更新日:2024年11月28日
オフィス移転のスケジュール|失敗しないためのポイントも紹介

オフィス移転を行おうとする場合、必要な手続きや手配すべきものが想定以上に多く、慌ただしくなってしまうこともあります。オフィス移転をスムーズに実現するには、綿密なスケジュールを立てて計画的に進めなくてはいけません。本記事では、オフィス移転に際してのスケジュールや、失敗しないためのポイントについて解説します。
オフィス移転のスケジュール

オフィス移転をスムーズに進めるために重要なのは、なによりもスケジュールの組み立てです。事前のスケジュール組みが不十分なままでオフィス移転を進めようとすると、思いのほか手間取ってしまい、上手くいきません。
一般的に、オフィス移転にかかる期間は6か月程度と言われています。ただ、これはあくまで目安であり、実際にはオフィスの規模や備品など、さまざまな要素・要因で移転にかかる期間は前後します。オフィスを退去する日が決まっているのなら、そこから逆算してスケジュールを組み立て、計画的にオフィス移転を進めていきましょう。
オフィス移転6か月前
オフィス移転の少なくとも6か月前までには、移転プロジェクトを立ち上げましょう。また、同じタイミングでオフィスの解約通知も忘れずに行います。
移転プロジェクトを立ち上げる
計画的にオフィス移転を進めるため、プロジェクトを立ち上げましょう。規模にはよるものの、オフィス移転にはさまざまな手間や労力が発生し、ときに想定外の出来事も発生します。
移転に向けたプロジェクトを立ち上げ、メンバーを選出して取り組めば、個々がやるべきことも明確になります。また、プロジェクト全体を取り仕切るリーダーも決め、指揮系統を明確にしておきましょう。
オフィス移転では、目的の明確化も重要です。なぜオフィスを移転するのか、移転によって課題や目的の達成につながるのかを考えることで、移転先となるオフィスに求める具体的な条件が決まっていきます。
解約通知をする
抽出した条件に基づき新たなオフィスを決めたら、現在利用しているオフィスの解約通知を発しなければなりません。一般的に、オフィスの退去では物件のオーナーや不動産会社、管理会社などへ、6か月前までに解約通知を行います。
このとき、今のオフィス物件についての契約書を確認しましょう。通常、オフィスの賃貸借契約書には解約に関する事項も記載されています。原状回復や鍵の返却方法なども記載されていることが多いため要チェックです。
解約通知のタイミングを誤ると、旧オフィスと新オフィスの賃料を両方支払わなくてはならなくなる恐れがあります。無駄な出費が発生しないよう注意しましょう。
オフィス移転4~5か月前
この時期には、原状回復工事を依頼する業者を探します。また、新オフィスの契約やレイアウト決め、什器やオフィス家具の手配も必要です。
原状回復工事を依頼する業者を選ぶ
借りていたオフィスを解約し退去するときには原状回復工事、すなわちオフィスを借りる前の状態に戻す工事を行う必要があります。この工事は、工務店やリフォーム会社、内装工事業者などで対応してもらえます。
このとき気をつけたいのは、いきなり1社に依頼しないことです。原状回復に伴う工事費用は、業者によって大きく異なります。そのため、複数業者に見積りを依頼し、工事内容や最終的な費用、追加費用の有無などを比較しつつ選定を進めましょう。
また、オフィス移転の専門業者に依頼するのもひとつの手です。そうしたコンサルタントや内装会社、不動産会社などでは、原状回復から引越し、新オフィスのレイアウト提案など、トータルで請け負うところがあります。
新オフィスの準備をはじめる
新オフィスを契約したら、レイアウトを考えましょう。旧オフィスで発生していた課題を念頭に置き、レイアウトを決めていきます。意識すべきは従業員の動線です。業務中に効率よく動ける、快適に働ける動線を意識して取り組みましょう。
ただ、実際のところベストなオフィスのレイアウトを考案するのは至難の業です。もし、自社で出したレイアウト案に不安を覚えるのであれば、専門家に相談してみましょう。例えば、「アスクルオフィスづくりサービス」なら、オフィスのデザインやレイアウトの提案、施工管理、家具の手配などトータルでオフィスづくりのサポートを受けられます。
新オフィスで使う什器やオフィス家具を手配する
心機一転、什器やオフィス家具も一新するのなら、このタイミングで手配しましょう。新オフィスのコンセプトやレイアウトをもとに、さまざまなアイテムを選定します。チェックリストも用意しておくと漏れが生じにくくなって安心です。
手配が遅れてしまうと、せっかくの新オフィスに什器やオフィス家具がそろわず、業務を再開できないといったことにもなりかねません。移転に間に合うよう、なるべく早めに手配しておきましょう。
オフィス移転2~3か月前
オフィス移転の2~3か月前は、従業員向けの説明会を実施するタイミングです。また、オフィス移転の業者を選定し、オフィスの場所が変わることを外部にも通知します。
