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更新日:2024年3月28日

耐熱テープとは?おすすめの選び方や使い方を解説

耐熱テープとは、高い温度にも耐えられるテープのことです。マフラーやダクトなどの修繕に使われる便利なテープですが、あまり馴染みがなく、どのようなテープなのかわからない方も多いでしょう。

この記事では、耐熱テープの特徴や選び方、使用する際の注意点まで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

耐熱テープとは?

耐熱テープとは、その名前のとおり耐熱性が高いテープです。耐熱性が高いことで高い温度下でも劣化しにくく、粘着テープ本来の性能を保持できます。

耐熱テープの耐熱性試験は、長時間加熱したうえで、その後の耐久性などを測定する方法が一般的です。テープを引っ張って切れるまでの強度を測定し、素材に貼り付けてから剥がすときの粘着力も測定します。

高温のなかで測定するケースもあれば、高温のストーブから取り出したあとに測定するケースもあります。どれくらいの高温に耐えられるかは、テープの種類によって異なることを覚えておきましょう。

耐熱テープの主な使用シーン

耐熱テープは、さまざまな場所で使用されます。耐熱性以外にも、耐油性や防水性、絶縁性など、その場に応じた特性が必要とされる場合が多いです。具体的な使用シーンは以下になります。

  • ダクト・コンロ周りの補修
  • 車のエンジンルーム・マフラーの補修
  • 電子機器の補修

それぞれの使用シーンを詳しく解説していきます。

ダクト・コンロ周りの補修

ダクトやコンロ周りは高熱になりやすいため、補修する場合には耐熱テープが使用されます。

また、ダクトやコンロ周りは熱だけでなく油を含んだ排気にもさらされやすい環境です。油はテープの粘着力を下げるため、キッチンのダクトやコンロ周りに使用するなら、耐熱性だけでなく耐油性・耐水性・耐久性のあるテープが良いでしょう。

油が直接かかるような環境に使用する場合には、特に耐油性が高いテープを選ぶ必要があります。

トイレや浴室用のダクトに使用する場合には、防水性とトイレの臭気を逃さない気密性が高いテープを選ぶのがおすすめです。

車のエンジンルーム・マフラーの補修

耐熱テープは、車のエンジンルームやマフラーの補修にも適しています。エンジンルームでは主に、部品保護や結束に使われます。マフラーの補修では、穴あきや亀裂の補修に活用される場合が多いです。

マフラーの補修に使われるアルミテープは伸縮性がないため、排気漏れしないようしっかり巻く必要があります。

電子機器の補修

耐熱テープは、電子機器の補修や電線の保持や結束にも使用されます。電気部品に使用する場合は、絶縁性や耐薬品性、耐トラッキング性などに優れている耐熱テープを選びましょう。

さまざまな部品に使用するなら、どのような素材でも接着力が弱まらないテープを選ぶと良いでしょう。小さな部品に使用する場合は、薄めの断熱テープがおすすめです。

耐熱テープの選び方

耐熱テープにはさまざまな種類があり、使用する場所や用途に適した製品を選ぶ必要があります。耐熱テープを選ぶ際には、下記のポイントを抑えると良いでしょう。

  • 使用場所の温度
  • 難燃性
  • 用途
  • 見た目
  • 熱以外の耐性
  • 柔軟性

それぞれのポイントを詳しく説明します。

使用場所の温度で選ぶ

耐熱テープは種類によって、耐熱温度が異なります。選ぶ際は使用場所の温度で選びましょう。

耐熱テープの耐熱温度の目安は以下になります。

テープの種類耐熱温度
アルミ-50~300℃
シリカ・アルミナ1,000~1,200℃
ポリエステル素材130℃程度

耐熱テープに付いている粘着剤の種類は、ゴム系・アクリル系・シリコーン系に分けられます。このなかでもっとも耐熱性が高いのはシリコーン系の粘着剤で、使用できる温度の限界は280℃ほどです。

粘着剤が付いているタイプの耐熱テープの場合、安定して使用できる温度は200℃前後と考えましょう。500~1000℃の高温に耐えられる耐熱テープもありますが、そのような製品には粘着剤が付いていないことが多いです。

