更新日:2025年3月27日
ポータブル電源は買うべきか?備えておくメリットと選び方

近年、日本国内では豪雨や地震などの災害が多発しており、災害対策が欠かせないものとなっています。災害時は電気が使えなくなるケースも多いため、「備えのひとつとしてポータブル電源を買うべきか」と考える方もいるかと思います。そこで、ポータブル電源を買うメリットや活用シーン、ポータブル電源を選ぶ際のポイントなどについて解説します。
ポータブル電源は買うべき?活用できるシーンはたくさんある!

ポータブル電源とは、持ち運びできるサイズ感のバッテリーを内蔵した電力供給を行う装置です。災害時や停電時、屋外での活動、車中泊などのときに電源として使えます。例えばモバイルバッテリーの容量が大きくなったものと考えるとわかりやすいでしょう。
製品によって容量は大きく異なりますが、多くの場合パソコンの充電や小型ヒーター、扇風機など消費電力が大きい電化製品にも対応可能です。なかには冷蔵庫の電源として対応できるものもあります。
また、多くのモバイルバッテリーがUSBのみ対応であるのに対し、ポータブル電源はAC出力もできるのが一般的です。そのため、一般家庭はもちろん企業のオフィスや教育現場で万が一の備えとして購入しているところもあります。
ちなみにポータブル電源を使うには、事前にコンセントなどから充電しておかなくてはなりません。電気代が気になる場合は、ソーラーパネルでの充電に対応しているポータブル電源を選ぶのがおすすめです。
ポータブル電源を買うメリット
停電時や被災時の備えになる
ポータブル電源を買う大きなメリットが、停電時や被災時の備えになることです。あらかじめ蓄電しておけば、万が一のときに非常用電源として活用できます。仮に何らかの災害が発生したとして、帰宅困難になった社員がオフィスにいるとしましょう。このときオフィスが停電していたら、社員はかなり不便な思いをします。
ポータブル電源があればスマートフォンを充電したり調理機器を使ったりできるので、スマートフォンの充電切れでどこにも連絡ができない、温かい食事が取れないといった問題を防げます。
また、ポータブル電源はライト機能や、水やほこりを防ぐカバーが付いていて屋外でも使いやすいものなど、機能性が高い製品が多いのが特徴です。ソーラーパネル対応のポータブル電源であれば、太陽光で充電して繰り返し使えるため、停電時や災害時に活躍します。
電気代の節約に役立てられる
ポータブル電源は電気代の節約に役立つというメリットもあります。例えば夜間の安い電力で蓄電し、日中にノートパソコンなどの電源として活用すれば、通常よりも電気代が安くなります。
また、ソーラーパネルで充電すれば電気代がかからないので、電気代の節約が目的ならソーラーパネル充電に対応している製品を選ぶのがおすすめです。
屋外作業や車中泊で活躍する
ポータブル電源はその名の通り持ち運び可能で、電源がない場所でも電気を確保できる点もメリットです。
例えば長距離トラックのドライバーなど車中泊をすることがある方や、農業・林業など屋外での作業がメインの方は、電源の確保に困ることが多いでしょう。モバイルバッテリーがあればスマートフォンは充電できますが、消費電力が大きい電化製品は使用できません。
ポータブル電源があれば車内でも屋外でもすぐに電源が確保できるうえ、消費電力が大きい電化製品も使用できます。さらにソーラーパネル充電対応のポータブル電源なら、電力を使い果たしてもすぐに充電し直して使えるのでかなり重宝するはずです。
また、降雪量が多い地域では、大雪によって車が立ち往生することがあります。雪で立ち往生したときは、マフラーに雪が詰まって一酸化炭素中毒を引き起こす恐れがあるためエンジンを切ることが推奨されていますが、エンジンを切れば暖房も使えなくなるため寒さ対策が欠かせません。
このようなときもポータブル電源があると小型ヒーターや電気毛布などが使用できるので、寒さに悩まされることがなくなります。
発電機よりも使いやすい
発電機と比べて使いやすいのも、ポータブル電源の魅力です。発電機は、ポータブル電源と同じく災害時などに電源として使える製品です。持ち運び可能なものが多く、暖房器具や冷蔵庫などの消費電力が大きい電化製品にも対応しています。
