更新日:2025年4月24日
スクラブとは?医療用制服のケーシーや白衣との違いも解説

医療現場でのユニフォームというと白衣のイメージがありますが、最近は着脱しやすく動きやすい「スクラブ」も人気です。本記事ではスクラブのメリットや、白衣やケーシーとの違いなどについて解説します。また、スクラブ選びの際にチェックするポイントも紹介していますので、どのスクラブがいいか迷った際に参考にしてください。
医療用スクラブとは?
医療用スクラブとは、医者や看護師などの医療従事者が現場で着用する制服のひとつです。一般的には上下セパレートになっており、上はVネック・半袖のTシャツに似た形状で、筆記用具や小物が入れられるよう、複数のポケットが付いています。下はゴムやひもで調整できるシンプルなズボンです。ドラマなどで医師や看護師が着ている、グリーンやブルーの手術着を思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。
英語でゴシゴシ洗うという意味の「scrub」が語源となっており、その名の通りゴシゴシ洗っても傷みにくく、動きやすいのが特長です。白衣と違いピンクやグリーン、ブルー、ブラックなどさまざまなカラーバリエーションがあります。医療現場に限らず、理容室やエステサロン、介護施設などでも制服として採用されていることも多い仕事着です。
スクラブとケーシーの違い

ケーシーとはスタンドカラーで丈の短い、半袖の医療用ユニフォームです。一般的には白や淡い色が多く、スクラブと違い正面やサイドが開くようになっているものが主流です。
1960年代の医療ドラマ「ベン・ケーシー」で、主人公の外科医が着用していたことから、日本ではこの呼び名が定着しました。医者だけでなく歯科医や作業療法士、鍼灸師や理容師などもよく着用している制服です。白衣よりはカジュアルですが、スクラブよりはフォーマル感があります。また白衣よりストレッチ性に優れた素材やデザインのものが多く、インナーを完全に隠してくれるのもメリットです。
スクラブと白衣の違い

白衣は一般的に医師が病院で着用している、コート型のユニフォームです。ドクターコートとも呼ばれています。一般的には白色で長袖が多く、フォーマルで清潔な印象を与えます。研究職のユニフォームとしてもよく採用されています。
ひざ丈の長さがスタンダードですが、中には腰ぐらいまでのショート丈や、ジャケットタイプのものもあります。前開きになっていてボタンで留めるタイプが主流ですが、近年はファスナーを採用しているものも見られます。色に関しても、白いものが主流ですが、薄いブルーやピンクなど淡色のものも販売されています。
丈と袖が長いため薬品や汚れが体に付くのを防げ、患者からもすぐに医師と分かるのがメリットです。一方、スクラブやケーシーと比較すると動きやすさでは劣ります。
医療現場でスクラブを着用するメリット
丈夫で洗っても傷みにくい
スクラブはポリエステルや、綿、綿とポリエステルの混紡など、洗っても傷みにくい丈夫な素材でできています。名前の通りゴシゴシ洗っても縮みや変形、毛羽立ちや色落ちなどが少ないのがメリットです。薬品や汚れが付いてこすり洗いする場合も、繊維があまり傷みません。
医療現場は特に衛生に配慮しなければいけない場所です。そのため1日に何度も着替えなければならない場合もありますが、スクラブなら頻繁な洗濯や消毒にも耐えられます。
また白衣やケーシーのように襟やボタンが付いておらず、シンプルな形状のため洗濯がしやすいのも利点です。乾きやすく熱に強い素材でできているものが大半のため、長時間干さなくても着用でき、乾燥機の使用にも適しています。
コストパフォーマンスに優れている
スクラブは白衣やケーシーに比べて1枚あたりの単価が低価格なものが多く、コストパフォーマンスも優れています。厳しい衛生管理が求められる医療現場では、頻繁にユニフォームを着替えることも多いため、洗い替えの数も多い方が便利です。単価が安いスクラブなら、気軽に何枚も洗い替えを購入できます。
ゆったりしていて動きやすい
スクラブの襟元はVネックで襟が付いておらず、形状もTシャツのようにゆったりしています。医療現場では迅速な動作が求められることが多く、場合によってはかがんだり、何かを抱えたりといった大きな動きをすることもあります。
デザインがゆったりしたスクラブだと、体を大きく動かしても突っ張るなどして体の動きを妨げることがありません。また締め付けがないので長時間の着用にも適しており、休憩や仮眠の際もリラックスできます。素材も通気性がよいものが多く、ゆとりのあるデザインなので、汗をかきやすい季節や現場でも蒸れにくいメリットもあります。
ファスナーやボタンがない商品が多い
白衣やケーシーは前またはサイドが開くため、ボタンやファスナーが付いているものが大半です。一方、スクラブは被って着用するタイプが多く、ファスナーやボタンは一般的には付いていないものが主流です。
ファスナーは上げ下げの際に衣類や皮膚、道具などに引っかかったり、患者さんを抱えるなどした際に髪の毛や衣類を挟んだりしてしまう可能性があります。また、小児科や産婦人科など小さな子供が来院する科では、ボタンが付いた服を着ていると、ボタンが外れた場合に誤飲の危険性もないとは言えません。
一方、スクラブなら引っかかるものがないため、安全に使用できます。ファスナーやボタンが付いているものでも、引っかかりにくいように布が被せてあったり、スナップボタンを採用したりといった工夫が見られます。
着脱しやすい
スクラブはデザインにゆとりがあり、被って着脱するものが多いため、すぐに着替えられるのも便利です。医療現場では科によって緊急の呼び出しがあり、着替えに手間のかかる服では貴重な時間をロスしてしまいかねません。その点、スクラブならすぐに着脱できるため、いち早く現場に駆けつけられます。ボタンやファスナーを留めたり、襟を正したりする手間も省けるため、身だしなみの時間を短縮することも可能です。
カラーバリエーションが豊富である

