更新日:2024年12月26日
加湿器の種類を徹底解説!オフィスに最適な加湿器と選び方

オフィスに加湿器を導入する際は、加湿能力や設置場所の広さ、給水やメンテナンスの手間、設置台数やスペースの確保が重要です。加湿器の種類によって特長やメリット・デメリットも異なるので、目的に合ったものを検討する必要があります。本記事では、オフィスに最適な加湿器選びのポイントを解説します。
加湿器の種類は4つのタイプに分けられる

乾燥した季節やエアコンの影響で、室内の湿度が低下すると、肌や喉の不快感が増すことがあります。そのため、加湿器の導入は快適な住環境を整えるために重要です。加湿器は、大きく以下の4種類に分けられます。
1.超音波式

超音波式加湿器は、超音波の振動により水を細かい粒子にし、ミストで加湿するタイプです。一般的にコンパクトなサイズで、操作が簡単なモデルが多く、家庭やオフィスなどさまざまな場所で手軽に使用できます。また、アロマ対応の製品も多く、香りとともに空間を潤せるのが特長です。比較的安価で購入でき、市販されている加湿器の中では特に普及しています。
仕組み
超音波式では、超音波発生装置によってタンク内の水を振動させ、水面にミストを発生させる技術を採用しています。この振動が水面に伝わると、水面の一部が隆起し、微細な水滴が形成されます。この微細なミストは、加湿器内部のファンによって風が当てられ、空気中に拡散されます。
この方式は、ヒーターを搭載していないため、軽量で持ち運びが容易な点が特長です。また、さまざまなメーカーが参入しており、幅広いデザインや機能が提供されています。
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
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超音波式のメリットとしては、イニシャルコストが安く、消費電力が低いため電気代を抑えられる点が挙げられます。さらに、静穏性に優れ、ヒーターなどの構造物がないため小型の製品が多い点も特長です。そのため手軽に導入しやすく、オフィスや家庭での使用に適しています。デザイン性の高いモデルも多く、アロマオイルを使用できるディフューザーとしての機能も魅力です。
一方で、加湿範囲が限られるため、大部屋では効果が薄れやすいデメリットがあります。また、タンク内に雑菌が繁殖しやすく、小まめな手入れが必要です。手入れを怠ると、タンクやトレー、フィルタに雑菌が繁殖し、それを水滴にのせて空中に放出する可能性があります。そのほか、水の粒子が大きいため、近くの家具や壁紙を濡らしたり、白く汚したりすることがある点にも注意が必要です。
2.スチーム式

スチーム式加湿器は、ヒーターで水を熱して蒸気を作り、空気中に放出することで、部屋の湿度を上げます。加熱された蒸気が空気中に放出されるため、加湿効果が高く、特に冬場の乾燥した空気での使用に適しています。
仕組み
スチーム式では、タンクの下部でヒーターを用いて水を加熱して、蒸気(湯気)を発生させます。ファンにこの蒸気を送風し、空気中に送ることで湿度を高める仕組みです。原理的には、やかんやケトルでお湯を沸かす際に出る湯気と同じです。
スチーム式は大量の蒸気を発生させるため、非常に高い加湿効果を発揮します。反面、加湿量が多過ぎると、空気中で受け止めきれなかった水分が結露の原因となることがあります。
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
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スチーム式には、雑菌が繁殖しにくい、手入れが比較的簡単、加湿力が高いといったメリットがあります。水を沸騰させることで衛生的に加湿でき、高温の蒸気は室温も上昇させ、寒い季節に暖を提供します。また、短時間で湿度を上げるため、広い空間にも対応しやすいのが特長です。
一方、デメリットとしては消費電力が高く、電気代がかかる点が挙げられます。蒸気の吹出口が熱くなるためやけどのリスクもあり、特に小さなお子様やペットがいる場合には、設置場所に注意が必要です。加えて、加湿力の高さゆえ結露が生じやすく、カルキの付着で加湿能力が低下する可能性もあるため、小まめな手入れが必要です。
このように、高い加湿力と温かい蒸気が魅力ですが、安全面やランニングコストに関しても注意が求められます。
3.気化式

