更新日:2024年4月30日
グルーガンとは?できることや種類、使い方などをわかりやすく解説

ピストルのような形をしたグルーガンは、幅広いものを接着できる便利なアイテムです。しかし、熱でスティックを溶かして接着する仕組みから、「使い方が難しそう」と感じている方もいるのではないでしょうか。
グルーガンは木材や布などの接着に幅広く使えるので、種類や使い方を知って仕事や趣味に活用すれば作業効率をアップさせることができるかもしれません。
この記事では、グルーガンで接着できるものや強度、種類のほか、使い方についてわかりやすく解説します。よく比較される木工用接着剤との違いや使用するときの注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
グルーガンとは工作や手芸で使える接着剤のこと
グルーガンとは、スティック状のプラスチックを溶かして接着する道具のことです。ピストルのような形をした本体にスティック状のプラスチックを入れて熱し、溶かして接着剤として使用します。
幅広い素材に使えるので、ひとつ持っていると工作や手芸、仕事などで活用でき、幅広い場面で効率良く作業ができるようになります。
グルーガンの強度
接着する素材にもよりますが、グルーガンの接着力は高く、しっかりと固定することができます。ただし接着力があるといっても、常に力がかかる箇所や大きなものの接着に使うことは難しく、グルーが剥がれて接着がはずれてしまう可能性があるため向いていません。
グルーガンの強度は、工作や手芸、小物類など、あまり力がかからない箇所の接着に向いています。
グルーガンと木工用接着剤の強度の違い
接着に使えるアイテムのなかでグルーガンとよく比較されるものに木工用接着剤があります。グルーガンと木工用接着剤のもっとも大きな違いは、接着時に熱を使用するかしないかです。
木工用接着剤は熱を使わずに使えるアイテムで、一般的にはグルーガンよりも強度があります。そのため、接着部の強度を求めるときは木工用接着剤がおすすめです。また、木工用接着剤を使用する際は他に道具が必要ないため、手軽に使えるというメリットもあります。
一方、グルーガンは熱を使って接着する接着剤で、木工用接着剤よりも固まるのが早い傾向にあります。グルーガンの強度は木工用接着剤よりも劣るため、固まるまでの早さを求めない場面では木工用接着剤を、早さを求める場面ではグルーガンの使用をおすすめします。
グルーガンで接着できる素材とできない素材
グルーガンには、接着できる素材とできない素材があります。接着できない素材の場合は、木工用接着剤などグルーガン以外のもので接着しましょう。
ここからは、接着できる素材とできない素材をそれぞれ紹介します。使用する前にきちんとチェックして失敗を避けましょう。
グルーガンで接着できる素材
グルーガンで接着できる素材の例として、以下のものが挙げられます。
- 木材
- 紙
- 布
- 金属
- 革
グルーガンは、工作や手芸などで素材同士をしっかりと接着できるほか、仮止め用としても使えます。身近な素材に適しているので、お店の造形物やデコレーションなど、アイデア次第で幅広く活用できます。
グルーガンで接着できない素材
グルーガンで接着できない素材には、以下のものがあります。
- プラスチック
- 陶器
- タイル
- ガラス
まったく接着できないわけではありませんが、表面がつるつるとした素材はグルーガンで接着しにくい傾向にあるため注意が必要です。せっかく接着してもすぐにはずれてしまう可能性が高いので、素材に適した他の接着剤を使用することをおすすめします。
グルーガンとスティックの種類

