更新日:2024年4月30日
バランスボールがもたらす効果とは?基本的な使い方や選び方、使用時の注意点を解説

バランスボールは座るだけで体幹トレーニングができ、バランス能力の向上が期待できる運動器具です。一口にバランスボールといっても、サイズや種類はさまざまなため、どれを選べば良いか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、バランスボールの効果や使い方、選び方を解説します。バランスボールを使用する際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
バランスボールとは?
バランスボールとは、ゴム製のボールで「エクササイズボール」「体操ボール」とも呼ばれるトレーニンググッズです。
もとは医療現場で使うリハビリ用器具として開発されたゴムボールでしたが、現在ではトレーニンググッズとして広く普及しています。
あえて不安定な状況のバランスボールに座ることで、体幹や姿勢の改善などに繋がるため、エクササイズに使用するほか、普段の椅子がわりに使用することも可能です。
普段の生活の中にバランスボールを取り入れると、気軽に筋トレやストレッチを行えます。テレビを見ているときや家事の合間はもちろん、仕事中に使うのもおすすめです。
バランスボールの効果

バランスボールを使用する効果として、以下のようなものが挙げられます。
- 体幹を鍛えられる
- 柔軟性やバランス能力の向上
- 筋力の増加
バランスボールを使用する効果として、以下のようなものが挙げられます。
体幹を鍛えられる
バランスボールの使い初めは、不安定なボールの上でバランスをとることが難しく、ただ座るだけでも体幹部分(インナーマッスル)を鍛えられます。慣れてきたら、足を床から離したり動きを大きくしたりするとより効果的です。
体幹を鍛えると基礎代謝の向上にも繋がるため、血行不良の改善やダイエット効果、自律神経の乱れを整えるなどの効果が期待できます。
柔軟性やバランス能力の向上
バランスボールは、不安定なボールの上で姿勢を保つことによってバランス能力の向上にも役立ちます。また、エクササイズだけでなくストレッチにも利用できるため、柔軟性の向上にも期待できるでしょう。
ストレッチで身体の柔軟性を養うと、姿勢や肩こり、腰痛などの改善にも効果が期待できます。
長時間のデスクワークで身体への負担が心配な方にもおすすめです。
筋力の増加
バランスボールを使うことで、普段意識しないと使えない筋肉を使えるため、程良い筋トレになります。バランスボールを使用したエクササイズ時はもちろん、ただ座っているだけでも背筋や腹筋のトレーニングができます。
バランスボールに座ってテレビを見るだけでもトレーニングになるため、ジムに通う時間が確保できないものの筋トレしたい方にぴったりです。
バランスボールの使い方
ここからは、初心者でもできるバランスボールのエクササイズを紹介します。
- バランスボールに座る
- バランスボールに足を乗せて腕立て伏せ
- バランスボールでプランク
どれも簡単な動作で行えるため、ぜひ取り入れてみてください。
バランスボールに座る
初心者の方なら、まずはバランスボールに座ることから始めましょう。ただ座るだけの動作でも、正しい姿勢を維持することでバランスが取れ、体幹トレーニングになります。
ここでは、正しい姿勢をとるポイントを解説します。以下のポイントを意識して座ってみてください。
- 両足をしっかりと地面につけて、背筋を伸ばす
- 両足の間隔は20〜30cm程度あける
- 膝が90度に曲がるよう意識する
慣れるまでは、椅子につかまったり、ボールに手を添えたりして安全な状態で行いましょう。慣れてきたら、両手を腰に添えても姿勢をキープできるようになるとより効果的です。
バランスボールに足を乗せて腕立て伏せ
通常の腕立て伏せにバランスボールを取り入れると、普段は使わない部分に負荷をかけられます。バランスボールを使った腕立てはいくつか種類がありますが、ここでは足をバランスボールに乗せて行う方法を紹介します。以下の手順に沿ってトレーニングを行いましょう。
- 腕立て伏せの体制をとり、足先(難しい場合はふくらはぎあたりでも可)をバランスボールに乗せる
- お尻が下がらないように意識し、体を一直線にする
- ゆっくりと肘を曲げて腕立て伏せを行う
最初はこの姿勢をとるだけでも十分効果的です。慣れてきたら腕立て伏せの回数を増やすと良いでしょう。
バランスボールでプランク
