更新日:2024年4月30日
シリコンスプレーの用途や使い方は?使ってはいけない場所や注意点も
自動車や機械、家具などをお手入れするときはシリコンスプレーがあると便利です。シリコンスプレーは機械や家具に艶を出したり潤滑を促したりと、さまざまな用途に使えます。
この記事では、シリコンスプレーの概要や選び方を紹介します。使い方や使用時の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
シリコンスプレーはあらゆる用途に使える便利な道具
シリコンスプレーとは、シリコンオイルで作られたスプレーのことです。
塗布部分にシリコン被膜を作れるのが特長で、このシリコン被膜がさまざまな効果をもたらします。代表的な効果の例としては、「潤滑を促す」「艶を出す」「撥水効果を高める」「サビ止め」などが挙げられます。
このように期待できる効果が多い分、シリコンスプレーの用途は多いです。下記はシリコンスプレーの用途の一例です。
- 金属の表面に塗布してサビから守る
- ドアやサッシの開閉をスムーズにさせる
- シールを剥がしやすくする
- キャスターの動きを改善させる
他にも、キャンプ用品の可動部の動きをスムーズにしたり、工具のお手入れをしたりと、さまざまな使い方ができます。今すぐ使う予定がなくても、1つは持っておきたい便利道具です。
シリコンスプレーを使用できない場所もある
シリコンスプレーはさまざまなシーンで役に立つものの、使用できない場所もあるので注意してください。
例えば、潤滑のために機械にシリコンスプレーを塗布するケースはよくありますが、電子機器への塗布には適しません。シリコンは電気を通さない性質を持っているため、電子機器に塗布すると正常に作動しなくなってしまう可能性があります。
また、シリコンスプレーは鍵穴にも使用できないため注意が必要です。鍵の回りが悪いときに、「鍵穴の潤滑を促すためにシリコンスプレーを塗布しよう」と考える方がいるかもしれませんが、塗布すると内部にゴミがつきやすくなり、鍵を回せなくなる可能性があります。鍵穴の潤滑を促したい場合はシリコンスプレーではなく、鍵穴専用のスプレーを使いましょう。
このほか、靴や衣服など、シミになりやすい素材でできたものへの塗布も避けたほうが無難です。
シリコンスプレーの選び方
シリコンスプレーにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。自分の用途に合ったものを使うためにも、製品の特長や使い勝手を考慮したうえで選びましょう。ここからは、シリコンスプレーの選び方を3つ紹介します。
- 溶剤の有無で選ぶ
- 用途に合わせて選ぶ
- 機能性で選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
溶剤の有無で選ぶ
シリコンスプレーには、「石油系溶剤が入った製品」と「無溶剤の製品」の2種類があります。
石油系溶剤を使ったシリコンスプレーは、金属との相性の良さが特長です。成分が金属に浸透しやすいため、機械の整備には特に向いています。ただし、石油系溶剤が使われている場合は塗料やコーティングを溶かす性質があるため、塗料が使われている車のボディーなどには向かないことを認識しておきましょう。
また、プラスチックやゴムに使うと素材を劣化させてしまう点にも注意が必要です。
一方で、無溶剤タイプのシリコンスプレーは、幅広い素材に使えるところが特長です。例えば、木やプラスチック、紙、ゴムなどあらゆる素材に使えます。
「機械の整備に使うなら石油系溶剤を使ったシリコンスプレー」、「素材の種類を気にせず使いたいなら無溶剤タイプのシリコンスプレー」というように、塗布する素材に合わせて使いわけると良いでしょう。なお使用前には、使用しても問題ない箇所か、しっかりと確認することを忘れずに行いましょう。
用途に合わせて選ぶ
シリコンスプレーは各製品で特長が異なるため、用途に合わせて選ぶことが大切です。
例えば、艶出しを目的に使うなら、光沢を長期間保てる高分子ポリマーを含んだスプレーがおすすめです。また、レインウェアを雨から守るために使う場合は防水効果の高いもの、高温に晒される機械に塗布する場合は、耐熱性に優れたものが適しています。
なお、どのような用途に適しているかは、製品概要欄やシリコンスプレー本体に記載されているケースが多いです。
機能性で選ぶ
シリコンスプレーによっては、使い勝手に優れた機能性を備えた製品もあります。
例えば、速乾性に優れたシリコンスプレーはベタつきが気になりにくいため、手でよく触れるものに塗布する場合におすすめです。また、ロングタイプのノズルがついている製品なら、狭い場所にも無理なくスプレーを塗布できます。
このように、機能性の有無や特長は製品によって変わってきます。シリコンスプレーの使用頻度が多い場合は、使い勝手の良さも意識して選ぶと良いでしょう。
シリコンスプレーの使い方
シリコンスプレーは、下記の手順に沿って使うのが一般的です。
- シリコンスプレーの容器を振る
- ノズルを取り付ける
- 吹きつけたい面にシリコンスプレーの噴射口を向ける
- 15〜20cm程度離れた位置から噴射する
なお、シリコンスプレーを噴射する際は、塗布物以外の場所にもスプレーがかかってしまう可能性があります。近くにスプレーがかかると困るものがある場合は、事前に養生してから作業しましょう。
また、艶出し効果を目的に使う場合は直接塗布するのではなく、布に吹きつけての使用がおすすめです。布で塗り広げることでムラが減り、キレイに塗布しやすくなります。
シリコンスプレーを使う際の注意点
シリコンスプレーを使う際は、いくつか注意したいポイントもあります。特に気をつけたいのは下記の3点です。
- 締め切った空間で使わない
- 火の気のない場所で使う
- 床につかないよう気をつける
以下で各注意点の内容を詳しく解説します。
締め切った空間で使わない
シリコンスプレーから噴射される粒子を吸い込んでしまうと、心身に不調が出る可能性があります。そのため、シリコンスプレーを締め切った空間で使うことは避け、換気できる場所で使いましょう。
また外で使う場合も、風向きによっては粒子を吸い込んでしまう可能性があるので注意してください。粒子の吸い込み事故を防ぐためにも、作業時は必ずマスクをつけましょう。
火の気のない場所で使う
シリコンスプレーに含まれているシリコンは可燃性です。火の気のある場所でシリコンスプレーを使うと、火災に繋がる恐れがあるので注意しましょう。
床につかないよう気をつける
シリコンスプレーを使う際は、スプレーが床にかからないように注意してください。床にスプレーがかかると滑りやすくなってしまい、転倒の原因になることがあります。使用時は外で作業する、または床に新聞紙を敷くなどして対策しましょう。
なお、床についたシリコンスプレーは食器洗剤やクレンザー、脱脂剤で落とせます。
まとめ
艶を出したいときや潤滑を促したいときなど、シリコンスプレーはさまざまな場面で役立つ製品です。ただし、電子機器や鍵穴をはじめ、一部使えない場所もあることは覚えておきましょう。
また、塗布物の素材や用途によって、選ぶべきシリコンスプレーの種類は変わってきます。製品の特徴は事前に確認し、使用したい素材や用途に合ったものを選びましょう。
監修者
番匠智香子(ばんしょうちかこ)氏 DIY アドバイザー
木工教室ばんちか工房を主催。美術大学で木工を学ぶ。 愛情を感じる DIY、家族で楽しめる DIY をテーマに HOW TO や講座を開催している。 著書に「木工ガールはじめての DIY」「賃貸でもここまでできる DIY」「木工でかんたん収納インテリア」「コメリではじめる簡単 DIY」など。
あわせて読みたい!関連&新着記事
ガスケットの役割は?パッキンとの違いや選び方についてわかりやすく解説