気化式加湿器は、吸水したフィルタに風を当てて水蒸気を発散させるタイプです。自然な蒸発を利用するため、部屋全体を穏やかに加湿できるのが特長です。過剰な湿度になりにくく、長時間の運転が必要な場面に向いています。
仕組み
気化式では、タンク内の水をフィルタで吸水し、その濡れたフィルタにファンの風を当てることで、気化した水蒸気を発散します。この仕組みは、濡れたタオルを部屋干しし、扇風機の風を当てるイメージに近いです。これにより、部屋の湿度が自然に上昇し、快適な環境を作り出します。シンプルかつ自然な加湿方法であるため、経済的にも衛生的にも優れた選択肢といえます。
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
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気化式のメリットとしては、水分粒子が細かく雑菌が入り込みにくいため、衛生的で安全性が高いことが挙げられます。また、消費電力が比較的低いため電気代も安く、熱を使わないので小さなお子様やペットがいる家庭でも安心して使えます。さらに、自己調湿機能を備えた製品が多く、過加湿による結露が生じにくい点も魅力です。
一方、デメリットとしては、加湿力がやや低い点が挙げられます。排出される水分に雑菌は少ないものの、フィルタにカビが発生しやすく、小まめな手入れも必要です。また、加湿性能を保つため送風量が大きくなり、機種によってはモーターやファンの音が気になる場合もあります。 なお、ほかのタイプに比べ加湿力は控えめですが、近年は加湿性能が向上したモデルも登場しており、人気が高まっています。
4.ハイブリッド式

ハイブリッド式加湿器は、これまで紹介した仕組みを組み合わせた、効率的な加湿方法を提供する加湿器です。このタイプは、気化式や超音波式の仕組みに加熱式を組み合わせることで、それぞれの長所を活かしつつ短所を補う設計となっています。
また、一部の製品は、ヒーターで加熱した水を超音波でミスト状にする機能も備えており、これにより加湿能力をさらに強化しています。この仕組みによって、細かい水粒子が放出され、より快適な空間を提供します。
ハイブリッド式は加湿器の中でも特に高い性能を持ち、さまざまなニーズに応じて利用される人気のタイプとなっています。
仕組み
ハイブリッド式加湿器には主に2つの仕組みがあり、ひとつは吸水したフィルタに温風を当てる方法です。この仕組みでは、濡れたタオルにドライヤーの温風を当てるイメージで、フィルタが持つ水分が蒸発し、部屋に湿気を供給します。ファンを搭載しているため、迅速かつ広範囲に加湿できるのが特長です。
もうひとつは、タンク内の水をヒーターで加熱する方法です。加熱された水は超音波でミスト状にされ、気化して部屋に放出されます。この方式では、水を加熱することにより強力な加湿が可能ですが、気化式に比べて放出される水粒子が大きくなるため、床や壁が濡れやすいというデメリットがあります。
ハイブリッド式は、これらの方式を組み合わせることで、それぞれのよい点を活かし、加湿能力を高める工夫が施されています。
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
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ハイブリッド式のメリットとしては、気化式に比べて加湿力が高い点が挙げられます。このタイプでは熱を利用するため、雑菌の繁殖を防ぎやすく、衛生面でも安心です。また、加熱式とは異なりやけどのリスクが低く、安全に使用できるのも特長です。さらに、静穏性に優れたモデルも多く、静かな環境を保ちつつ加湿できます。
一方で、構造が複雑な上にヒーターを搭載しているため、イニシャルコストも電気代も高くなりやすい点はデメリットです。さらに、ミストの粒子が大きいタイプの場合、ホワイトダストが発生しやすいという欠点もあります。
オフィスに最適な加湿器の選び方