社員向けの説明会を開催する
オフィス移転は企業にとって、いわば大きなイベントのひとつです。全ての従業員が新オフィスで新たなスタートを切るには、プロジェクトメンバーのみならず全従業員の理解と協力が欠かせません。
説明が不十分なままオフィス移転を進めようとすると、現場に混乱を招きかねません。場合によっては、一部の従業員から反発され、不満をいだかれることも考えられるため、事前の説明は必須です。
説明会では、オフィスの移転理由を丁寧に説明しましょう。新オフィスの場所やコンセプト、目的などを漏らさず説明し、理解を得ることでオフィス移転の心情的な摩擦を最小限に抑えられます。
オフィス移転の業者を手配する
オフィス移転では、新たな家具や什器、OA機器などの搬入、セッティング、電気の配線工事などさまざまな作業が発生し、自社の従業員のみで進めるのは困難を極めます。計画通りにオフィス移転を進めるためにも、業者の手を借りましょう。
いきなり1社に依頼せず、まずは見積りをとります。対応してくれる業務領域やサービス内容、費用などの要素を比較しつつ、条件にマッチした業者を選定することが大切です。なお、原状回復とオフィス移転をトータルサポートしてくれる業者へ依頼しているのなら、このフェーズは飛ばしてかまいません。
オフィス移転について社外に知らせる
オフィス移転についての社外通知を失念すると、取引先の担当者や顧客が旧オフィスを訪ねてくるかもしれません。少なからず業務にも影響するため、このタイミングで社外へオフィス移転の件を伝えておきましょう。
早めに連絡しないと、取引先の情報更新が間に合わず、請求書などの重要書類が旧オフィスに届いてしまうといったことも起こり得ます。
頻繁にやり取りをする取引先や顧客には、電話やメールなどでオフィス移転の件を先んじて伝えておくべきです。また、コーポレートサイトやSNSで告知を行い、新たな住所での封筒や名刺も手配しましょう。請求書や契約書のフォーマット、商品のカタログ、パンフレットなど、自社の住所を記載しているコンテンツは意外と多いため、確認しながら作業を進めてください。
オフィス移転1か月前
オフィス移転を目前に控えたこのタイミングでは、手続きに漏れが生じないよう全体的なチェックリストを作成します。また、新オフィスを本格的に稼働させるための準備も進めましょう。
チェックリストを作成する
オフィス移転では、税務署や消防署、法務局のほか、労働基準監督署や年金事務所、公共職業安定所などとの間で、さまざまな手続きを行います。どこでどのような手続きをしなければならないのかを確認し、事前にチェックリストを作成しておくと安心です。また、誰が何を担当するのかも決めておきましょう。チェックリストを作成したら、荷物の梱包準備をはじめます。
まずは梱包資材を用意します。オフィスから運びだす荷物の中には、割れ物や精密機器などが含まれるケースも少なくありません。安全に荷物を運べるよう、ダンボールや緩衝材、荷札などを用意することをおすすめします。なお、「アスクル」では荷物の梱包に要する、ダンボールや緩衝材、荷札などの購入が可能です。
新オフィスの準備を進める
1か月前になったら、本格的に新オフィスを稼働させる準備を進めます。旧オフィスから運べるものは運び、新たなオフィス家具や什器の搬入、内装工事も行います。
新オフィスへ運ぶもの、廃棄するものをあらかじめ仕分けしておくと効率的です。移転の日が迫ってから慌てることのないよう、早め早めにきちんと必要なものと不要なものを分けておきましょう。
また、企業にとって重要な資産である、データのバックアップも忘れてはなりません。データ量が膨大である、対応できる従業員が少ない、といったケースでは、専門業者に依頼する方法もあります。
オフィス移転当日
いよいよ、旧オフィスから新たなオフィスへ移転する日です。移転当日に誰が何をするのか、事前に役割分担をしておくと、効率的かつスムーズに移転作業が進みます。
全ての作業を業者に任せるのは問題ありませんが、旧オフィスと新オフィス、どちらとも現場には立ち会いましょう。新オフィスの壁に傷がついている、パソコンが壊れている、といったトラブルを未然に回避するためにも立ち会いは必須です。また、搬入した荷物も破損や紛失がないかを確認します。
オフィス移転後
荷物や家具などを全て搬出し、オフィスを移転したのちに、旧オフィスの原状回復工事を行います。契約終了となる日の約1か月前に着工するのが目安であるものの、工事内容によってはより多くの時間が必要となるケースもあります。見積り段階で工期についても入念に確認しておきましょう。
見積りの内容を比較し、業者を選定したら工事を発注します。また、事前に作成したチェックリストをもとに、オフィス移転後に必要となる各種手続きも進めていきましょう。
オフィス移転に必要な梱包資材
