更新日:2025年5月15日
袖机とは?脇机やキャビネットとの違い、失敗しない選び方も紹介

総務や労務、経理など、事務作業が多い職種では、袖机だと書類や事務用品などが収納しやすく便利です。しかし、袖机とはどのようなものなのか、いまいち把握できていない方もいるのではないでしょうか。
そこで、袖机の特徴や種類、袖机を選ぶときのポイントなどを解説します。また、脇机やキャビネットなどとの違いも解説しますので、オフィス家具選びの参考にしてください。
袖机とは?
袖机(そでづくえ)の定義・特徴や種類について解説します。
袖机の定義と特徴

袖机とは、主にオフィスや作業場で使われる、両端または左右のどちらかに引き出し付きの収納が設置された机のことです。一般的に天板と収納は一体化していて、収納は固定されているため動かせません。
しかし、机と収納を別々に置く必要がなく省スペースなので、狭いオフィスや限られた作業空間での使用に向いています。収納部の引き出しは複数あることが多く、文房具や書類、オフィス用品などを整理できて便利です。
また、引き出しに鍵が付いている場合が多いので、重要書類や記録媒体、貴重品などのセキュリティに配慮が必要なものの保管にも役立ちます。
収納力と省スペースを兼ね備えた袖机は、事務作業が多い職種の執務机にぴったりです。さらに在宅ワーク用の机や、学校・図書館で作業スペースを確保するための補助家具などとしても活躍します。
袖机の種類
袖机には、「片袖机」と「両袖机」の2種類があります。片袖机とは、左右のどちらか一方に収納が設置されている袖机です。

収納が右側にある場合は「右片袖机」、左側にある場合は「左片袖机」と呼ばれます。人間は右利きの方が多いことから、机の右側に広めのスペースがある右片袖机の方が広く普及しています。
そして両袖机とは、机の両側に収納が設置されている袖机です。両側に収納があるため、片袖机よりも収納力が高いというメリットがあります。

なお、片袖机は幅100~160cm・奥行70cm、両袖机は幅140~180cm・奥行70cmが主流で、両袖机の方がサイズが大きめです。設置場所や必要な収納量を考慮した上で、片袖机と両袖机のどちらにするのかを決めましょう。
実は違う!袖机と混同されやすいデスク用品3選
オフィス家具のなかには、袖机と間違われやすいものがいくつかあります。特に「脇机」「キャビネット」「デスクワゴン」は、袖机と混同されがちです。最適なオフィス家具を選ぶためにも、それぞれの違いを把握しておきましょう。
1. 袖机と脇机との違い
脇机(わきづくえ)は、机の横に置くための机です。袖机は天板と収納が一体化していますが、脇机は独立しており、単独使用や移動も簡単にできます。

机とは別に置くため、袖机よりも広めのスペースが必要で存在感もありますが、頻繁にレイアウトを変更する場合や机から離れた場所に作業スペースを設けたいときに便利です。
また、単独使用が想定されているためデザインやサイズが幅広く、希望に合うものが見つかりやすいというメリットもあります。
| 袖机が向いているケース |
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|---|---|
| 脇机が向いているケース |
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2. 袖机とキャビネットとの違い
キャビネットとは、大量の書類やオフィス用品、備品を収納するためのオフィス家具です。

サイドキャビネットのように机の下や横に置いて使うものもありますが、複数の引き出しや扉付き収納が備えられていて、オフィスの壁際などに置いて単独で使用するタイプが一般的です。基本は固定して使うオフィス家具として設計されており、重量があるので移動に手間がかかります。
| 袖机が向いているケース |
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|---|---|
| キャビネットが向いているケース |
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3. 袖机とデスクワゴンとの違い
デスクワゴンとは、机の下や周辺に置いて使う独立型の収納家具です。

