更新日:2024年4月30日
鍬(くわ)や鋤(すき)の種類や選び方は?使い方や手入れの方法を解説

古くから農業に使われてきた農具である「鍬(くわ)」や「鋤(すき)」。現代でも、家庭菜園やガーデニングに欠かせない道具のひとつです。
鍬や鋤にはいくつかの種類がありますが、これからガーデニングや農作業を始める方は、どのような違いがあるのか、どのように選べば良いのかなど、わからない場合もあるでしょう。
そこでこの記事では、鍬(くわ)や鋤(すき)の特徴と用途、選び方のポイントなどを解説します。使う際の注意点や、お手入れ方法なども紹介するので、ぜひ鍬(くわ)や鋤(すき)選びの参考にしてください。
鍬(くわ)・鋤(すき)とは

そもそも鍬(くわ)・鋤(すき)とはどんな農具なのか、それぞれ特徴と用途を解説します。
鍬(くわ)の特徴と用途
鍬(くわ)は現代でも使われる農具の一種であり、柄の先端に金属製の刃がついているのが特徴です。この刃にはいくつか種類があり、用途や土の質に応じて使い分けられます。
鍬(くわ)は、刃を土壌に打ち込み、主に土を掘り起こすために使われます。90度以上の角度がついていることで土を掘りやすくなっています。
畝立てや土寄せ作業、ガーデニングや家庭菜園などに使われることが多い農具です。
鋤(すき)の特徴と用途
鋤(すき)は、鍬 (くわ) と同じく、農作業に使われる道具のひとつで、スコップに似た形状をしています。
柄の先に幅の広い金属製の刃がついていますが、刃が真っ直ぐについたものもあれば、少し角度や傾斜がついたものもあり、形状はさまざまです。
主に土を掘り起こす作業や、茎や根を切断して取り除く作業などに使われます。足で体重をかけながら鋤先を土壌中に刺し込み、土壌をすくい上げるように使用する道具で、深く耕す作業や根菜類の掘り取り作業、溝掘り作業などにも向いています。
鍬(くわ)の種類と選び方
一口に鍬(くわ)といっても、その種類はさまざまです。ここでは、鍬(くわ) の主な種類と選び方を解説します。
鍬(くわ)の種類
代表的な鍬 (くわ) の種類と特徴は以下のとおりです。
種類 | 特徴 |
---|---|
平鍬 |
|
唐鍬 |
|
備中鍬 |
|
ツルハシ・バチヅル |
|
それぞれ特徴や用途が異なるため、使用シーンに合わせて選択してください。また、鉄熊手や剣先スコップなども用途に合わせて使うと作業効率が上がります。
鍬(くわ)を選ぶときのポイント
用途に合った種類の鍬(くわ)を選べるよう、見るべきポイントや選ぶ基準を把握しておくことが大切です。
鍬(くわ)を選ぶときは、以下のポイントに注目しましょう。
- 柄の長さ
- 刃や柄の材質
- 柄の太さ
それぞれポイントを解説します。
柄の長さ
鍬(くわ) の柄の長さは、使用用途に合わせて選ぶ必要があります。
例えば、座って作業する場合は柄が短いものを、立って作業するなら柄が長いものを選ぶと良いでしょう。柄が短い片手鍬は、座って長時間作業する場合でも快適に使用できます。
短い鍬 (くわ) を使って、立って作業をしようとすると腰に負担がかかってしまいます。なかには、柄の長さを調節できるものもあり、作業内容に合わせて長さを変えたい方におすすめです。
刃や柄の材質
鍬の刃は、ステンレス、アルミ、鉄、木など商品によって材質が異なります。ステンレスは錆びにくく、軽量で扱いやすい点が魅力です。土がくっつきにくいため、お手入れもしやすい素材です。
アルミ製の柄は軽く、初心者でも簡単に作業を行えるでしょう。木製の柄は重さがあり、固い土も耕せます。
それぞれ素材ごとに特徴があるため、目的や用途に合わせて選んでください。
柄の太さ
柄の握りが太いと持ち手が疲れやすくなるため、太さも重要です。ガーデニングや農作業など、長時間の使用も考えられるため、自分に合った太さのものを選びましょう。
鋤(すき)の種類と選び方
続いて、鋤(すき)の種類と選び方を解説します。
鋤(すき)の種類
代表的な鋤(すき) の種類と特徴は以下のとおりです。
種類 | 特徴 |
---|---|
普通鋤 |
|
踏鋤(ふみずき) |
|
鋤(すき) は鍬(くわ) に近い形状をしていますが、鍬(くわ) は刃を土に差し込み、自分の方に引くように使う道具です。一方で鋤(すき) は、その名のとおり土などを鋤く(すく)のに向いています。
鋤(すき)とスコップの違い
鋤(すき)とスコップは似た形状をしているため、違いがわからないと感じる方もいるでしょう。鋤(すき)とスコップはどちらも土を掘り起こす際に使われます。
鋤(すき)は、畑を深く堀り起こして耕すために使われる一方、スコップは、土や砂をすくい、他の場所に運ぶための道具です。
また、鋤(すき)は重量のある農作業専用の道具ですが、スコップは軽作業から農業まで幅広い用途に向いています。
鋤(すき)とスコップは使う場所や目的に応じて選ぼう
鋤(すき)とスコップは形状も用途も似ているため、どちらを選ぶべきか悩む方もいるのではないでしょうか。
家庭菜園など小規模な畑を耕す場合は、スコップでも十分役割を果たせます。しかし、土を深く掘り起こす場合や、本格的に畑を耕す場合は、重量のある鋤(すき)がおすすめです。
