更新日:2025年1月30日
シヤチハタインク補充の方法は?補充の目安やホルダーを外すコツを解説

本記事では、普段からシヤチハタを使っている方に向けて、印影が薄くなった際に行うインク補充のタイミングやコツをわかりやすく解説します。ホルダーの取り外し方、インクが漏れないようにするための注意点なども含め、シヤチハタを長持ちさせるメンテナンス方法を学んでいきましょう。
シヤチハタのインク補充に必要な準備
シヤチハタを長期間使用するには、インクの補充を定期的に行うことが大切です。適切な準備をすれば、不適切なインクを使用したりインクをこぼしたりするミスを避け、スタンプをより長く快適な状態で使用できます。
専用の補充インク
まずは専用の補充インクの用意です。シヤチハタのインクには油性と水性があり、それぞれ顔料系と染料系とに分かれます。これらは特性が異なるため、用途に応じて選びましょう。
- 油性・顔料系インク
有機溶剤などに顔料を混ぜたインクで、耐水性や耐光性に優れ、長期間鮮やかな印影をキープできます。 - 油性・染料系インク
有機溶剤などに染料を混ぜたインクで、紙以外にも色が付くほか、耐水性も有します。 - 水性・顔料系インク
水に顔料を混ぜたインクで、耐水性や耐光性があり、滲みにくいのが特徴です。ただし、乾くまでには時間がかかります。 - 水性・染料系インク
水に染料を混ぜたインクで、色の種類の豊富さや鮮やかさが特長です。耐水性や耐光性には欠けるため、色褪せしやすいのがネックです。
一般に、顔料系インクは書類を長期間保存する場合や印影の表示が重要な場合に適しています。ただし、乾きが遅く滲みやすい点には注意しましょう。
一方、染料系インクは、色が鮮やかで早く乾くため、短時間で何度も押印する場合に便利です。しかし、顔料系インクに比べて色褪せしやすく、長期間保存する対象への使用は向いていません。
シヤチハタはさまざまな製品があり、適したインクはそれぞれ異なります。間違ったインクを用いると、印影の薄さや色ムラが目立つだけでなく、インク漏れなどの不具合が生じかねません。修復不能となる可能性もあるため、気を付ける必要があります。
不要な紙や布
次に、不要な紙や布の準備です。シヤチハタ本体を水平な場所に置き、その下に不要な紙や布を敷いておくことで、万が一インクがこぼれてしまっても、周囲の机や床を汚さずに済みます。
また、インク補充中は、印面以外の部分にもインクが付着する可能性があるため、作業中の汚れを最小限に抑えるべく、紙や布で周囲をカバーしておきましょう。
【製品別】シヤチハタのインク補充のやり方

シヤチハタでは、製品ごとにインクの補充方法が異なります。正しい手順でインクを補充することにより、スタンプの寿命を延ばし、きれいな印影を保てます。ここからは、シヤチハタの代表的な製品ごとに、インクの補充方法を解説します。
ネーム9
「ネーム9」は、カートリッジを交換することで簡単にインクの補充ができる便利なスタンプです。
- ボディーを引っ張ってホルダーを外します。
- フタ部分のつまみを掴み、少し回してカートリッジを外します。外す際には力を加え過ぎないよう注意しましょう。
- 「ネーム9専用補充インキ」カートリッジのフタを外し、補充インキを本体に差し込みます。補充インキは専用のものを、正しくセットしましょう。
- ホルダーをもとの位置に戻し、しっかりと閉めます。
これで補充は完了です。半日ほど放置してからスタンプを軽く押し、インクが均一に行き渡るか確認してください。
ネーム6
「ネーム6」もカートリッジ式で、手軽にインクの補充ができるスタンプです。
- ホルダーを外します。そうすると、内部にあるインクカートリッジが見える状態になります。インクカートリッジがしっかり固定されているか確認をしましょう。
- 新しい「ネーム6専用補充インキ」カートリッジを用意し、交換を行います。
インクカートリッジは簡単に取り外せるようになっているため、取り出す際には無理に引っ張らないよう注意しましょう。 - 新しいカートリッジをセットした後、しっかりともとに戻し、ホルダーを閉じます。
