更新日:2024年11月28日
【モニター選びの基本】解像度とは?画素数・サイズ名とあわせて解説

モニターの解像度は、映像の美しさだけでなく、作業の効率にも直結します。しかし、解像度の違いや適切な選び方がわからない方も多いのではないでしょうか。本記事では、解像度の基本的な意味や、用途に応じた解像度の選び方を詳しく紹介します。解像度についての理解を深め、最適なモニターを選ぶための参考にしてください。
解像度とは?意味や単位について解説
解像度という言葉はよく耳にするものの、その詳細を理解していない方も多いのではないでしょうか。以下では、解像度の意味や単位について詳しく解説します。
解像度の意味

解像度は、画像や映像の細かさを示す指標で、画像や映像を構成する「点(ピクセル)」の密度を数値で表します。特にディスプレイやモニターにおいて、画像の質や表示領域の広さを決める重要な要素です。
一般的に解像度は、1インチ内にどれだけのピクセルがあるかを示す、「ppi(pixels per inch:ピクセル・パー・インチ)」という単位で表されます。この数値が高いほど、画面上に表示される画像はより細かく、鮮明に描写され、視認性が向上します。例えば、解像度1920×1080ピクセルのFHD(フルHD)モニターでは、横方向に1,920個、縦方向に1,080個のピクセルが並んでいます。この解像度では、合計2,073,600個の画素数があり、鮮明な映像を提供します。
さらに、現在主流となっているのは「4K」と呼ばれる解像度は、3840×2160です。この解像度はフルHDの約4倍にあたる約8,294,400個の画素数を持ち、非常に高精細な映像を実現します。
ただし、同じ解像度でも画面サイズが大きくなると、ピクセルの密度が下がり、画像の鮮明さが低下することがあります。そのため、画面サイズと解像度のバランスを考慮することが、より高品質な表示を得るためのポイントです。
単位:ppiとdpiの違い
解像度を示す単位には「ppi」と「dpi(dots per inch:ドット・パー・インチ)」がありますが、それぞれ異なる用途で使用されます。
モニターやディスプレイなどのデジタルデバイスでの解像度は「ppi」で表され、1インチ内にどれだけのピクセルがあるかを示します。これは、デジタル画面上で画像を鮮明に表示するための基準となります。
一方、プリンターやスキャナーなどの印刷関連機器では「dpi」が使用され、こちらは1インチの一辺にいくつのドットが並んでいるかを示す単位です。ドットが密集しているほど、印刷物が鮮明に出力されます。例えば、300dpiのプリンターは、1インチ内に300個のドットを印刷でき、高精細な印刷が可能です。
このように、ppiはデジタル画面の解像度、dpiは印刷の解像度を表します。どちらも数値が高いほど高精細であるという点では共通しています。
【解像度別】主要なモニターサイズ名と特徴

