更新日:2024年4月30日
騒音が気になるなら耳栓がおすすめ!選び方や使う際の注意点を詳しく解説

騒音が気になって眠れないとき、周囲の音が聞こえる環境で集中したいときなどに、耳栓の活用を検討されている方も多いのではないでしょうか。耳栓を使って外部の音をシャットアウトすることで、音に関するストレスを軽減できます。
また、工場や工事現場など日常的に大きな音に囲まれた環境で働いている方も、状況に応じて耳栓で耳を保護することをおすすめします。
この記事では、耳栓をつけるメリットや耳栓の種類、遮音性の目安のほか、使用時の注意点をわかりやすく解説します。
耳栓をつけるメリット
耳栓をつける大きなメリットは、大きな音から耳を守ったり、静かな環境を手軽に得られたりする点にあります。
特に、金属加工などの工場や工事現場などで働いている方は、大きな音に囲まれて長時間過ごすことも多いでしょう。労働安全衛生規則においても、強烈な騒音を発する場所で行う業務については、耳栓その他の保護具を着用するよう明示されています。
耳栓は工場や工事現場などで働く方にとって、耳を守る重要な役割があります。経営者や現場を管理する立場の場合は、一定以上のレベルの音が鳴っている現場では耳栓を配布し、着用を義務付けるなど、労働者の耳を守る意識を持ちましょう。
また、一般の生活者にとっても、日常生活を送るうえである程度の騒音は避けられません。例えば、家族の生活音や近くで行われる工事の音、オフィスでの話し声や作業音など、騒音の原因は日常のあらゆる場面に潜んでいます。また、比較的静かな夜の時間帯でも、外で走る車の音はどうしても聞こえてしまうものです。
しかし耳栓をつけるだけで、これらの騒音はある程度シャットアウトできます。「家族の生活音が気になって眠れない」「オフィスが騒がしくて仕事に集中できない」など、騒音が原因で生じるさまざまな悩みを手軽に解消することが可能です。
このほか、ホコリや水が耳に入るのを防げる点もメリットのひとつです。水泳をするときや、ホコリが舞う環境下で作業するときには特に役立ちます。
【使用シーン別】おすすめの耳栓の種類
耳栓にはいくつかの種類があり、それぞれ特長が異なります。耳栓を購入するときは、使用する目的に合わせて商品を選ぶと良いでしょう。
以下では、よくある使用シーン別におすすめの耳栓を紹介します。
騒音で集中できないとき
騒音が気になって仕事や勉強に集中できないときには、「フォームタイプ」の耳栓がおすすめです。
フォームタイプは耳栓のなかでもスタンダードとされるタイプで、多くの場合は素材にウレタンフォームが使われています。素材の復元力によって耳の中で耳栓が膨らむため、騒音をしっかり防げます。
睡眠時に音を遮断したいとき
睡眠時に家族の生活音や外の音が気になる場合は、「ソフトフォームタイプ」の耳栓をつけると良いでしょう。
ソフトフォームタイプは前述したフォームタイプよりも圧迫感が少なく、より簡単につけられるのが特長です。圧迫感が少ない分、耳が痛くなりにくいため、睡眠中にずっとつけていても不快感を覚えにくいでしょう。
騒音だけをシャットアウトしたいとき
必要な音だけは聞こえるようにしつつ、騒音のみをシャットアウトしたいときには、「デジタルタイプ」の耳栓がおすすめです。
デジタルタイプの耳栓は、周囲の環境音を電気的に低減できる「ノイズキャンセリング機能」を搭載していることが特徴です。必要な音は聞こえる仕組みになっており、例えば外出先でのアナウンスや人から呼びかけられる声、着信音などは耳栓をつけていても聞き取れるようになっています。
仕事中や交通機関の利用時など、特定の音は聞こえないと困る場面では特に便利です。
砂やホコリから耳を守りたいとき
工事現場や工場での作業時など、砂やホコリが舞う状況から耳を守りたいなら「フランジタイプ」の耳栓が役立ちます。
フランジタイプは、耳に入る部分に触れずにつけられるタイプの耳栓です。耳栓の外側に長めの持ち手がついているため、手についている砂やホコリを気にせず装着できます。
また、フランジタイプの耳栓は洗って使える商品が多いため、衛生面も安心です。
水中で耳への水の侵入を防ぎたいとき
水中で耳への水の侵入を防ぎたいときは、「防水タイプ」の耳栓をつけましょう。水が浸透してしまう素材の耳栓だと、水の侵入を防げない可能性があるので気をつけてください。
ちなみに、防水タイプの耳栓は粘土のように形状を変えられるシリコン系の素材を使用した耳栓もあります。耳栓を使用するシチュエーションに合わせて検討してみましょう。
耳栓選びの際は遮音性をチェックしよう
騒音対策を目的に耳栓を購入する際は、商品の遮音性をチェックしましょう。
一般的な耳栓には、遮音性の基準として「NRR値」や「SNR値」が設定されています。NRR値は北アメリカを中心とした規格、SNR値は欧州連合を中心とした規格です。
NRR値とSNR値は、それぞれ騒音をどれだけ下げられるかを示す目安となる値「dB」で表記されており、dBの値が大きいほど遮音性に優れていることを意味します。例えば、50dBの騒音がある状況で遮音性能が20dBの耳栓をつけた場合は、騒音が30dBまで抑えられます。
なお、よくある騒音のdBの値は下記のとおりです。
| 騒音の種類 | dBの目安 |
|---|---|
| パチンコ店内の音 | 80〜90 dB |
| 工場の中の音 | |
| 電車や地下鉄車内の音 | 70〜80 dB |
| 航空機の機内 | |
| 新幹線道路周辺(昼間) | 60〜70 dB |
| バスの車内 | |
| 洗濯機や掃除機の音 | 60 dB |
| 高層住宅地域(昼間) | 50~60 dB |
| 美術館の館内 | 40~50 dB |
| 戸建住宅地(昼間) | |
| 戸建住宅地(夜) | 30~40 dB |
| ホテルの室内 |
出典:日本騒音調査ソーチョー「騒音値の基準と目安」
環境省「生活騒音」
上記資料をもとに筆者作成
また上記で記載したdBの値は、環境や音源からの距離によっても変わります。
対策したい騒音の種類によって、耳栓に必要な性能は変わってきます。騒音の程度に合わせて耳栓を選びましょう。
耳栓を使う際の注意点

