更新日:2025年2月27日
包丁の種類やおすすめの用途を紹介!素材別の特徴と違いも

包丁にはさまざまな種類があり、食材や料理によって適した包丁の種類は異なります。適切な包丁を選ぶと、調理の効率が向上し、仕上がりも期待できます。本記事では、包丁の種類や用途、各包丁の違いや特徴、選び方、お手入れ方法まで解説します。
主要な包丁の種類とおすすめの用途
包丁には、三徳、牛刀、出刃、柳葉などさまざまな種類があります。包丁によって、肉類や魚など調理しやすい食材が異なるため、用途に応じて包丁を使い分けるのがおすすめです。以下では、主な包丁の種類と用途について解説します。
三徳

三徳包丁は、文化包丁や万能包丁とも呼ばれる、日本で生まれた包丁です。日本で肉料理を食べる機会が増加した頃に、それまで使われていた菜切包丁と牛刀の特徴を取り入れて作られたとされています。
名前の通り、野菜、肉、魚のどの調理にも幅広く使用できることから、現在では日本の多くの家庭で使われています。刃渡りは16.5〜18cm程度で、持ちやすい大きさと形をしているのが特徴です。
牛刀

牛刀包丁は、西洋式の万能包丁です。塊肉を小さく切るために作られた包丁で、刃の先端が鋭く、肉の筋切りなどにも使いやすくなっています。刃渡り20~30cmほどとサイズが大きく、刃には刃先から根本までゆるいカーブが付いています。カーブが付いた長い刃は、包丁を手前に引きながら切る「引き切り」をするための形状です。この形を活かした切り方で、大きな塊肉も楽にカット可能です。
西洋包丁には、三徳包丁と比べて刃渡りが長く、身幅が狭いなどの特徴もあります。先端が細いため細かい作業がしやすく、肉に限らず野菜の細切りやみじん切り、魚をさばく作業など、さまざまな調理に適しています。
出刃

出刃包丁は和包丁の一種で、主に魚の調理に使用する包丁です。魚をさばく作業や硬い骨を切る作業、魚の頭を落とす作業、ウロコ取りなどに使われます。刃が厚くて重いため、魚の硬い骨を切る際に力を入れても刃が折れにくく、自重を利用して切り落としがしやすい点も特徴です。
出刃包丁の刃は、魚をさばく際に骨に沿って刃を入れやすい片刃です。刃渡り10~30cmほどと、さまざまなサイズがあり、魚の背中から腹までの縦幅と同じ刃渡りの包丁を使用することで、魚をさばきやすくなります。
柳刃

柳刃包丁は、刃が薄く、刃渡りがとても長い片刃の和包丁です。主に刺身用に用いられ、柳の木の葉の形に似ているため柳刃包丁と呼ばれています。薄く長い刃は、魚の柵などの引き切りに適しています。一方向に引き切る切り方で、刺身の切り口が美しくなり、鮮度の維持も可能です。おいしい刺身を作りたい場合におすすめの包丁です。
ペティナイフ

ペティナイフは、牛刀に似た形状の小ぶりな西洋包丁です。サイズが小さく軽いため扱いやすく、野菜、肉、魚などさまざまな食材の下ごしらえに使われます。細かい作業に適しており、バーテンダーやパティシエなどが果物や野菜の皮むき、飾り切り作業をする際にもよく活用されます。
似たサイズでフルーツナイフがあります。ペティナイフが肉や魚を切れる程度の刃の鋭さを持っているのに対し、フルーツナイフの切れ味はペティナイフほどではなく、一般的に刃が薄く設計されています。
刃渡りは12~15cmほどのものが多く、場所を取らないため収納にも困りません。飾り切り用や万能包丁代わりなど、さまざまな用途に使える便利な包丁です。
菜切

菜切包丁は、名前の通り葉物野菜を切る際に使用される包丁で、薄く幅広の刃と四角い刃先が特徴です。刃が幅広いため、キャベツなどの厚みのある野菜も切りやすく、野菜のざく切りや千切り、みじん切りなどさまざまな切り方に向いています。
菜切包丁には両刃と片刃があり、両刃の菜切包丁は野菜を切る作業、片刃は大根の桂むきなどの作業に適しています。一方で、菜切包丁は刃が薄く刃の先端が鋭くないため、肉や魚の調理には向いていません。硬い食材などを力を入れて切ろうとすると、刃こぼれする場合もあるため注意が必要です。
筋引

