更新日:2025年5月15日
PC用マイクの選び方を徹底解説!設定方法や認識されない場合の対処法も

パソコンに内蔵されているマイクでは、オンライン会議やプレゼンテーションなどでは、音質(指向性・周波数・感度)が不十分なことがよくあります。そのため、音声をクリアに届けるには、外付けのPC用マイクの使用がおすすめです。本記事ではPC用マイクの種類や選び方、OS別の設定方法や認識されない場合の対処法などを解説します。
PC用マイクとは?なぜ必要?
PC用マイクとは、ノートパソコンやデスクトップパソコン、タブレットやスマートフォンなどの端末に外付けして、音声を入力する周辺機器のことです。
最近はリモートワークの普及で、オンライン会議やウェビナーの機会も増えていますが、直接顔をあわせないからこそ、言葉をより正確に伝えなければなりません。そのため、マイクにもよりクリアな音質が求められます。
マイクは元々パソコンなどの端末にも内蔵されていますが、オンライン会議やウェビナー、動画配信などに使用するには、音質が不十分な場合があります。PC用マイクは収音を目的に造られているため、より高音質での通信が可能です。
PC用マイクの主な種類
PC用マイクには、クリップ型やスタンド型などさまざまな種類があります。以下にPC用マイクの主な4つのタイプを紹介します。
1. クリップ型マイク(小型ピンマイク)

クリップ型マイクは、クリップなどで衣服に固定して使うタイプのマイクです。小型ピンマイクとも呼ばれています。テレビ番組のロケなどでタレントが胸元に付けているのを見たことがある人も多いでしょう。
クリップ型マイクのメリット・デメリット・適した用途は以下の通りです。
| メリット |
|
|---|---|
| デメリット |
|
| 適した用途 |
|
小型で目立たず、可動性も高いため、イベント収録など動きながらの音声収録に適しています。自分の声をメインに収めたい場合は単一指向性のものを、周囲の音声や声も一緒に収めたいときは、無指向性のマイクを選びましょう。
2. スタンド型マイク

スタンド型マイクは、机の上に置いて使うタイプのマイクです。放送室やスタジオなどにもよく設置されているので、マイクと言えばこの形を思い浮かべる人も多いでしょう。
位置が固定されており安定して音が拾えるため、音質が高いのが特長です。電源が必要で高音質の「コンデンサーマイク」や、電源が不要なものの音質面ではやや劣る「ダイナミックマイク」など、いくつか種類があります。
メリット・デメリット・適した用途は以下の通りです。
| メリット |
|
|---|---|
| デメリット |
|
| 適した用途 |
|
繊細な音でもクリアに拾えるため、音楽制作や動画制作など、高音質の録音が求められる用途に適しています。
3. フラット型(平置き型)マイク

フラット型(平置き型)マイクは、スピーカーフォンとも呼ばれ、薄型でコンパクトなタイプのマイクです。無指向性で広範囲の音を拾えるため、会議などで複数の人の声を拾うのに適しています。
メリット・デメリット・適した用途は以下の通りです。
| メリット |
|
|---|---|
| デメリット |
|
| 適した用途 |
|
オンライン会議やウェビナーなど、多くの人が同じ場所に集まる際の収音に適しています。小さく薄型なので持ち運びには便利ですが、可動性が低いため、実況のような動きながらの使用には適しません。また、複数の人の音声を同時に録音できますが、音質はスタンドマイクに比べると劣る傾向があります。
4. ヘッドセット

