更新日:2025年3月27日
プラダンの特徴や用途は?メリット・デメリットやお得に購入する方法も解説

プラダンは紙製のダンボールと比べて、耐久性・耐水性・耐薬品性などに優れているので、業務用から家庭用まで幅広く使われています。本記事ではプラダンの特徴やメリット・デメリットなどを解説します。また、お得に購入する方法も紹介していますので、業務用で購入する必要のある方は参考にしてください。
プラダンとは「プラスチックダンボール」の略称
「プラスチックダンボール」を略して、「プラダン」と呼びます。見た目はダンボールと同じ中空構造ですが、主にプラスチックの一種であるポリプロピレン(PP)を使って作られた、板状の素材です。
ダンボールのようにクッション性がある上、プラスチックでできているため耐久性や耐水性、耐薬品性も優れています。また、中に空洞の部分があるので軽量で、紙のダンボールに比べて劣化が少ないため、何度でも繰り返し使えるのが特長です。
プラダンの基本構造と特徴
中空構造になっている
プラダンは、紙のダンボールと同様、中空構造になっています。中空構造とは、中芯(リブ)を2枚の表層(ライナー)で挟んだものです。ダンボールの中芯が波形なのに対し、プラダンの中芯は直線的な柱が等間隔に並んでいるところが異なります。この違いは製法の違いによるものです。
紙製のダンボールは元々リブとライナーが分離しており、糊で貼り合わせて作られているのに対し、プラダンは溶けたプラスチックを型に流し込み、ところてんのように押し出す「一体押出成形」で造られています。ライナーとリブが一体であるため、ライナーだけが剥がれる心配はありません。
そのため紙のダンボールより衝撃に強く、強度も高い利点があり、その緩衝性を活かして養生や梱包材に用いられることがあります。さらに中に空気が入る中空構造により、断熱性も高められます。その特性を活かして、冬に窓に貼り付けて断熱材として利用する人もいます。ポリプロピレンの熱伝導率はガラスと比較すると3分の1程度しかありません。ガラスに比べ高い断熱性があるため、高い保温性を期待できます。
またリブの中で音を反射し吸収するため、遮音性もあります。壁や窓に貼り付けることで、簡易の防音対策にもなります。
軽量で耐久性が高い
プラダンの原料となっているポリプロピレンは比重の小さいプラスチックで、水に浮くほど軽量です。加えて中空構造でもあることから、軽くて女性の作業員でも容易に運搬できます。
また、耐久性に優れているのもポイントです。プラダンの耐久性は紙ダンボールの数十倍とも言われています。加えて、どのぐらい折ったり曲げたりすればちぎれるかを示す「ヒンジ耐性」も高いです。プラダンのヒンジ耐性は、製品や使用状況にもよりますが、20万回以上とされています。
さらに強度を高めた9mm以上の厚手のプラダンなら、ベニヤ板の代わりとして建材などにも活用可能です。厚手のプラダンの中にはタルクという無機鉱物を入れて剛性を高めたものもあります。中重量物コンテナやトラックの床材、棚板や看板などに使われています。
紙のダンボールはヒンジ耐性が低く、濡れると使えなくなってしまう可能性がありますが、プラダンは何度でも使えるためコストパフォーマンスにも優れています。
プラダンの主な用途
プラダンは物流や工事現場、オフィスなどでさまざまな用途に使われています。
運搬・輸送用の梱包箱
プラダンは軽量で耐衝撃性も高いため、運搬や輸送用の梱包資材、梱包箱として広く利用されています。また、引越しなどの際に使うハンガーボックスや、拠点間の輸送に使う通い箱、コンテナにも適した素材です。
丈夫なプラダンで梱包することで、輸送時の衝撃を和らげ、中の荷物をしっかり保護できます。そのままでも高い耐久性がありますが、フレームやコーナーといった補強パーツを取り付ければ、さらに安心です。
耐水性や耐油性、耐薬品性も高いことから、食品や医薬品、薬品や溶剤といった扱いが難しい内容物の輸送にも適しています。
収納棚・保管箱