キャップレス9
「キャップレス9」は、使いやすさと便利さで多くのユーザーに支持されているはんこです。
- シャッター部を引き抜いて本体から取り外します。この部品はスタンプからインクが漏れないようにする部分ですが、インクの補充をする際に取り外しが必要です。
- 外した後、本体を印面が上になるように置きます。これにより、インクが補充時に漏れるという問題を防げます。
- 補充ができたら、シャッター部をもとに戻して完了です。印面を上にしたまま3時間ほど静置しましょう。
ペアネーム
「ペアネーム」は、本体の両端がそれぞれサイズ違いの印面になっている製品です。認印側は9mm、訂正印側は6mmです。
- 本体からネーム印部分を取り外します。
- 次に、古いカートリッジを抜き取りましょう。簡単に取り外せる構造になっているので、力を入れずにスムーズに取り外すことができます。
- 新しいカートリッジを差し込みます。その際には、正しい位置に正しくはまることを確認しましょう。ペアネームには、9mm用(XLR-GP)または6mm用(XLR-9)のインクカートリッジが必要です。
ブラック11
「ブラック11」は、11mmの直径が安定感を醸し出す、シヤチハタのシリーズの中でも便利で使いやすいモデルです。
- はじめにホルダーと補充口キャップを外します。
- 中のインキ吸蔵体が見える状態にしましょう。吸蔵体がしっかり見える状態にすることで、インクの補充の際に漏れを防ぎ、正確に補充できます。
- 補充口からゆっくりとインクを吸い込みましょう。急いでインクを入れると、インクが溢れたり、十分に吸収されなかったりする可能性があります。少しずつ慎重に補充することが重要です。使用するインクは専用インキ(XLR-11N)が推奨されています。
- インクの補充が完了したら、キャップとホルダーをもとに戻し、しっかりと閉めてください。その後、12時間ほど静置しましょう。
シヤチハタのインク補充の裏技
シヤチハタのインク補充の際、便利な裏技があります。ここでは、シヤチハタのインク補充をさらに楽に、効率よく行うための裏技を解説します。
印面のゴミ・汚れはセロハンテープで取れる
シヤチハタの印面にゴミや汚れが付着すると、スタンプの印影が不鮮明になり、インクの補充後でも使用感が悪化してしまいかねません。これを解決する簡単で効果的な方法が、セロハンテープを使うことです。セロハンテープを数cm引き出し、粘着面を印面にそっと押し当てるだけで、汚れやゴミを簡単に取り除けます。
ただし、印面は多孔質のゴムでできているため、強く押し付けたり、擦ったりすると傷付く恐れがあります。軽く押し当てるようにしてゴミを取り除きましょう。
補充後は印面を下にして12時間ほど放置する
シヤチハタのインクの補充後は、印面を下(ネーム印などは上)にして、12時間(種類によっては3時間)ほど放置しましょう。そうすることで、インクが印面全体に均一に浸透します。インクを補充しても、完全に浸透するまでには時間がかかります。印面を下向きにすることで、インクが自然に下へ流れ、より均等に広がります。
シヤチハタのインク補充の注意点

同じはんこを使い続けていれば、そのうち印影が薄くなり、補充のタイミングを迎えます。しかし、間違った方法で補充するとインク漏れや故障を招きかねません。ここからは、シヤチハタのインク補充時に注意すべきポイントを解説します。
同じ種類・同じ色のインクを補充する
インク補充にあたっては、必ず現在使用しているインクと同じ種類および色のインクを選びましょう。シヤチハタのスタンプには専用のインクがあり、これを使用することで最適な印影を維持することが可能です。異なる種類のインクを補充してしまうと、インクの粘度や成分が合わず、目詰まりや印影の不鮮明さが発生する恐れがあります。
さらに、異なる色のインクを混ぜてしまうと、印面が損傷し、インクが均一に広がらなくなる可能性もあるため注意しましょう。
インクが皮膚に付いた場合はすぐに石鹸で洗い落とす
