更新日:2024年10月31日
おすすめ昇降デスクの選び方ガイド|種類や特徴、メリットも紹介

デスクの高さを自由に変更できる昇降デスクは、従業員の生産性向上が期待できるとして近年注目を集めているオフィス家具です。座りっぱなしの時間を軽減し、必要に応じて立ち上がった状態で作業できるため、身体への負担を軽減し、健康維持にも役立ちます。この記事では、昇降デスクを導入するメリットや種類、選び方のポイントを解説します。
昇降デスクのメリット

昇降デスクは、天板の高さを調節できる機能を備えたデスクです。一人一人の体格や作業姿勢などに応じて高さを微調整できる上、立った状態で仕事ができるスタンディングデスクとしての使用も可能です。
座ったままの姿勢から立ち姿勢へと自在に切り替えできるメリットもあります。必要に応じてデスクの高さを変える使い方によって、身体への負担軽減や生産性の向上が期待できるとされています。
身体への負担軽減
デスクワークで長時間座った姿勢のまま仕事をしていると、背中や腰などに負担がかかります。要約版の「WHO身体活動・座位行動ガイドライン」では、座りすぎがガン・心臓病・2型糖尿病の発症リスクを高めるとして、座りっぱなしの時間を少しでも減らし、体を動かす時間を取り入れるべきであると推奨しています。
仕事中も、座りっぱなしでは身体への負担が大きくなり、病気にかかるリスクが高まるため注意が必要です。特に姿勢が前のめりになった状態で仕事をしていると、肩こりや首、背中や腰などが痛む原因にもなります。
昇降デスクを使用した場合、ずっと座っていた状態から立った状態に切り替えて仕事ができるため、身体への負担を軽減することが可能です。さらに仕事中に立ち姿勢を取り入れることで、ストレッチや歩行などの軽い運動が自然と誘発されるようになり、運動不足の解消にも有効です。
参照元:日本運動疫学会/国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所/東京医科大学「WHO身体活動・座位行動ガイドライン(日本語版)」
生産性向上
昇降デスクを使用すれば、パソコン作業や書類作業など作業内容に応じて仕事をしやすい位置に天板の高さを調節することが可能です。デスクの天板を適度な高さに変えると、楽な姿勢を維持しながら仕事ができるため、業務の効率化にもつながります。
昼食後などで仕事中に眠くなってしまった場合には、天板を高く上げて立ち姿勢に切り替えて作業するのがおすすめです。眠気と闘いながら椅子に腰かけて仕事を続けるのではなく、立ち上がった状態で眠気を解消してから仕事にとりかかることで、頭がすっきりした状態で仕事に臨みやすくなります。
また、立ち上がっていることによってオフィス内の状況が見やすくなり、周りの従業員に声をかけやすくなるため、社内コミュニケーションの促進につながるのもメリットのひとつです。
昇降デスクがおすすめの職場

事務職やプログラマー、ウェブデザイナー、ライターなど、長時間の座り仕事が必要な職場や職種には、座っているだけでなく立った状態でも仕事ができる昇降デスクの導入がおすすめです。
近年ではオフィスにおける従業員の健康管理に注目が集まっており、健康経営によって従業員の生産性向上を目指す企業も増えてきています。職場環境を改善し、従業員の健康促進や業務効率のアップにつなげたい企業にも昇降デスクの導入は検討すべき選択肢のひとつです。
昇降デスクの選び方
昇降デスクには、天板の昇降方法や昇降範囲、サイズ、厚み、脚の形状などによってさまざまな種類があります。また、姿勢をサポートする機能や安全に配慮した機能を備えた商品もあり、どのような基準で選ぶべきか迷う人もいるかもしれません。ここでは、最適な商品を選ぶためのポイントを紹介します。
昇降方法
昇降方法は主に手動式と電動式の2種類があります。電動式の方がスムーズに天板の高さ調節ができる一方、コストがかかります。利便性とコストを照らしあわせて選びましょう。
手動式昇降デスクの特徴
