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更新日:2024年4月30日

錆び取りの方法を解説!発生する原因や錆びの種類、予防法も紹介

錆びとは、大気中の酸素や水など、環境の作用によって金属表面に形成される固体生成物(酸化物)のことです。

個々人はもちろんのこと、オフィスや店舗、工場、倉庫といった施設を管理している方のなかには、除去方法がわからずお悩みの方も多いかもしれません。

この記事では、錆びの発生原因や種類、発生しやすい環境を詳しく解説します。錆び取りの方法や予防法についても解説するので、錆びにお悩みの方はぜひ参考にしてください。

錆びが発生する原因

まずは、錆びが発生する原因について確認していきましょう。錆びの発生原因には、主に下記の3つの可能性が考えられます。

  • 基本的には酸素や水、不純物など
  • 水回りの場合は水滴や湿度など
  • 車の場合は排ガスや粉塵など

シチュエーションもあわせて順番に解説します。

基本的には酸素や水、不純物など

酸素や水などが存在する環境に金属を置くと、表面が酸化され、錆びが生じる場合があります。

なお、水分を伴わずに高温の空気や反応性ガスによる錆びの形成は「化学的腐食(乾食)」、水や土といった電解質の介在による錆びの形成は「電気化学的腐食(湿食)」と呼ばれます。

鉄の場合、酸素と水のみが存在する環境では「保護皮膜(酸化鉄皮膜)」が形成されることにより錆びの進行が阻止されますが、炭酸ガスや亜硫酸ガス、塩化物といった不純物が存在すると錆びの生成が進行してしまいます。

水回りの場合は水滴や湿度など

水回りは、水滴が付着していたり湿度が高くなっていたりするため、錆びが発生しやすい環境です。

塗装やメッキで錆びにくく加工されていても、傷が付くとその部分から錆びが生じてしまうことがあります。また、他の錆びている金属と接触していると、「もらい錆び」が生じる場合もあるので注意しましょう。

なお、しばらく使用していない状態で水道の蛇口をひねると、赤っぽい水が出たり、黒色や赤茶色をした粒状の錆びが出たりする場合があります。これは、鋼製の給水管が水中で徐々に錆び、剥離して蛇口から出てくることで起こります。

車の場合は排ガスや粉塵など

上述したように、錆びは酸素や水に加えて、炭酸ガスや亜硫酸ガス、塩化物といった物質が存在することで発生・進行します。

自動車やバイクに使用されている金属は、硫黄などを含む排ガスや粉塵の影響を受けるため、錆びが発生・進行しやすい状態になっていることを覚えておきましょう。なお、雨水や潮風にさらされる環境で長時間放置することも、金属が錆びやすくなる原因となるため注意が必要です。

錆びの種類

錆びは、色によって下記に示す7つの種類に分類できます。

  • 赤錆び
  • 青錆び
  • 黒錆び
  • 茶錆び
  • 白錆び
  • 緑錆び
  • 黄錆び

それぞれについて詳しく説明します。

赤錆び

赤錆びは日常生活において頻繁に見かける錆びであり、鉄、鉄鋼や鋼、銅合金が酸素と結合し、水酸化第二鉄やオキシ水酸化鉄、酸化第二鉄などに変化することによって形成されます。次第に内部に進行し、穴が開くケースもあるので注意しましょう。

なお銅の場合、酸素と結びつくことで「酸化第一銅」に変化しますが、保護皮膜のような役割を果たしてくれます。

青錆び

青錆びは銅に発生する錆びで、緑青とも呼ばれます。なお、青錆びの正体は、赤錆びである酸化第一銅と、酸素や水、二酸化硫黄が結合して生成される「塩基性硫酸銅」です。

保護皮膜として機能し、赤錆びの発生を防ぐことや美しい色であることから、銅像に関しては青錆びが発生する前提で制作されたり、青錆びの生成を促進する塗料が塗布されたりするケースがあります。

黒錆び

黒錆びは、鉄や銀を高温で加熱した場合に表面に発生します。なお、黒錆びが生じている部分の鉄は「四酸化三鉄」と呼ばれ、内部を腐食から守る良質な錆びです。黒錆びは意図的に生じさせる錆びであり、基本的に自然発生はしません。

例えば、中華鍋が黒いのは四酸化三鉄が使用されているためです。

茶錆び

茶錆びは主に鉄に発生する錆びで、内部まで腐食が広がるものもあれば、表面だけに発生して保護皮膜として働くものもあります。茶錆びのなかでも明るい茶色の錆びは、水酸化第二鉄やオキシ酸化鉄であり、腐食が進行しやすい危険な錆びなので注意しましょう。

