更新日:2024年11月28日
【ビジネス向け】封筒の正しい書き方|作成時の注意点も紹介

ビジネスシーンでは主に和封筒・洋封筒・A4封筒の3種類の封筒が用いられるため、それぞれの適切な書き方を知っておくことが大切です。この記事では、封筒の正しい書き方と作成時の注意点を解説します。文書を送るにあたって、封筒の正しい書き方が分からずに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
和封筒(長形・角形封筒)|縦書きでの書き方

和封筒は、短い辺の側に封入口があるタイプの封筒です。ビジネスシーンでは書類や手紙を送る際など、幅広い目的で用いられています。縦が長く横が短い形状にあわせ、和封筒では住所や社名を「縦書き」で記載するのが一般的です。表と裏の正しい書き方をそれぞれ確認していきましょう。
表書き

和封筒の表には、「送付先」の郵便番号や住所、社名、担当者名などを記載します。次のポイントを特に意識しましょう。
<ポイント>
- 切手は左上に貼る
- 送付先の郵便番号は右上に記載する
- 住所は右端、郵便番号の下から1文字分ほど空けて書きはじめる
→郵便番号の枠あり・なしタイプいずれの封筒でも同じ書き方でOK - 丁目・番地には漢数字を用いる
- 建物名・社名・担当者名などは省略せずに記載する
- 社名は住所の頭から1文字分ほど下げて書く
→社名の後に部門名という順 - 宛名部分は、役職名・氏名・敬称の順で書く
→例)総務部長 ●● ●● 様
和封筒の表は、受け取った人が最初に目にする部分です。住所や社名、担当者名に誤りがあれば失礼にあたるうえ、きちんと相手のところに届かない可能性もあります。丁寧に正しく書くよう心がけましょう。
裏書き

和封筒の裏には、「自社」の郵便番号や住所、社名、担当者名などを記載します。以下のポイントを意識することが大切です。
<ポイント>
- 封字(〆)で締める
→✕(バツ)ではない点に注意 - 封かん日は、左上に縦書き
→郵便番号の枠ありタイプでは、枠の上に記載する - 郵便番号は封かん日の下に記載する
→枠ありタイプの場合は、書式にしたがって枠内に記載する - 住所は表書きと同様、郵便番号枠から下に1文字分ほど空けて書きはじめる
- 自社(送り主)の社名+部門を記載する
- 差出人(担当者)の氏名を記載する
和封筒には、貼り合わせ部分が中央にある「センター貼り」タイプと、貼り合わせ部分が端の「サイド貼りまたはスミ貼り」タイプがあります。どちらのタイプでも上記のポイントを意識しつつ、住所や社名を左側にそろえて記載すると見栄えのよい封筒になります。
和封筒の注意点:最後は「封字(ふうじ)」で締める
封字は、「確実に封をしたこと」と「封入後誰にも開封されていないこと」を示すために記載する字です。正式には「〆」であり、「✕(バツ)」ではない点に注意しましょう。その他、送付する書類の種類によっては以下のような封字を用いるケースがあります。
<封字の種類>
- 〆:仕事の場面に限らず、最も用いられる封字。締めの略字にあたる。
- 封(ふう):〆よりもかしこまった印象を与えたいときに用いる。
- 緘(かん):「とじる」を意味する漢字。重々しい印象があるため、重要書類を送付する際に用いる。
- 寿(ことぶき):婚礼や開業祝いのようなお祝い事の際に用いる。
- 賀:寿と同様にお祝い事の際に使用。※婚礼以外
- 蕾/莟(つぼみ):女性専用の封字。仕事上で用いられるケースはほとんどない。
自分で封字を手書きする代わりに、封字用のスタンプやシールを用いても問題ありません。
A4封筒(角2・角A4封筒)|縦書きでの書き方
角A4封筒は、A4用紙を折らずに収納・送付できる封筒です。A4用紙はビジネスでの使用頻度が高いことから、角A4封筒を用いて書類を送るケースが多く見られます。
角2封筒と角A4封筒はサイズが似通っていますが、角2封筒はA4用紙に対してサイズに余裕があるため、冊子などの厚みがある印刷物や、複数枚の書類をクリアファイルにまとめる場合に適します。角A4封筒の場合、A4用紙のサイズにより近いため、チラシなど1枚ものを少量送る場合に左右の空きが気にならず最適です。
住所や社名を記載する際に意識するポイントは和封筒とほとんど同じですが、今一度正しい書き方を確認しておきましょう。
表書き