手動式昇降デスクは自分の手で操作してデスクの高さを調節するタイプで、ハンドル式とガス圧式の2種類があります。ハンドル式は手でハンドルを回して天板の高さを変更し、ガス圧式ではレバーを操作してガスシリンダーのガス圧を利用して高さ調節を行います。
手動式は比較的安価での購入が可能で、導入時の費用を抑えられる点がメリットです。デスクを設置する際に電源が必要ないことから、近くにコンセントがなくても設置できます。デスク自体の重量は電動式に比べて軽いので移動も簡単です。
ただし、ハンドル式の場合は天板を昇降する際に力が必要になります。電動式よりも高さ調整の際に手間がかかり、作業の手を止める必要があるため、集中力が途切れてしまう点がデメリットです。
電動式昇降デスクの特徴
電動式昇降デスクは、モーターを利用して電動で天板の高さを調節するタイプのデスクです。ボタンを操作するだけで簡単に高さ調節ができるため、スムーズな高さ調節が可能です。仕事の際に頻繁に姿勢を変える場合にも、少ない動作で自由に高さ調節をしながら仕事に取り組めます。
普段よく使う高さを保存できるメモリ機能付きデスクを選べば、昇降の際に細かい調整が不要になります。
ただし手動式と比較すると価格が高額で、導入時には費用がかかります。昇降に電気を使用するため、電源がない場所では使えない、デスクの重量が重く移動に手間がかかる点などがデメリットです。
昇降範囲
さまざまな身長の従業員が使えるよう、昇降可能範囲が広いデスクを選びましょう。高さの合わないデスクを使っていると疲れやすく、肩こりや腰痛の原因となります。
立った姿勢で天板に腕を乗せ、腕の角度が90度以上で使用できる高さかどうかがポイントです。身長180cmの人が立ち姿勢で無理なく使用できる高さは110cm程度とされているため、昇降範囲が最大で115cmほどあるデスクを選ぶと背の高い従業員でも余裕を持って使えます。
一方、座って使用する場合のオフィスデスクの高さは、一般的に72cm程度です。小柄な人が座って仕事をする場合には、72cmよりも低い高さに調節できるデスクがおすすめです。
天板サイズ
デスクの天板サイズは、設置するスペースや用途に応じて選ぶことが大切です。天板サイズが広い方が作業しやすい反面、広い設置スペースが必要です。反対にサイズが小さいと、狭い場所にも置ける反面、作業スペースが不足して作業効率が低下してしまいます。
また、昇降デスクは天板を上下に動かすため、壁面や左右の物と擦れないよう天板の幅や奥行きぴったりではなく多少余裕を持ったスペースが必要になります。
仕事で使用するパソコンやモニターなどのサイズに応じて天板のサイズを選ぶことも大切です。基本的には、オフィスでは天板の横幅が120cm程度のサイズが多く使用されています。横幅が120cm以上あれば、デスクの上にノートパソコンとノートや紙の資料などを置くスペースが取れます。
設置スペースに余裕がない場合、それほど広いスペースが必要ない場合には、横幅100cm未満×奥行き60cm程度がおすすめです。
デスクトップパソコンやモニターを2台置いて仕事をするのであれば、140cm以上の横幅が必要です。モニターを置く場合には奥行きにも考慮しましょう。奥行きは70cm程度あると目に負担がかからない距離を保つことができます。
天板の厚みと耐荷重
デスクトップパソコンや大量の資料など、デスクに重い物を置く場合には耐荷重の高いデスクを選びましょう。オフィスデスクの耐荷重は40〜200kgと幅があります。
ノートパソコンを置くだけであれば40kg程度でも問題ありません。デスクトップパソコンは10kgほどの重さがあり、さらにデュアルモニターや周辺機器、本・資料を置く場合には、かなりの重量になります。デスクに何を置くかを事前に検討し、デスクの耐荷重を調べて購入することが大切です。
また、デスクにクランプタイプのモニターアームを設置する場合には、天板の厚みにも注意が必要です。天板に厚みがあるほど丈夫で安定感が出る一方、厚すぎてもクランプの取りつけができなくなる場合があります。クランプの最大口幅とデスクの厚みを確認し、設置できるかどうか確認しておきましょう。
