更新日:2024年11月28日
お歳暮のビジネスマナーを徹底解説!人気の品物や注意点も紹介

お歳暮は、相手に一年間の感謝の気持ちを込めて贈る品物です。特にビジネスでお世話になった方々へお歳暮を贈る際は、失礼のないよう注意が必要です。そこで本記事では、お歳暮におけるビジネスマナーについて詳しく解説します。さらに、お歳暮に人気の商品を紹介するので、ぜひ、お歳暮選びに役立ててください。
お歳暮とは
お歳暮は、一年の締めくくりにお世話になった方々に感謝を込めて贈る品物のことで、日本の伝統的な風習のひとつです。
お歳暮のはじまりは、室町時代までさかのぼります。当時、年末年始には祖先の霊を迎える「御霊祭」が行われていました。このとき、先祖の霊にお供えする品物を、嫁いだ人や分家の人々が実家や本家に届ける習慣があり、これがお歳暮の由来とされています。
江戸時代になると、武士の間で年末に目上の方に対して贈り物をする習慣ができました。さらにお盆と年の暮れに半年分の代金を清算する商人の間で、代金を受け取る際に得意先にお礼の品物を持参する習慣が広まります。これを「歳暮回り」と呼びます。
そして明治時代になると年の暮れにお世話になった方や上司に一年間の感謝を込めて贈り物をする文化が庶民にも広がり、現在でも多くの人々に親しまれています。
お中元との違い
お中元もお歳暮と同じく、お世話になった方に感謝の気持ちを伝える品物です。しかし、その由来や贈る時期などには違いがあります。
そもそもお中元は、中国の文化に由来しています。中国では、7月15日を「中元」と呼び、この日にお供え物をすると罪がゆるされると信じられていました。この習慣が日本へと伝わり、古くからある日本の先祖を供養する習慣と結びついたことで「お盆」へと変化します。
そしてお盆には親族でお供え物を分け合う習慣があり、これがお世話になった方に感謝の気持ちとして贈り物をする「お中元」として広がりました。そのため、お中元は一般的に夏に贈るもので、親族でお供え物を分け合う習慣からはじまっているため、贈り物には食べ物が多いと言われています。
また、金額にも違いがあります。お歳暮は一年間の感謝を伝える品物のため、新年から半年間の感謝を伝えるお中元よりも、若干金額の高い品物を選ぶのがマナーとされています。
お歳暮は誰に贈るべき?
お歳暮は、両親や親せき、友人、上司、取引先など、日頃からお世話になっている方々に贈るのが一般的です。
ただし、公務員や政治家など、公職についている方の場合、お歳暮を受け取ることが不適切に当たる可能性があるので注意しましょう。また、贈答品のやり取りがコンプライアンス違反に該当する企業もあるため、事前に確認を取ってから贈ると安心です。
お歳暮はいつまでに贈るべき?
お歳暮の贈る時期は、地域によって違いがありますが、12月上旬~20日頃までに贈るのが一般的です。本来、お歳暮は12月31日まで届けばよいとされていますが、年末は忙しい方も多く、贈る相手に配慮するならば、遅くても20日頃までに届くように手配するのが望ましいです。
お歳暮を贈る際のビジネスマナー・注意点