ヘッドセットは、ヘッドホンとマイクが一体になったものです。コールセンターなどでスタッフが頭に装着しているものと言えば、イメージしやすいでしょう。
マイクを口元に近づけられるため、自分の声をしっかり相手に届けやすいのが特長です。
メリット・デメリット・適した用途は以下の通りです。
| メリット |
|
|---|---|
| デメリット |
|
| 適した用途 |
|
ほかのマイクと違い両手が空くため、ゲームやボイスチャットなどに適しています。加えて、自分の声を明瞭に届けられるため、オンライン会議でもよく使われています。
PC用マイクの選び方
PC用マイクを選ぶ際は、用途や形状、接続方法や音質などを確認する必要があります。以下にPC用マイクの選び方のポイントについて詳しく解説します。
1. 用途に適したマイクの形状・種類を選ぶ
マイクを選ぶ際は、どのような用途で使用するかにより、適した形状や種類が異なります。
「PC用マイクの主な種類」でも、4つのタイプそれぞれに向いた用途について解説しましたが、出張やプレゼンテーションなどの際は、小型で持ち運びやすいいクリップ型マイクが適しています。また、PC用ではありませんが、ハンドヘルド型(ハンドマイク)もこのような用途ではよく使用されます。
オンライン会議やビデオ通話では、言葉を明瞭に伝えることが重要です。そのため周囲の話し声や物音といった環境ノイズを遮断できる、ノイズキャンセリング機能の付いたマイクがよいでしょう。ノイズキャンセリング機能は、さまざまな形状のマイクに搭載されている機能です。
一方、同じく会議に用いる場合でも、大人数が一箇所に集まって複数人が発言する場合や、イベント、シンポジウムなどで複数の人の声を収録する場合は、広範囲に音を拾えるフラット型が便利です。
また、予算面を考慮することも重要です。PC用マイクも機能が豊富で音質がよいものは、高額になる傾向があります。長期間使用する場合は高額でも質のよいものを選ぶほうがよいですが、短期間や一時的な使用であれば、最低限の機能を備えたものにして、コストを抑えてもよいでしょう。
2. マイクの接続方法で選ぶ
マイクの接続方法には、「USB」「3.5mmステレオミニジャック」「Type-Cケーブル接続」「ワイヤレス」の4つのタイプがあります。それぞれでプラグの形状も違い、端末によっては使用できないものもあります。そのため使用する端末がどの接続に適応するかは、事前に調べておかなければなりません。
以下にそれぞれの接続の特長を紹介します。
USB接続
USB接続のマイクは、パソコンなどのUSBポートに直接差しこんで使用します。デジタル信号を直接パソコンに送るため、ノイズの影響を受けにくいのがメリットです。
音質がクリアなため、オンライン会議やビデオ通話などに適しています。ただ、パソコンのUSBポートをひとつ占有してしまうため、ほかのUSB接続の外部機器を同時に使用したい場合は不便かもしれません。
USB接続のマイクを購入する前に、まずは使用するパソコンのポート数を確認しておきましょう。
3.5mmステレオミニジャック接続
3.5mmステレオミニジャック接続のマイクは、パソコンやタブレット、スマートフォンにある、イヤホン用の丸い穴にプラグを差しこんで使います。
ステレオミニジャック接続には3極と4極があります。3極はプラグに2本線が入ったもので、4極はプラグに3本線が入ったものです。パソコンなどの端末につないで使う場合、4極のジャックに3極のプラグを入れても音声が入力できません。
一般的に4極のジャックにはヘッドホン一体型のマイクが、3極のジャックにはマイクのマークが付いているので、使用する端末のジャックにあわせて選ぶ必要があります。
ステレオミニジャック接続は、USB接続と違いアナログ信号のため、音質などはデジタルに比べるとやや劣ります。カジュアルな通話や簡易的な録音には十分ですが、ウェビナーや動画の発信など、クリアな音質が求められる場合は、機能的に物足りないかもしれません。
Type-Cケーブル接続
Type-CとはUSB接続の一種で、近年パソコンやタブレット、スマートフォンなどに備わるようになった新しい規格です。PC用マイクの中には、Type-Cのポートに接続して使用できるものもあります。Type-CはUSB接続の一種なのでデジタル信号で、音質もクリアです。
新しいスマートフォンやタブレットなどは、イヤホンジャックのないものもありますが、そうした端末にも使用できます。一方、旧式のパソコンなど、Type-Cポートが付いていないものには使用できないため、お使いのパソコンの接続端子を事前に確認しておきましょう。
