書いた文字を長時間ホワイトボードに残しておくと、ホワイトボードの文字は消えにくくなります。それは、長時間放置することで、マーカーのインクに含まれる剥離剤が揮発してしまい、ホワイトボードの表面にインクが定着するためです。

例えば、会議中に書いた文字を1〜2時間後の会議後に消せば、インクは基本的には残りません。しかし、1日以上など、長期間放置した場合は、消しても文字が汚く残ってしまう可能性が高まります。ホワイトボードに書いた文字は、基本的には1〜2時間以内に消せば、常にきれいな状態でホワイトボードは利用できます。

ホワイトボードの劣化によりきれいに消せなくなる場合があります。書いたり消したりを繰り返すと、ホワイトボードの表面が摩耗して小さな傷がつき、そこからインクが浸透しやすくなり、書いた文字が消えにくくなります。一度劣化した表面の傷にインクが浸透すると、イレーザーで拭いても汚れはなかなか落ちません。

一般的な使い方をしていれば、ホワイトボードが過度に摩耗することは少ないですが、定規やマグネットをホワイトボードの上で滑らせたり、固くなった古い雑巾で拭いたりすると傷がつきやすくなるため、使用の際は注意が必要です。

ホワイトボードに油性ペンで書くときれいに消すことはできません。それは、油性ペンとホワイトボード専用マーカーのインクの成分が違うためです。

専用マーカーには剥離剤というインクを剥がしやすくする成分が入っていますが、油性ペンにはその剥離剤が含まれておらず、代わりに定着剤が含まれています。つまり、通常の油性ペンでホワイトボードに書いてしまうと、文字が浮かずに定着するため、簡単には消せません。

油性ペンで書いたものの落とし方は後ほど紹介しますが、油性ペンを使って書かないように注意する必要があります。

ホワイトボードのインクが残って消えないときは、文字を消すタイミングを意識してください。ポイントは「30秒待ってから消す」こと、また「長時間放置しない」ことです。

書いてすぐ消すことが問題になるとは考えにくいものですが、専用マーカーに含まれている溶剤は揮発するまでに20〜30秒ほど時間を有します。つまり、書いてから30秒経っていない場合は、インクが固まっていないため、イレーザーで消すと乾ききらないインクが広がってしまいます。

また、書いたものを長時間そのまま放っておくのもよくありません。書いてから1日以上経つと専用マーカーに含まれる剥離剤が気体になってしまい、インクをきれいに落とせなくなります。

会議などでホワイトボードを使うときは、書き間違えても、30秒は放置してから消しましょう。ホワイトボードを使い終わったら、できるだけその日のうちに書いたものを消すのがおすすめです。どのタイミングで掃除するべきか、職場で共有ルールを作るのも大切です。

ホワイトボードにインクがこびりついて消えないときは、水拭きを試してみてください。表面の軽いマーカーによる汚れやホコリ、皮脂などは水拭きできれいになります。長時間そのままにしたことで消えなくなったインクも、水拭きで取れる可能性があります。

水拭きの際は、表面に傷がつかないよう柔らかいタオルを使ってください。汚い雑巾やメラミンスポンジなどを使うと、ホワイトボードの表面に傷がつき、摩耗を早めるケースがあります。表面が傷つかないよう、優しく拭くことが大切です。

また、水拭き後は水分が残らないよう、ホワイトボードの表面はしっかり乾拭きをしてください。水分が残ると、ホコリが付着して新たな汚れにつながります。

水拭きで汚れが消えない場合は、専用クリーナーを使って掃除をしてみてください。商品ごとの使用法を守って使えば、効率的にきれいに落とせます。

専用クリーナーには、アルコール入りのものとアルカリ剤が入ったものがあります。アルコール入りの専用クリーナーは、表面にこびりついた汚れを分解して落とします。

アルカリ電解水や重曹などアルカリ剤が入ったクリーナーは、アルコール系よりも効果が緩やかですが、アルコール入りより扱いは簡単です。ただし、アルカリ剤の成分がホワイトボードの枠材として使われるアルミを劣化させる可能性があります。使用の際はホワイトボードの表面だけに使用するよう気をつけてください。

専用クリーナー以外にも、食器洗い洗剤や住居用洗剤などの中性洗剤も、実は文字の汚れを落とすことはできます。しかし、ホワイトボード表面に界面活性剤が残りやすく、汚れを広げてしまうリスクがあるのは注意すべき点です。また、界面活性剤を使用した洗剤は、コーティング剤を剥がしやすく、また書いたインクを弾きやすいため、ホワイトボードには使わない方が良いでしょう。

ホワイトボードの表面の傷にインクが入り込みやすくなるのは、ホワイトボードが劣化している証拠です。掃除をしてもなかなか汚れが消えない場合には、再生コートやシートを使うのがおすすめです。

再生コートを使うとホワイトボードの表面の擦り傷を補修でき、コーティングされた状態に戻るため、汚れはすぐに落とせるようになります。また、シートを貼ることで新品のような状態に戻ります。耐久性は低いですが、買い替える前の代替手段として非常に便利です。

水拭きで落ちない汚れには、無水エタノールを試してみてください。無水エタノールはアルコールの一種であり、ホワイトボードの表面に付いてしまったインクや皮脂の汚れ、油性ペンの汚れをきれいに落とせます。

使用時の注意点として、無水エタノールが皮膚に付くと乾燥などの症状が出ることがあるため、ゴム手袋を着用し、換気を十分に行い、火気のない状態で使用してください。また、高濃度のエタノールはコーティングを傷つける恐れがあります。高濃度のエタノールは直接使用せず、薄めて使ってください。

適切なマーカーを選び管理すれば、ホワイトボードは常にきれいに保てます。通常の油性ペンは成分が異なるため、一般的な油性ペンではなく、ホワイトボード用のマーカーを使ってください。

また、専用のマーカーは、キャップをきちんと閉めることを徹底しましょう。キャップを閉めずにいるとアルコール成分が揮発してペン先が硬くなってしまうため、ホワイトボードの表面を傷つけやすくなります。傷は汚れが消えない状態につながるので、マーカーの適切な管理は重要です。

ホワイトボードの汚れの予防対策として、定期的にイレーザーを買い替えることをおすすめします。

イレーザーの表面には細かい凹凸があり、インクをキャッチすることで汚れを落とします。そのため、イレーザーを長く使い続けると目詰まりを起こし、インクが消えない状態になります。また、イレーザーにインクのカスが溜まって固まると、ホワイトボードに傷をつける恐れがあるため注意が必要です。

汚れがイレーザーの一部に偏っている場合は、汚れていない部分で消すことを意識してみてください。全面的に汚れているときは、買い替えが必要です。