シヤチハタのインクが皮膚に付いてしまった場合は、できるだけ早く洗い流しましょう。インクが乾くと洗い落とすのが難しくなります。インクが付着した部分に適温の水をかけて、インクを柔らかくし、その後ハンドソープや石鹸を使って丁寧に洗うと効果的です。石鹸を使うことでインクが皮膚に残るのを防ぎ、素早くきれいに落とせます。また、必要に応じて、インク落とし専用のクリーナーの使用も検討しましょう。
インクを入れ過ぎると滲みの原因になる
インクを補充する際は、適量を心がけましょう。過剰に入れてしまうと、印面からインクが漏れ出し、滲みや不鮮明な印影が生じます。また、はんこの内部にもインクが入り込み、製品寿命が短くなる可能性もあります。補充口から1滴ずつゆっくりと補充すると、インクが吸収体にしっかりと浸透し、インク漏れを防ぐことが可能です。
シヤチハタの寿命・インク補充の目安
シヤチハタ本体の寿命は、一般的に7~10年程度が目安とされていますが、使用頻度や保管状態によって異なります。
インク補充の目安としては、印影が薄くなったり、押印回数が5,000回から1万回に達したりした場合が挙げられます。シヤチハタの印影はインクが減っていくと薄くなるため、それが補充の目安です。なお、高温多湿な環境ではインクが早く劣化するので、注意しましょう。正しい保管環境を整えれば、インクの寿命を延ばせます。
シヤチハタにインクを補充しても薄い原因と対処法
シヤチハタにインクを補充した後も印影が薄くなる原因は、インクの種類の問題や印面の汚れ、補充方法の誤りなど、さまざまなものが考えられます。ここでは、シヤチハタの印影が薄くなる原因とその対処法について解説します。
インクが十分に浸透していない
インクを補充したばかりの状態では、印面にインクが均等に行き渡るまでに少し時間が必要です。特に補充直後にすぐに押印すると、インクがまだ完全に吸収されていないため、印影が薄くなることがあります。補充後はしばらく時間をおいて、試し押しをしてください。
補充したインクが少ない
補充した量が少ない場合、印面に十分なインクが行き渡らず、印影が薄くなることがあります。ただし前述の通り、インクの補充し過ぎは漏れ出しや印影の滲みの原因にもなります。補充量が少ないと感じた場合は、少しずつインクを追加して様子を見ながら適量に調整しましょう。
印面に汚れが付いている
印面に汚れやゴミが付いていると、インクが均一に浸透せず、印影が薄くなる場合があります。特にシヤチハタはさまざまな種類の紙に捺印することが多く、その際に紙粉や小さなホコリが印面へ付着しがちです。
解決方法としては、先述したようにセロハンテープの使用が効果的です。粘着面を軽く印面に押し当てることで、表面に付いたゴミやホコリを簡単に取り除けます。ただし、強い粘着力のテープを使用すると、印面が傷付いたり、ゴミがさらに内部に押し込まれたりする可能性があるため、粘着力がほどよいものを選びましょう。
補充したインクの種類が違う
シヤチハタは、それぞれの製品に適した専用インクを使用しないと、印影に不具合が生じやすくなります。特に、水性インクと油性インクでは性質が大きく異なるため、取り違えは厳禁です。印影が薄くなったり、インクが詰まりやすくなったりする原因となるので注意しましょう。また、異なるメーカーのインクも混ぜないようにしてください。
もし誤った種類のインクを補充してしまった場合、そのインクが印面に浸透する前に、すぐに正しいインクに交換しなければなりません。不適当なインクを使い続けると、修復が難しくなり、スタンプ本体自体を交換しなければならなくなる可能性があります。
まとめ
シヤチハタのインク補充は適量を守って行えば、はんこを長持ちさせて余計な出費や手間を省けます。本記事で紹介した補充方法やポイントを参考にして実践してみてください。
補充インクのラインナップに関しては、こちらのリンクからご確認いただけます。
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