ワイヤレス(Bluetooth)接続
Bluetoothの無線接続を使用したマイクです。コードがないため可動性が高く、移動しながらの収音や録音も可能です。Bluetooth対応であれば、あらゆるデバイスで使用可能です。
無線のため、音声の安定性や音質は有線に比べやや劣りますが、Bluetoothのバージョンが更新されるたび、無線ならではの弱点は徐々に改善されつつあります。ただ無線のため、ビデオ通話などで音声と映像のタイムラグが生じる可能性があります。また、マイクはバッテリーで駆動するため、定期的に充電が必要です。
3. マイクの音質(指向性・周波数・感度)で選ぶ
マイクを選ぶ際は、音質も重要です。音質を判断するために参考になるのが、指向性、周波数、感度の3つの要素です。ここからは上記の3つの要素について、詳しく解説します。
音質判断軸1. マイクの指向性
指向性とは、音を集める方向や角度、範囲などを示すものです。単一指向性、無指向性、双指向性などがあり、それぞれに特長が異なります。マイクは使用する用途に応じて、適した指向性のものを選ぶ必要があります。
以下に各指向性の特長と、適した用途を表にしました。これを参考に、用途にあったマイクを選んでください。
| 単一指向性(カーディオイド) | 無指向性(オムニ) | 双指向性(バイディレクショナル) | |
|---|---|---|---|
| 特長 | 前方を中心に収音し、背後のノイズは抑える | 360度全方向に、均等に音を拾う | 正面と背面の音を拾い、左右を遮断する |
| 適した用途 | オンライン会議 講演などの録音 | 会議やイベントなど、複数人がいる場の録音 | 対談や面談などの録音 |
音質判断軸2. マイクの周波範囲
周波数とは、マイクが拾える音域の広さを示す数値で、「Hz(ヘルツ)」という単位で表されます。Hzとは、その音が1秒間に空気を振動させる回数を示したものです。この数値が少なければ低音域、数値が多ければ高音域まで拾えます。
以下の表に、音域の範囲と特長、適した用途をまとめました。
| 周波数 | 20Hz~200Hz | 200Hz~5kHz | 5kHz~20kHz |
|---|---|---|---|
| 特長 | 低音域までしっかり拾える | 中音域の収音を重視 | 高音域までクリアに収音 |
| 用途 | 打楽器などの録音 | 会議やオンライン通話など一般的なビジネス用途 | 弦楽器や管楽器などの録音 ボーカルの録音 |
メーカーの公式サイトや、通販サイトの製品仕様欄には、マイクが対応できる周波数も記載されているため、確認してください。
通常の話し声の周波数帯域は、男性が100Hz~200Hz、女性が200Hz~400 Hz 前後と言われています。例外もあって、サ行などの摩擦音は5kHz前後になります。従来の電話で扱われている周波数帯域は300 Hz~3.4 kHzで、人によっては肉声と異なる聞こえ方をすることもありました。現在の電話は従来よりも広帯域の音声通話が可能になっています。
オンライン会議やテレワークなど、ビジネスメインで使用する場合は、200Hz~5kHzの中音域がカバーできているものを選びましょう。一方、楽器の演奏などを録音する場合は、低音から高音まで広い周波数帯域を収音できるマイクが必要です。
音質判断軸3. マイクの感度
感度とはマイクの音に対する反応のよさを表すもので、「dBV/Pa」の単位で示されます。「dBV」とは電圧の単位、「Pa」は圧力の単位です。「dBV/Pa」の数値が小さいほど、マイクの感度は高くなります。
ただしマイクの感度が高ければ、よいマイクというわけではありません。なぜなら感度の高いマイクは小さな音でも拾える反面、ノイズも多く拾ってしまうからです。また、音圧の高い音源に近づけると、音が割れてしまう可能性もあります。
感度は周波数同様、メーカーの公式サイトや、通販サイトの製品仕様欄などから確認できます。広い場所での会議など、遠くの音や小さな音も拾いたい場合は感度の高いマイクが適しています。一方、演奏会などの大きな音や近くの音を拾いたい場合は、感度がさほど高くなくても構いません。用途に応じて適したものを選びましょう。
PCマイクの設定方法
PC用マイクは使い始める際に、設定を行わなければなりません。設定の方法は、OSによって異なります。以下にWindowsとMacそれぞれの設定手順を紹介します。
Windowsの場合
新しいマイクの接続をWindowsで設定する手順は、以下の通りです。
- マイクをパソコンに接続します。
