更新日:2025年5月15日
定形外郵便とは?定形郵便との違い、料金やサイズを解説

郵便物の配送方法の一種である「定形外郵便」。定形郵便と何が違うのか、どれくらいのサイズのものを送れるのかまた料金や届くまでの日数が気になる方も多いかもしれません。そこで、定形外郵便と定形郵便の違いや定形外郵便のサイズ、料金、配達日数などについて詳しく解説します。
定形外郵便とは

定形外郵便とは、定形郵便物を超えるサイズの郵便物のことです。危険物や毒物といった郵送禁止のもの以外であれば、書類はもちろん小物や食品なども配送できます。
定形外郵便の種類
定形外郵便は「規格内」と「規格外」の2種類があり、それぞれサイズや重量が異なります。いずれも郵便物の形に決まりはなく、封筒のような四角形のものでも円筒状のものでも、所定のサイズ・重量に収まっていれば配送可能です。
定形外郵便のサイズ・重量
定形外郵便のサイズと重量の規定は下記の通りです。
規格内の場合
- サイズ:縦34cm以内×横25cm以内×厚さ3cm以内
- 重量:1kgまで
規格外の場合
- サイズ(最大):縦・横・厚さの3辺の合計が90cm以内かつ最も長い辺が60cm以内
- サイズ(最小):縦14cm×横9cm(このサイズを下回る場合、6cm×12㎝以上で耐久性が高い厚紙または布製の宛名札を付けることで発送が可能/円筒状の場合:長さ14cm・円の直径3cm)
- 重量:4kgまで
上記の最大サイズを超える場合は別の配送方法を考えなくてはなりません。
定形外郵便の料金
定形外郵便の料金は、郵便物の重量と規格内・規格外のどちらなのかで料金が変わります。
| 重量 | 規格内 | 規格外 |
|---|---|---|
| 50g以内 | 140円 | 260円 |
| 100g以内 | 180円 | 290円 |
| 150g以内 | 270円 | 390円 |
| 250g以内 | 320円 | 450円 |
| 500g以内 | 510円 | 660円 |
| 1kg以内 | 750円 | 920円 |
| 2kg以内 | 取り扱いなし | 1,350円 |
| 4kg以内 | 取り扱いなし | 1,750円 |
(2025年1月現在)
なお、定形外郵便の料金は2024年10月に改訂されています。2024年10月以前よりも料金が高くなっているため、事前に金額を確認しておきましょう。
定形郵便との違い

定形外郵便と定形郵便は、サイズと重量が異なります。定形郵便のサイズと重量の規定は下記の通りです。
- サイズ(最大):縦23.5cm×横12cm×厚さ1cm
- サイズ(最小):縦14cm×横9cm
- 重量:50gまで
上記の規定からひとつでも外れると、定形郵便にはできません。つまり定形郵便は、薄く軽いものを送りたいとき向けということです。
また、定形外郵便であれば円筒状などの長方形ではない郵便物も送れますが、定形郵便は長方形のものに限られます。サイズや重量が定形郵便の規定内であっても、長方形でない場合は定形外郵便扱いになるので注意しましょう。
定形外郵便の梱包
定形外郵便の梱包について、これといった決まりはありません。封筒はもちろん段ボールや紙袋などに入れても配送可能です。ただし、定形外郵便は重量によって料金が変動する点に注意しましょう。
書類を送る場合は、A4サイズの封筒など書類を折らずに入れられるものを使うと便利です。また、糊付き・テープ付きの封筒であれば、自分で糊やテープを用意しなくても封ができます。
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定形外郵便の宛名の書き方
定形外郵便の宛名の書き方は、一般的な手紙の宛名の書き方と同じです。郵便物の表面に、送り先の郵便番号・住所・氏名を記入します。
企業宛ての郵便物の場合は、氏名の箇所に「○○(会社名) 御中」と記入しましょう。企業内の特定の人物宛ての場合は、「○○(会社名) ○○部 ○○様」のように、送り先の企業名・部署名・氏名の順に記入します。
ちなみに「様」と「御中」の敬称には、下記のようなルールがあります。
- 様:個人向けの敬称
- 御中:企業や団体向けの敬称
- 「御中」と「様」の併用は不可
そのため、企業内の特定の人物に宛てた郵便物は、最後の個人名にだけ「様」の敬称を付ければOKです。「○○(会社名) 御中 ○○部 ○○様」と書くのは誤りなので注意しましょう。
