更新日:2024年11月28日
洗濯機の掃除方法は?自分でできるお手入れ方法を掃除箇所に分けて紹介

従業員の作業服やユニフォームを洗う際など、企業でも大活躍する洗濯機ですが、洗濯槽など内部の掃除にまできちんと目を向けているでしょうか。一見きれいでも、実は洗濯槽内部には多くの汚れやカビがついていることがあります。本記事では自分で簡単にできるお手入れ方法や洗浄液について紹介するので、ぜひ掃除に挑戦してみましょう。
洗濯機が汚れる原因
日々使っている洗濯機は定期的に掃除をしないと内部に汚れが蓄積してしまい、洗濯物の汚れが落ちにくくなったり、カビや悪臭が発生したりする原因になります。まずは洗濯機が汚れてしまう主な原因を知っておきましょう。
皮脂汚れ
洗濯機に残る汚れのひとつに皮脂があります。衣類に付着した汗や皮脂は洗濯時に水に流れますが、皮脂は油分を多く含んでいるため水に溶けにくく、洗濯槽内に残りやすいです。特に油分は冷えると固まる性質があるため、ホコリや溶け残りの洗剤と混ざって洗濯槽に蓄積されてしまいます。また、投入する洗剤の量が少ないと、皮脂をしっかりと落としきれず、衣類に戻ったり、洗濯槽に残ったりすることもあります。この残った皮脂もまた、洗濯機を汚す原因です。
さらに、洗濯後、洗濯物を長時間放置すると残っていた皮脂が酸化し、臭いを発生させる原因にもなります。
溶け残った洗剤
洗剤がしっかりと溶けずに残ると、洗濯機内や洗濯槽の裏、さらには排水部分にまで残ってしまいます。洗剤や柔軟剤は粘性が高いため汚れと結合して洗剤カスを作り、悪臭の原因となるほか、カビや雑菌の繁殖に適した環境を作り出します。
過剰な量の洗剤を使用したときにこうした環境を招きます。また、適量を使用していても、水温が低いと正常に溶けないことがあり、同様にカビや雑菌の温床を作り出してしまうことがあります。
ほかにも、洗濯機の使い方次第で洗剤が溶け残ることがあります。例えば、専用の投入口を使わず洗濯槽に直接投入してしまう、水に溶かさず粉末のまま投入するなどです。すすぎを2回しないと残ってしまう柔軟剤に対し、すすぎ1回で済ませているのも洗剤が残る原因になります。
繁殖したカビ
洗濯機の中は常に湿気が多く、乾燥させることも難しいためカビの繁殖に絶好の環境です。特にドラム式や全自動式洗濯機は二重構造のため湿気がこもりやすく、ドア周辺のゴムパッキンの裏側や排水フィルタ、そのほかわずかなすき間に水分やホコリが溜まりやすくなっています。
過度な湿気と、養分となるホコリなどによって、黒カビが繁殖しやすい環境を作り出します。黒カビからカビ臭が発生し、最終的には洗濯物に黒い汚れが付着することもあるので注意が必要です。
洗濯機の掃除方法・自分でやる場合の手順

洗濯機をきれいに保つことは、洗濯した衣類を清潔にするだけでなく、洗濯機自体の寿命を延ばすためにも欠かせません。洗濯槽や各パーツの内部まで定期的に掃除を行うことで、嫌な臭いやカビの発生を防ぎ、衛生を保てます。普段のお手入れは自分でも簡単にできるので、具体的なやり方を知っておきましょう。
1. 洗濯機のパーツを取り外す
まず、洗濯機の洗剤投入ケースや、乾燥フィルタ、排水フィルタ、ごみ取りネットなどの取り外し可能なパーツを全て外します。これらのパーツに汚れが残ったまま洗濯槽を掃除すると、再び汚れが付着したり、こびりついて落ちにくくなったりして、掃除の効果が半減してしまいます。また、細かい部品に汚れが溜まっていると洗濯物に悪臭が付着する原因にもなるため、必ず最初の段階で個別に洗浄しましょう。ぬるま湯で汚れを浮かし、歯ブラシでこすることで簡単に汚れを落とせます。
2. 洗浄液を入れて洗濯槽を洗う
洗濯槽の裏側には、目に見えないホコリやカビ、溶け残った洗剤が蓄積しています。専用洗剤や漂白剤を使ってお湯で洗浄するのが効果的です。ただし、熱湯を使うと洗濯槽を傷めたり、洗剤の成分を分解させたりして危険なことがあるため、40〜50度程度のお湯を使いましょう。
掃除の仕方は簡単です。洗濯槽に洗浄液を入れ、「槽洗浄モード」または「標準モード」で運転します。洗浄が進むと、カビや茶色い汚れが水面に浮かび上がってきます。運転が終わったら少なくとも2~3時間は放置し、浮いてきた汚れは途中でバケツやざる、ごみ取りネットなどを使って取り除いてください。その後は標準モードで運転して排水します。汚れが浮いてこなくなるまですすぎと脱水を繰り返したらこのSTEPは完了です。