- 「スタート」→「設定」→「システム」→「サウンド」 の順で選択します。
- 「サウンド」の「入力」より、接続したマイクを選択します。Bluetooth接続の場合は、「デバイスを追加」→「Bluetooth」より、該当のマイクを選択します。
- 接続したマイクを選択すると、入力設定が表示されるので、「マイクテスト」の「テストの開始」ボタンを押します。音を発しているときに「入力音量」のバーが動いていれば、正常に動作しています。
参照:Microsoftサポート「Windows でマイクを設定してテストする方法」
Macの場合
Macでの初期設定は、以下の手順で行います。
- マイクをパソコンに接続します。
- アップルメニューより「システム環境設定」→「サウンド」の順で選択します。
- 「入力」より、接続したマイクを選択します。
- デバイスに応じて、入力音量を調整します。
参照:Apple サポート「Macのサウンド入力設定を変更する」
ドライバーのインストールと設定確認
USB接続のマイクの多くは、「プラグ&プレイ」に対応しており、接続すれば自動的に認識され、すぐに使える仕組みになっています。
しかしまれに、ドライバーのインストールが必要なものもあります。その場合は、メーカーの指定サイトや付属のCDかUSBメモリーからドライバーをダウンロードして、使用する端末にインストールしてください。
PCマイクが上手く認識されない場合の対処法
PC用マイクが上手く認識されない場合、設定や接続を確認することで改善される場合があります。
1. ドライバーのインストール・ケーブル接続の確認
マイクが上手く認識されない場合、まず確認してほしいのがケーブルの接続です。USB接続マイクの場合は、ポートに差しこみ直すか、別のポートがあればそちらを使ってみてみましょう。
3.5mmステレオミニジャック接続の場合は、マイク用のジャックにしっかり差しこまれているか確認したり、差し直したりします。
それでも駄目な場合は、オーディオドライバーに不具合が生じているかもしれません。オーディオドライバーは、マイクを正常に作動させるために不可欠なプログラムです。ドライバーの不具合と考えられる場合は、ドライバーを更新するか、再インストールを試みてください。
2. PC設定の確認
OSでの設定はすでに紹介しましたが、この設定が上手く行われていないと、マイクが適切に動作されません。ケーブルの接続などに問題がないのに動作しない場合は、お使いの端末のサウンド設定も確認してみましょう。
Windowsの場合は「設定」→「システム」→「サウンド」より、Macの場合は「システム環境設定」→「サウンド」より、それぞれ入力デバイスが選択されているか確認してください。
また、音量設定が低すぎたり、ミュートになっていたりしている際も、マイクが認識されていないと誤解する場合があります。音量設定画面で音量レベルを確認し、低すぎる場合は適度な音量まで調整しましょう。音量を適切に設定してもマイクが使えない場合は、パソコンを再起動してみてください。
3. ソフトウェア干渉有無の確認
PC用マイクを接続した際に、ZoomやSkypeといったマイクを使用するアプリケーションが立ち上がっていると、干渉してマイクが上手く認識できない場合があります。その場合は、思い当たるアプリケーションを閉じて、再度マイクの接続を試みてください。
また、セキュリティソフトやエンドポイントのセキュリティを担う「EDR」の中には、マイクのアクセスをブロックしてしまうものもあります。その場合は、セキュリティソフトやEDRを一時的に無効にしてみるのもひとつの方法です。その上で、音声認識が可能かどうか確認してみましょう。
まとめ
PC用マイクには多彩な種類があり、用途や使用する端末に適したものでなければ効果を発揮できないかもしれません。形状だけでなく、指向性、周波数、感度なども用途に適したものを選ぶ必要があります。また、マイクの接続方法もUSB接続やワイヤレス接続などさまざまあるため、端末に合ったものを選びましょう。
会議用マイク/スピーカーフォンの人気売れ筋ランキング

Anker WEB会議用スピーカー PowerConf スピーカーフォン
販売価格(税抜き)
¥13,990

Web会議用マイク ユニファイドコミュニケーション YVC-1000専用拡張マイク YVC-MIC1000EX 1台 ヤマハ(直送品)
販売価格(税抜き)
¥42,803

スピーカーフォン WEB会議USBスピーカーフォン 高音質スピーカー/高感度マイクユニット搭載 MM-MC36 サンワサプライ(直送品)
販売価格(税抜き)
¥25,300