プラダンは切断や折り曲げなどの加工がしやすいため、さまざまなサイズの収納棚や保管箱を作成できます。軽量で強度があるため、家庭用から業務用まで幅広い用途に活用可能です。
紙のダンボールよりも劣化しにくいため、長期保管したい書類の収納などにも適しています。帯電防止プラダンや、カーボン入り導電プラダンを使った収納箱なら、静電気の発生を防いだり、逃がしたりできるため、電子機器や精密機器の保存にも適しています。
養生・保護材

引越しや建築の現場では、プラダンは養生や保護材としてもよく使われています。軽量でカットしやすいため、どんな大きさや形状のものにもフィットさせられるのが利点です。
加えて中空構造でクッション性が高く強度もあるので、大型家具や建材などを運ぶ際、壁や床に養生をしておけば建物を傷付けずに済みます。また、電化製品や精密機械など壊れやすいものを保護するにも適しています。
看板・展示物

プラダンは風雨で劣化しにくいため、看板や展示物にも適しています。屋外での選挙や建設現場の看板、展示会の広告パネルなどに使われているのを、見かけることも多いのではないでしょうか。
カラーバリエーションが豊富で、カットや印刷、穴開けなどの加工がしやすいことも、看板や展示物に使いやすい理由のひとつです。プラダンを使った看板は発色が綺麗で人目に付きやすく、木材に比べて色剥げやささくれが少ない利点もあります。
DIY
プラダンは特別な道具を使わなくても、カッターナイフで容易にカットでき、素手で曲げられます。専門家でなくても扱いやすいため、DIYの材料として使われています。
収納棚や収納ボックス、目隠しや窓の遮光・断熱など、アイデア次第でさまざまな用途に活用可能です。カラーバリエーションが豊富なので素材をそのまま活かしてもいいですが、木目調のリメイクシートやマスキングテープなども併用すれば、おしゃれなインテリアに仕上げられます。プラダンを収納の仕切りとして使えば、細かい部品や小物、書類などもすっきり整理できます。
プラダンのメリット
プラダンには紙のダンボールにはないさまざまなメリットがあります。
二次加工がしやすい
プラダンは丈夫な素材でありながら、二次加工がしやすいのが大きなメリットのひとつです。専門的な機械を使わなくてもカッターナイフで切断でき、折り曲げなども容易で、多様な形状に加工できます。また、専門の道具を使えば穴開けや打ち抜き、鋲(びょう)による連結なども可能です。
加えて、熱や超音波による溶着も可能です。溶着すれば強度を保ったまま異なるプラダンどうしを接着できるため、デザインや加工の幅が広がります。
耐水性・耐油性に優れている
プラダンの原料であるポリプロピレンは、耐水性・耐油性に優れているという特徴があります。紙製のダンボールは一度でも濡れたり汚れたりすると、たとえ乾いたとしても変形したり、強度が低下する可能性があります。
一方、ポリプロピレンでできたプラダンなら、水や油がかかったとしても、拭き取れば元通りで劣化することもありません。
そのため、雨風にさらされる屋外や湿気の多い場所、水回りでも安心して使用できます。また、液体や機械油などを扱う工場や倉庫での使用にも適しています。
耐薬品性が高い
プラダンは水や油に強いだけでなく、酸性やアルカリ性の化学薬品、溶剤などに対しても耐性があります。特にアルカリ性には高い耐性を誇っており、プラダンの箱や梱包資材は薬品・溶剤の運搬に重宝します。化学工場や実験室など、薬品や溶剤を扱う場所での保管容器にもおすすめです。
酸性やアルカリ性に強い特性により、洗浄剤を使った洗浄や消毒も可能です。そのため、衛生管理が厳しい医療現場や、食品を扱う場所での使用にも適しています。
リサイクル・リユースできる
紙のダンボールは一度使うと破れたり劣化したりする場合があります。特にガムテープなどを貼ればその部分が剥がれてしまうため、多くてもリユースは数度に限られるでしょう。一方、プラダンはテープなども綺麗に剥がせて、汚れても拭き取れば元通りになるので、何度もリユースが可能です。
