電動サンダーは下記のような、手動では力や時間がかかって難しい作業も簡単にこなせます。

• 木材やプラスチック、金属の研磨
• 塗装はがし
• さび落とし
• 表面仕上げ
• 塗装のための下地仕上げ

では、よく聞くやすりやグラインダーは、電動サンダーと何が違うのでしょうか。

やすりとは手工具で鉄工用、木工用等があり、対象物に押し付け、こすりながら角や表面を滑らかにするものです。「研磨する」点は電動サンダーと同じですが、やすりは手動で研磨します。

一方グラインダーは、砥石を回転させて、金属のバリ取りや石材を切断する工具です。電動サンダーはサンドペーパーやベルトを使用するため、グラインダーとは用途が全く異なります。

以下の表で、電動サンダーの各部位の名称と役割を解説します。機器によって一部名称が異なるものもあるため、あわせて解説します。

ディスクサンダーはパッド部分がCDディスクのように円形になっており、ディスク部分を研磨します。機器によっては、グラインダー機能を兼ね備えたものもあります。

ディスクサンダーを探す

ミニサンダー(マルチサンダー)は、アイロンの形状になっており先端が尖っています。小型サンダーと考えると良いでしょう。

先端の形状を利用した対象物の角や隙間の表面仕上げ、塗装はがし、つや出しに向いています。小型で細かな作業に向いているものの、作業範囲が狭くなるため、一般的には家庭のDIYでの使用がおすすめです。

ミニサンダーを探す

オービタルサンダーは、パッド部分が長方形になっており、長方形のサンドペーパーを装着して研磨します。機種によっては、手動用サンドペーパーも使えます。

販売されている電動サンダーのなかでは種類が豊富で汎用性も高く、長方形であることから、平らなものを研磨しやすくなっています。

おもに木材に使われる電動サンダーで、粗削りや仕上げなどの用途に対応できます。

オービタルサンダーを探す

ランダムサンダーはオービットサンダーとも呼ばれ、パッドの形状が円形です。ディスクサンダーもパッド部分は円形ですが、大きな違いは振動と回転で研磨する点です。

振動と回転を利用するため、研磨する力は強めで、金属の研磨やさび落としに向いています。パッドを交換すると、つや出しやワックスがけも可能です。

しかし、動きが複雑であることから、初心者は扱いにくい場合もあります。

ランダムサンダーを探す

ベルトサンダーは、ベルト状(輪状)のサンドペーパーを巻き付けて使用する電動サンダーです。ベルトを回転させながら研磨します。紹介した電動サンダーのなかでも研磨力が一番強く、金属のバリ取りや塗装はがしも簡単です。

ベルトの幅が広いものと細いものがあり、細かい作業をしたい場合にはベルトの幅が細いものを選びます。固定台に固定しても使えるため、安定性の高い電動サンダーです。

ベルトサンダーを探す

電動サンダーは研磨力やパッドの形状・サイズがそれぞれ異なるため、以下の表を参考に目的に合ったものを選んでください。

電動サンダーの動力源は、コード式と充電式(バッテリー式)です。

コード式は、コードに接続しているあいだは一定のパワーが持続するため、長時間の作業に向いています。しかしコードが届く範囲内でしか使えません。

充電式(バッテリー式)は場所を選ばず使用できるため、DIYなどで比較的作業時間が短く、作業場所が限られている場合におすすめです。一方、コード式に比べると、使用時間が限られ、パワーは劣る点に注意が必要です。

電動サンダーは研磨すると、大量の粉塵が出ます。特に家庭でのDIYではあと片付けが大変になるため、集塵機能付きを選ぶと良いでしょう。

また、粉塵を大量に吸いこみ過ぎると、のどが痛くなるなど健康面への悪影響も及ぼすため注意が必要です。

電動サンダーを使う場合は、広さに余裕のある場所で使用しましょう。狭い場所で無理な姿勢で作業すると、事故に繋がりやすくなります。常に足元が安定する姿勢で、バランスを保って作業してください。

電動サンダーを使う場合は、両手でしっかり持って作業することが大切です。片手で作業した場合、電動サンダーが思わぬ動きをしたときに対応できず、ケガに繋がる危険性が高まります。

電動サンダーを使用しないときはコード式であればコンセントを、電動式であればバッテリーを外します。また、誤作動を避けたい場合や、サンドペーパーやパッド交換時もコンセントを抜くか、バッテリーを外しましょう。

集塵機能付きの電動サンダーを選ぶと良いと先述しましたが、集塵機能付きの電動サンダーでも多少の粉塵が舞います。そのため、集塵対策として、防塵マスクやゴーグルをつけると安心です。

金属片や木片が飛んできた場合に備えて、作業時は安全対策として保護メガネや防塵マスクを装着します。金属を扱うなどで、騒音が大きい場合には耳栓などの防音用保護具も使用しましょう。

また、袖口が長い服や、長いアクセサリーは外さないと、電動サンダーに巻き込まれる危険性があるため注意してください。