筋引包丁は、主にブロック肉の切り分けなどに使用する包丁です。薄く細長い刃をしているため、筋に沿って肉を切り分けたい場合に便利です。同じ細長い刃ではあっても、主に刺身を切る柳葉包丁より刃に厚さがあることから、弾力のある大きな肉を切る場合に適しています。
筋引包丁の刃渡りは、24~30cmほどです。24cmのサイズは幅広い用途に使用でき、27cmのものは肉料理を提供する店舗など、30cmは精肉店などで多く使用されています。
パン切

パン切包丁は、名前の通りパンを切る際に使用する包丁です。細長く、ノコギリ状のギザギザの刃が付いている「波刃」タイプと、まっすぐな刃が付いている「平刃」タイプがあります。
「波刃」タイプは、やわらかいパンから硬いパンまでさまざまな種類のパンを、刃を押し引きしながら切り込みを入れる方法できれいにカットできます。まっすぐな刃の「平刃」タイプは、やわらかいパンやケーキなどのカットに適している一方、フランスパンなどの固いパンにはあまり向いていません。パンの幅よりも刃渡りの長いものを使用すると切りやすいため、刃渡り20~25cmほどの包丁がおすすめです。
麺切

蕎麦切包丁とも呼ばれる、うどんや蕎麦を作る際に用いられる包丁です。刃渡りが長く、四角い形状の刃が持ち手部分の下まで伸びているのが特徴です。
刃渡りは24~33cmほどで、大量の麺を作る場合には刃渡り30cm以上のものが適しています。刃渡りが長いほど重くて扱いも難しいですが、小さすぎたり軽すぎたりする蕎麦切包丁では一度に作れる麺の量が限られるため、目的に合わせて選ぶことが重要です。
重い包丁を使用する場合には、包丁の重さで生地を切る「垂直切り」、軽い包丁を使用する場合には、包丁をスライドさせて切る「押し切り」などの切り方で蕎麦を作ります。
中華

