が破裂したり水を使用できなくなったりする恐れがあります。
参照:岸和田市「水道管の凍結を予防しましょう」
水道管が破裂すると漏水してオフィスや事務所が水浸しになるリスクもあることから、凍結防止対策を取りましょう。簡単に実践できる水道管の凍結防止対策としては、水道管に布やプチプチなどの気泡緩衝材を巻いて保温する方法があります。雪に対する備えとして気泡緩衝材を常備しておくと、緊急事態が生じた際に窓へ貼り、断熱効果を狙うことも可能です。
カイロ
オフィス内の冷えがひどく、一時的に身体を温めたい場合、使い捨てカイロがあると役立ちます。使い捨てカイロを以下の場所に貼ると、効率的に身体を温められるといわれているからです。
- 首
- 背中
- お腹
- 腰
- 足
使い捨てカイロは、大雪による停電が発生した際の寒さ対策としても活躍します。長期保存できる使い捨てカイロは、大雪以外の災害備蓄用としても便利です。
石油ストーブ
雪の重さでオフィス周辺の電線が切れると、停電する恐れもあります。停電が発生すると暖房機器を使用できない状況になるため、電気以外の手段で室内を温めるグッズとして、石油ストーブを用意しましょう。
雪対策として石油ストーブを用意する場合、燃料として使用する灯油も買い置きする必要があります。一般的なポリタンクで灯油を保管すると多くの場合、1年程度で劣化します。石油ストーブ用の灯油はできる限り、シーズンごとに買い替えましょう。また、石油ストーブで室内を温める方法には、火災リスクが伴います。使用法を誤ると火災リスクがより高まるため、従業員には普段から事故防止対策を伝えておくと安心です。
まとめ
災害級の大雪が発生した際に従業員の安全を守るためには、必要な凍結防止グッズや寒さ対策グッズを見直して冬本番が来る前に購入し、備蓄する必要があります。社用車を使用してビジネスを行う企業では安全な走行を後押しするためのグッズも準備して、万全の体制で大雪に備えてください。
<参考>


