更新日:2024年4月30日
草刈機について徹底解説!製品を選ぶ際にチェックすべき点や、防護アイテムを紹介

草刈機は、管理する土地に生い茂る雑草を除去する際に役立つアイテムです。さまざまなメーカーから多種多様な製品が販売されているため、どのように草刈機を選べば良いのかわからず、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、草刈機がどのような機械なのかを徹底解説したうえで、製品を選ぶ際にチェックすべきポイントや、使用する際に装備すべき防護アイテムも紹介します。
草刈機の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
草刈機とは?
草刈機とは、電気モーターやガソリンエンジンなどの動力によって、金属製の刃やナイロン製のコードを高速回転させて草を刈る機械です。
農作業や園芸、企業、一般家庭の建物の敷地内に生えている雑草を除去する目的で利用され、「刈払機」と呼ばれることもあります。
芝刈機との違いは?
草刈機と似た機械に「芝刈機」がありますが、混同しないように注意しましょう。
草刈機は、雑草を根本から刈り取るための機械です。棒の先に付いている刃物が回転する仕組みになっており、さまざまな場所で雑草を除去する目的で利用されます。
一方の芝刈機は、芝などの長さを整えるための機械です。草刈機と異なり、刃物がむき出しになっていないのが特長です。台車のように押して使用するため、草刈機に比べると刃に石が当たって飛んでくる危険性が低く、庭などに生えている草の高さを均一にし、見栄えを良くするために利用されます。
草刈機を選ぶ際にチェックすべきポイント
以下は、草刈機を選ぶ際にチェックするべきポイントです。なお、購入前には実作業者と相談を行ったうえでの選定をおすすめします。
- ハンドルの形状
- 原動機(モーター、エンジン)
- エネルギー源(電気、ガソリンなど)
- 金属製の刃かナイロン製のコードか
- 騒音
それぞれについて詳しく説明します。
①ハンドルの形状
まず、ハンドルの形状を確認しましょう。草刈機のハンドルの主な形状は以下の3種類です。
- 両手ハンドル
- ループハンドル
- ツーグリップ
両手ハンドルの製品は棹にU字のハンドルが付いており、両手で握って使用するタイプで安定感があります。横方向に大きく動かしやすく、平坦地での作業に適していますが、傾斜地や障害物の多い場所では扱いにくいため注意が必要です。
ループハンドルの製品は、棹にリング状のハンドルが付いているタイプです。片手でハンドルを握って動かすことができ、姿勢を固定せずに済むので体への負担が少ない傾向にあります。また、縦方向に動かしやすく、傾斜が多い場所でもスムーズに草を刈り取ることが可能です。
ツーグリップの製品は棹のグリップ部分を握って使用するタイプで、角度を調整しやすいことから障害物が多い場所や傾斜地での細かい作業に適しています。ただし握る部位が決まっており、本体を同じ体勢で支え続ける必要があるため、長時間の作業では肉体的負担が大きくなることが注意点です。
②原動機(モーター、エンジン)
原動機が「モーター」なのか「エンジン(内燃機関)」なのかをチェックすることも大切です。
モーター式の製品はバッテリーやコードから送られてきた電気によって金属製の刃やナイロン製のコードを回転させる仕組みになっており、軽量で振動・騒音も小さい傾向にあります。振動や騒音を極力軽減したい方は、モーター式の製品を選ぶと良いでしょう。
エンジン式の製品はガソリンなどの燃料によってエンジンを動かし、刃やコードを回転させる仕組みになっており、搭載されているエンジンは以下の2種類に大別されます。
- 4サイクルエンジン:燃費効率が良く、パワーがある
- 2サイクルエンジン:重量が軽く、扱いやすい
それぞれの特長を把握したうえで、自社に適した製品を選びましょう。
③エネルギー源(電気、ガソリンなど)
エネルギー源に着目すると、草刈機は「電気によってモーターを動かすタイプ」と「ガソリンなどの燃料でエンジンを動かすタイプ」の2種類に大別されます。
山林などの電気が供給されていないエリアで長時間の作業をしたい場合は、燃料で動くタイプの製品を利用するほうが良いでしょう。なお、製品によって注入する燃料の種類(ガソリンと潤滑油の混合割合)が異なることに注意が必要です。
電気が供給されているエリアで、かつ、狭い範囲で短時間利用するのであれば電気で動く製品も選択肢のひとつになるでしょう。なお、バッテリー式の製品は充電が完了するまでに時間を要すること、コード式の製品はコードが届く範囲内でしか利用できないことをそれぞれ認識しておきましょう。
④金属製の刃かナイロン製のコードか
草刈機には「金属製の刃」が付いているタイプと、「ナイロン製のコード」が付いているタイプがあります。
金属製の刃が付いている製品であれば、丈夫な草も根本からキレイに刈ることが可能ですが、石などに当たると刃が欠けて切れ味が悪くなる場合もあるので注意しましょう。また、狭い場所や配管、コード線などがある場所での使用は断線の危険がありますので注意が必要です。
ナイロン製のコードが付いている製品の魅力は壁際を傷つけにくい点です。ただし、茎が太い草の場合は刈るのに時間を要する可能性があります。ナイロンコード自体は消耗品ですので、作業時には予備のコードを用意する必要があります。
また、金属刃とナイロンコードは用途に応じて本体アタッチメントで交換できるものがあるため、本体購入時に確認すると良いでしょう。
⑤騒音
住宅街で草刈りをするのであれば、どのくらいの音が発生するのかをチェックしておくことも重要です。
音の大半はエンジンで発生するので、一般的に燃料式よりも電気式のほうが静かな傾向があります。また、燃料式の場合は2サイクルエンジンよりも4サイクルエンジンのほうが、音が小さい傾向があることを覚えておきましょう。
草刈機のメンテナンス方法
エンジン式の製品の場合、定期的にフィルターの清掃・交換が必要です。チリやホコリが堆積して空気の通り道が塞がれてしまうと燃焼効率が悪くなってしまうので注意しましょう。
充電式の製品の場合は、長期間使用していなくても定期的にバッテリーを充電する必要があります。充電を適切な状態に保つことができれば、バッテリーの寿命を長くすることができるのでこの点にも気を配りましょう。
なお、利用時に加えて、保管時にも水や高温を避けるように心掛けましょう。水が内部に侵入したり、長時間高温の場所で放置したりすると故障の原因となるため、水がかかる可能性がある場所や直射日光が当たる場所に長時間放置するべきではありません。
汚れたら、乾いた布や薄めた中性洗剤を付けた布で拭いてください。
取扱説明書を読んでも解決できない不具合が発生したら、販売店やメーカーに対処法を問い合わせたうえで、必要な場合は修理を依頼することも検討しましょう。
草刈機を使用する際に必要な防護アイテム