洗剤の種類については、大掃除や、掃除を怠っていた洗濯機を強力に洗浄したいときは塩素系クリーナー、日頃のお手入れなどマイルドな洗浄には酸素系クリーナーや重曹を使うのがおすすめです。詳しくは後述します。
3. 糸くずフィルタを掃除する
次に、糸くずフィルタの掃除を行います。糸くずフィルタに汚れが詰まると、水の流れが悪くなり、臭いやカビの原因となることがあるので小まめな掃除が必要です。フィルタが汚れて詰まっている場合はいったん水に浸してから、歯ブラシや綿棒などの小さなブラシを使って細かい汚れを取り除きます。衣類に糊付けをしているとその影響で目詰まりが起きやすいので注意してください。
最後に、フィルタの周りや差し込み口にもごみが溜まりやすいので、湿らせた布で拭き取ることを忘れずに行いましょう。
なお、パッキンなど一部の部品は塩素系や酸素系の薬剤が使用できない可能性があるので、もしクリーナーを使う場合は使用前に取扱説明書を確認してください。汚れを落としてもフィルタそのものが劣化している場合は正常に排水できなくなってしまうリスクを考え、交換を検討するのもひとつの手です。
4. 洗濯機をタオルで拭き取り乾燥させる
掃除が終わった後は、自然乾燥に任せるのではなく、タオルでしっかりと水分を拭き取ることが重要です。特に洗濯槽の縁やドアのゴムパッキン部分、洗剤投入ケースなど、陰になっている部分や凹凸のある場所は自然乾燥が難しく、水や湿気がよく残ります。このような湿気が溜まりやすい部分は重点的に拭き取りましょう。もしタオルに汚れが移ってしまうなど、まだ汚れが取りきれていないようであれば、取り外せるものは50℃程度のお湯につけたり、取り外せないなら歯ブラシでこすったりして落とすのがおすすめです。
汚れを落とし細かい箇所の水分を取ったら、最後に洗濯機のフタやドアを開けて内部をしっかり乾燥させ、カビの発生を防ぎましょう。
洗濯機を掃除できる洗浄液の種類

洗濯機の掃除には、汚れの種類や洗濯機のタイプに合わせて洗浄液を使い分けると、より効果的な掃除ができます。洗浄液は大きく分けて塩素系、酸素系、そして重曹があります。それぞれ異なる特徴と用途があるので、具体的な使い方や注意点を紹介します。
塩素系クリーナー
塩素系クリーナーは次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、高い漂白力と殺菌効果が特長です。洗濯槽に付着した頑固なカビや菌類なども除去できます。酸素系クリーナーのように水につけ置きする必要がなく、短時間で効果を発揮するため、特にドラム式洗濯機の掃除に適しているのがポイントです。ぬるま湯はもちろん、水でも高い洗浄力を発揮するためモードのない洗濯機にもおすすめします。
使い方は、まず洗濯機にクリーナーの規定量を入れてから、高水位まで給水し、標準コースで洗濯・すすぎ・脱水を行います。使用後は洗濯機のフタを開けて十分に乾燥させましょう。塩素系クリーナーは独特の臭いがあるため、換気も忘れずに行うことが重要です。また、酸性系クリーナーと混ぜると有毒ガスが発生して人体やペットなどに悪影響を及ぼしかねないため、混ぜないようにしましょう。
酸素系クリーナー
酸素系クリーナーは、過炭酸ナトリウムが主成分です。 酸素系クリーナーを水に溶かすと酸素が発生し、この酸素の泡で洗濯槽に付着したカビや汚れを浮かせて剥がす仕組みです。
塩素系クリーナー同様に洗濯槽内の黒カビ除去や殺菌などに効果的ですが、塩素系に比べるとややマイルドな洗浄力です。使用後は炭酸ナトリウム+水+酸素に分解されるため環境にも優しいメリットがあります。
ただし、ドラム式洗濯機では基本的に使えない点に注意が必要です。ドラム式洗濯機は泡が多過ぎると排水されてしまうため、発泡する酸素系クリーナーとは相性がよくありません。
酸素系クリーナーの使用法としては、40~50℃のお湯を高水位まで入れ、酸素系クリーナーの規定量を加えます。その後、「洗い」コースで5~10分運転し、4~6時間放置して汚れを浮かせます。浮いた汚れをごみ取りネットなどですくい取り、排水後にあらためて標準コースで洗濯機を回しましょう。最後にフタを開けて内部を乾燥させて完了です。
重曹
重曹は弱アルカリ性なので、皮脂汚れやぬめりなど酸性の汚れを中和して汚れを浮かせ、落としやすくしてくれるのが特長です。消臭効果にも優れています。
