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更新日:2025年5月15日

返信用封筒の書き方は?マナー・注意点をイラスト付きで解説

封筒を持つビジネスマン
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返信用封筒は、正しい書き方やマナーを守ることで、取引先や顧客とのスムーズなやり取りが可能になります。ビジネスシーンでは、書類の送付などを行う際に利用されることが多くあります。本記事では、返信用封筒の基本的な書き方や注意点をイラスト付きで詳しく解説します。正しい宛名の書き方や差出人情報の記載方法を学び、ビジネスでのコミュニケーションを円滑に進めましょう。

返信用封筒とは

相手に返信を促すために同封する封筒が返信用封筒です。申込書やアンケート、契約書などを封書で送り、必要事項を記載して送り返してほしいときがあります。その際にあらかじめ切手を貼った返信用封筒を同封します。返信用封筒を同封することで、受取側が手間をかけずにスムーズに書類を送り返すことが可能です。返信用封筒に自社の住所と担当者名を記載すれば、宛名ミスによる誤送付を防げ、書類のやり取りを効率化できます。

ただし、契約書、依頼書、申請書、見積書などの「信書」に該当する書類を送る場合、返信用封筒の取り扱いも一般の郵便とは異なるため注意が必要です。ゆうパックやゆうメールなどは利用できないため、適切な送付方法(定形郵便、定形外郵便、書留、特定記録郵便など)を選んでください。また、封筒は中身が透けないものを使用しましょう。

返信用封筒の正しい書き方

ここからは、取引先などから返信用封筒が入った契約書などが届いた場合の返信方法について解説します。返信用封筒の書き方には、一般的にビジネスシーンで行われている一定のルールがあります。

返信用封筒の書き方

1. 宛名の「行」を「御中」「様」に書き換える

返信用封筒の表には送付先が印刷されていますが、宛名の最後の文字を確認しましょう。宛名の最後には「〇〇課行」や「〇〇課〇〇〇〇宛」などと記載されていることが一般的ですが、そのまま返送するのはマナー違反とされています。

返送する際は、「行」「宛」を二重線で消し、企業名に対しては「御中」、個人に対しては「様」に書き換えましょう。二重線を引くのはフリーハンドでかまいません。まれに「〇〇係」と書かれていることがありますが、その場合は「係」を消さず、その下に「御中」を書き足してください。「御中」と「様」の使い分けですが、宛先が企業や団体の場合は「御中」、個人の場合は「様」を使うのが一般的です。企業名や部署名の後に印影がある場合は、「行」を二重線で消し、「様」を書き足してください。

宛名書き例

  • 宛名が企業や団体などの場合は「御中」
    〇〇株式会社 〇〇部 ●●課御中
  • 個人宛の場合は「様」を使用
    〇〇株式会社 〇〇部 ●●課 佐藤悟様
  • 宛名に「係」が付いている場合は係を消さず、その後に「御中」
    〇〇株式会社 〇〇部 〇〇担当係 御中
  • 印鑑が押されている場合は印影の後に「様」
    〇〇株式会社〇〇部(佐藤※印影)様

また、信書を送る際には左下に「請求書在中」などと書類の内容を記載してください。

【注意1】敬称である「御中」と「様」の併用はできない

敬称はひとりの人に対して2つ以上使うことはありません。そのため、宛先に企業名と個人名の両方が記載されていたら、企業名には「御中」を付けず、個人名の後に「様」を書けば大丈夫です。うっかり併用してしまいがちですが、「御中」と「様」を同時に使わないよう注意しましょう。

<NG例>
株式会社〇〇御中 佐藤悟様

<OK例>
株式会社〇〇 佐藤悟様

【注意2】宛名が連名の場合はそれぞれに「様」を付ける

宛名に複数の名前が書かれていたら、「行」または「宛」などを二重線で消し、それぞれの名前に「様」を付けます。失礼な印象を与えるので、一方の方だけに「様」を付け忘れることがないように注意してください。