加湿器は種類も機能もさまざまであるため、導入の際はオフィスに適した製品を選定する必要があります。最後に、オフィスに最適な加湿器の選び方を解説します。
加湿能力・設置場所の広さで選ぶ
加湿器選びにおいては、加湿能力が重要なポイントのひとつです。加湿器の加湿能力は「mL/h」という単位で表され、この数値が大きいほど加湿力が高く、広い範囲を短時間で加湿できることを示します。例えば、加湿能力が200mL/hの場合、木造住宅の和室で約3畳、プレハブ住宅の洋室で約6畳の広さに適しています。
オフィスフロアに設置する場合は、業務用の加湿器が適していますが、面積だけでなくオフィスの容積(天井の高さ)や換気量も考慮が必要です。容積が大きければ、同じ床面積でも必要な加湿能力が増えます。また、換気量が多いオフィスでは、加湿した水分がすぐに外に排出されてしまうため、より高い加湿能力が求められます。
加湿能力が部屋の広さに対して低過ぎると、フル稼働しても加湿が不十分で、加湿器周辺だけ湿度が高い状態になる恐れがあります。逆に、加湿能力が高過ぎると過加湿状態になり、結露やカビの発生につながります。そのため、設置場所の広さや構造にあわせて、最適な加湿能力の加湿器を選ぶことが大切です。
参照:一般社団法人日本電機工業会「加湿器ってなに?」
給水の頻度・負担で選ぶ
加湿器を日常的に使用する上で、給水は避けて通れない重要なポイントです。特に、業務用などの大容量加湿器を選ぶ際は、給水タンクの大きさが使用感に大きく影響します。一般的に、給水タンクが大きいと、それに伴い重量も増加します。そのため、持ち運びや給水作業の負担を考慮することが不可欠です。
例えば、加湿能力が500mL/hの加湿器を使用する場合、約8時間の稼働を持続するには、タンクの容量が4~4.5L程度必要になります。これは、重さにして約4~4.5kgに相当します。タンク容量が小さければ持ち運びはしやすいものの、加湿能力は相対的に低くなり、台数を増やす必要が出てくる場合もあります。また、頻繁な給水が必要となり、日々の負担が増えることが考えられます。
一方で、給水タンクの容量が大きい場合、連続して使用できる時間が長くなりますが、タンクのサイズや重さも増します。水をこぼさず運べるか、給水がしやすい設計になっているかなど使いやすさにも注目し、最適な給水タンクの容量を選ぶことが重要です。
メンテナンスのしやすさで選ぶ
加湿器を選ぶ際には、メンテナンスのしやすさも重要なポイントです。どのタイプの加湿器でも、定期的なお手入れは必須ですが、その手間や方法は種類によって異なります。例えば、超音波式では超音波発生装置の手入れやタンク内部の清掃が求められます。一方、気化式の場合はフィルタの手入れや交換が必要です。これらのメンテナンスが煩雑だと、使用する際の負担が増し、結局使わなくなってしまう可能性もあります。
特に、フィルタ交換が必要な加湿器を選ぶ場合は、交換のタイミングやその頻度、ランニングコストも事前に把握しておくことが大切です。加湿器の中には、フィルタが1つだけのシンプルなものから、複数必要なものまでさまざまあります。フィルタの洗浄頻度が高い場合や、交換部品が多いと、日常的なお手入れが大変で、結果的にランニングコストの増大につながります。
また、メンテナンスを怠ると、加湿能力の低下を引き起こすだけでなく、雑菌やカビが空気中に飛散する「加湿器病」を引き起こす原因にもなりかねません。日々の業務に負担をかけないためにも、メンテナンスが容易で、清潔な状態を維持しやすい加湿器を選ぶことをおすすめします。
設置台数・スペースで選ぶ
設置スペースや設置台数を考慮することも大切です。特に、大容量の加湿器はサイズが大きくなりがちなので、あらかじめ置き場所を決めておく必要があります。加湿器を設置する際は、周辺機器や資料に影響を与えないよう、水漏れやホワイトダストの対策を行うことが求められます。例えば、プリンターの横に加湿器を置くと、湿気によって故障を引き起こす可能性があるため、位置関係にも十分に注意を払う必要があります。
また、加湿器を設置する際には、その機器が占めるスペースだけでなく、周囲のスペースも考慮しましょう。設置条件として必要なスペースは製品ごとに異なるため、購入前に確認しておくと安心です。 さらに、設置台数が増えるほど、追加の置き場所や保管場所が必要になります。加湿器と空気清浄機が一体になったタイプであれば、冬だけでなくオールシーズンでの利用が可能で、保管場所の問題を解消できます。
このように、加湿器の設置に関しては、そのサイズや設置条件をしっかりと確認した上で、スペースを確保することがポイントです。
まとめ
オフィスに最適な加湿器を選ぶには、加湿能力、設置場所、給水の負担、メンテナンスのしやすさ、設置台数を考慮することが重要です。大容量加湿器は連続使用が可能ですが、重さや使いやすさも変わってきます。手入れの簡便さや周囲への配慮も踏まえ、よく比較検討することが大切です。
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