角A4封筒の表には、和封筒と同様に「送付先」の郵便番号や住所、社名、担当者名などを記載します。以下のポイントを意識しましょう。
<ポイント>
- 切手は左上に貼る
- 送付先の郵便番号は右上に記載する
- 住所は右端、郵便番号の下から1文字分ほど空けて書きはじめる
→郵便番号の枠あり・なしタイプいずれの封筒でも同じ書き方でOK - 丁目・番地には漢数字を用いる
- 建物名・社名・担当者名などは省略せずに記載する
- 社名は住所の頭から1文字分ほど下げて書く
→社名の後に部門名という順 - 宛名部分は、役職名・氏名・敬称の順で書く
→例)総務部長 ●● ●● 様
長い建物名や社名だと省略して呼びがちですが、封筒では正式名称で記載するのが適切です。「株式会社」の部分まできちんと書くようにしましょう。
裏書き

裏も和封筒と同じく、「自社」の郵便番号や住所、社名、担当者名などを記載します。書き方のポイントは以下の通りです。
<ポイント>
- 封字(〆)で締める
→✕(バツ)ではない点に注意 - 封かん日は、右上に縦書き
- 郵便番号は住所や差出人名の上に記載する
→枠ありタイプの場合は、書式にしたがって枠内に記載する - 住所は表書きと同様、郵便番号枠から下に1文字分ほど空けて書きはじめる
- 自社(送り主)の社名+部門を記載する
封入した後は、書類の種類にあわせて「〆」「賀」などの封字で締めましょう。
洋封筒(洋形)|横書きでの書き方
洋封筒は、洋形とも呼ばれる「横書き」の封筒です。和封筒に比してカジュアルな印象があるため、長い付き合いのある得意先に送付するときや、簡単な連絡事項を伝えたいときなどに用いられます。縦書きの和封筒とは書き方のマナーが異なることから、使用する際には注意しましょう。
裏書き

洋封筒の表には、送付先の住所や社名、担当者名などを「横書き」で記載します。以下のポイントを意識しましょう。
<ポイント>
- 切手は右上に貼る
- 住所は封筒の左端から2文字分ほど、上端から1文字分ほど空けて書きはじめる
→123-4567などの算用数字を使用 - 郵便番号の先頭にそろえて住所を記載。ビル名や部署名などは省略しない
→丁目・番地は住所と同様に算用数字を用いる - 郵便番号は枠があればその枠内に記載。なければ左上に記載する
- 社名は住所の頭から1文字分ほど下げて書く
- 宛名は封筒の中央に、住所より大きな文字で書く
切手を「右上」に貼る点や、算用数字を用いる点で和封筒との違いがあります。初めて洋封筒を使って書類を送付する際は、和封筒のマナーと混同しないように注意しましょう。
裏書き

裏に記載する情報は和封筒と同じです。送付先の住所や社名、担当者名などを「横書き」で記載しましょう。書き方のポイントは以下の通りです。
<ポイント>
- 左上に封かん日を記載する
→フタの部分にかからないよう注意 - 郵便番号枠の有無にかかわらず、発出社(差出人)の情報は中央下部に横書き
洋封筒は、四方から折り込む形状の「ダイヤモンド貼り」が一般的です。情報を記載できるスペースが限られているため、中央下部にまとめると見やすい封筒になります。
作成時の注意点:海外宛や横書きで用いる場合は「封字」を書かない

