更新日:2024年3月28日
三角ホーの使い方は?用途や選び方、注意点もあわせて解説

雑草の処理や農作業に取り組んでいる方のなかには、「三角ホー」の購入を検討している方もいるでしょう。しかし三角ホーに馴染みがなく、具体的な用途や選び方がわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
三角ホーはさまざまな用途で使用できるオールマイティーな道具で、備中鍬・平鍬・レーキ・ショベル・鎌の代用にもなります。
この記事では、三角ホーの用途や使い方、選び方、注意点を解説します。三角ホーの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
三角ホーとは?
三角ホーとは、農作業のために作られた道具で、柄の先には三角形の刃が付いています。鍬のようですが、平鍬とは異なり先が尖っていることが特徴です。
三角ホーの主な用途は草刈りですが、他にもさまざまな使い方ができる便利な道具です。柄が長いものが多く、立ったまま作業できるのがポイントです。
多くの道具の代用になるので、規模の小さい家庭菜園にも適しています。初心者の方はどのような道具を揃えるべきか悩みやすいですが、三角ホーがあれば大体の作業をこなせます。まずは三角ホーを購入し、あとで必要な道具を揃えていくのも良いかもしれません。
三角ホーの用途と使い方
三角ホーは多彩な使い方ができる道具です。具体的な三角ホーの用途には以下のようなものがあります。
- 草刈り
- 草集め
- 鍬の代用
- 畝立て
それぞれの用途を詳しく解説します。
草刈り
三角ホーを使った草刈りの仕方は以下のとおりです。
- 両手で三角ホーを持つ
- 除草したい場所に刃の長い部分を斜め45℃に刃をあてる
- 地面の5mm程度を走らせるようにして雑草を削り取る
- 根が深い草の場合には、尖った部分を草の根本に差し込み、掘り起こす
三角ホーでの草刈りは、土の表面にある雑草を削るように行うことがポイントです。根の深い草を掘り起こす際には、テコの原理をイメージすると良いでしょう。三角ホーを使いこなせれば、力の弱い方でも草刈り作業が行いやすくなります。
三角ホーでの草刈りは立ったままで行えるのがポイントです。先が尖っているので、狭い場所や壁に生えている草刈りもスムーズに進められるでしょう。
ただし、太い草や枝を刈る必要がある場合は、三角ホーは向いていません。場面に応じて草刈り鎌の使用をおすすめします。
草集め
三角ホーは、刈った草を集める作業にも活用できます。草集めをする際には、三角ホーの根本の平な部分を使って草を集めましょう。
根本の部分がギザギザになっているタイプなら、土や砂を避け、草だけを引っ掛けて効率的に集められます。草刈りをしてから道具を持ち替える必要がないことが大きな利点です。
三角ホーでの草集めは、狭い場所の作業に適しています。広い場所で草を集めるなら、熊手ほうきを使用すると良いでしょう。
鍬の代用
野菜を育てるためには、土作りが必要です。硬い土をほぐして、空気を含ませるためには、耕す作業をしなければなりません。
土を耕すのには平鍬が多く使用されますが、三角ホーのホー(hoe)は「鍬」という意味を持ち、鍬として使用できます。
三角ホーで土を耕す際には、刃の尖った部分を土に刺して掘り起こしましょう。刃の先端が尖っているので、力を入れなくても簡単に土を掘り起こせます。
ただし刃の部分が小さいので、広い場所を耕したい場合や深く耕したい場合には向いていません。規模の小さい家庭菜園なら、三角ホーでも十分な土作りができるでしょう。
畝立て
畝とは、作物を植えるために直線上に畑の土を盛り上げたもので、畝立てとは畝を作る作業を意味します。一般的に畝立てには平鍬を使用しますが、三角ホーでも畝立てを行うことは可能です。
三角ホーでの畝立てのやり方は以下のとおりです。
- 三角ホーの先端で土を耕す
- 必要に応じて堆肥や元肥を土に混ぜる
- 畝を作る箇所の外側から内側に、三角ホーの刃の長い部分を使って土を上げていく
- 反対側も同じ用に土を上げる
- 山ができた部分を、三角ホーの長い部分を使って平にならす
三角ホーの尖った部分を使い、畝に種を植えるための筋付けもできます。
三角ホーの選び方

三角ホーは、製品によって刃の形状や柄の長さ、素材が異なります。どのような場面で使用するか、また自分の背丈にあっているかを考えながら選ぶと良いでしょう。
条件の異なる場面で使用するなら、タイプの違う三角ホーを複数使い分ける方法もおすすめです。以下では、三角ホーの選び方を詳しく解説します。
刃の形状で選ぶ
使用目的によって、選ぶべき三角ホーの刃の形状は異なります。おもに草刈りで使用するなら、刃が草を刈りやすいよう、切れ味が良いものを選ぶと良いでしょう。なかには、草刈りしやすいように刃が波型になっている三角ホーもあります。