ただし、塩素系や酸素系のクリーナーほどの強力な殺菌効果は見込めません。主に皮脂汚れを落とすのに適しており、カビを分解・除去するような効果はないため、軽い汚れを落とす日常的なお手入れに適しています。普段は重曹で掃除し、ここぞというときは塩素系・酸素系の洗剤で掃除するなど、使い分けるのがよいでしょう。
なお、酸素系クリーナー同様にドラム式洗濯機では使用ができない点に注意が必要です。重曹を使った場合、排水前に浮いたカビや汚れを取り除く必要があるため、槽洗浄の途中でフタを開けなければなりません。しかし、ドラム式洗濯機は洗濯槽が斜め~横向きになっているため水量が多い状態でフタを開けられない構造です。
また、構造上満水にしても洗濯槽全体が重曹水に浸らないのも、使用に適さない原因です。
さらに、重曹は水に溶けにくく、かつ粒子が細かいため重曹そのものが排水時に詰まってしまうリスクがあります。このような理由からドラム式洗濯機では重曹ではなく、塩素系クリーナーの使用がおすすめです。
洗濯機を掃除する際の注意点
洗濯機を掃除して清潔を保つためには、掃除後の乾燥が重要です。また、細かい部分の分解やひどい汚れ落としはプロの手を借りる必要があります。
掃除後しっかり乾燥させる
掃除が終わった後にフタを閉めてしまうと、内部に湿気がこもりやすく、再びカビが繁殖する原因となります。洗濯槽内を常に乾燥させるため、使用後や掃除後には必ずフタをしばらく開けたままにしておくことが大切です。
湿気が残り続けていると、洗濯機の基盤や内部部品にも影響を及ぼす可能性があります。湿気はホコリや熱とも相互に作用し部品の劣化を早めてしまうため、洗濯機を長持ちさせる意味でも内部や周辺の乾燥が大切です。
細かい分解はプロに任せる
洗濯機の内部構造は非常に複雑で、特にモーター部分や洗濯槽の細かい部分を個人で分解して掃除するのはリスクがあります。誤って部品を破損したり、元通りに組み立てられなかったりした場合、洗濯機が故障し、保証の対象外になることもあるため注意が必要です。
また、長期間手入れをしなかった洗濯機は汚れがひどく、カビがワカメのようにつながって浮いてきてしまうなど、個人では掃除が難しい場合もあります。その際はプロのクリーニングサービスを利用するのもひとつの選択肢です。プロによる分解清掃は専用の機材や洗剤を使用するため、新品に近い仕上がりが期待できます。特に3年以上掃除せず使用している洗濯機には、プロの手を借りることを積極的に検討してみましょう。
洗濯機の掃除に関するよくある質問
最後に、洗濯機の掃除に関してよくある質問を紹介します。掃除の頻度や放置するリスクを理解し、洗濯機を常に清潔に保ちましょう。
洗濯機を掃除せず放置するリスクとは?
洗濯機の内部は常に湿気がこもりやすく、フタを閉める、温水を使うなどの行為で高温多湿の環境になります。これにより、洗濯槽やゴムパッキン部分に黒カビや雑菌が繁殖します。
掃除をしないで放置すると、これらのカビや菌が洗濯物に移り、アレルギー反応や肌トラブルを引き起こすリスクが高まります。また、洗濯槽が汚れていると、適切な洗剤を使用しても衣類の汚れが十分に落ちず、嫌な臭いが残ることもあります。さらに、汚れやカビが溜まると排水や給水の流れが悪くなり、洗濯機の動作不良や故障の原因にもなる可能性があるので注意が必要です。
どのくらいの頻度で洗濯機の掃除をするべき?
洗濯機の掃除は月に1回行うのが望ましいです。掃除することで洗濯機の汚れや傷みを早期に発見できるため、故障を未然に防げます。また、洗剤や洗濯機そのものの洗浄力が十分発揮されるため、洗濯物も清潔に仕上がります。臭いや汚れが取れない、肌トラブルがあるなど悩みがある場合は、洗濯機の掃除をしてみましょう。定期的なメンテナンスをすれば、洗濯機の寿命を延ばし、快適に使い続けられます。
まとめ
洗濯機を清潔に保つために重要なのは、定期的な掃除です。月1回を目安に洗浄液で槽洗浄を行い、洗濯機と衣類をカビや汚れから守りましょう。洗浄液の選び方も重要です。ドラム式は基本的に塩素系クリーナーが推奨されますが、縦型であれば酸素系クリーナーや重曹も使えます。市販のクリーナーも豊富なので、ぜひ使ってみてください。
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