更新日:2026年1月28日
印鑑の種類には何がある?用途や素材、書体の違いや使い分けを解説

印鑑には、用途や材質、書体などによってさまざまな種類があります。そのため、業務を円滑にトラブルなく進めるには、使用シーンや使用頻度などに適した種類の印鑑を選ぶことが肝心です。
本記事では、個人や会社が使用する印鑑の種類を、用途や素材、書体の点から解説します。会社設立に際し印鑑を用意したい方や、印鑑を正しく使用したい方は、ぜひ参考にしてください。
【用途別】法人用の印鑑の種類

印鑑にはさまざまな種類があります。そのため、新たに印鑑を作るにあたって、どのようなものを選べばよいか悩む方もいるでしょう。
印鑑の種類は、法人用と個人用で用途が異なります。法人用の主な印鑑は、以下の4種類です。
- 会社実印
- 会社銀行印
- 会社認印
- ゴム印
それぞれを詳しく見ていきましょう。
会社実印
会社実印(代表社印)は、会社を設立し法人登記する際に法務局に届け出る印鑑です。会社実印は会社にとって非常に重要な印鑑であり、公的書類や契約書の作成時に使用されます。
会社実印が使用される主なケースは以下の通りです。
- 代表取締役に変更があった時
- 株券を発行する時
- 法人が不動産を売買する時
- 不動産を担保にする時
- 企業を買収する時
重要な契約で使用されるため、盗難や紛失防止に細心の注意が必要です。特に使用頻度が低い場合は、金庫などに保管し、管理者を限定するなど厳重に管理しましょう。
会社実印は一般的に丸型の印鑑で作られ、印面は二重円になっています。内側には役職名、外側には会社名が刻まれるのが一般的です。作成する際には、併せて朱肉や捺印マットも揃えておきましょう。
会社銀行印
会社銀行印は、法人名義の銀行口座を開設する際に金融機関に届け出る印鑑です。口座開設のほか、入出金や小切手の振り出しなど、金融取引でも使用します。
会社銀行印は一般的に丸形で作られ、二重円の印面の内側に「銀行之印」という文言、外側には会社名を刻みます。
会社銀行印は、会社の資産管理に直結する重要な印鑑です。会社実印との併用もできますが、紛失や盗難のリスクに備えて、別々に作成しておくことが望ましいでしょう。また、不正利用を防ぐためにも、使用後は必ず金庫などの施錠できる場所に保管し、管理者を限定して取り扱うことが重要です。
会社認印
会社認印とは、法務局への届け出が不要な印鑑です。日々の書類作成や郵便物の受け取りなど、重要度がそれほど高くないシーンで使用します。
認印の作成は法律で定められてはいませんが、会社認印を作成しておくことで会社実印や銀行印の使用頻度を減らし、紛失や盗難のリスクを軽減できます。
ゴム印
ゴム印は認印の種類の一つです。印面に会社名や住所、郵便番号などが刻まれるため、住所印とも呼ばれます。
ゴム印は、作成が必須なわけではありません。そのため、住所を記載する頻度が少ない会社であれば必ずしも必要ではないでしょう。しかし、業務で請求書や領収書、封書を頻繁に作成する場合は、ゴム印を活用することで、業務負担を軽減できます。
【用途別】個人用の印鑑の種類

個人用の印鑑には、主に以下の4種類があります。
- 実印
- 銀行印
- 認印
- 浸透印
それぞれの特徴をしっかりと確認し、適切な使い分けを目指しましょう。
実印
実印とは、市区町村窓口で印鑑登録を行った印鑑のことです。原則として15歳以上の方であれば、1人1本まで登録できます。
実印を使用する場面は、以下の通りです。
- 不動産を売買する時
- 遺産を相続する時
- 住宅ローンを契約する時
このように、実印は個人の資産に関わる重要な契約に使用されるため、偽造が難しい手彫りの印鑑が選ばれることが多いです。
しかし、自治体によっては、登録できる印鑑に規定が設けられている場合があります。スムーズに登録するためには、規定を事前に確認しておくと安心です。
銀行印
銀行印は、銀行や信用金庫などの金融機関に届け出た印鑑です。銀行印は、口座開設時だけでなく、以下の手続きでも使用します。
- 入出金
- 氏名や住所など登録情報の変更
- クレジットカードの作成
銀行印の紛失や盗難により悪用されると、勝手に預金を引き出されるなど、損失を被るおそれもあります。銀行印も実印と同様、厳重な管理を心がけましょう。
認印
認印とは、市区町村や金融機関に登録をしていない印鑑です。日常生活のなかで確認や承認を行う場合に使用します。
認印を使用するシーンの一例は、以下のとおりです。
- 宅配便を受け取った時
- 回覧板を確認した時
- 役所に書類を提出する時
認印は、複数所有していても構いません。文字や大きさの規定もありませんが、実印や銀行印と見分けがつきやすいものにすると、管理しやすくなります。
浸透印
浸透印はハンコ内部にインクが内蔵されたスタンプタイプの印鑑で、朱肉を使わずに押印できる点が特徴です。代表的なメーカーにシヤチハタ株式会社があり、「シヤチハタ」という名称の浸透印が広く知られています。
インクが内蔵されているため、日常業務での認印として手軽に使えますが、印面がゴム素材のため経年劣化によって、インクが薄くなることがあります。そのため、実印や銀行印としては使用はできません。認印としては広く使用できますが、契約書や公的書類などでは「シヤチハタ不可」としているケースもあるため、書類作成時には事前に確認すると安心です。
【素材別】印材の特徴と選び方