<NG例>
佐藤悟 鈴木陽介様

<OK例>
佐藤悟様 鈴木陽介様

2. 裏面には差出人(返信元)の情報を書く

返信用封筒を使用する際は、必ず裏面に自社(担当者)を返送元として記入しましょう。配送トラブルが発生した際に、確実に返送されるようにするためです。

ビジネス用途では、以下の情報を正確に記入してください。

  • 企業名、部署名
  • 担当者名
  • 封緘日

裏面に差出人情報を記載する際は、縦書き封筒の場合は左下、横書き封筒の場合は右下に記入するのが一般的です。文字の大きさは宛先よりも小さめにし、控えめに記入するとよいでしょう。また、返信用封筒の表面に差出人の住所・氏名を記入する欄が設けられている場合は、そちらに記入し、裏面への記載は不要です。

【注意1】縦書き封筒・横書き封筒で書き方が変わる

封筒の形式によって、差出人情報の記載位置が異なります。正しい位置に書くことで、受け手に信頼感を持たせることができます。

<縦書き封筒(和封筒)>
裏面の左側に寄せ、文章の末尾をそろえるように記入します。

<横書き封筒(洋封筒)>
裏面の中央部、封筒の下3分の1ほどの位置に、各文頭(始まり)をそろえて記入します。

縦書き封筒では漢数字、横書き封筒ではアラビア数字を使います。

【注意2】差出人がすでに記載されている場合は敬称を消す

返信用封筒によっては、すでに差出人情報が印刷されていることがあります。その際、宛名に敬称である「様」が付いている場合は、返送時に二重線で消します。敬称は相手に使うもので、自分に付けるのは不適切です。「様」を消した後は、特に何も追記する必要はありません。

3. 返信用封筒は封字の「〆(しめ)」を記す

返信用封筒で信書などを返送する際は、情報漏れや改ざんを防ぐため、封をしっかりと行う必要があります。封をしたことを示すために、縦書きの和封筒では封筒のふたの接着部分の中央に「〆」などの封字を書くのが一般的です。ただし、横書きの洋封筒では封字を書く習慣はなく、糊付けやシールで封を閉じるのが一般的です。

【注意1】「×(バツ)」ではない

「〆」は「締め」という意味がきちんと伝わるよう、正しく書く必要があります。しかし、シンプルな文字のために、他の字と誤用されるケースがあります。例えば「×(バツ)」の文字です。

「〆」と似ているので間違いがちですが、使わないように注意してください。1画目と2画目を同じ長さにすると「×」に見えやすいので注意が必要です。

また、「〆」はカタカナの「メ」とも形が似ていますが、全く異なる文字です。書き分けは難しいですが、1画目を「ノ」のように下向きに払うと「メ」に見えてしまいます。そこで1画目はやや上向きにそるようにしてください。

正式な書類送付であることを示すためにも、必ず正しい封字を記載するようにしましょう。正しい封字を用いることで、相手に対して礼儀正しい印象を与えます。

【注意2】横書き封筒の場合は「〆」を記さない

横書き封筒

横書き封筒(洋封筒)では、封字「〆」を記す必要はありません。これは日本独自の文化であり、縦書き封筒(和封筒)におけるマナーだからです。洋封筒は海外の形式にならって、糊付けやシールで封を閉じるのが一般的です。そのため、封字を書く慣習はありません。重要書類を送付する場合も、封をしっかり糊付けすれば十分です。

返信用封筒の書き方以外で注意したいこと

返信用封筒を正しく書くだけでなく、送付時のマナーにも注意が必要です。特に、添え状の有無や書き損じの対応は、受け取る相手に対する印象を左右するポイントになります。円滑なやり取りのために、以下の点を意識しましょう。

添え状を入れる

必須ではありませんが、返信用封筒に添え状を同封すると、より丁寧な印象を与えます。

ビジネスマナーの観点からも、お礼を述べることができるうえ、何のために、また何を返送したのかを簡潔に伝えられるメリットがあります。さらに、必要に応じて返信内容を補足できるため、行き違いによるトラブルを防ぐことも可能です。