現代のモニター選びでは、解像度が非常に重要な要素です。より高解像度のモニターでは、より詳細な映像や画像が表示されます。解像度の違いは、映像や画像の鮮明さ、表示エリアの広さ、作業効率にも大きく影響します。
以下では、主要な解像度別に代表的なモニターサイズの特徴を解説し、どのような用途に向いているかを紹介します。自分の用途や好みに合った解像度のモニターを選ぶ参考にしてください。
【1366 × 768】WXGAモニター
WXGA(Wide XGA)は、XGA(eXtended Graphics Array)のワイド版です。XGAが標準解像度の1024×768ピクセルだったのに対し、WXGAはその横幅を広げた形になります。一般的には1366×768ピクセルの解像度が主流ですが、1280×800ピクセルや1440×900ピクセルといった解像度もバリエーションとして存在します。
WXGAモニターは、エントリーレベルのPCやノートパソコンでよく採用されています。特に価格が抑えられている点が大きなメリットで、手軽にワイドなディスプレイを利用できるため、コストを重視するユーザーに向いています。
しかし、フルHDや4Kと比べると、画像や文字の鮮明さには欠けることがある点も事実です。そのため、精細さが求められる作業には向かず、主に文章作成やインターネットの閲覧といった、軽めの作業に適しています。
【1920 × 1080】FHDモニター
FHD(フルHD)モニターは、解像度1920×1080ピクセルで、かつて「2K」とも呼ばれていたディスプレイ規格です。現在、2Kは別の解像度(2560×1440ピクセル)を指します。
FHDは、Pモニターとしては現在でも主流の解像度で、仕事やエンターテインメントの幅広い用途に対応しています。動画視聴、文書作成、ウェブ閲覧など、一般的な使用シーンでは非常に使いやすく、価格も手頃です。また、配信サイトなどのコンテンツはFHDに対応しており、高画質な映像を楽しめます。
一方で、デザインや映像制作などの業務においては、やや時代遅れ感が出てきています。現在は4K(3840×2160ピクセル)のより高解像度のコンテンツや、動画配信サービスが増え、FHDでは解像度が物足りないと感じることが多くなってきました。例えば、細かいディテールを表現するデザイン業務や、映像制作の現場では、4K以上のモニターが推奨されています。とはいえ、FHDは描画負荷が小さく、軽快なパフォーマンスが求められる用途には依然として有効です。
【2560 × 1440】WQHDモニター
WQHDモニターは、解像度2560×1440ピクセルのディスプレイで、FHD(1920×1080ピクセル)に比べて高画質かつ高精細な映像を提供します。
WQHDは「Wide Quad HD」の略です。QHD(Quad HD)とは、HDの解像度を縦横2倍にしたものを指し、合計3,686,400画素で構成されています。なお、QHDとWQHDの解像度やアスペクト比は同じです。
フルHDに比べて、WQHDモニターはより多くの情報を一度に表示できるので、作業効率の向上につながります。特に、クリエイティブな作業を行うデザイナーや映像編集者にとって、細部まで鮮明に表示されるこの解像度は魅力的です。また、ゲームの映像をよりリアルに体験できるため、ゲーマーにも支持されています。
解像度が4Kよりも劣るものの、WQHDモニターは4Kに比べて比較的安価で入手可能な点が大きなメリットです。フルHDでは物足りないと感じるユーザーにとって、WQHDモニターはコストパフォーマンスに優れた選択肢になります。
【3840 × 2160】4K(UHD)モニター
4Kモニター、またはUHD(Ultra High Definition)モニターは、解像度3840×2160ピクセルで8,294,400画素を持つ高解像度ディスプレイです。FHDの4倍の画素数を持ち、映像や写真の細部まで鮮明に表示することが可能です。
4Kモニターは、主に動画編集やゲーム、グラフィックデザインなど、画質にこだわる作業に使用されます。色の再現性や細部の描写が非常に高く、特に色や質感のリアルさが求められる分野では、4Kモニターがおすすめです。映画鑑賞など、没入感を高めるために高解像度の4Kがよく選ばれます。
また、4Kモニターは一度に表示できる情報量が多く、効率的な作業環境を構築するためのツールとしても優れています。FHDモニターでは物足りないユーザーや、より高画質な映像を楽しみたいユーザーには、4Kモニターが理想的な選択肢です。
【7680 × 4320】8K(SHV)モニター
8Kモニターは、7680×4320ピクセルという驚異的な解像度を誇るディスプレイで、33,177,600画素を持つ超高精細ディスプレイです。「SHV(Super Hi-Vision)」とも呼ばれ、4Kの4倍にあたる解像度で、人間の肉眼で認識できる以上の情報を表示できます。
例えば、医療分野では内視鏡手術や精密診断において、8Kの高解像度映像が患者の状態をより詳細にとらえることを可能にしています。設計や開発の分野でも、細部まで正確に表現されるため、より精密な設計や検証が可能です。
また、8Kのディスプレイは特に色域が広く、自然界に存在しない色まで表現可能です。今後は、広告やサイネージ、美術鑑賞など多岐にわたる分野で、8Kモニターの普及が進むと期待されています。
【用途別】ビジネスに必要な解像度の目安
ビジネスシーンにおいて使用するモニターの解像度は、作業内容や用途によって適切なものを選ぶことが重要です。以下では、用途別におすすめの解像度を紹介しながら、それぞれどのような業務に適しているのかを詳しく解説します。

オフィス用途:FHD(1920 × 1080)
オフィス業務には、FHDモニター(1920 × 1080ピクセル)が適しています。FHDモニターは、文書作成や表計算などの入力・確認作業に十分な解像度を提供します。またFHDモニターは、ひとつの画面に複数のウィンドウを表示しても十分な表示領域を確保できるため、効率的に作業を進めることが可能です。メールや資料作成、データ入力を頻繁に行う業務には十分対応できる性能です。
さらに、FHDモニターは比較的安価に入手でき、コストパフォーマンスに優れています。オフィスでの作業に必要な機能と手頃な価格のバランスを考えると、FHDは最も実用的な選択肢です。
マルチタスク用途:WQHD(2560 × 1440)
マルチタスクが求められるオフィス作業には、WQHD(2560 × 1440ピクセル)の解像度を持つモニターが最適です。FHD(1920 × 1080ピクセル)に比べて表示できる情報量が多く、複数のウィンドウやソフトウェアを同時に開いて作業する場面でも、画面が狭く感じることなく効率的に進められます。例えば、Excelでのデータ入力や分析、メールの確認、ウェブブラウジングなどを同時に行う際、ひとつの画面で複数の情報を視認しやすくすることで、業務の生産性が向上します。
また、WQHDモニターは映像の表示も繊細で、グラフィックの細部が鮮明に見えるため、ビジュアルが重要な資料作成やプレゼンテーションの準備にも向いています。さらに、4Kモニターよりも価格が手頃で、コストパフォーマンスにも優れる点が魅力です。特に、複数のタスクを同時にこなす方や、オフィス作業においてより広い表示領域が必要な方には、WQHDがおすすめです。
映像・デザイン用途:4K(3840 × 2160)
映像やデザインを扱うクリエイティブな業務には、4Kモニター(3840 × 2160ピクセル)が適しています。4Kモニターは非常に高解像度で、色の再現性やディテールが優れており、特に映像編集や画像加工など、正確な色表現が求められる作業において、その性能を発揮します。
クリエイティブ作業では、色味のズレや細部の再現性がクオリティーに大きく影響を与えるため、4Kの繊細な表示が不可欠です。ただし、解像度が高い分、パソコンの処理能力や、グラフィックボードなどの性能が求められる点には注意が必要です。
高解像度のモニターを選ぶ際の注意点