仕事でお付き合いの深い方にお歳暮を贈ることで感謝の気持ちを伝えることができますが、お歳暮を贈る際は思わぬ失敗につながらないよう必ず最低限のマナーは守りましょう。
金額は3,000〜5,000円が妥当
お歳暮の相場は、一般的に3,000円~5,000円です。金額は相手との関係性によって変わりますが、取引先の場合は3,000円程度、お得意先や上司の場合は5,000円程度が目安になります。
特にお世話になった相手であれば、5,000円を超える品物を贈っても問題ありませんが、金額が高過ぎると相手によっては負担に感じてしまうことがあります。相手に余計な気を遣わせないためにも、予算は10,000円程度までに抑えておきましょう。
喪中の場合はのし(熨斗)の代わりに白無地の「かけ紙」を使用
贈る相手が喪中であっても、自身が喪中であっても、お歳暮を贈ること自体はマナー違反ではありません。ただし、贈る相手が喪中の場合は、負担にならないように四十九日を過ぎてから贈るのが無難です。
なお、喪中にお歳暮を贈る際は、通常の紅白の水引が印刷されたのし(熨斗)ではなく、白無地のかけ紙を選んでください。また、故人宛てにお歳暮を贈るのはマナー違反です。故人のご家族ともお付き合いがあり、今後も関係性が続くのであれば、故人のご家族宛てに贈りましょう。
時期を過ぎた際は「表書き」を変えて対応
お歳暮を贈る時期を過ぎた場合は、表書きを「お年賀」や「寒中見舞い」に変更し、年明けに贈ります。
ただし、「お年賀」を送れるのは松の内(関東では1月7日まで、それ以外の地域では1月15日まで)の期間だけなので、注意が必要です。さらに松の内を過ぎる場合には「寒中見舞い」として、関東地方では1月8日から2月4日、それ以外の地域は1月16日から2月4日までに品物を届けましょう。
毎年お歳暮が届くのに、突然お歳暮が届かなかったら、何かあったのではないかと、相手に心配をかける可能性があります。やむを得ず遅れてしまった場合には、先方に手紙や電話で事情を伝えるなど、状況に応じて適切な対応をとりしましょう。
お歳暮を受け取った際のビジネスマナー
お歳暮を受け取る際にも、さまざまなビジネスマナーが存在します。
必ずお礼状を送る
お歳暮を受け取ったら、可能な限り早めにお礼状を送るのがマナーです。お礼状は、感謝の言葉を伝えるのはもちろん、お歳暮が無事に届いたことを報告する意味もあります。贈ってくれた方に、届いているかどうか心配をかけないためにも、まず届いたらすぐに電話でお礼を伝え、お礼状をお歳暮が届いた当日~3日以内に送りましょう。
事情があって遅れた場合は、お礼状におわびの言葉を添えましょう。このとき、時期的に年賀状を出すタイミングと重なる可能性がありますが、お礼状と年賀状はそれぞれ別で送るのがマナーです。
ビジネスシーンでお礼状を出すときは、縦書きの封書を使うのが一般的です。ただし、親しい付き合いをしている取引先や上司の場合、横書きでもはがきやメールでも構いませんが、基本の構成は必ず守って書きましょう。
お歳暮のお礼状の場合、「頭語→時候のあいさつ→お礼の言葉→相手に対する心遣いや今後の付き合いをお願いする言葉→結びのあいさつ」が、基本の構成です。さらに届いた品物の感想や、相手の体調を気遣う言葉などを添えると、より感謝の気持ちが伝わります。
お返しは特に必要ない
お歳暮は、日頃お世話になっていることに対するお礼であるため、お返しは必須ではありません。
いただいたお歳暮に対して、どうしてもお返しがしたい場合には、12月20日頃までに届けられるのであれば「お歳暮」として、お歳暮の時期に間に合わない場合は、「お年賀」または「寒中見舞い」として品物を贈りましょう。
なお、お返しとして品物を贈る際は、相手に気を遣わせないために、いただいたものの半額から同額程度のものを選びましょう。また、すぐに品物を贈ると形式的な印象を与えてしまう可能性があるので、少し期間を空けてから贈るのもポイントです。
お歳暮で人気の品物