ホワイトや薄いピンク、薄いブルーなど、色の選択肢が限られている白衣とケーシーに比べ、スクラブはカラーバリエーションが豊富です。よく使われているのはピンクやブルー、グリーンなどですが、オレンジやブラック、パープルなどのカラーもあります。
カラーバリエーションが豊富だとおしゃれさがアップするのはもちろん、濃い色を選べば汚れが目立ちにくく、インナーウェアが透けにくいメリットもあります。広い施設では部署や職種、チームなどで色分けすることも可能です。
機能性に優れている商品が多い
スクラブは機能性を重視して作られているものが多いのもポイントです。動きやすさや洗いやすさ、乾きやすさについては先述しましたが、その他にも大きなポケットが付いているものが多いので、筆記用具や携帯電話などを入れられ、収納性が高いのもメリットです。
また、メーカーによっては吸汗速乾や制電、消臭やストレッチ、透け防止など、プラスアルファで高い機能を備えたものもあります。職場環境や仕事内容、用途などにより、適したものを選びましょう。
スクラブの選び方
スクラブにはさまざまなバリエーションがあるため、素材や価格、機能などに応じて適したものを選ぶことが大切です。ここからはスクラブ選びで注目したい5つのポイントについて解説します。
素材から選ぶ
スクラブには綿やポリエステル、綿とポリエステルの混紡などが使われることが多いです。この3種の素材のメリットやデメリットは以下の通りです。
綿
着心地や肌触りがよく、通気性や吸湿性にも優れています。一方で、染みが残りやすくシワになりやすいデメリットがあります。
ポリエステル
耐久性が高く、頻繁な洗濯にも強いのがメリットです。また、軽量でストレッチ性もあり、乾きやすいです。一方で、通気性や風合いでは綿に劣ります。
綿・ポリエステルの混紡
綿とポリエステルの双方のメリットを得られます。繰り返しの洗濯や高温での乾燥に強いものが多く、色褪せにくく、長期間の使用に耐えられます。
頻繁に着替えなければならない現場では、シワになりやすく乾きにくい綿より、ポリエステルが適しています。一方で男性の場合、夏場はインナーなしでスクラブを着用する人もいるため、暑い時期は風合いを重視した綿の方が着心地がよいでしょう。混紡のものはどちらの特性も兼ね備えているため、どちらの特性を重視するかに応じて混紡比率を見ながら選ぶことがおすすめです。
価格から選ぶ
スクラブを選ぶ際は、価格も重要なポイントです。白衣やケーシーに比べるとスクラブは価格が抑えられていますが、幅があります。価格が高い方が機能性も高い傾向がありますが、何枚も替えを準備するなら、高価格のものはコストがかさんでしまいます。価格と機能のバランスを考えながら、予算内でできるだけ高い機能のものを選ぶとよいでしょう。
機能から選ぶ
スクラブは多様な機能を備えたものも多いため、仕事内容や職場環境に合った機能性に注目して選ぶ方法もあります。
ストレッチ性
介護やリハビリの現場など、体を使うことが多い現場や、動きやすさを重視したい場合におすすめです。
抗ウイルス・制菌
病院の外来や入院病棟など、徹底した感染症対策が必要な現場に適しています。
UVカット
屋外での作業や移動が多い場合に重宝します。
透け防止
インナーの透けが気になる女性にぴったりです。
消臭
汗をかきやすい現場や、患者さんに触れることが多い仕事、夏場などの着用に適しています。
制電
電子機器の多い医療現場では必要な機能です。ポリエステルのスクラブは静電気が起きやすいため、制電機能があるものがおすすめです。
吸汗速乾
汗をかきやすい現場や夏場の着用、頻繁に洗濯する場合などに適しています。
軽量
長時間着用していても疲れにくいメリットがあります。
工業洗濯
耐久性が高い生地でできており、業者にまとめて洗濯に出す職場に向いています。
ポケット
ポケットが大きく、数が多ければペンやメモ、医療器具などを数多く入れられます。
デザインやカラーから選ぶ