草集めをするなら、底部分が熊手のようにギザギザになっているタイプがおすすめです。畑を耕す目的で使用するなら、刃が大きめのものを選びましょう。狭い部分や細かな作業をしたいなら、刃の大きさは小さめのものが使いやすいです。
柄の長さで選ぶ
三角ホーを選ぶときは、柄の長さにも注目すべきです。立って作業したい方は、自分の身長にあわせて選びましょう。ただし、柄が長いほど値段が高価になる傾向があります。
また長い三角ホーを使用する際には、先に刃物が付いている意識をもち、常に周囲に気を配るよう心掛けましょう。
身長別のおすすめの柄の長さは以下のとおりです。
| 身長 | 柄の長さ |
|---|---|
| 150cm以下 | 1m前後 |
| 150cm以上 | 1m30~40cm |
| 175cm以上 | 2m以上 |
座って作業をしたい方は、短い柄の三角ホーを選ぶと良いでしょう。製品によっては、柄が伸縮できるタイプもあります。柄が短くできる三角ホーは持ち運びにも便利です。
素材で選ぶ
三角ホーを選ぶ際は、素材にも注目しましょう。三角ホーの柄の素材には、木やアルミパイブなどがあります。アルミパイプは軽量で丈夫ですが、木の柄の感触が好きな方もいるでしょう。
刃の部分の素材には、鋼製とステンレス製があります。鋼製は丈夫なうえ、切れ味の良さが持続するので長く使用できます。一方で、ステンレス製は軽くて錆びにくい点が特長です。ただし、ステンレスの耐久性や切れ味は鋼に劣るので注意が必要です。
三角ホーをはじめて使う方は、お手入れが楽なステンレス製を選ぶと良いでしょう。切れ味や強度を求めるなら鋼製がおすすめです。
重さで選ぶ
三角ホーを使ってスムーズに作業をするためには、三角ホーの重さも重要なポイントです。力や持久力に自信がない方は、なるべく軽い三角ホーを使用しましょう。扱いやすく、長時間の作業でも疲れにくいです。
軽量な素材の組みあわせは、柄はアルミ素材、刃はステンレス製の三角ホーです。購入する際には、実際に手に取ってみて、重さを確認してみると良いでしょう。
三角ホーを使用する際の注意点
三角ホーは刃のついた道具のため、安全面も考慮しながら使用・収納しなければなりません。また、適切な手入れも必要となるでしょう。
三角ホーを使用する際の注意点は以下の3つです。
- 使用後はすぐに汚れを落とす
- 刃をむき出しにして放置しない
- 定期的にメンテナンスをする
それぞれの注意点を詳しく解説します。
使用後はすぐに汚れを落とす
三角ホーを使用したあとに汚れたまま放置してしまうと、錆びて刃の切れ味が落ちる可能性があります。使用後は水で洗い、乾いた布でしっかり拭き取りましょう。わずかな水分も錆の原因になるので注意が必要です。
汚れを落としたあとはヤスリなどで目立てを行い、防錆スプレーを吹きかけましょう。使用後の手入れをまめに行えば、三角ホーを良い状態で長く使用できます。
刃をむき出しにして放置しない
三角ホーを使わないときには、刃をむき出しにして放置してはいけません。三角ホーの先には鋭い刃が付いているので、不注意は思わぬ事故に繋がる可能性があります。
三角ホーをしまうときには、刃に布を巻いて収納しましょう。倒れるようなところに保管しないことも重要なポイントです。保管場所を決め、ケースがあるなら中に入れておきましょう。
刃を布で巻いて収納すれば安全性が高くなるだけでなく、空気に触れにくくなり、錆を予防できます。錆止めを塗ると錆びるリスクがより低くなるでしょう。
定期的にメンテナンスをする
三角ホーの切れ味を保つためには、定期的に砥石で研ぎましょう。下記は三角ホーを研ぐ具体的な手順です。
- 砥石を5分ほど水につける
- 砥石でこすり、三角ホーの錆を落とす
- 刃の上部に砥石を斜め45°にあて、前後に動かす
- 峰から刃先へ動かすときに力を入れる
- 砥石に水をかける
- 刃先を指で触り、裏側に少し引っ掛かりができる程度まで研ぐ
- 仕上げ砥で刃の傾斜に対し20~25°の角度にあて、引っ掛かりを落とす
刃を研ぐ際には、角度を保つことがポイントです。刃と砥石の角度が大きいほど、使用時に刃こぼれしにくくなります。硬い土に対応する三角ホーは、45~90度で砥石を動かしましょう。
ちなみに、軟らかいものを切るときは刃と砥石の角度を小さくして研ぐと、切れ味が良くなります。自分で研ぐのが難しい方は、無理をせず専門業者へ依頼をしましょう。
まとめ
三角ホーは、草刈りや草集め、畝立てを始めとしたさまざまな用途で使える便利な道具です。
三角ホーを選ぶ際は、柄の長さや素材、刃の形、重さをチェックしながら自分にあった製品を選ぶと良いでしょう。
また、三角ホーは刃物が付いている道具のため、扱いには注意が必要です。保管する際は刃に布を巻き、安全な場所に収納しましょう。更に、三角ホーを使用したあとに定期的なメンテナンスを行うことで、良い状態を長く保つことができます。