中華包丁は、中華料理を作る際に使用する包丁です。大きくて四角い刃が特徴で、肉や魚、野菜などどんな食材の調理にも適しています。刃は丈夫で重さがあるため、重さを利用してスムーズに食材をカットできるメリットがあり、肉や魚を骨ごと切る際にも使えます。
食材を切るだけでなく、叩いたり、刃の平らな面でつぶしたりといった、さまざまな使い方が可能です。肉や野菜を切り、さらにニンニクをつぶすなど、さまざまな調理工程を1本の包丁でできるため、料理を楽に行えます。
素材別の特徴や違い
包丁の素材には、ステンレスや高炭素鋼、セラミックなど、さまざまな種類があります。素材によって、切れ味やメンテナンスのしやすさなどが異なるため、購入する際は目的に合う素材のものを選びましょう。
ステンレス製包丁の特徴
ステンレスとは、鉄にクロムを合わせた合金です。ステンレス製の包丁は、鋼の包丁に比べるとやや切れ味が劣る一方、錆びにくくメンテナンスしやすいなどのメリットがあります。手入れは使用後に洗って乾かすだけでよく、耐久性が高いため頻繁に研ぎ直しをする必要もありません。
メンテナンスのしやすさから家庭用として選ばれるケースも多く、包丁の水気を何度も拭き取る時間が取れない調理場での使用にも向いています。また、果物など酸性の食材を切る場合にも、錆びにくいステンレス製がおすすめです。
高炭素鋼製包丁の特徴
炭素鋼は、炭素を含んだ鉄の合金です。炭素の含有量が多くなるほど硬度・強度が上がるため、0.6~1.5%ほどの炭素を含む高炭素の合金が刃物などに用いられます。高炭素鋼製の包丁は切れ味が鋭く、切れ味も長期間続くなどのメリットから、プロの料理人に好まれています。
一方、使用後に水分などが残っていると錆びやすいため、よく乾かしてから油を塗るなどの小まめなメンテナンスが必要です。硬度が高い分、欠けやすいといったデメリットもあります。
セラミック製包丁の特徴
セラミックは、金属ではなく陶器の一種です。金属ではないため錆びる心配がなく、匂い移りがしにくいのが特徴です。
セラミック製包丁には、錆びにくいだけでなく軽量で扱いやすい、摩耗しにくいため長期間切れ味のよさが続く、といったメリットもあります。食洗機で洗っても問題なく、特別なお手入れが必要ないためメンテナンスも楽です。
ただし、セラミックは衝撃に弱く、固い食材を切ると刃こぼれしやすい点や、刃を研ぐ際は専用のシャープナーが必要な点に注意しましょう。
包丁の正しい使い方と手入れ
包丁には、正しい持ち方や研ぎ方、お手入れ方法などがあります。使い方やお手入れの仕方に注意することで、適切に包丁を使用でき、調理のしやすさがアップします。
基本的な持ち方
包丁を正しく持つだけで、調理中の安全性と作業効率が大きく変わります。包丁の持ち方には、「握り型」や「指さし型」など複数の種類があります。持ち方によって力の入れ方などが異なるため、包丁の種類や食材に応じて持ち方を変えるのもおすすめです。
基本的な持ち方は「握り型」で、野菜や肉、固い食材など、幅広い食材の調理に適しています。
「握り型」は、中指を包丁の柄の根本あたりに当てて、中指、薬指、小指の3本の指を柄にかけ、親指と人差し指で柄の付け根部分を挟み、3本の指で柄をしっかりと握る持ち方です。
研ぎ方の基本
包丁を毎日使用していると、刃が摩耗して切れ味が低下していきます。そのため、包丁を定期的に研ぎ、切れ味を維持することが大切です。
包丁を研ぐ際には、「荒砥石」「中砥石」「仕上砥石」などの砥石を使用します。目の粗い「荒砥石」は刃が欠けた場合の修正に、「仕上砥石」は一度研いだ後、切れ味を高める仕上げなどの目的で使用する砥石です。日常的に刃を研ぐ際に使用するのは、適度に削って刃の切れ味を戻す「中砥石」です。
研ぎ方

- 研ぐ前に包丁をよく洗い、砥石は5分ほど水に浸けておきます。
- 砥石を研ぎ台にセットする、もしくは滑らないよう濡れ布巾を敷いた上に置きます。
- (両刃の包丁の研ぎ順は、刃の表(右側)から刃の裏(左側))研ぐ際には、右手で包丁を握り、刃の根元部分を親指で押さえながら、砥石と包丁が45度程度の角度になるよう包丁を当てます。

- 砥石表面と刃の角度を、10円玉2枚を重ねた厚みと同程度の15度ほどにします。
- 刃の裏面に左手の指を添えて、押し出す際に力を入れて研いでいきます。
- 砥石が乾かないように水をかけながら、刃の根元から刃先まで徐々に研ぎます。
- 研いだ刃を見て、刃先全体に「かえり(バリ)」が出ていたら完了です。
- 同様に刃の裏も研ぎ、研ぎ終わったら新聞紙で「かえり」をこすり落とします。
お手入れと保管方法
包丁を使用した後には必ず洗い、お手入れをしてから保管します。正しいお手入れや保管ができていないと、包丁に錆びや変色が生じる恐れがあります。特に、鋼の包丁などは錆びに弱く、調理中に数分置いただけでも錆びてしまう場合があるため、適切なお手入れが欠かせません。
包丁の刃の表面に水が付いた状態で放置していると、水や空気が原因で金属が酸化し、錆びが生じてしまうため、包丁は使ったらすぐに洗って水分を拭き取ります。収納する前には、しっかり乾かして完全に水分を飛ばすことが大切です。また、普段あまり使用しない包丁を保管する際は、水気を取ってから刃物油で油拭きをして保管すると錆びにくくなります。
まとめ
包丁には、万能包丁や柳葉、菜切などさまざまな種類があります。食材に合わせて適した包丁を選ぶと、調理がしやすくなり、料理の仕上がりも期待できます。また、日々のメンテナンスにも気を配ることで、包丁の切れ味を維持し、錆びを防止できます。包丁の選び方、適切なメンテナンス方法を押さえ、調理の効率化に役立てましょう。
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