難燃性を考慮して選ぶ

耐熱テープを選ぶ際には、耐熱温度の他に難燃性にも着目しなくてはなりません。どれほど耐熱温度が高くても、難燃性が低ければ火に近づくと発火する可能性があります。

マフラーや電気系統をはじめとする、発火のおそれがある箇所に使用する場合には、難燃性も重視してテープ選びをするべきです。

UL規格(UL94)を取得したテープは燃焼試験を通った製品なので、選ぶ際の目印にすると良いでしょう。

用途に合わせて選ぶ

耐熱テープにも、普通のテープと同じように両面テープ・片面テープ・マスキングテープといった種類があります。用途に合った耐熱テープを選ぶと良いしょう。

例えば、絶縁や保護、結束には片面テープが適しています。ものを張り合わせる場合には、両面テープを選びましょう。

仮止めとして使用する場合には、剥がしてもあとが残らないマスキングテープがおすすめです。マスキングテープは剥がす際にちぎれにくいことに加え、油や水分が染み込まないようにつくられているため、スムーズに作業ができます。

見た目で選ぶ

見える場所に耐熱テープを使用する場合は、見た目も重視して選びましょう。例えば、自動車やバイクのマフラーの修繕には、マフラーと同色のアルミテープを使用することが一般的です。

あまり目立たせたくない部分に使うなら、透明の耐熱テープもおすすめです。セロハンテープのような感覚で使用できる、使い勝手の良い耐熱テープもあります。

一方で、テープには目印としての役割もあります。使用する耐熱テープの色で部品や配線の識別をしたい場合には、カラーバリエーションが豊富な製品を選ぶと良いでしょう。

熱以外の耐性で選ぶ

耐熱テープを使う際には、熱以外の耐性が必要かもチェックしましょう。例えば、ダクトやコンロ周りに使用する場合には、耐熱性だけでなく耐油性・耐水性・耐久性・不燃性も必要です。

濡れる場所や結露が発生する場所で使うなら、防水性・耐湿性が必須でしょう。電気機器に使用するなら、絶縁性のあるテープを選ばなくてはなりません。

耐熱テープの使い方

今回は、マフラーを補修する場合の耐熱テープの使い方を紹介します。

  1. ひび割れや穴あきの程度を確認する
  2. サンドペーパーで錆びや汚れを落とす
  3. 布で水分・油分・汚れを拭き取る
  4. 補修部分にテープを貼る
  5. 入り組んだ箇所は切り込みを入れる

テープは劣化するため、定期的にチェックして貼り直しを行いましょう。

耐熱テープを使用する際の注意点

耐熱テープを使用する際の注意点は下記のとおりです。

  • 使用する際は保護手袋を着用する
  • 大きな亀裂や穴の修理はできない

それぞれ詳しく解説します。

使用する際は保護手袋を着用する

耐熱テープを使って作業する際には、保護手袋などの保護具を着用すべきです。薬品や油が手に付着したり、手をどこかに引っ掛けたり、熱された排気で火傷したりする可能性があり、危険だからです。

手袋を着用することで、手を保護できるだけでなく滑り止めにもなるので、作業の効率化にも繋がるでしょう。

手袋は自分の手のサイズに合ったものを選びましょう。サイズの合わない手袋は、作業の危険性を高めます。たるんだ部分が部品に挟まる可能性や、部品の一部に引っ掛ける可能性も考えられます。

また、保護手袋には軍手や皮手袋、ゴム手袋などさまざま選択肢があります。手袋の種類や素材によって特徴が異なるため、作業内容に合った製品を選ぶことも大切なポイントです。

作業用手袋を探す

大きな亀裂や穴の修理はできない

耐熱テープだけでは、大きな亀裂や穴の修理まではできません。大きな亀裂や穴を修理する場合は、テープの他にパテを使用する必要があります。

場合によっては溶接が必要となるケースもあるでしょう。破損が激しい場合には、無理に自分で直そうとせず、専門業者に依頼してください。

また、錆びによって穴が開いている場合には、マフラー全体で劣化が進んでいる可能性があります。耐熱テープで補修を行ったあとには早めに点検を受け、マフラーの状態によっては交換も検討しましょう。

まとめ

耐熱テープは高い温度にも耐えられるテープで、粘着性をはじめとする機能が高温下で劣化しにくいことが特長です。自動車や電気機器、コンロやダクト周りなどの修繕に使用できます。

耐熱テープを選ぶ際には、使用する場所の温度やテープの用途、見た目、耐熱性以外の特徴を確認したうえで選びましょう。

発火の可能性がある場所で使用する場合には、難燃性のチェックも必要です。また、耐熱テープを使用する際には、安全のために保護手袋を着用する必要があります。

なお、大きな破損や穴を補修したい場合や、修繕可能か判断に迷ったときは、無理をせずに専門業者に依頼しましょう。

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