大切な取引先や上司などに贈るお歳暮だからこそ、喜ばれる品物を選びたいものです。特にお歳暮では、以下のような品物が喜ばれています。
- スイーツ・お菓子
- お酒・ジュース類などの飲料
- お茶漬け・お吸い物などの食品
- カタログギフト
スイーツ・お菓子
お歳暮の定番と言えるスイーツ・お菓子は、幅広い年齢層に好まれるギフトです。和菓子、洋菓子ともに人気が高く、多くの職場で贈り、贈られる品物のひとつです。
お歳暮でスイーツ・お菓子を選ぶ際は、贈る側の年齢を意識しましょう。例えば、年齢層が高め職場や取引先の社長が高齢の場合、老舗店の羊羹やせんべいなど、和菓子の方が好まれる傾向があります。
一方、若い方が多い職場や小さな子どもがいる社長、同僚などに贈る際は、チョコレートやクッキーなどの洋菓子がおすすめです。最近では有名店の人気スイーツやSNSで話題の商品をあえて選ぶ企業も増えています。
お歳暮で食品を贈る際は、日持ちするもの・保管しやすいものを選ぶのがマナーです。また、職場で分けて食べる(消費する)ことを想定して、個数や個包装かどうかも意識して選びましょう。
特に人数の多い職場に贈る場合、個数が多くて取り分けやすい個包装のスイーツ・お菓子が最適です。さまざまな味や種類が詰め合わせになっている品物を選べば、見た目も華やかで、お歳暮らしい特別感も演出できます。
お酒・ジュース類などの飲料
コーヒーや紅茶、お茶などの飲料も、長期保存ができ、受け取る側がシェアしやすいお歳暮に人気の品物です。特に取引先の職場に贈るのであれば、休憩時間に楽しめるような果汁100%ジュースやドリップコーヒー、ティーバッグの詰め合わせがおすすめです。高級感やおしゃれ感のあるパッケージの品物を選べば、より特別感のあるお歳暮になります。
お酒も相手に喜ばれるお歳暮のひとつです。取引先や得意先の職場に贈る場合には、職場でシェアしやすいビールの詰め合わせを選びましょう。ちょっとぜいたくなビールやクラフトビール、海外の珍しいノンアルコール飲料など、特別感のあるものを選べば喜んでもらえるはずです。
取引先の社長や上司など個人に贈る場合は、相手の好みに合った日本酒やウイスキーなどを選ぶことが大切です。
ただし、飲料は重量のある品物が多く、自社で手渡しすると持って帰るのに不便な場合があるため、ネット通販などで注文して配送してもらいましょう。
お茶漬け・お吸い物などの食品
企業に贈るお歳暮としては、お茶漬けやお吸い物、スープなどの食品も人気です。有名店の高級なお茶漬けやお吸い物の詰め合わせなどは、非日常感がありつつ特別な味わいで、もらって困ることはありません。
日持ちするものも多く、お湯を注ぐだけのタイプや電子レンジで温めるだけのタイプであれば、ランチや残業のときに手軽に食べられるのでおすすめです。
カタログギフト
最近はカタログギフトの人気が高まっています。贈る側は相手の好みや職場の人数などがわからなくても贈りやすく、受け取る側もほしいものや好みに合うものを自由に選べます。
特にグルメ系のカタログギフトは、選べる商品数も多くておすすめです。また、百貨店のカタログギフトなら商品の品質も安心感があり、取引先の社長や目上の方に贈る際にも失敗が少ないです。
お歳暮を断りたい、やりとりをやめたい場合
さまざまな理由からお歳暮を「断りたい」、「今回を最後にやめたい」といった場合には以下の方法で伝えましょう。
断りたい場合は品物を開封せずに返す
立場的な問題などからお歳暮を受け取れない方もいます。また、最近では企業間のお歳暮は一切受け取らない方針の企業もあります。お歳暮を受け取れない場合は、品物を開封せずに新しい包装をして、お礼状を添えて送るのが一般的なマナーです。
お礼状では、お歳暮を贈ってくれたことに対する感謝の気持ちと、今後はこのようなお気遣いは不要であることを伝えましょう。そしてこれだけでは今後の関係に影響が出る可能性があるので、「これからも変わらぬお付き合いを続けたいです」という気持ちを書き、相手を不快にさせないよう配慮することが大切です。
やめたい場合は段階を経る
お歳暮を贈るのをやめたいと考えている場合、段階を踏んでやめるのが一般的です。
まず、お中元も贈られてくる場合、お中元をやめて暑中見舞いなどのあいさつ状のみにします。その年のお歳暮は贈りますが、これまでの品物より価格を抑えた品物を選び、相手にそれとなく気持ちを察してもらいましょう。そして翌年はお中元もお歳暮もやめ、あいさつ状だけにすればお歳暮をやめられます。
相手からお中元やお歳暮が贈られてくる場合には、品物を受け取った報告とお礼を兼ねて、お礼状に「今後はお歳暮を控えたい」という内容を書くこともおすすめです。もらうだけで気が引ける場合には、こちらから贈るお歳暮に「次回からお歳暮を辞退したい」という内容の手紙を添えるのもよいでしょう。
どちらの場合も、「今後も変わらぬお付き合いをしたいです」といった内容を書いて相手に伝えることで、今後の付き合い方についての誤解を防げます。
まとめ
ビジネスシーンでお歳暮を贈る際は最低限のマナーを守り、贈る相手の好みや職場の状況に合った品物を選ぶことが大切です。アスクルでは、さまざまなお歳暮を展開しています。ぜひお歳暮選びの際にご活用ください。
ギフトの人気売れ筋ランキング

三越伊勢丹 ヨックモック 紙袋付 手土産ギフト 洋菓子 母の日 父の日 敬老の日
販売価格(税抜き)
¥1,836~

彩果の宝石 フルーツゼリーコレクション 伊勢丹の紙袋付き 手土産ギフト
販売価格(税抜き)
¥1,080~

三越伊勢丹 〈東京會舘〉プティガトー45個入 紙袋付 手土産ギフト 母の日 父の日 敬老の日
販売価格(税抜き)
¥2,592
あわせて読みたい!関連&新着記事
オフィス来客時のお茶出しマナー|好印象を与える手順から注意点まで解説