脚のタイプ
昇降デスクは、高さを調節する支柱を床に接する脚で支える構造になっています。脚のタイプは大きくエの字型とコの字型の2種類です。
エの字型は横から見た際に支柱が真ん中にあるタイプです。上に物を置いても安定感があり、揺れが少ない一方、座って作業している時に自分の足がデスクの支柱に当たりやすいというデメリットがあります。
コの字型は天板の奥側に脚がついており、足元を広く使えるのが特徴です。デスクワゴンなどを置きたい場合に適しています。一方でエの字方と比べると前後の揺れが気になる場合があります。
おすすめの昇降デスク
昇降デスクには、サイズや機能などが異なるさまざまな種類があります。幅広いニーズに合うおすすめの昇降デスクを紹介します。
電動式昇降デスク
電動式昇降デスクは、ボタンひとつでスムーズに高さ調節ができる昇降デスクです。座り姿勢から立ち姿勢への切り替えが簡単にできるため、作業を邪魔せず使用できます。
手動式に比べると高さ調節以外の機能も充実しています。特に便利なのが自分の体型に合うように設定した高さを登録しておけるメモリー機能です。あらかじめ座り作業用の高さと立ち作業用の高さを登録しておけば、その都度調節する必要がありません。
ほかにも、天板の昇降中に衝撃を受けると動作が自動で停止する障害物探知機能や、後傾姿勢での作業を可能にする天板の傾斜機能などを搭載した商品もあります。
オフィスの雰囲気に合わせたデスクを選びたい場合は、カラー展開が豊富な商品がおすすめです。
高さ120㎝以上になる昇降デスク
天板の高さを120cm以上まで上げられる昇降デスクであれば、身長180cm以上の高身長の人でも腰をかがめたり前のめりになったりすることなく楽な姿勢で作業ができます。72〜120cmの範囲で高さを調節できるタイプであれば、1台でさまざまな身長の従業員に対応でき、フリーアドレススペースへの設置にもおすすめです。
奥行き65㎝以上70㎝未満の昇降デスク
A4サイズの書類を広げながらパソコン作業をするなら、奥行き65㎝以上70㎝未満のデスクがおすすめです。少しコンパクトなサイズ感ですが、奥行きが70cmほどのデスクなら、モニター使用時の圧迫感がそれほど生じません。
奥行きはコンパクトでも、横幅は110cm〜170cm以上まで、幅広いサイズが用意されているため、用途に合ったデスクを選べます。
また、天板は手前のエッジ部分も重要です。エッジ部分に丸みがないと、作業中に天板の角が腕に当たり集中できない可能性があります。エッジ部分が丸くなっているデスクや、やわらかいソフトエッジ、エッジを斜めに削った「船底エッジ」などのデスクを選ぶと、作業がより快適です。
幅140㎝以上150㎝未満の昇降デスク
横幅が140cm〜150cmのサイズは、オフィスデスクの中でもゆとりのあるサイズです。モニターを2台置いて作業を行う場合や、A3などの大きいサイズの書類を広げて仕事をする場合に便利です。天板の耐荷重量が80kgと十分な重さに耐えられる仕様のデスクもあり、モニターを2台載せたままの昇降も安定して行えます。
デスクにいろいろな物を置いて仕事をしなければならないなど、昇降デスクの耐荷重量が心配な場合でも安心です。
大きめの昇降デスクは、ミーティングテーブルとしての使用も可能です。モニターやキャスターの取りつけが可能な昇降デスクは手軽に移動でき、モニターを使いながらの説明ができるほか、集中して短時間に行うスタンディングミーティングなどにもおすすめです。
まとめ
昇降デスクは、天板の高さを調節できるデスクです。体格や作業に合わせた高さ調節や、座位から立ち姿勢への切り替えができるため、効率的に仕事に取り組めます。従業員の健康維持も役立つことから、導入する企業も増えてきています。職場環境の改善や健康経営の推進に向けて、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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