以下は、草刈機を使用する際に必要な防護アイテムです。草刈機とあわせて購入しておくと良いでしょう。
- 防振手袋
- 頭部防刃保護具
- 安全靴・すね当て
- イヤーマフ・耳栓
- 飛散防止の防護ネット
各アイテムについて詳しく説明します。
①防振手袋
長期間手腕に振動を受け続けると、「手腕振動障害」を発症してしまう場合があります。手腕振動障害とは、手指などの末梢循環障害、末梢神経障害、運動器(骨、関節系)障害の総称です。
草刈機を使用する際は、手腕振動障害の対策として必ず防振手袋を着用しましょう。
また、金属刃とナイロンコードは用途に応じて本体アタッチメントで交換できるものがあるため、本体購入時に確認すると良いでしょう。
②頭部防刃保護具
草刈機の刃が石などに当たると、飛散物が頭や顔面に向かって飛んでくる可能性があります。万が一の事態に備えて、頭や顔面を保護するためのアイテムを着用したうえで作業を行いましょう。
具体的には、ヘルメットや防塵フェイスシールド、保護メガネといったアイテムを装着しておけば、刃や石が飛散しても比較的安全に作業することが可能です。
③安全靴・すね当て
草刈機の刃が石に当たった場合、必ず頭や顔面に向かって飛んでくるとは限りません。足元にも飛んでくる可能性があることを知っておきましょう。
安全靴やすね当てといった足元を守るためのアイテムを装備しておけば、飛散物によるケガを回避しやすくなるでしょう。
ただし、稼働時のキックバックや不用意な振り返りなどによる事故や怪我は防止しきれないため、安全靴やすね当てを使用している場合も刃物の取り扱いには十分注意しましょう。心配な方は、チェーンソー用のチャップスなど防刃保護具の着用も検討すると良いでしょう。
④イヤーマフ・耳栓
草刈機を使用すると大きな音が出ます。長時間使用していると、聴覚にトラブルが生じる可能性があるので、適切な対策を取ることをおすすめします。具体的には、イヤーマフや耳栓といった耳を保護するアイテムを装備したうえで作業を開始すべきです。
なお、草刈機の騒音の大きさは製品によって異なり、聴覚保護具に関しても製品によって防音性能は異なります。自社で使用する草刈機の騒音レベルに応じて、適切な製品を選ぶと良いでしょう。
また、作業開始前にフィットテストを実施し、遮音効果が得られているかどうかをあらかじめ確認しておくことも大切です。
まとめ
草刈機とは、電気モーターやガソリンエンジンなどの動力によって金属製の刃やナイロン製のコードを高速回転させることにより、草を根本から刈り取る機械です。
製品を選ぶ際には、「ハンドルの形状」「原動機」「エネルギー源」「金属製の刃かナイロン製のコードか」「騒音」についてチェックしましょう。
また、草刈機で作業をする際には、ケガをしたり障害を発症したりするのを防止するために、「防振手袋」「頭部防刃保護具」「安全靴・すね当て」「イヤーマフ・耳栓」といった防護アイテムを用意・装着しておくことも忘れてはいけません。また、回転する刃やコードは大変危険です。人が居ないかなど、周りの環境に細心の注意を払い事故やケガの無い安全作業を行いましょう。

監修者
なかむら氏 ガル事務所
商社での切花の輸出入業務の経験を活かし、25歳のときに独立。以来お花と樹木に30年以上関わり続けている。ひきこもり支援相談士としての活動では、お花や樹木に触れることで情緒の安定や老人介護施設での痴ほう療養に貢献する『園芸療法』や、過疎地での独立就農支援のための花卉栽培技術指導に力を入れている。東日本大震災の際にはボランティア活動として花苗栽培と植込みを行うなど、造園業界に新風を吹かせるべく、日夜奮闘中。
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