封入することによるデメリットは特にないため、可能な限り添え状を用意するとよいでしょう。添え状に記載する内容としては、以下の項目を記入してください。

  • 送り先の企業名・氏名
  • 送り主の企業名・氏名
  • あいさつ文
  • 同封物の内容
  • 必要に応じた内容物の補足説明
  • 日付

書き損じた場合は修正液・修正テープを使用しない

返信用封筒を記入する際に書き間違えた場合は、修正液や修正テープは使用せず、二重線で訂正しましょう。通常の封筒であれば書き損じをした場合には新しいものを使用するのがマナーです。しかし、取引先が用意してくれた返信用封筒を使用する場合には、ミスをした部分を二重線で訂正します。

ビジネス文書や公的な書類での、修正液・修正テープの使用は避けてください。これは、修正が不正行為と疑われる可能性があるためです。書き間違えた際は、見やすい形で二重線を引き、その上に訂正した内容を記入するのが適切です。水に濡れるなどして、どうしても見栄えが気になる場合は、新しい封筒に書き直すことを検討しましょう。

また、書き損じを心配して消せるタイプのボールペンを使用する方もいますが、避けてください。こすれると消えたり、改ざんされたりする恐れがあるので、ビジネス用の文書や封筒では油性のペンがおすすめです。

返信用封筒を自社で準備する場合のポイント

返信用封筒を準備する際は、相手がスムーズに返信できるように工夫することが重要です。適切な準備を行うことで、相手の手間を減らし、円滑なやり取りが可能になります。

切手を貼っておく

封筒に切手を貼る

返信用封筒を準備する際は、必ず切手を貼り付けた状態で同封しましょう。封筒に切手を貼っておくことは基本であり、切手を別途同封するのは避けるべきです。切手を貼ることで、相手が返信の際にわざわざ郵便局へ行く手間を省けます。

料金不足にならないよう、封入する書類の重さを考慮し、適切な額面の切手を貼ることも重要です。サンプルを郵便局に持っていき重さを量ってもらったうえで、必要な切手代を確認しておくと心配がありません。

また、顧客にアンケートや通販の申込書などを送る場合には、郵便局の「料金受取人払」制度を利用するのもひとつの選択肢です。料金受取人払とは、返信用封筒に専用の許可表示を印刷し、郵便料金を受取人側が負担する仕組みです。この方法を利用すれば、相手が切手を貼る手間が不要になり、よりスムーズな返送が可能になります。さらに、返信があった分だけ料金を支払うため、無駄な費用を抑えられます。

利用するには、郵便局に申請するなどの、事前準備が必要です。配布するのも100枚以上という条件があります。返信用封筒の用途や送る相手に応じて、切手を貼る方法と料金受取人払のどちらが適しているかを検討してください。

返信用の封筒の表面には宛名に「行」を記載する

返信用封筒の表面には、自社の宛名を記載しておき、取引先やお客さまが手間なく返信できるようにします。「企業名 + 行」または「企業名+個人名+行」の形で記載します。「行」以外では「宛」を使うこともありますが、ビジネスシーンでは「行」の方が一般的です。「行」を記す際には、相手が返信時に「行」を「御中」や「様」に修正しやすいように、「行」の周辺のスペースを確保しておくと親切でしょう。

裏面は白紙のままにする

返信用封筒の裏面は、基本的に白紙のままで問題ありません。取引先の住所、企業名、担当者名などを記載することもありますが、特に決まりはありません。取引先が異なる担当者名で返信をしたいと考えるかもしれませんので、基本的にはお任せするのがよいでしょう。

まとめ

返信用封筒の書き方にもさまざまなビジネスマナーがあります。宛名の敬称を正しく書き換えるなど、ミスなく正確な記入を行ってください。また、縦書き封筒の場合は、封を閉じた後に封字「〆」を記入しましょう。また、自社で返信用封筒を準備する場合は、切手の貼付や宛名の記載にも配慮が必要です。

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