しかし、発電機を動かすにはガソリンやカセットボンベなどの燃料が必要です。さらに使用中は排気ガスが出るうえ稼働音が大きいため、オフィスや避難所など静音性が求められる環境や屋内での使用には向きません。
一方、ポータブル電源は、電気で動くため燃料不要で排気ガスが出ず稼働音も静かなので、どこでも気軽に使えます。
ポータブル電源を買うデメリット
充電しなければ災害の備えにならない
電源がない場所でも電気が使える便利なポータブル電源ですが、事前に充電しておかないと電源としての役目を果たせません。
節電目的や車中泊などで使用する場合は、前もって充電しておけます。しかし、突発的に発生する災害の場合は、充電のタイミングを計るのは不可能です。災害用としてポータブル電源を備えておくなら、常日頃から使用する・しないにかかわらず充電しておき、定期的に充電状況を管理する仕組みづくりが必要にあります。
また、ポータブル電源をきちんと充電しておいたとしても、蓄電されている分を使い切れば、再度充電するまでは使えなくなります。災害時は停電になることも多いため、充電ができずに困ることもあるでしょう。
ただし、ソーラーパネル充電対応のポータブル電源であれば、停電時でも太陽光で充電できるため災害時の備えとして活躍します。
容量が大きいと重くなる
ポータブル電源は持ち運び可能ですが、モバイルバッテリーと比べるとかなり大きく重量もあります。発電機よりは軽量ですが、それでも容量が大きくなるほど本体も大きく重くなるので持ち運びも保管も大変になります。
容量が大きい方がさまざまな電化製品を使えますが、持ち運びや保管場所についても考慮したうえで選ぶことが大切です。
水害に弱い
災害時の非常用電源として役立つポータブル電源ですが、電気を使う精密機械なので耐水性が低いという弱点があります。そのため、大雨や洪水で水に浸かると壊れてしまい、電源として使えない可能性があります。
防水仕様のポータブル電源もありますが、完全防水は難しいので水濡れには注意が必要です。特に災害時の備えとしてポータブル電源を買うなら、保管場所を地面より高い場所にしたり、防水カバーをかけて保管したりするなど水害対策を考えておく必要があります。
容量が大きいと高額になる
ポータブル電源は製品によって容量が異なり、容量が大きいものほど消費電力が大きい電化製品を動かしたり、複数台の電化製品に同時に電力を供給できたりと便利に使えます。
そのため、特に災害対策としてポータブル電源を購入するのであれば大容量の製品を選びたいところですが、大容量のポータブル電源は高額です。しかし、安く済ませたいからといって容量が小さいポータブル電源を選ぶと、必要な電化製品が使えなくなる場合があります。
どのような目的でポータブル電源を購入するのか、最低限動かしたい電化製品の消費電力がどれくらいかなど、目的や使い方を考えたうえで適切な容量のものを選ぶことが重要です。
製品の使い方によっては発火リスクがある
ポータブル電源の多くはリチウムイオンバッテリーが採用されているため、高温になる場所での使用や過充電によって発火するリスクがあります。
夏場に車のなかに放置したり、直射日光が当たるところで使用したりすると危険なので、説明書に記載されている使用方法を守りましょう。購入はメーカーの正規品とし、使用方法をきちんと確認したうえで正しく使えば発火による事故を防止できます。
後悔しないために!ポータブル電源選びでのポイント

ポータブル電源は目的や使い方に合ったものを選ばないと、容量不足で必要な電化製品が動かせないなどの問題が起こります。
バッテリー容量・定格出力
ポータブル電源を選ぶときは、バッテリー容量や定格出力を確認しましょう。
バッテリー容量は、ポータブル電源が接続した電化製品に電気を供給できる量です。
定格出力は、ポータブル電源が安定して出力できる最大電力量です。
どれくらいの容量と出力が必要なのかは、ポータブル電源を使用する目的や接続したい電化製品によって異なります。
例えば車中泊で小型のヒーターやポータブル冷蔵庫などを接続するなら、「容量500Wh以上・出力500W以上」が目安です。災害時の非常用電源として家電を動かすなら、「容量700Wh以上・出力1,000W以上」はあった方がよいでしょう。
オフィスなどでノートパソコンの電源として使うなら、「容量300Wh以上・出力500W以上」あれば5時間ほどは充電できます。複数台のノートパソコンを充電したいなら、さらに容量が大きいポータブル電源を用意しなくてはなりません。