モニターを選ぶ際には、単に解像度が高ければよいというわけではありません。解像度の向上は、確かに画質や表示の鮮明さを高めますが、使用するパソコンや周辺機器の性能、接続方法など、ほかの要素にも注意を払う必要があります。以下では、高解像度モニターを選ぶ際に気をつけたいポイントを紹介します。
GPUの性能が足りずに処理落ちする可能性がある
4Kモニターのような高解像度ディスプレイを使用する場合、パソコンのGPU(Graphics Processing Unit)が重要な役割を果たします。もし、パソコンのGPUが対応する解像度に見合った性能を持っていない場合、処理落ちが発生する可能性があります。フレームレートの低下や映像のちらつきが現れ、快適な操作環境を損ないます。特に、4KモニターはFHDモニターの4倍の画素数を持つため、その分GPUにかかる負荷も大きくなります。したがって、高解像度モニターを選ぶ際は、パソコンのGPU性能を確認し、必要に応じてアップグレードすることが大切です。
解像度に合った接続端子・ケーブルが必要になる
高解像度のモニターを使用する場合、接続するパソコンとの間に適切なケーブルや端子を選ぶことも重要です。例えば、一般的に使用されるHDMIケーブルですが、4Kモニター以上の解像度を表示するには、HDMIのバージョンにも注意が必要です。HDMI 2.1以上であれば、理論上8Kまで対応しています。
また、DP(DisplayPort)を使用する場合も、バージョン1.2以上が推奨されます。DP 1.2は4Kまで、DP 1.4は8Kまで対応しています。高解像度の映像を快適に楽しむためには、これらの最新規格のケーブルを用いることが必要です。
文字が小さくなり、見づらくなる可能性がある
高解像度のモニターは、広い描画領域を提供する一方で、表示される文字やアイコンが小さくなり過ぎるという問題もあります。特に、オフィスでの文書作成や表計算作業を主に行う場合、高解像度が必ずしも作業効率を向上させるとは限りません。解像度が高いと、細かい文字やアイコンが小さく表示され、見づらくなることがあるからです。このため、作業中に目の負担が増し、結果として効率が低下するリスクも考慮しなければなりません。
解決策としては、ディスプレイのスケーリング設定で文字やアイコンを大きく表示する方法があります。あるいは、FHDモニターやWQHDモニターなど、適切な解像度を選ぶことがおすすめです。
モニターの解像度・サイズの一覧
最後に、一般的に流通しているモニターの解像度・サイズを一覧にまとめました。
| サイズ名 | 解像度(横 × 縦) | アスペクト比 | 画素数 |
|---|---|---|---|
| DCGA | 640×400 | 16:10 | 256,000 |
| VGA | 640×480 | 4:3 | 307,200 |
| SDTV | 720×480 | 16:9 /4:3 | 345,600 |
| SVGA | 800×600 | 4:3 | 480,000 |
| XGA | 1024×768 | 4:3 | 786,432 |
| HDTV | 1280×720 | 16:9 | 921,600 |
| WXGA | 1280×800 | 16:10 | 1,024,000 |
| FHD | 1920×1080 | 16:9 | 2,073,600 |
| WQHD | 2560×1440 | 16:9 | 3,686,400 |
| 4K | 3840×2160 | 16:9 | 8,294,400 |
| 8K | 7680×4320 | 16:9 | 33,177,600 |
まとめ
解像度は、画像や映像の細かさを表す重要な指標です。モニターの解像度によって、それぞれ得意とする用途が異なるため、用途に合ったモニターを選ぶことが重要です。
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