更新日:2024年11月28日
什器とは? 家具や備品との違い・種類・選び方でのポイント

オフィスや店舗などで使用される什器にはさまざまな種類があり、適した選び方があります。本記事では、什器の購入を検討しているオフィスや店舗の総務担当者の方に向けて、什器が使われる場所と什器の種類、選び方のポイントなどについて、わかりやすく解説します。
什器とは?
什器(じゅうき)とは、もともとは日常生活で使う器具や家具を意味する言葉ですが、一般的には商品を展示する棚やオフィス家具などの総称として使われます。商品の展示を効率的に行うための重要なツールであり、例えば店舗内で什器を使うことによって、商品をより効果的に見せられます。什器はただの展示台ではなく、商品の魅力を最大限に引き出す役割を果たします。
また、空間の有効活用にも貢献します。限られたスペースを効果的に使い、商品を見やすく配置できるようになります。オフィスにおいても、書類や備品を整理するための棚、キャビネットなどが什器に含まれます。作業効率を高め、業務をスムーズに進めるのに寄与します。
什器と家具の違い
什器と家具との違いは、使用される場所にあります。
什器は、自宅以外の場所で使われる道具や備品を指します。例えば、オフィス、店舗、学校、病院などで使用されるデスク、キャビネット、棚、展示台などが該当します。これらは商業的・業務的な目的で設計されており、効率的な作業環境や商品展示を支えるための重要な役割を果たします。
一方、家具は主に自宅で使用されるものを指します。ソファ、ベッド、ダイニングテーブル、チェストなど、家庭内での日常生活を快適にするためのアイテムが家具に含まれます。家具は、個人の生活空間に合わせたデザインや機能を重視しており、家庭内での居心地のよさに影響します。
同じものでも、置く場所によって呼び名が変わることがあります。例えば、自宅のダイニングテーブルは家具ですが、レストランのテーブルは什器と呼ばれます。
什器と備品の違い
備品とは、はさみ、カッター、パソコンなど、店舗やオフィスで使われる事務用品や機器を指します。これらは日常業務を円滑に行うための必需品であり、操作性や機能性が重視されます。一方、什器は展示用の棚やキャビネット、カウンターなどを指し、商品展示や業務効率の向上に貢献するものです。
什器と備品の両方に該当するものもあり、両者に明確な使い分けのルールが決まっているわけではありません。例えば、カウンターは什器としても、業務用備品としても捉えられることがあります。什器と備品の境界は曖昧で、使い分けや呼び方は業界や使用環境によって異なるため、店舗やオフィスのルールに準じましょう。
什器が使われる場所と什器の種類
什器が使われる場所としては、オフィス、飲食店、店舗などがあります。ここでは、それぞれの場所で使われる什器の種類について解説します。
オフィス
オフィス什器には多くの種類があり、それぞれ異なる役割を果たします。まず、基本的な什器としてオフィスチェアと執務用デスクがあります。これらは毎日の業務を快適に進めるために欠かせないものであり、長時間の作業でも疲れにくいデザインが求められます。
ミーティングテーブルやパーテーションも、オフィスで使用される什器です。ミーティングテーブルは、チームでの会議やクライアントとの打ち合わせに使われ、効率的なコミュニケーションを支援します。パーテーションは、従業員のプライバシーを確保しつつ、オフィス内のスペースを効率的に区切るために使われます。パーテーションを設置することにより、従業員は集中を保ちながら作業が進められます。
さらに、棚や商談ブースも重要な什器です。棚は、書類や備品を整理整頓するために使われ、オフィス内の整理整頓に寄与します。商談ブースは、クライアントとの打ち合わせや商談のためのプライベートな空間を提供します。
ほかにも、金庫もオフィス什器の一部です。金庫は、重要な書類や貴重品を安全に保管するために使用され、セキュリティ強化に寄与します。
飲食店