グルーガンを使うときは、接着剤であるスティックと一緒に使います。ここからは、グルーガンとスティックの種類と、それぞれの特徴を踏まえた選び方を解説します。
グルーガンとスティックは種類によって強度が異なるので、きちんと接着するために用途に合ったものを選びましょう。
グルーガンの種類と強度
グルーガンは、スティックを溶かす温度の違いによって、高温タイプと低温タイプにわかれます。
高温タイプは約160℃以上の高温でスティックを溶かします。スティックが溶けやすいため接着力が高く、強度を持たせたいときは高温タイプをおすすめします。ただし、接着する素材が熱に弱い場合は使用できないので注意しましょう。
一方、低温タイプは、約130℃以下の低温でスティックを溶かします。熱に弱い素材にも使えるので使用できる範囲が広く、高温タイプよりもリーズナブルに購入できる点がメリットです。
ただし、低温タイプの強度は高温タイプよりも低いので、強度が必要なときは別の方法を検討しましょう。低温といっても100℃以上の温度はあるので、使用するときは十分に注意が必要です。
グルーガン用スティックの種類と強度
グルーガン用スティックの種類も、グルーガンと同じく高温タイプと低温タイプがあります。使用するグルーガンに合わせて選びましょう。
更に、スティックには温度のタイプ以外に、径による違いもあります。スティック径は7mmと11mmがあり、グルーガン本体に合わせて使用します。
スティック径が7mmのものは、細かい部分や熱に弱い素材に接着したいときに向いています。一方、スティック径が11mmのものは、広い部分を接着するときや、強度を持たせたいときにおすすめです。
工作や手芸に!グルーガンとスティックのおすすめの使い方
ここからは、工作や手芸にグルーガンとスティックを使う方法を紹介します。あくまでも一般的な方法であり、実際に使用するときは取扱説明書の指示に従ってください。
グルーガンを使って接着する場合、以下の手順で行うのが一般的です。
- グルーガンにスティックをセットする
- グルーガンのコードをコンセントに差し込み、スティックが溶けるまで数分待つ
- グルーガンを接着したい部分にあて、レバーを引いてグルーを出す
- 接着したいものを合わせて、グルーが固まるまで1分程度固定する
グルーが固まるまでの時間は商品によって異なりますが、低温よりも高温タイプのグルーガンのほうが早く固まることが多いです。きちんと接着するために、グルーが固まるまでは動かさないようにしましょう。
グルーガンを工作や手芸で使うときの注意点
工作や手芸でグルーガンを使うときに注意しておきたい点を解説します。高温を使用するため、取り扱いには十分気をつけましょう。
グルーガンは、低温タイプでも100℃以上の高温になります。電源を入れたら先端には触れないようにして、火傷に注意しましょう。周囲に子どもやペットがいるときには、特に注意が必要です。
また、使用中のグルーガンを一時的に置く場合は、先端を下向きしてスタンドの下にアルミホイルなどを敷いておくと、グルーが垂れたときのあと片付けが簡単です。先端を上向きにすると溶けたグルーが垂れる可能性があり、そのまま固まると使用に支障が出るので注意が必要です。
グルーガンの使用が終わったら速やかにコンセントを抜いて、電源をオフにするように心掛けましょう。持ち運ぶときは、電源をオフにしておくと思わぬ事故を防止できます。
まとめ
幅広い素材の接着に使用できるグルーガンは工作や手芸などさまざまなシーンで活用できるため、ひとつあると便利です。木工用接着剤よりも早く固まる接着剤をお探しの方は検討してみてはいかがでしょうか。
グルーガンは温度タイプによって強度が変わるので、目的に合ったものを選ぶことが大切です。また、思わぬ事故を防ぐためにもグルーガンの先端に触れないことはもちろん、使わないときはすぐに電源をオフにすることを心掛けましょう。

監修者
番匠智香子(ばんしょうちかこ)氏 DIY アドバイザー
木工教室ばんちか工房を主催。美術大学で木工を学ぶ。 愛情を感じる DIY、家族で楽しめる DIY をテーマに HOW TO や講座を開催している。 著書に「木工ガールはじめての DIY」「賃貸でもここまでできる DIY」「木工でかんたん収納インテリア」「コメリではじめる簡単 DIY」など。
あわせて読みたい!関連&新着記事
錆び取りの方法を解説!発生する原因や錆びの種類、予防法も紹介
コーキングとは?シーリングとの違いや種類、施工方法など詳しく解説