各種書類やファイル、パソコンやプリンターなどの機器、書籍、ノベルティ類など、オフィス移転では大掛かりな荷造りも発生します。スムーズに荷物を搬出できるよう、あらかじめ用意した梱包資材を使って荷造りを進めましょう。ここでは、オフィス移転に要する梱包資材をピックアップして紹介します。
緩衝材
外部から加わる衝撃を緩和する緩衝材のうち、引越し時の荷造りでポピュラーなものとしては、丸めた新聞紙や毛布などが挙げられます。緩衝材を使わないと、荷運びのときに損壊したり、故障したりといったことが起こり得ます。
荷造りの際に手間はかかりますが、ちょっとした手間とコストで、荷物を安全に運べるのならそれに越したことはありません。緩衝材のコストや作業の手間を惜しんで、パソコンやプリンターなどを壊してしまわないよう注意しましょう。
ダンボール
荷造りにはダンボールも必須です。ダンボールにはさまざまなサイズがあるため、運びたい荷物の形状や量を考慮しつつ選びましょう。なお、一般的にダンボールは畳まれた状態で市販されています。それを開いて組み立て、ガムテープなどを用いて補強するのが基本です。
ダンボールを使用する際の注意点は、収納する荷物の重量です。なるべくスペースを無駄にしないようにと、ダンボールいっぱいに荷物を詰め込むと、搬入出のときに箱の底が抜けてしまうかもしれません。安全に運べる重さも考慮しつつ荷造りをしましょう。
また、荷造り中にダンボールが足りなくなると作業が滞り、オフィス移転のスケジュールが狂いかねません。オフィス移転後でも、ダンボールには書類やファイルの保管などさまざまな使い道があるため、足りなくならないよう十分な量を用意しておきましょう。
テープ類
オフィス移転で用意しておくべきテープ類は、主にクラフトテープと養生テープです。クラフトテープはダンボールの組み立てに使用します。養生テープは、養生シートや薄ベニヤ板などの養生材を固定するのに使用するテープです。
養生テープはさまざまな使い道ができるため、多めに用意しておくことをおすすめします。傷をつけたくない箇所を養生するときだけでなく、デスクの引き出しが出てこないように固定したり、棒状のものをまとめて巻いたりといった使い方ができます。
PPテープ
PPテープとは、プラスチック素材の一種であるポリプロピレンを用いたテープです。クラフトテープの2~3倍の強度があるほか、耐水性にも優れています。
また、透明度が高いため、文字やイラストなどの上に貼っても見えなくなることがありません。さらには油性マジックで字も書けるので、ダンボールを梱包した後、中に何が入っているのか書いておくといった活用が可能です。
台車
オフィス移転では、いくつものダンボールや荷物を運ばなくてはなりません。オフィスの中までは業者に搬入してもらえても、そこから各部署の部屋などへ運ぶときは自分たちで対応しなくてはならないことも多く、台車があると便利です。
台車なら、一度にいくつものダンボールを運搬できます。効率よく荷物を運べるため、自分たちで荷造りしたダンボールを運ぶ際にも重宝します。ただ、ダンボールの積み方が悪かったり、段差につまずいたりすると、荷崩れしてしまう恐れがあるため注意してください。
オフィス移転で失敗を防ぐためのポイント

オフィス移転で失敗を防ぐには、移転の目的を明確化しておくことが大切です。また、やるべき手続きをリストアップし、できるだけ早めに進めることも忘れてはいけません。
移転の目的を明確にしておく
まずは、何のためにオフィス移転をしたいのかを明確にしましょう。例えば、オフィスの賃料を安くしたい、従業員が増えたので広々としたオフィスで働きたいなどが考えられます。目的によって選ぶべき物件やオフィス家具が異なるため、具体的な移転の計画を練る前に考えておきましょう。
目的を明確化すれば、物件探しもスムーズに進みます。どのような物件を選ぶべきかが分かり、短期間でのオフィス移転も目指せます。
従業員に対しヒアリングを行うのもよいかもしれません。現状のオフィスにどのような不満をいだいているのか、どういった課題を感じているのかを聴き取ることで、新たな物件に求めるべき条件などが見えてきます。
早めに手続きを進める
オフィス移転に伴う手続きの数は多いため、早めに進めていくことが大切です。ただでさえオフィス移転はやるべきことが多く、各種手続きを後回しにしてしまうケースも珍しくありません。手続きが遅れた結果、オフィス移転後に通常業務を再開できないといった状況に陥る恐れもあります。
旧オフィスの解約や原状回復など、手続きの中には期限が設けられているものもあるため、早めの行動が必須です。必要な手続きを洗いだすのはもちろん、誰が担当するのかも決めておくとスムーズです。
業者への相談や依頼も早めに進めましょう。後回しにしているうちに、業者が繁忙期に突入してしまい、依頼できなくなる恐れもあります。
まとめ
オフィス移転の際には、スケジュールを決めた上で計画的に進めましょう。移転には緩衝材やダンボールなども必要となるため、漏れなく準備しておくことが大切です。本記事でお伝えした失敗しないポイントも踏まえ、スムーズなオフィス移転を実現しましょう。