体幹を鍛えたいなら、バランスボールを使って行うプランクがおすすめです。バランスボールの上という不安定な状態でプランクを行うことで、より効率的に筋肉へアプローチできます。
ここでは基本的なプランクの方法を解説します。以下の手順に沿ってトレーニングを行いましょう。
- バランスボールに両肘をつき、プランクの姿勢をとる
- 膝を床から離し、体が一直線になるように姿勢を保つ
- 30秒程度キープ
慣れるまでは、短い秒数でキープできるように意識しましょう。なお、バランスを崩すとボールから落ちてしまう可能性があるため、下にマットを引くなど対策してください。
バランスボールの選び方
続いて、自分に合ったバランスボールの選び方のポイントを解説します。選ぶ際は、以下のようなポイントに注目しましょう。
- 直径(大きさ)で選ぶ
- 耐荷重で選ぶ
- 素材で選ぶ
- トレーニング目的で選ぶ
- 付属品で選ぶ
それぞれ順番に解説します。
直径(大きさ)で選ぶ
自分の体に合ったサイズ・直径のバランスボールを使うことで、安全かつ効果的にエクササイズができるため、購入前にバランスボールの直径を確認しましょう。
直径は、以下の表を目安に身長に合わせて選んでください。
| 身長 | 直径の目安 |
|---|---|
| 150cm以下 | 45cm |
| 150cm~170cm | 55cm |
| 170cm~180cm | 65cm |
| 180cm以上 | 75cm |
同じ大きさのボールでも個体差があるため、自分で調整をする必要があります。バランスボールの空気圧を調節できるよう、空気入れをいつでも使える状態にしておきましょう。
耐荷重で選ぶ
体重を乗せるバランスボールは、耐荷重も大切なポイントです。基本的には、自分の体重よりも耐荷重が重いものを選べば問題ありません。例えば、体重が50kgの方なら、耐荷重100kg程度だと快適に使用できるでしょう。
ただ、バランスボールの上でバウンドする、動くなど負荷をかける場合は、耐荷重が極力大きいものを選ぶと安心です。耐荷重が200〜300以上だと、十分本格的なトレーニングを行えるでしょう。
素材で選ぶ
バランスボールごとに素材が異なるため、素材で選ぶのもひとつのポイントです。もっともポピュラーなのはPVC(塩化ビニール)素材で、安価なため購入しやすく、耐久性が高い点が魅力です。
なかには、クッション性が高く、長時間快適に使用できるEVA素材のバランスボールも販売されています。素材が同じでも、厚さや表面の質感は異なるため、好みに合わせて選びましょう。
トレーニング目的で選ぶ
トレーニングの用途によって、向いているバランスボールの種類は異なります。普段の生活に取り入れて、椅子がわりに使いたいならシンプルなバランスボールがおすすめです。膝裏をしっかりと90度に保てるサイズのものを選んでください。
本格的なトレーニングに使用する場合は、前述した耐荷重や厚さをチェックして、丈夫なものを選ぶと良いでしょう。万が一傷がついてしまっても破裂しないように、少しずつ空気が抜ける「アンチバースト」仕様のバランスボールもおすすめです。
付属品で選ぶ
多くのバランスボールには、ボールを膨らませるための空気入れと、空気が漏れないようにする空気栓が付属しています。中には付属品がないものもあるため、購入前に付属品を確認してください。
はじめてバランスボールを購入する場合は、空気入れ・空気栓・栓抜きなど、バランスボールを使用するのに便利なアイテムが付属しているものを選ぶのがおすすめです。
バランス能力や筋力に自信がない方や、より安全にバランスボールを使いたい方は、固定リングが付属したものも良いでしょう。使用時の転倒防止だけでなく、保管時にも転がらないため、あると便利です。
一方、過去にバランスボールを使用したことがあって、すでに付属品を持っている場合は、付属品のないものを選ぶのもおすすめです。
バランスボール使用時の注意点
バランスボールを安全に使用するために、いくつかの注意点があります。
- 使用前に傷やひびがないか確認する
- 無理な姿勢をしない
- 広い場所でエクササイズをする
- 高齢の方は転倒しないよう補助者をつける
注意点を守って、安全にバランスボールを使用しましょう。
使用前に傷やひびがないか確認する
バランスボールを使用する前に、傷やひびがないか確認することが大切です。バランスボールに傷やひびなどがあると、荷重により傷が広がって破裂し、ケガをするおそれがあります。
