更新日:2025年1月30日
冷蔵庫の霜取り方法は?霜がつきにくくする予防法や注意点も紹介

冷蔵庫に霜がついたままだと、霜が巨大化して庫内を圧迫して食材が置けないだけでなく、電気代がかかり、故障する恐れもあります。この記事ではオフィスで冷蔵庫の管理を担当している方に向けて、冷蔵庫に霜がつく原因や取り方、予防法を解説します。
冷蔵庫に霜がつく原因
冷蔵庫や冷蔵庫の冷凍室、冷凍庫に霜がつく主な原因は、庫内と外部の「温度差」によるものです。ドアの開閉で入り込んだ空気中の水分や、保存する食品の水分などが冷やされることで結露が発生し、さらに長時間冷却されることで内壁に霜がつきます。このような状態が繰り返されることで、徐々に大きな霜が形成されます。特に直冷式冷蔵庫は、庫内に冷却器があることで冷却能力が高く、霜が発生しやすいです。
また、ドアが半開きになっていたり、ドアパッキンが劣化したり、経年劣化によって冷蔵庫の機能が低下することでも庫内に霜がつくケースがあります。冷蔵庫の寿命は10年程度のため、購入から10年以上経過して霜が発生しやすくなった場合、買い替えのタイミングかもしれません。
冷蔵庫の霜は放置しておくと大きくなって食材を置くスペースが奪われ、最悪の場合、冷蔵庫が開閉できなくなります。さらに冷凍効率が低下することで、冷やすのに余分な電気代もかかります。そのため、庫内に霜が発生する場合は、定期的に霜を取り除きましょう。
<参考>
冷凍庫の霜取り方法

霜取りは霜の厚さによって主に3つ方法があります。それぞれの取り方は以下の通りです。
霜が薄い場合
霜が薄い場合、比較的簡単に取り除くことが可能です。まず、庫内の食品を一時的に保冷バッグやクーラーボックスに移し、庫内を空にします。霜を溶かすためにふきんなどをぬるま湯(40℃程度)に浸してよく絞り、霜を拭き取ります。霜を取り除いたら、乾いたふきんなどで庫内の水分を拭き、よく乾燥させてから食品をもとに戻します。庫内に水分が残っていると雑菌が繁殖する恐れがあるため、乾いたふきんなどでしっかり水分を拭き取り、よく乾燥させるのがポイントです。
霜が厚い場合
霜に厚さがある場合は、電源を抜いて扉を開けて室温でゆっくりと霜を溶かします。時間はかかりますが、庫内を傷つけることなく、霜を除去できます。
まず、庫内の食品を全て保冷バッグなどに移し、冷蔵庫の前に厚手のふきんなどを敷きます。そして電源を抜き、扉を開けて霜が完全に溶けるまで待ちます。冷蔵庫のサイズや季節によって異なりますが、霜が溶けるまで約8~10時間かかります。庫内の霜が溶けて完全になくなったら、乾いたふきんなどで水分をよく拭き取って乾燥させ、電源を入れて食品をもとに戻します。
なお、冷蔵庫内がしっかり冷えるのは電源を入れてから5~6時間程度で、庫内が完全に冷え切ってから食品を戻しましょう。
霜が頑固で厚い場合
霜が厚くて頑固な場合、霜が完全に溶けるまで待つのは大変です。そこでヘラを使って効率よく霜取りを行いましょう。
まず、冷蔵・冷蔵室にある食品を全て保冷バッグなどに移し、冷蔵庫の前に厚手のふきんなどを敷きます。電源を抜き、ある程度霜が溶けたらヘラを霜に少しずつ差し込んではがします。このとき、金属製のヘラは庫内に傷がつく恐れがあるので、シリコン製やゴム製のヘラを使用しましょう。霜が全て取れたら乾いたタオルで庫内をしっかり拭いて完全に乾燥させ、電源を入れて食品をもとに戻します。
冷凍庫の霜取りでしてはいけないNG行動・注意点