また、プラダンはポリプロピレンのみの単一素材からできていることが多いため、リサイクルも容易です。ポリプロピレンのリサイクル方法は主に2つあります。粉砕したり溶解したりして新たなプラスチック製品を製造する「マテリアルリサイクル」と、プラスチックを化学処理して原料に戻し、化学原料として再利用する「ケミカルリサイクル」です。
さらに、焼却時に有毒ガスを発生させないため、焼却した際の熱エネルギーを発電や燃料として再利用する「サーマルリサイクル」にも適しています。さまざまなリサイクルが可能なプラダンは、環境面にも優しい素材と言えるでしょう。
プラダンのデメリット
耐久性が高く、加工もしやすいプラダンですが、いくつかデメリットもあります。以下に主な3つのデメリットを紹介します。
紙製ダンボールより初期費用がかかる
プラダンは紙製ダンボールより初期費用がかさみます。プラダンと紙製ダンボールの単価を比較すると、同じサイズであればプラダンの単価は紙製の5~10倍程度です。
しかし、紙製ダンボールはリユースの回数が限られるのに対し、プラダンは耐久性が高くあまり劣化しないため、何度でも繰り返し使えます。初期費用が5~10倍かかっても、10回以上使えるなら、長期的にはプラダンの方がトータルコストを抑えられるかもしれません。
紫外線・高温に弱い
プラダンの主原料であるポリプロピレンは、水や薬品、油には強い反面、紫外線に弱いというデメリットがあります。直射日光などの強い紫外線に長時間さらされると、亀裂ができて劣化が進んでしまいます。
屋外で使用する場合は、使わないときは屋内に保管するなどして、できるだけ紫外線を避ける工夫をしましょう。どうしても屋外に置き続ける必要がある場合は、劣化の進行を考慮して早めの交換を心がけてください。
また、プラダンは高温で柔らかくなる熱可塑性樹脂です。150℃で溶け始め、490℃になると発火します。常温での使用を想定した素材のため、高温には強くはありません。火気の近くで使用したり、熱を持つ機器のそばに置いたりするのは避けましょう。
繊細な加工をするなら特殊な加工技術が必要
プラダンは仕事場にある工具で簡単に加工できますが、作りたい製品によっては特殊な加工技術が必要な場合があります。
例えば中空構造を活かした製品を作りたい場合、アマチュアが罫線折りなどをすると、中空構造を潰してしまうかもしれません。中空構造を潰さず加工するには、専門的な知識や経験によって、硬さや厚さを適切に選定しなければなりません。
専門業者に頼めば、分厚い素材でも綺麗に罫線折りができます。ほかにも専用の機械を用いて、CADで製作した図面通りにカットしたり、木型による抜き加工であるトムソン加工により、高速で大量に同じものを作ったりすることも可能です。
さらに熱や超音波を使った溶着や、熱によって罫線を作る熱罫線、リベット止めや印刷といった高度な加工も行えます。専門業者に依頼することで、加工の幅も広がり製品の仕上がりも綺麗になります。
プラダンはどこで買うべき?お得に購入する方法
プラダンはホームセンターなどで購入可能です。安いものであれば100円均一ショップでも販売されています。ただ、100円均一ショップのものはサイズも小さめで、種類やカラーも限られています。
プラダンをお得に購入したいなら、ネットショップがおすすめです。サイズや厚さ、カラーなどの選択肢が多く、商品ごとの特長の違いを比較しながら選べます。業務用で大量に購入したい、あるいは定期的に購入したい場合などは、ネットショップの方が比較的安価で高品質のものをそろえやすいでしょう。
まとめ
プラダンは加工しやすく、耐久性や耐水性に優れた素材です。扱いやすい特性から、梱包材や工作の材料と幅広く利用されています。繰り返し使えるため、適切に使用すれば処分する手間が省け、作業効率を高められるでしょう。ホームセンターなどでも購入できますが、大量に安く購入したいならネットショッピングの購入がおすすめです。
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