飲食店では、さまざまな什器が効率的な運営と魅力的な空間作りに貢献しています。まず、カウンターテーブルは顧客が食事を楽しむ場として重要です。飲食店の雰囲気を決定づける要素であり、機能的でありながら、デザイン性にも優れた製品が求められます。
厨房機器は、料理の効率的な調理と衛生管理に欠かせません。冷蔵ケースも同様に、食材の新鮮さを保ち、視覚的にも魅力的に陳列する上で重要な役割を果たします。食器棚も、食器の整理・整頓と取り出しやすさを実現するために不可欠です。
さらに、レジ台は会計処理をスムーズに行うための什器です。ここでは顧客との接点が生まれ、よい印象を与えるために清潔で機能的なデザインが求められます。
メニューボードも飲食店には欠かせません。顧客にメニューを視覚的に伝える役割を果たし、店舗の雰囲気に合わせたデザインを施せます。
販売店
什器はスーパー、コンビニ、雑貨店などの小売店でも広く使用されています。これらは商品を展示したり、店舗を効率的に運営したりするために不可欠です。
例えば、レジカウンターは会計処理を行う場所であり、効率的な接客とスムーズな会計を実現します。陳列棚は商品の展示に使用され、商品の魅力を最大限に引き出すために重要です。
ハンガーラックや姿見は、アパレル店舗でよく見られます。ハンガーラックは衣類を整理しやすくするために、姿見は顧客が試着した際に自分の姿を確認するために、それぞれ役立ちます。
また、アクリルスタンドやマガジンラックは、雑貨店や書店で商品のディスプレイに使われ、視認性を高めるために効果的です。店舗の場合、什器はディスプレイに用いられる備品全般を指すことが一般的です。
什器の選び方・ポイント
什器の選び方には、主に以下のようなものがあります。
- 安全性を重視して選ぶ
- 見栄えで選ぶ
- 使いやすさで選ぶ
- ターゲットやコンセプトで選ぶ
安全性を重視して選ぶ
什器を選ぶ際の重要なポイントのひとつが、安全性です。特にディスプレイ用の什器は、倒れたり壊れたりすると大変危険です。顧客や従業員がけがをしないよう、しっかりとした基準で選定する必要があります。
まず確認すべきは耐荷重です。什器は、使用する商品や展示物の重さに耐えられるものを選ぶ必要があります。基準以上の製品を選べば、過負荷による倒壊や破損を防げます。耐荷重の情報は、製品仕様書やメーカーのサイトなどで確認できます。
什器の素材と構造にも注目してください。しっかりとした素材で作られているものや、安定した構造のものを選ぶことが望まれます。金属製や強化ガラス製の什器は、耐久性や安定性が高くおすすめです。
什器をどのように配置するのかも重要なポイントです。例えば、高さのある什器は壁際に配置し、固定具を使ってしっかりと固定すれば倒れにくくなります。頻繁に人が行き来する場所には、低めの什器を配置することで安全性が高まります。
最後に、定期的なメンテナンスも忘れずに行ってください。什器のネジや接合部が緩んでいないか、破損箇所がないかを定期的にチェックすることで、安全に使用し続けられます。
見栄えで選ぶ
安全性だけでなく、見栄えも重要なポイントです。特に店舗やオフィスの什器は、商品や空間の魅力を最大限に引き出すためにデザイン性が求められます。
見栄えを重視する場合、まず商品を魅力的に見せるための什器を選ぶことが重要です。例えば、陳列棚やディスプレイスタンドは、商品の色や形を引き立て、顧客の目を引くデザインが望まれます。透明なアクリルスタンドやシンプルなメタルラックは、商品の魅力を損なわずに展示できるのでおすすめです。
什器は商品に合わせて選ぶと、統一感が出ます。商品のスタイルやテーマに合わせて選べば、全体の見た目が統一され、顧客にプロフェッショナルな印象を与えられます。例えば、ナチュラルテイストの商品には木製の什器を、モダンな商品には金属製什器を選ぶとよいでしょう。
オフィスの什器もブランディングを意識し、統一した見た目を演出することをおすすめします。オフィスチェアやデスク、書棚などの什器は、企業のロゴカラーやデザインコンセプトに合わせて選ぶことで、統一感のある洗練されたオフィス空間を作り出せます。
使いやすさで選ぶ
使いやすさも重要な要素です。使いにくい什器は、最終的に使用されなくなってしまうかもしれません。設置しやすく、移動も簡単な什器を選ぶことが重要です。
使いやすさを重視する場合、まず確認すべきなのは設置のしやすさです。什器が簡単に組み立てられ、配置しやすい設計になっているかをチェックします。特に、店舗のレイアウト変更などで頻繁に什器を移動させる必要がある場合、簡単に解体・再設置できる什器が理想的です。
動かしやすいかどうかも重要です。キャスター付きの什器は移動が容易で、掃除やメンテナンスの際に便利です。また、什器が軽量であれば、一人でも簡単に移動できます。
使い勝手のよいデザインかどうかも考慮しましょう。例えば、引き出しや棚板の取り外しが簡単であること、必要なものが取り出しやすい配置になっていることがポイントです。
ターゲットやコンセプトに合わせて選ぶ
ターゲットや店舗のコンセプトに合わせることも重要なポイントです。おしゃれな什器であっても、ターゲットやコンセプトに合わなければ、店舗全体の雰囲気を壊してしまいます。
例えば、若い世代をターゲットにした店舗であれば、トレンディでカジュアルなデザインの什器が好まれます。一方、高級感を求める顧客をターゲットにするのであれば、落ち着いた色調で高品質な素材の什器が適しています。ターゲットのニーズや嗜好に合わせた什器を選ぶことで、店舗全体の統一感が生まれ、顧客によい印象を与えられます。
店舗のコンセプトから選ぶ場合は、例えば自然派の雑貨店なら、木製の什器やナチュラルな色合いの什器が適しています。逆に、モダンでシンプルなデザインの店舗では、メタリックな什器やガラス製の什器が映えるはずです。
什器は購入とレンタルどちらがおすすめ?

什器によっては、レンタルでそろえることも可能です。ここでは、什器を購入する場合とレンタルする場合の、それぞれのメリットについて解説します。
什器を購入するメリット
購入する場合には選択肢が広がり、より店舗のコンセプトやニーズに合った什器を選べます。レンタルでは選べない特定のデザインや機能の什器も、自身の店舗に合わせて自由に選択できます。
購入すれば、ランニングコストは発生しないため、長期的にはコスト削減にもつながります。特に、頻繁に什器を使用する場合や、長期的な視点で見た場合、購入は経済的に有利です。ただし、什器を購入する際には初期費用がかかることを考慮する必要があります。初期費用は大きな投資となるかもしれませんが、長期的な視点で見れば、その価値は十分にあります。
什器をレンタルするメリット
レンタルする場合には、初期費用を抑えられます。購入に比べて初期投資が少なく済むため、予算をほかの重要な部分に回せます。また、什器の設置やメンテナンスは業者が対応してくれるため、手間が省けるのも大きな利点です。
ただし、レンタル什器には中古品が多いため、その点には注意が必要です。新品と比べて使用感がある場合もありますが、その分コストを抑えられます。
まとめ
什器とは、商品展示やオフィスで使用する棚や家具の総称で、商品を魅力的に見せたり、業務効率を高めたりする役割があります。オフィス、飲食店、店舗などで多く利用されています。什器は安全性や見栄え、使いやすさを考慮して選定すべきです。購入だけでなく、レンタルの選択肢もあります。
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