海外に宛てる場合や洋封筒を横書きで使用する場合は封字を用いません。特に海外の方にとっては「〆」が「✕(バツ)」やキスマークに見えることから、元々海外で使用されている洋封筒には封字を用いないのがマナーとされています。
代わりに用いるのは、熱で溶かした蝋の上からハンコを押した「シーリングスタンプ」です。100円ショップやインターネット通販で手軽に購入できるため、洋封筒を使う予定のある方は事前に用意しておくのがおすすめです。
封筒作成時に知っておきたい5つのポイント・注意点
誤った書き方では、相手にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。こちらの意図に沿って敬意を表すために、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。
- 敬称は正しく使用する
- 必要に応じて「外脇付け」を使用する
- 耐水性(油性)のペンで書く
- 書き損じた場合は書き直す
- 返信用封筒の「宛」「行」は二重線で消す
敬称は正しく使用する
封筒の書き方で特に注意したいのは「敬称」です。「御中」「様」などの使い分けができていないと、ビジネスマナーをきちんと理解できていないかのような印象を与えてしまいます。送付先によってどの敬称を用いるべきなのか、正しく理解しておきましょう。
敬称の使い分け
- 企業や部署宛に送付する場合→「御中」
- 担当者などの個人に直接送付する場合→「様」
「御中」と「様」の使い分けはそれほど難しくありません。企業や部署などの組織宛の場合は「御中」、担当者などの個人宛の場合は「様」と記載するのが正しいマナーです。
ただし、役職名と敬称の重複には注意が必要です。例えば「株式会社●● 総務部長」と相手の役職が分かっている場合は、「総務部長様」ではなく単に「総務部長」と記載しましょう。
担当者や役職が不明の相手に送付する場合は、「株式会社●● 総務部 ご担当者様」と記載します。役職は分かっているものの、氏名が不明な場合は、「株式会社●● 総務課長」で問題ありません。
必要に応じて「外脇付け」を使用する
外脇付けは、送付の目的や封筒の中身を説明する注意書きです。「至急」「請求書在中」などと記載して書類の重要性を伝えることで、確実に開封してもらいやすくなる点にメリットがあります。仕事の場面では、以下のような外脇付けが用いられています。
外脇付けの種類
- 親展→宛名の人以外による開封を避けたい場合に用いる
- 至急→緊急性の高い用件を伝える際に用いる
- ●●在中→「請求書在中」「契約書在中」などと封筒の中身を伝える
外脇付けは封筒の表の左下に記載します。手書きでも問題ありませんが、頻繁に文書を送付する場合は外脇付け用のスタンプを用意しておくと便利です。文字の色には特に決まりがなく、業務上は主に赤・黒・青が用いられています。
耐水性(油性)のペンで書く
文字は耐水性(油性)のペンで書きましょう。耐水性のないペンでは、郵送時の雨水やほかの送付物との摩擦によって文字が滲んでしまう可能性があります。文字が見やすいように、黒色であまり細すぎないペンを選ぶのがポイントです。
書き損じた場合は書き直す
二重線や修正テープが目立つと見栄えが悪くなります。送付先にマイナスの印象を与えかねないため、新しい封筒を用意して書き直すようにしましょう。
社外向けの封筒は極力修正を避けるべきですが、社内発送の場合は手間を省くために修正しても問題ありません。情報の間違いに気づいた際は二重線で消し、すぐそばに正しい情報を記載しましょう。
返信用封筒の「宛」「行」は二重線で消す
契約書の取り交わしを郵送で行う場合、相手企業から契約書とともに返送用封筒が送られてくるケースがあります。
返送用封筒には「〇〇株式会社総務部 宛」「●●(氏名) 行」などと相手の宛名があらかじめ記載してあるのが一般的ですが、そのまま返送しては失礼にあたります。「宛」「行」は二重線で取り消し、正しい敬称である「御中」「様」を記載して返送しましょう。
和封筒(縦書き)の場合、取り消しの二重線を縦に引き、その下に「御中」または「様」を記載します。洋封筒(横書き)の場合は横線で取り消し、その右側に敬称を書き直すのがマナーです。
ビジネスシーンでの封筒の選び方
以上で紹介した各封筒にはそれぞれ異なる特徴があるため、利用シーンや送付先にあわせて選ぶことが大切です。どの封筒を使用すべきか悩んでいる方は、以下のポイントを参考にしてみてください。
基本は、縦書きの「和封筒」「A4封筒」を選ぶ
特別な事情がない限りは、和封筒もしくはA4封筒を選ぶのが無難です。日本の慣習では縦書きするケースが多いため、業務上の書類を送付する際もそれらの封筒を用いるのが一般的になっています。
横書きの洋封筒もマナー違反ではありませんが、読みやすさを考慮し、なるべく縦書きの和封筒かA4封筒を選びましょう。
アルファベット・数字を書く場合は横書きの「洋封筒」を選ぶ
送付先の企業名やビル名などにアルファベット・算用数字が用いられている場合は、洋封筒を選びましょう。縦書きの和封筒やA4封筒では書きにくいうえ、相手にとっても読みづらい封筒になってしまいます。
中身の透けない封筒を選ぶ
契約書のような重要書類を送付する際に、中身が透ける封筒を選ぶのはNGです。情報漏えいのリスクを避けるために、中身が透けない封筒を選びましょう。
封筒の色に決まりはありませんが、重要書類には白色を選ぶのがおすすめです。安価で手に入る茶色のクラフト紙を用いた封筒に比べ、白色の封筒は目立ちやすく透けにくいというメリットがあります。
まとめ
仕事の場面では主に和封筒・A4封筒・洋封筒が用いられます。タイプごとに特徴が異なるため、利用シーンや送付先にあわせて選ぶことが大切です。また、封筒の書き方には細かなマナーがあります。送付先に好印象を与えられるように、封筒のタイプごとの正しい書き方を理解しておきましょう。
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