そのため、傷やひびなどが発見されたら使用しないようにしましょう。また、空気の入れすぎによる破裂を防ぐため、直径が指定の長さになっているか確認してください。
無理な姿勢をしない
バランスボールの上で行うトレーニングは、体勢が不安定になりやすいため、無理な姿勢をしないよう注意しましょう。正しいフォームで行わないと、体に大きな負担がかかってしまいます。
また、バランスボールの上に立つことは大変危険です。バランスボールを使用する際は、怪我に注意して無理のない範囲でトレーニングを行ってください。
広い場所でエクササイズをする
バランスボールを使ったエクササイズは、広い場所で行いましょう。自宅でトレーニングをする場合も、周りに家具や障害物がないところを選んでください。
狭い場所や散らかった場所で行うと、バランスを崩した際に家具などにぶつかって怪我をする恐れがあります。また、鋭利なものが床に落ちていると、バランスボールに傷がついて損傷する可能性があるため、バランスボールに下にマットをひくと良いでしょう。
高齢の方は転倒しないよう補助者をつける
高齢の方がバランスボールを使用する場合は、転倒して怪我をしないよう補助者をつけることが推奨されています。
補助者が後ろにつくことで、バランスを崩したときにすぐ支えられるため、安全にトレーニングを行えます。転倒に気をつけて、無理のない動きを取り入れましょう。
体幹やバランス能力向上に役立つ運動グッズ
バランスボールの効果や使い方について紹介しましたが、体幹やバランス能力を鍛えるトレーニンググッズは他にもいくつかあります。
ここからは、日常に取り入れやすく手軽にエクササイズができるトレーニンググッズとその特徴を紹介します。コンパクトなサイズでありながら、バランスボールと似た効果を得られるため、バランスボールを置くスペースがないもののエクササイズをしたい方はぜひチェックしてください。
体幹を鍛えるならバランスクッションもおすすめ
体幹を鍛えることをトレーニングの目的としているなら、バランスクッションもおすすめです。
バランスクッションは、座布団のような形状のクッションで、椅子に置いて座ることで体幹を鍛えられます。座るだけで良く、仕事中にも取り入れやすいでしょう。
バランスクッションの上に立って、エクササイズに使うことも可能です。丸い形状のものが多いですが、なかにはスクエア型のクッションもあります。
ストレッチをするならフォームローラーもおすすめ
ストレッチを重視する方には、フォームローラーもおすすめです。
フォームローラーは、筒状のフィットネス用ローラーのことで、ローラーの上にふくらはぎや太ももなどほぐしたい部分を乗せて、体重をかけて転がして使用します。
フォームローラーを使用したストレッチは「筋膜リリース」と呼ばれます。疲れている筋膜をほぐして、柔軟性の向上を目指すことが可能です。
フォームローラーをひとつ持っていると、自宅で隙間時間に簡単にストレッチができるためおすすめです。
筋力の増加には腹筋ローラーもおすすめ
筋トレをしっかりと行いたいなら、腹筋ローラーを取り入れるのも良いでしょう。
腹筋ローラーとは、腹筋を鍛えるために使用する器具で、タイヤにハンドルがついたシンプルなトレーニンググッズです。簡単な動作で腹筋に大きな負荷がかかる点が魅力です。
両膝を床について腹筋ローラーのハンドルを握り、体重をかけながらローラーを前後に転がすことで、効率的に腹筋を鍛えられます。自分の筋力レベルに合わせて、徐々に回数を増やすと良いでしょう。
ゴムタイヤを使用しているものであれば、硬い床の上でも使用可能です。場所を選ばず気軽に腹筋を鍛えたい方に向いています。
まとめ
バランスボールは、ただ座っているだけでも体幹を鍛えられたり、ストレッチができたりする運動器具です。ひとつ持っていると、隙間時間やテレビを見る時間を使って、自宅で気軽に運動ができます。
近年では、オフィスにバランスボールを導入している企業もあり、仕事中に筋トレやストレッチができると人気を高めています。この記事で紹介した選び方を参考に、自分に合ったバランスボールを選びましょう。

監修者
丸山泉(マルヤマ イズミ)氏
柔道整復師・コンディショニングトレーナー。東京都三鷹市で整体×パーソナルトレーニング SeTra(セトラ)を運営。関節痛などの治療を行うとともに、根本的な痛みの原因を見つけ、筋力強化や姿勢改善を行う。一人ひとりの生活習慣やお身体に合わせた施術とトレーニングをご提供している。
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