以前はホワイトやグリーン、ブルーなどカラーが限られていたスクラブですが、近年は非常にカラーバリエーションが豊富になっています。ユニフォームの色は患者さんに与える印象に影響するので、その効果を考慮してスクラブの色を選ぶ方法もあります。
例えば、小児科や美容クリニックなど、柔らかさや親しみやすさを重視する職場なら、ピンクやオレンジといった暖色系がおすすめです。一方、ブルーやグリーンといった寒色系は清潔感があり、落ち着いた印象を与えます。黒や紺、ブラウンなどの濃い色は、シックで高級感があります。
また、制服は働く人のモチベーションも左右することがあります。スクラブというと単色が一般的ですが、2トーンになったおしゃれなものもあります。さらに立て襟に近いものや、ロゴやラインが入ったデザイン性の高いものもあり、豊富なバリエーションから選べます。被るタイプではなく前開きのタイプは、着替えの際に化粧が付かず、シルエットが綺麗に見えるのがメリットです。
ブランドから選ぶ
スクラブは専門メーカーだけでなく、大手スポーツメーカーや下着メーカー、有名アパレルブランドなども手がけているため、ブランドで選ぶのもよいでしょう。ブランドのものは機能性が優れていたり、デザインがおしゃれだったりと付加価値があるため、働く人のモチベーションアップにもつながります。また、オリジナルの刺繍やプリントが入れられるスクラブもあります。世界にひとつのオリジナルユニフォームをチームでそろえれば、団結力も高まりそうです。
医療用の制服にはスクラブもおすすめ
少し前までは医療用の制服というと、白衣やケーシーのイメージでしたが、最近は使い勝手のよさから、スクラブを採用するところも増えています。スクラブは医療や介護、美容やリハビリ、歯科や動物病院など多岐にわたる現場で利用されています。そうした業界の企業で、もしユニフォームの変更を検討されているなら、スクラブを採用してはいかがでしょうか。
スクラブは着脱しやすく動きやすい実用的なユニフォームで、白衣やケーシーに比べてコストも抑えられます。また、カラーバリエーションやデザインも豊富で、選択肢が多いのもメリットです。
まとめ
スクラブは白衣やケーシーに比べ低価格なものが多く、ゆったりしたデザインで動きやすいのがメリットです。また、ストレッチや吸汗速乾、透け防止、消臭など、優れた機能を備えたものもあります。デザインやカラーも豊富なので、働いている業種や用途、好みなどに応じて適したものを選んでください。
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