また、郵便物の宛名には、略称や通称を使わず正式名称を書くのがマナーです。「(株)○○」のような書き方は避け、「株式会社○○」と記入しましょう。
郵便物の裏面には、差出人の郵便番号・住所・氏名を記入します。企業名を書く場合は、宛名のときと同じく、略称や通称を使わず正式名称で記入するのが基本です。また、差出人の情報は、宛名よりも小さめに記入します。
梱包材に直接宛名を書くのが難しい場合や郵便物が多く手書きだと時間がかかる場合は、宛名ラベルを作成するのがおすすめです。
なお、定形外郵便は切手を貼って発送しますが、切手を貼る位置は「郵便物を縦長にしたときに左上になる位置」です。縦型封筒の場合は、そのまま左上に切手を貼ります。横型封筒の場合は、そのまま左上に貼るのではなく、封筒を縦向きに置いた場合に左上に来る位置に貼りましょう。
定形外郵便の発送
定形外郵便の発送方法は、「郵便ポスト」か「郵便窓口」のいずれかです。
郵便ポスト
定形外郵便は、郵便ポストに入るサイズであればポスト投函が可能です。郵便ポストなら24時間365日、いつでも自分の都合がよいタイミングで投函できるので、忙しい方でも利用しやすいでしょう。
先述の通り、定形外郵便は重量と規格内・規格外のどちらなのかで料金が変わります。まずは郵便物のサイズと重量をはかり、必要な料金分の切手を貼り、郵便ポストに投函しましょう。郵便ポストに複数の投函口がある場合は、「大型郵便」の方に投函します。
なお、大型郵便の投函口は、規格内の定形外郵便が入る程度のサイズになっているのが一般的です。規格外の定形外郵便で投函口に入らない場合は、郵便局の窓口に出向いて発送する必要があります。
また、郵便物の重量がわからないなどの理由で、いくら分の切手を貼ったらよいのかわからない場合も郵便局の窓口に行きましょう。
郵便窓口
郵便物がポストに入らない場合や料金がわからない場合は郵便窓口で発送しましょう。推測で切手を貼って送ると、料金が不足していた場合は、郵便物が返送されるか、受取人に不足分の支払いが求められることがあります。
顧客や取引先に不足分の支払いが発生しないよう、郵便窓口で料金を確認してから発送すると安心です。
「窓口に行くのは面倒」と感じるかもしれませんが、直接窓口で手続きすれば、郵便物がポストから回収されて郵便局に運ばれるまでの時間が短縮されるため、ポスト投函よりスムーズに発送できます。
また、郵便局への支払い方法は長らく現金のみでしたが、2020年2月にキャッシュレス決済が導入されました。クレジットカードや電子マネー、交通系IC、スマホ決済など、いろいろな支払い方法から選択可能です。
なかには土日祝日も営業している営業所もありますが、数は限られます。窓口によって営業日や営業時間、対応可能なキャッシュレス決済の種類などが異なるため、郵便局のウェブサイトなどで調べてから行くのがおすすめです。
定形外郵便の配達日数
定形外郵便の配達日数は、差出人と送り先の住所によって異なります。おおよその目安を知りたい場合は、郵便局のウェブサイトで調べてみましょう。
基本的には2~3日程度で届きますが、定形外郵便は普通郵便の一種であり配達日指定ができません。そのため天候などの状況によっては、郵便局のウェブサイトで調べた日数から前後する場合があります。
また、普通郵便は土日・休日の配達がないため、土日・休日を挟むタイミングで発送した場合は郵便物の到着に時間がかかります。
ポスト投函で発送する場合も注意が必要です。郵便ポストは回収時間が決まっており、最終の回収時間は18~19時前後であるのが一般的です。最終の回収時間の後に投函した場合は回収が翌日以降になるので、やはり相手先に届くまでに時間がかかります。
定形外郵便郵送時の注意点
ここでは定形外郵便を送るにあたって注意すべき点を3つ紹介します。
補償・追跡はない
普通郵便の一種である定形外郵便には、破損・紛失時の補償や追跡などがありません。重要な書類や高額商品、壊れやすいものなどを送る場合は、ゆうパックやレターパックなどの補償や追跡付きのサービスを利用することをおすすめします。
どうしても定形外郵便で送りたい場合は、書留などの有料オプションを付けましょう。
配達日指定ができない
定形外郵便は配達日指定もできません。特定の日に届ける必要がある郵便物には、配達日指定のオプションを付けましょう。