間違った霜取りは故障や思わぬ事故につながる恐れがあるため、以下のような行動は控えましょう。
ドライヤーの熱で霜を溶かす
ドライヤーの熱風を長時間当てれば霜は早く溶けますが、熱風が1カ所に集中すると庫内が変形したり、冷却器が破損したりする恐れがあるため、NGです。万が一、ドライヤーの熱で冷蔵庫が変形や故障した場合、メーカー保証の対象外になる可能性が高いため、注意しましょう。
可能な限り早急に霜を溶かしたいのであれば、日中のあたたかい時間帯に行ったり、暖房器具を使ったりして室温を上げるとよいです。
先端が硬い道具で削る
霜を削るためにドライバーやアイスピックなどの先端が鋭利な道具や、硬い金属製の道具を使うのもNGです。このような道具を使っての霜取りは、庫内に深い傷やひび割れを作りかねません。もしも誤って冷却器やパイプを破損すれば、冷却ガスが漏れ出す危険性もあります。したがって、霜を取り除く際は先端が硬い道具ではなく、シリコン製やゴム製のヘラなどがおすすめです。
商品によっては、霜取り専用のヘラが同梱されています。必ず説明書をよく読み、正しく使用しましょう。ヘラがない場合は、プライパン返しやプラスチックの定規、下敷きなどでも代用可能です。
熱湯をかけて霜を溶かす
霜取りに熱湯を使用するのは大変危険です。ドライヤー同じように熱湯を使って霜を溶かすと、庫内の形状が変わったり、故障を引き起こしたりする恐れがあります。また、熱湯の水滴が庫内に残ると霜が再び発生する可能性があり、結果的に手間が増えることにもなりかねません。熱湯によるやけどの危険もあるので、霜を溶かす際はぬるま湯(40℃程度)に浸してよく絞ったふきんなどを使いましょう。
冷蔵庫に霜がつきにくくする予防法
霜をつきにくくするためには使い方に気をつけることが大切です。また、便利なアイテムを使ったり、冷蔵庫自体を霜がつきにくいものに買い替えたりする方法もあります。ここでは、冷蔵庫に霜をつきにくくする予防法を紹介します。
ドアの開閉回数を少なくする
庫内の霜の発生を防ぐためには、まずドアの開け閉めを控えることが重要です。ドアを開けるたびに室内のあたたかい空気が庫内に入ることで、霜の原因となる結露が発生しやすくなります。特に、ドアを長い時間開けた状態だと、庫内を冷やそうとムダな電力もかかります。
また、熱い料理をそのまま冷凍庫に入れるのも、庫内の温度が上がるので気をつけましょう。料理を庫内に入れる際は、必ず常温まで冷やし、ラップや保存容器に入れて水分が蒸発しないようにするのがポイントです。加えて、ドアの開閉回数を減らすためには、庫内を小まめに整理整頓し、食品を取り出す際は、開けてから考えるのではなく、何を取り出すかを事前に考えてからドアを開けることを習慣づけましょう。
さらにドアパッキンに異常がないかどうかを定期的に確認することも大切です。パッキンが汚れていたり、ゆがんでいたり、破損しているとドアのすき間から外気が入るので、適宜、掃除や修理、交換をしましょう。
食材を詰め込み過ぎないようにする
庫内に食材を詰め込み過ぎると、冷気が庫内全体に行き渡らなくなり、結露しやすくなります。また、食材の詰め込み過ぎは、奥に収納した食材を取るのに手間がかかり、その間に外気が庫内に入って霜が増える原因になります。特に食材を詰め込み過ぎでドアが閉まらず半ドアになると、ドアのすき間から外気が入るので要注意です。
冷蔵室の場合、食材は容量の7割程度にとどめ、庫内の奥の壁が見えるようにしましょう。スペースを確保することで、冷気がスムーズに循環し、霜の発生を抑えられます。
霜防止シートを貼ってみる
霜取りが面倒な方は、霜防止シートを使用するのもおすすめです。クッション性のある合成樹脂で作られた霜防止シートは、庫内に貼ることで霜がついた際にシートをはがすだけで簡単に霜取りできるのが特長です。霜の発生を抑えるわけではありませんが、シートを貼るだけで掃除の手間が大幅に軽減できます。特に、霜のつきやすい天井や側面に貼ると効果的です。
また、定期的にシートを交換することで、庫内の清潔さがキープでき、食品を衛生的に保存するのにも役立ちます。ただし、通気口などにシートを貼ると故障の原因になるため、必ず説明書にしたがって使用しましょう。
霜がつきにくい冷蔵庫を選ぶ
前述したように霜取りが必須なのは直冷式冷蔵庫です。そのため、霜取りが面倒な方は、霜取りが不要なファン式冷蔵庫への交換を検討するとよいでしょう。
ファン式は、庫内に冷却装置がなく、ファンを使って庫内全体に冷気を循環させることで、温度を均一に保ちます。そのため、冷気が隅々まで行き渡りやすく、直冷式のように霜取りが不要なのが特長です。ただし、ファンを使うファン式は直冷式に比べて稼働音があり、価格もやや高めです。サイズも比較的大きいため、設置には注意が必要です。
まとめ
冷蔵庫内に霜が生じる主な原因は、庫内の温度差で発生する結露です。霜を取り除く際は、霜の厚さによって適切な方法を選ぶことが重要です。また、霜の予防策として、ドアの開閉回数を減らす、食材を詰め込み過ぎない、霜防止シートを使用することが有効です。また、直冷式でなくファン式冷蔵庫を選ぶことで霜取りが不要になります。
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