どのような目的でポータブル電源を購入するのかを考えたうえで、適切な容量・出力を計算してみましょう。ただし、ポータブル電源は容量が大きいほど本体の重量も価格も上がります。予算や持ち運びのしやすさ、保管場所も考慮することが大切です。
サイズ・重量
ポータブル電源選びでは、本体のサイズと重量のチェックも欠かせません。例えば、フリーアドレスでの電源確保や営業担当者が社外でノートパソコンを使うときの充電用などの目的で購入するなら、持ち運びやすい小型で軽量のポータブル電源がおすすめです。
しかし、小型のポータブル電源は容量が少ないため、長時間の使用や複数台の電化製品の電源には向きませんBCP対策などが目的の場合は、使用する人数にもよりますが大容量のポータブル電源を購入した方がよいでしょう。
だれがどのように使うのかを想定し、使い勝手がよいサイズ・重量のポータブル電源を選ぶことが重要です。
充電時間
先述の通り、ポータブル電源は事前に充電しないと電源としての役割を果たせません。充電に時間がかかると不便なケースもあるので、満充電までにどれくらいの時間がかかるのかも確認しておきましょう。
特に大容量のポータブル電源は、満充電までに数時間かかる場合もあります。急な停電や災害のときの非常用電源として使う場合は大容量のポータブル電源の方が便利ですが、満充電までに長い時間がかかっていては、ここぞというときに使えない可能性があります。
ビジネスでは急ぎの対応を求められる場面も多いので、スピーディに充電できるポータブル電源を選ぶのがおすすめです。
充電方法・機能
充電方法や電源以外の機能も、ポータブル電源選びの重要なポイントです。例えばソーラーパネル充電対応なら、停電などで自宅や仕事場のコンセントが使えなくても太陽光で充電できるので、BCP対策に向いています。
パススルー充電機能があれば、ポータブル電源を充電しながらほかの電化製品に電力を供給できるので、急ぎで電源を確保したいときに便利です。ワイヤレス充電対応なら、ケーブルがないときでもスマートフォンなどを充電できます。また、防水・防塵機能付きなら農業や林業など、屋外で作業することが多い職種でも使いやすいでしょう。
ポータブル電源の活用シーンを想定して、どのような機能があると便利かを考えてみましょう。
メーカー保証
ポータブル電源は長く使うアイテムであるため、メーカー保証の有無と保証期間の長さもよく確認しておきましょう。
特に停電時・災害時の備えとして購入した場合、使用頻度が低いので不具合や故障に気づくのに時間がかかる場合があります。気づいたときには保証切れだったということがないように、できるだけ長い保証が付いている製品を選ぶのがおすすめです。
また、修理・交換・メンテナンスなど、どのようなサポートがあるのかも調べておきましょう。海外製のポータブル電源の場合、日本語でのサポートが受けられない可能性があります。語学に自信がない場合は、日本語でサポートが受けられる製品を選ぶと安心です。
ポータブル電源があると便利!
「災害対策がしたい」「屋外で電力を使いたい」などの場合、ポータブル電源は非常に役立つアイテムです。モバイルバッテリーよりも容量が大きいため消費電力が大きい電化製品でも対応可能で、なおかつ発電機よりも気軽に使えます。
ただし、ポータブル電源は、製品によって容量や出力、機能が大きく異なります。例えば、企業が停電時や災害時の非常用電源として活用するなら、大容量で満充電までのスピードが速いポータブル電源を選ぶなど、用途に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ
ポータブル電源は、停電時・災害時の対策から車中泊や屋外作業での電源確保、電気代の節約など幅広いシーンで活用できる便利なアイテムです。モバイルバッテリーよりも大容量なので家電の電源にも使用でき、発電機のように燃料も必要としないため手軽に利用できます。
一般家庭のアウトドアや非常用としてのイメージがありますが、企業のオフィスや教育現場などでも役立つため、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。
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