通常、普通郵便である定形外郵便は土日・休日に配達されませんが、配達日指定のオプションを付ければ土日・休日に届けることも可能です。
禁止品目が入っていないか確認する
定形外郵便には禁止品目があります。例えば爆発性・発火性のあるものや毒薬、劇薬などは発送不可です。
また、現金も普通郵便での送付が禁じられています。取引先に現金を併せて送る場合、現金書留を利用しなくてはなりません。
定形外郵便郵送時の主なオプションサービス
定形外郵便は普通郵便であるため、補償や追跡はできず配達日指定もできません。また、発送したタイミングによっては、相手先に届くまでにそれなりの時間を要します。
「郵便物を追跡したい」「万が一のときの補償を付けたい」といった場合は、オプションサービスを利用しましょう。ここでは「速達」「書留」「特定記録」「配達日指定」の4種類のオプションを紹介します。
速達
急ぎで郵便物を届けたいときにおすすめのオプションが「速達」です。速達のオプションを付けると、通常よりも短い日数で郵便物を届けられます。速達のオプションを付けた場合、通常の定形外郵便の料金に下記の金額が加算されます。
- 250gまで:+300円
- 1kgまで:+400円
- 4kgまで:+690円
郵便窓口に出向かないと速達にできないと思っている方もいますが、実はポスト投函も可能です。ポスト投函する場合は、通常料金+速達料金分の切手を貼り、郵便物表面の右上に(横型封筒の場合は右側)に赤い線を引いておけば速達扱いになります。
書留
郵便物を送った記録を残したいとき、破損・紛失時の補償を付けたいときに役立つのが「書留」です。「書留」のオプションを付けると郵便物の配送の流れが記録され、万が一の場合は所定の範囲内で補償が受けられます。
書留には下記の3種類があるので、目的に合うものを選びましょう。
- 一般書留:引き受けから配達までの工程が記録され、万が一の場合は10万円を上限に実損額が補償される
- 簡易書留:引き受けと配達のみが記録され、万が一の場合は5万円を上限に実損額が補償される
- 現金書留:現金専用の書留。万が一の場合は1万円を上限に実損額が補償される
追加料金を支払えば一般書留は500万円まで、現金書留は50万円まで補償額を引き上げられます。書留のオプションを付けた場合、通常の定形外郵便の料金に下記の金額が加算されます。
- 一般書留:+480円(補償額を5万円引き上げるごとに+23円)(上限500万円)
- 簡易書留:+350円
- 現金書留:+480円(補償額を5,000円引き上げるごとに+11円)
どの種類の書留も追跡可能で土日・休日の配達や再配達もできるので、大切なものを送るときは書留を利用しましょう。
特定記録
納品書や請求書などを郵送するときには、「特定記録」を付けるのがおすすめです。特定記録のオプションを付けると、郵便物を発送した記録が残せます。
送った郵便物は相手先のポストに投函されますが、インターネット上で追跡できるほか、引き受けの記録としての受領証が受け取れるのもメリットです。
特定記録のオプションを付けた場合、通常の定形外郵便の料金に210円が加算されます。書留よりも安く、郵便物の受取人のサインなども不要で気軽に利用できますが、補償が付かない点に注意しましょう。
配達日指定
特定の日に郵便物を届けたい場合は、「配達日指定」のオプションを活用しましょう。第一種郵便物、第二種郵便物、点字郵便物、特定録音物等郵便物、ゆうメール、心身障がい者用ゆうメールであれば、配達日指定のサービスを利用できます。
配達日指定のオプションを付けると、土日・休日も含めて希望した日に郵便物を届けられます。配達日指定のオプションを付けた場合、通常の定形外郵便の料金に下記の金額が加算されます。
- 平日が指定日の場合:+42円
- 土日や休日が指定日の場合:+270円
配達日指定をするには、配達日指定シールに希望日を書いて郵便物に貼り、窓口に提出する必要があります。また、指定できる日付は、差出日の3日後を起算日として10日以内です。
まとめ
定形外郵便は、定形郵便よりも大きな郵便物を送るためのサービスです。重量と規定内・規定外のどちらに該当するかで料金が変わるため、事前に調べておきましょう。また、定形外郵便は普通郵便の一種であり、補償や追跡、配達日指定などができません。これらのサービスが必要な場合は、別途オプションを付けるか、ほかの方法を検討しましょう。



