更新日:2024年4月30日
ガスケットとは?パッキンとの違いや種類、用途、使い方を紹介

部品や配管を接続するために使用するガスケットは、建築設備や工業用だけでなく、車やバイクにも使われています。
ガスケットにはさまざまな種類があり、正しく選ばないと配管内部から流体が漏れて周囲に被害をもたらしたり、配管内部に異物が混入したりする可能性があります。
この記事では、ガスケットの購入を検討している方に向けて、ガスケットとパッキンの違いや種類、使い方などをわかりやすく解説します。用途に適したガスケットを選ぶために、ぜひ参考にしてください。
ガスケットとは、部品や配管などを接続するために使うシール材のこと
ガスケットとは、機械の部品や配管などを接続するときに使うシール材のことです。このシール材とは、内部への異物混入や流体の漏れを防止する素材のことをいいます。
ガスケットを接続部分に使用するとその部分が密閉できるため、異物混入や漏れを防ぐことができます。
ガスケットとパッキンの違い
ガスケットとパッキンは、機械の部品や配管のあいだに挟んで流体が漏れないようにするシール材である点は同じですが、使用される場所が異なります。
ガスケットは静止部分に使われるシール材であり、部品や配管のあいだに挟んでボルトやナットで固定して使います。
一方、パッキンは動く部分に取りつけるシール材であり、素材にもよりますがガスケットと比べて摩耗しやすい傾向にあります。自動車やバイクのエンジンやポンプ、水道の蛇口などの駆動する部分に使われています。
ガスケットの材質と種類
ガスケットは、材質の違いによってそれぞれ特長が異なるため、使用する場所や用途に適したものを選ぶことが大切です。ここでは、ガスケットの主な4種類を解説します。
- 非金属ガスケット
- セミメタリックガスケット
- メタルガスケット
- 液状ガスケット
順番に確認しましょう。
非金属ガスケット
非金属ガスケットとは、金属ではなくゴムや樹脂などを使用したガスケットのことです。非金属ガスケットにはさまざまな素材を使用したものがありますが、ここでは主な種類の特長と用途について以下の表にまとめました。
| 名称 | 特長・用途 |
|---|---|
| ジョイントシート |
|
| フッ素樹脂 |
|
| ゴムシート |
|
| コルク |
|
| 膨張黒鉛ガスケット |
|
セミメタリックガスケット
セミメタリックガスケットとは、金属板と合成ゴムや耐熱繊維などの非金属を組み合わせたガスケットです。セミメタリックガスケットの主な種類について、以下の表に特長と用途をまとめました。
| 名称 | 特長・用途 |
|---|---|
| うず巻き形 |
|
| メタルジャケット |
|
メタルガスケット
メタルガスケットは、名前が示すとおり金属を使用したガスケットのことをいいます。主な種類の特長と用途は、以下の表のとおりです。
| 名称 | 特長・用途 |
|---|---|
| 金属平形 |
|
| 金属のこ歯形 |
|
| リングジョイント |
|
| 金属Oリング |
|
液状ガスケット
液状ガスケットとはガスケットの役割を果たす液状の物質であり、乾燥すると弾性皮膜を形成できます。接合部に少量塗るだけでシールできるため作業性が良く、機械の接合面に使われます。
ガスケットが使用されている例

幅広い種類があるガスケットは、さまざまなシーンで使われています。ここでは、ガスケットが使用されている身近な例を2つ紹介します。
車・バイクの部品を接合
車やバイクのエンジン、吸排気など、部品同士の接合にガスケットが使われることがあります。この場合のガスケットには、オイル漏れを防ぐ、シリンダー内の気密性を保つ、精密部品を雨水から守るなどの役割があります。
もしガスケットが破損したら、オイルや冷却水などが漏れてトラブルに繋がる可能性があります。
水道やガスの配管を接合
ガスケットは、水道やガスなど、配管内の流体を外に漏れさせないために使われることがあります。ガスケットを使うことによって、接合部から異物が混入することも避けることが可能です。
ガスケットは種類によって対応できるものが異なりますが、一般的な水やガスをはじめ、油・アルコール・強酸・強アルカリなど幅広く対応できます。
ガスケットの使い方
ガスケットの種類はさまざまありますが、ここではジョイントシートの使い方を紹介します。
ジョイントシートを使用するときは、以下の手順で作業します。作業する前に、使用するガスケットがその場所や用途に適しているか、必ず確認しておきましょう。
- 既設のガスケットを取り除く
- 必要に応じてガスケットペーストを使用する
- フランジ面を平行にして洗浄する
- ガスケットを取りつける
- ボルトを締め付ける
既設のガスケットがある場合は、完全に除去してから新たに取りつける必要があります。作業中は、設置場所やガスケットを傷つけないように配慮しましょう。
ガスケットは種類や設置場所によって適した使い方が異なり、使い方を誤ると重大な事故に繋がる可能性があります。ガスケットを使用するときは、必ず使用する商品の指示に従ってください。
ガスケットを選ぶときにチェックするポイント
ここからは、ガスケットを選ぶときにチェックするポイントを解説します。チェックすべき項目は主に下記の4つです。
- 用途に合わせて選ぶ
- 流体に合わせて選ぶ
- 体圧力性能から選ぶ
- 温度に合わせて選ぶ
ガスケットの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
用途に合わせて選ぶ
ガスケットを使用する場所や機器を考慮して、用途に合った種類を選びましょう。
ガスケットが破損した場合に周囲に甚大な被害を及ぼすことが懸念される場合は、信頼性の高いガスケットを選ぶことが大切です。
また、接合するための作業性や、交換することを考えたメンテナンス性も考慮して選びましょう。建築設備の場合など、ガスケットを交換しないことを前提としている場合は、より耐久性や安全性に配慮する必要があります。
流体に合わせて選ぶ
ガスケットの材質は、使用する流体に合わせて選びます。
流体の区分にはさまざまなものがありますが、水・海水・温水などは水系流体、原油・アルコール・エチレンなどは油系流体、鉱酸・有機酸やアルカリ類は腐食性流体などと分類されています。
ガスケットが流体に対して耐食性・耐薬品性があるか、浸透しない材質であるかなどを考慮する必要があります。酸素・支燃性ガス・重合性モノマーなど、特に注意を必要とする流体もあります。
耐圧力性能から選ぶ
ガスケットの材質や形状によって耐圧性能は異なるため、ガスケットにかかる圧力に耐えられるものを選びましょう。
非金属ガスケットよりも、メタルガスケットやセミメタリックガスケットのほうが高い圧力に対応できる傾向にあります。
温度に合わせて選ぶ
ガスケットが温度変化に対応できるように、ガスケットの使用温度と耐熱性を確認しましょう。温度変化に対応できない材質の場合、ガスケットが劣化することがあります。
ゴムを使用しているガスケットは高温で劣化しやすいため、メンテナンス性を考慮して選びましょう。また、フッ素樹脂は高温で変形することがあるので注意が必要です。
まとめ
ガスケットとは、機械の部品や配管などを接続するために使うシール材であり、流体の漏れや異物混入を防ぐために必要なものです。材質によって特長が異なるため、用途・流体・圧力・温度の4つを確認しながら選びましょう。
ガスケットは選び方を間違えると、接合部から漏れて周囲に被害を及ぼすことがあるほか、思わぬ事故に繋がる可能性があります。ガスケットを購入するときは、用途に合わせて慎重に選びましょう。
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