また、鋤(すき)は根菜類を収穫する際にも役立ちます。使う場所や目的によって使い分けると良いでしょう。
鍬(くわ)の使い方
ここからは、鍬(くわ)の使い方を種類ごとに解説します。
どの種類の鍬(くわ)も、使用する前に必ず刃がしっかり固定されているか確認してください。
平鍬の使い方
平鍬は浅い土をすくうような作業に向いている形状です。刃の重さを使って土に刃先を入れ、土を削るように手前に引くことで、効率的に土を耕すことができます。
平鍬を持つ際は、利き手を前にし、もう一方の手で柄の端部を持ちましょう。
土に向かって深く突き刺して耕すと身体に負担がかかるうえに、テコの原理が働いて刃が曲がる可能性があるため避けてください。また、深く耕すような作業にはやや不向きです。
備中鍬の使い方
備中鍬は、主に粘土質の土地や硬い土を砕く際に使われます。備中鍬も、平鍬と同様に利き手を前に、もう一方の手で柄の端部を持って使用します。
刃の重さを使って、振り下ろしながら土を砕く道具なので、腕の力で砕かないように注意してください。空気を入れるように、塊になった土を細かく崩しながら耕すと効率的に作業を行えます。
鍬(くわ)を使うときの注意点
鍬(くわ)を使うときは、以下のポイントに注意しましょう。
- 刃先を素手で触らない
- 鍬(くわ)に無理な力を加えない
- 柄の先を持たない
鍬(くわ) の刃先は鋭利なので、素手で触ると大変危険です。作業を行う際は手袋や軍手を装着し、むやみに刃先を触らないようにしてください。
また、柄の先を持って作業をすると腕の力が必要になり、身体を痛めてしまう恐れがあります。正しい姿勢で作業を行いましょう。
鋤(すき)の使い方
続いて、鋤(すき)の使い方を解説します。基本は以下の手順に沿って使いましょう。
- 地面に刃先を差し込む
- 足かけに足を置いて、体重をかけて刃先を押し込む
- 持ち手を手前に引いて、土を掘り起こす
鋤(すき) は、テコの原理で土を掘り起こす仕組みです。腕力だけで刃先を押し込むと体に負担がかかるため、刃の重さを利用して振り下ろすことを意識しましょう。
鋤(すき)を使うときの注意点
鋤(すき)を使うときは、以下の点に注意しましょう。
- 根菜類を掘り取る際は作物を傷つけないよう注意する
- 刃先を素手で触らない
- 使ったあと水気をとる
じゃがいもなどの根菜類を掘り起こす際、雑に扱うと作物を傷つけてしまう恐れがあります。作物に傷がつかないよう、慎重に作業を行いましょう。
また、鋤の刃は鉄でできているため、水気がついたまま放置すると錆びてしまいます。適切な手入れを施し、使用後のメンテナンスを徹底することをおすすめします。
鍬(くわ)や鋤(すき)のお手入れ方法
鍬(くわ)や鋤(すき)は、使用後のお手入れが大切です。お手入れの際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 使用後は汚れや水分を落とす
- 風通しの良い冷暗所で保管する
それぞれのポイントを解説します。
使用後は汚れや水分を落とす
鍬(くわ)や鋤(すき) を使用したあとは、汚れや水分をしっかり落としましょう。汚れがひどい場合は、刃物専用のクリーナーを使うとキレイに保てます。
使用後に汚れたまま放置すると、サビの原因になるほか、切れ味が悪くなるなどトラブルに繋がる恐れがあります。
また、どんなにしっかりとお手入れしていても、使用していると徐々に劣化していくものです。刃が錆びたら、研ぎ直したり交換を行ったりとメンテナンスをしましょう。
風通しの良い冷暗所で保管する
使い終わった鍬(くわ)や鋤(すき)は、風通しの良い冷暗所で保管してください。直射日光が当たる場所に置いておくと柄が歪む場合があるほか、湿度が高い場所では金属のパーツが錆びてしまいます。
頻繁に使用する場合、畑に置いておきたくなるかもしれませんが、外だと気温や雨、紫外線などの影響を受けやすいためできるだけ室内で保管しましょう。室内に収納するときは、刃の部分を新聞紙などで包んでおくと錆防止になります。
まとめ
鍬(くわ)や鋤(すき)は農具の一種であり、畑を耕したり、土を砕いたりといった用途に使用される道具です。それぞれいくつかの種類があるため、用途や使う場所に合わせて選びましょう。
作業面積が広い場所や固い地質の場合は、機械式の自走ロータリー(耕運機)などもあります。動力タイプも参考にすると良いでしょう。
正しいお手入れ方法を取り入れることで、キレイな状態で長く使用できます。この記事も参考に、使用用途や自分に合った鍬(くわ)や鋤(すき)を選んでください。

監修者
なかむら氏 ガル事務所
商社での切花の輸出入業務の経験を活かし、25歳のときに独立。以来お花と樹木に30年以上関わり続けている。ひきこもり支援相談士としての活動では、お花や樹木に触れることで情緒の安定や老人介護施設での痴ほう療養に貢献する『園芸療法』や、過疎地での独立就農支援のための花卉栽培技術指導に力を入れている。東日本大震災の際にはボランティア活動として花苗栽培と植込みを行うなど、造園業界に新風を吹かせるべく、日夜奮闘中。
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