印鑑の素材は、木材のほか角や牙、金属、アクリルなどさまざまな種類があります。素材によって、耐久性や価格が異なるため、用途に合わせたものを選ぶことが大切です。
ここでは、印鑑の代表的な素材の特徴を解説します。
木材
木材は、自然素材ならではの手触りの良さが特徴の素材の一つです。木の種類にもよりますが、加工がしやすく、手ごろな価格で購入できる点が魅力です。柘植やオノオレカンバ、黒檀、楓など多様な種類があり、予算や用途に合わせて選べます。
しかし、木材は湿気や乾燥に弱いため、他の素材と比較すると耐久性は高いとはいえません。そのため、長期間利用する実印や銀行印などには適しておらず、認印として使用するのがおすすめです。
角・牙
角や牙は、古くから印鑑に使用されている素材です。木材と比べて耐久性が高く、長期にわたり使用できます。また、表面には光沢を帯びており高級感があることから、実印や銀行印に適した印鑑といえるでしょう。
一方で、湿気や乾燥に弱く、ひび割れたり、反ったりしやすい特徴があります。保管する際は、専用ケースを使用し、湿度の管理に注意が必要です。
その他
近年では、金属製の印鑑や樹脂製の印鑑も発売されています。
金属製で人気が高いのは、非常に高い耐久性をもつチタン製の印鑑です。メンテナンスをほとんどしなくても劣化が少なく、長期での使用が見込めるため、実印や銀行印に選ぶ方が増えています。
チタン製の印鑑は、他の素材と比較して価格が高めです。チタン製を希望する場合は、事前に価格を確認し、予算と照らし合わせて購入を決定しましょう。
樹脂製では、アクリル素材の印鑑が人気です。手ごろな価格で購入できることに加え、カラーバリエーションが豊富なことから、印鑑をおしゃれに楽しめるでしょう。
アクリル素材の印鑑は耐久性は高めですが、傷つきやすいため、実印や銀行印など、長期で使用する印鑑にはあまり向いていません。
印鑑の書体の違いも押さえておこう

印鑑で使用されるおもな書体は、以下の3つがあります。
- 篆書体(てんしょたい)
- 吉相体(きっそうたい)
- 古印体(こいんたい)
デザイン性が高く読みにくい書体ほど、偽造のリスクは減るでしょう。一方で、一目で名前や会社名を読み取ることは難しくなります。それぞれの特徴を確認し、目的に適した書体を選びましょう。
篆書体(てんしょたい)
篆書体は、中国から伝わったとされる伝統的なフォントです。スタンダードな書体の一つで、会社の印鑑としても多く用いられています。
篆書体は、現代の文字とは形が異なるため読みにくく、偽造が難しいとされます。そのため、法人個人を問わず、実印におすすめの書体です。
吉相体(きっそうたい)
吉相体は、篆書体をもとにデザインされた書体です。印面の中心から外側に向けて、八方に広がるように線が描かれるため、縁起が良いといわれます。
吉相体は、篆書体にデザイン性を加えて作られるためさらに可読性が低く、偽造が難しくなっているため、実印や銀行印に適した書体といえるでしょう。
しかし、吉相体は自治体によって登録不可の場合があります。吉相体の印鑑を実印にしようと考えているのであれば、事前に登録の可否を確認しておくと安心です。
古印体(こいんたい)
古印体は、日本の漢字を元に作られた書体です。馴染みがある書体のため、可読性の高さが特徴として挙げられます。印鑑を押した方の名前が一目で分かるため、認印に適した書体といえるでしょう。
ただし、篆書体や吉相体と比較すると、偽造のリスクが高くなります。そのため、実印や銀行印として利用する際は、十分に気を配って管理する必要があります。
まとめ
印鑑の種類には、実印や銀行印、認印などさまざまな種類があります。
実印と銀行印は、契約や金融機関との取引で使用する印鑑です。会社や個人の資産に直結する印鑑のため、耐久性が高く偽造されにくいものを選ぶと良いでしょう。
認印は、確認や承認の意思を示すために使用する印鑑です。日常生活や日々の業務で使用されるため、浸透印や三文判で問題ありません。誰が印鑑を押したかが一目で分かるように、読みやすい書体を選びましょう。
印鑑は、素材や書体によって、耐久性や価格、見た目、偽造のリスクが異なります。それぞれの特徴を理解し、用途や使用頻度に合った印鑑を選ぶようにしましょう。