なお、銅にも茶色い錆びが発生する場合がありますが、こちらに関しては腐食から守ってくれる良質な錆びです。

白錆び

白錆びはアルミニウムや亜鉛に発生します。いずれも保護被膜として働くため、良質な錆びといえます。

アルミニウムの白錆びは、表面に形成された酸化アルミニウムが、更に水和酸化物(ベーマイトやバイヤライト、ギブサイト)へと変化したものです。亜鉛に関しては、表面に形成された水酸化亜鉛と二酸化炭素が反応し、生成された塩基性炭酸亜鉛が白錆と呼ばれます。

緑錆び

緑錆びは、ニッケル、鉄、銅などに発生する錆びです。ニッケルは錆びにくい金属ではあるものの、まれに緑色に錆びる場合があることを覚えておきましょう。

銅に関しては、上述したように青錆びのほか「パティナ」と呼ばれる緑色の錆びが発生する場合もあります。なお、鉄に関してはまれに緑錆びが生じるケースがあるものの、すぐに赤錆びに変化します。

黄錆び

黄錆びは、鉄や亜鉛メッキを施した鋼板に生じることがある錆びです。

なお、「オキシ水酸化鉄に発生する」「塩基性水酸化第二鉄に発生する」といった説があり、発生する原因は明確には解明されていません。

錆びが発生しやすい環境

錆びは、水や酸素、亜硫酸ガス、塩類、ホコリが存在する環境で発生しやすくなります。

海に近い場所で金属が使用されている製品を屋外に放置しておくと、塩分や水分が付着し、錆びが発生しやすくなるので注意しましょう。なお、塗装やメッキなど錆びにくくする加工が施されていても、傷が付くとそこから錆びてしまいます。金属部位を傷付けないように、丁寧に取り扱ってください。

また、錆びやすさは湿度とも関係があり、「臨海湿度(限界湿度)」を超えると急速に錆びることを覚えておきましょう。ちなみに、鉄鋼や銅合金の場合、相対湿度60~70%が臨海湿度(限界湿度)です。また、鉄に関しては、表面に付着した水層の厚さが70~100μmの場合に、錆びる速度が最大となります。

最強の錆び取り方法3選!簡単な落とし方を紹介

では、錆びを除去するにはどのような方法があるのでしょうか。下記はおすすめの錆び取り方法です。

  • 歯ブラシや歯磨き粉など身近なアイテムを使う
  • 重曹やクエン酸を使用する
  • 車や工具、機械部品には専用の錆び取り剤を使う

各方法について詳しく説明します。

簡単な落とし方①歯ブラシや歯磨き粉など身近なアイテムを使う

まずは歯ブラシや歯磨き粉といった身近なアイテムを使用して錆び取りを試みましょう。

酢やたわしの使用もおすすめです。錆びはアルカリ性なので、酸性の酢と接触させることによって中和反応が起こり、母材から剝がれやすくなります。

簡単な落とし方②重曹やクエン酸を使用する

重曹やクエン酸の使用もおすすめです。

重曹を使用する場合は、少量の水を加えてペースト状に練ったうえで錆びた部分に塗り、30分以上放置してから歯ブラシや布でしっかりと磨いたあと、水で流してください。

クエン酸を使用する場合は、ぬるま湯100mlに対して大さじ2分の1のクエン酸を溶かした溶液を布やキッチンペーパーに含ませ、錆びている箇所に載せて一晩放置します。翌日、布・キッチンペーパーを取り除き、スポンジで軽くこすったあと水で洗い流しましょう。

重曹を探す

クエン酸を探す

簡単な落とし方③車や工具、機械部品には専用の錆び取り剤を使う

車やバイク、工具、機械部品に錆びが生じている場合は、下地などを痛めないように、専用の錆び取り剤を使用しましょう。

自動車用の錆び取り剤にはさまざまな種類があるため、特徴や価格、容量などを比較したうえでお使いの車や工具に適した製品をお選びください。

錆び取り剤を探す

錆びの発生を予防する方法

錆びが発生してから対処するだけではなく、なるべく発生させないように予防することも大切です。

金属製品を取り扱う際には、可能な限り水と接触させないことを心掛けましょう。金属表面を傷付けないように丁寧に扱うことも錆びの予防には有効です。

また、防錆び剤の活用もおすすめです。金属表面全体に被膜を形成することで水や酸素をシャットアウトし、錆びの発生を抑制できます。

防錆び剤を探す

まとめ

錆びは酸素や水、炭酸ガス、亜硫酸ガス、塩化物などが存在する環境下で発生します。なお、すべての錆びが悪というわけではなく、黒錆びのように内部を腐食から守る良質な錆びが存在することも覚えておきましょう。

なるべく錆びが発生しないよう予防に努めることも大切ですが、オフィスや店舗、工場、倉庫で錆びが発生した場合は、身近にある歯磨き粉や酢、重曹、クエン酸などを使用して除去を試みてください。

なお、車やバイク、工具、機械部品に錆びが生じた場合は、専用の錆び取り剤で除去することをおすすめします。

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