耳栓を使う際は、次の3点に注意しましょう。
- 外れないように気をつける
- 正しい方法でつける
- 定期的に交換する
以下で耳栓を使う際に注意したいポイントを詳しく紹介します。
外れないように気をつける
耳栓をつけた際は、耳から外れないかどうかをチェックしましょう。外れやすい不安定な状態で耳栓がついていると、本来の遮音性や効果を得られない可能性があります。
また、耳栓はサイズが小さいうえに転がりやすいため、耳から外れて落ちた場合は見つけるのが大変です。場合によっては家具の隙間に隠れてしまい、そのまま見つからないことも考えられます。
こうした事態を防ぐためにも、耳栓をつけたあとは何度か手で触れて、外れないかしっかり確認しましょう。
正しい方法でつける
耳栓の効果を発揮するためには、正しい方法で耳につけることも大切です。ここでは、代表的な耳栓であるフォームタイプ、フランジタイプを正しくつける手順を紹介します。
<フォームタイプの耳栓のつけ方>
- 耳栓を指で押しつぶすように丸めて細くする
- 耳を上後ろに引っ張る
- 耳を引っ張った状態のまま耳栓をつける
- 耳栓が落ちないように30秒程度押さえながら、膨らむのを待つ
<フランジタイプの耳栓のつけ方>
- 耳栓の持ち手の部分をつまんで持つ
- 耳を上後ろに引っ張る
- 耳を引っ張った状態のまま、耳栓を回しながらつける
耳栓は正しい方法で装着しなければ、期待どおりの効果を得られない可能性もあります。上記の手順を参考に、正しいつけ方を身につけましょう。
定期的に交換する
同じ耳栓を使い続けると遮音性に問題が出たり、劣化の具合によっては破損した部分が耳に残ったりする可能性があります。そのため、耳栓は定期的に交換することをおすすめします。
耳栓を交換するべきタイミングは下記のとおりです。
- 耳栓が汚れたとき
- 耳栓が破損したとき
- 耳栓の形が崩れたとき
- 耳栓が水に濡れたとき
- 耳栓が膨らむタイミングが早くなったとき、または遅くなったとき
なお、耳栓の寿命は商品や使用頻度によって異なりますが、約2週間が寿命の目安だといわれています。また、汚れや破損がみられる場合は2週間経っていなくても交換しましょう。
汚れた耳栓を使い続けると耳の炎症や不調の原因となってしまう場合もあるため、注意が必要です。もし、耳にかゆみや発赤、腫れや分泌物があるときは、炎症の可能性があるので医師に相談しましょう。
まとめ
耳栓は、大きな音から耳を守りたいときや、集中したいとき、静かな環境で眠りたいとき、水の侵入を防ぎたいときなどさまざまなシーンで役立つ便利なアイテムです。
「フォームタイプ」「ソフトフォームタイプ」「デジタルタイプ」「フリンジタイプ」「防水タイプ」などいくつか種類があるため、自分の目的に合った耳栓を選ぶと良いでしょう。
また、耳栓を使う際は外れないように正しい方法でつけることや、定期的に交換することが大切です。
期待どおりの効果を得るために、正しいつけ方ができているか見直してみましょう。

監修者
今井 眞(いまい まこと)氏 滋賀睡眠クリニック院長 専門は睡眠・精神医学
自身も騒音環境下での睡眠や飛行機の搭乗時は耳栓を愛用している。難聴者向けに山葵の匂いを発する報知器の開発歴がある。
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