キャスターが付いているのが基本で、机の下に置いたり離れた場所に備品を運ぶのに使ったりと、さまざまな使い方ができます。移動が簡単なので、オフィス内のどこにでも設置しやすいのも魅力です。
単独使用前提なのでデザインやサイズが幅広く、机とセットで購入する必要もありません。引き出しが浅いもの、引き出しが深いもの、オープン収納のものなど、製品によって収納力や収納方法も異なります。
| 袖机が向いているケース |
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|---|---|
| デスクワゴンが向いているケース |
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袖机の選び方5つ
袖机はメインの執務スペースとして使うことが多いため、使いやすいものを選ぶことが大切です。しかし、何を基準に選んだらよいのかわからない方もいるでしょう。そこで、袖机の選び方を5つの項目に分けて解説します。
1. 設置場所や用途に合うサイズを選ぶ
袖机は省スペースとはいっても、幅が1m以上あるものがほとんどです。両袖机なら幅が180cmのものもあるので、設置場所の幅と奥行を確認し、スペースの広さと袖机のサイズが合っているかどうかを確認しましょう。
このとき、引き出しの開閉や人が通るスペースが確保できているかも、忘れずにチェックしてください。また、机の高さが合わないと身体に負担がかかりやすくなるので、使用者の体格に合う高さのものを選びましょう。
設置場所だけでなく、用途に合うサイズかどうかも重要なチェックポイントです。例えば、机周りの小物を整理したいだけなら、コンパクトな袖机が向いています。多くの書類やファイル、備品などを収納したい場合は、収納力が高い大型の袖机や両袖机がおすすめです。
2. 素材に注目する
袖机の素材は、木材や金属、プラスチックなどさまざまです。素材によって特徴や質感が異なるため、素材にも注目して選びましょう。袖机の代表的な素材と、素材別の主な特徴は下記の通りです。
| 素材 | 特徴 |
|---|---|
| 木材(天然木・合板) | ナチュラルな質感や高級感を求める方におすすめ。天然木と合板のどちらなのかで価格帯や雰囲気が異なる |
| 金属(スチールなど) | オフィス用の机によく見られる素材。実用的で耐久性が高く、モダンなデザインのものも多い |
| プラスチック | 軽量で移動しやすく、カジュアルな用途向き。コストを抑えたいとき、軽作業用の机がほしいときにもぴったり |
| メラミン樹脂・ラミネート加工(木目調・金属調) | 木目調や金属調の人工素材を使った机。現代的でリーズナブルなのが特徴 |
3. 収納力をチェックする
袖机の収納力は、製品によって異なります。引き出しの数や大きさが、収納したいものに合っているかもチェックすることが重要です。
例えば、文房具や小物の収納がメインなら、浅い引き出しが多い袖机が使いやすいでしょう。ファイルを収納したい場合は、深い引き出しが付いている袖机がおすすめです。仕切り付きやファイルホルダー付き、ペントレー付きの引き出しも便利に使えます。
4. 用途に見合う機能が付いているか確認する
袖机を選ぶときは、必要な機能が付いているかどうかも見ておきましょう。重要書類や貴重品を収納するなら、鍵付きの引き出しがある袖机を選ぶ必要があります。
机を移動させることがあるなら、キャスター付きの袖机を選ぶとよいでしょう。安定感重視なら、キャスターなしで重量がある袖机を選ぶのがおすすめです。その他、ケーブル収納や引き出しストッパーなどの便利機能搭載の袖机もあります。
5. 設置場所に合ったデザインを選ぶ
オフィスの雰囲気や既存のインテリアに合うデザイン・素材・カラーのものを選ぶことも大切です。極端な例えではありますが、木目調の落ち着いたインテリアのオフィスに、真っ赤な机があったらどうでしょうか。机だけが周囲から浮いて、悪目立ちしてしまうでしょう。
このような事態を防ぐためにも、使いやすさを重視しつつ、ある程度オフィスの雰囲気に馴染む袖机を選ぶ必要があります。木目調のインテリアには木製の袖机、モノトーンのインテリアならスチールのモダンな袖机を選ぶなどすると違和感がありません。
全体の統一感を重視するなら、袖机を含めたオフィス家具を同じブランドの同じシリーズにするのがおすすめです。
失敗しない袖机選びのポイント
袖机は大型のオフィス家具であり、価格がそれなりに高く処分も大変です。購入後すぐに買い替えにならないように、袖机選びで失敗しないためのポイントも把握しておきましょう。
実際の用途や設置場所を確認する
袖机選びで失敗しないためには、用途や設置場所のサイズを細かく洗い出すことが大切です。単に設置場所の幅や奥行を測るだけでなく、袖机を置く向きや周辺の動線、ほかの家具と干渉しないかなどもチェックした上で選びましょう。
また、何を収納するのか、どれくらいの量があるのか、ファイルを入れるならA4かB5かなどまで考えて、用途に応じた収納力と機能性がある袖机を選ぶと失敗しにくくなります。
耐久性をチェックする
袖机を長く使い続けるなら、耐久性をチェックしましょう。耐久性が低いと、ちょっとしたことで壊れてしまったり劣化してしまったりして、すぐに買い替えることになります。
耐久性の高さを重視するなら、金属製や天然木製を選ぶのがおすすめです。合板やプラスチック製は価格が安めですが、金属製や天然木製と比べると耐久性が劣ります。
また、パソコンやモニター、プリンターなどいろいろな備品を置く予定がある場合は、耐荷重もチェックしておきましょう。
メンテナンスや掃除のしやすさはどうか
袖机の素材によっては、メンテナンスや掃除がしにくい場合があります。例えば、天然木の袖机は反ったりひび割れたりしやすく、水をこぼすとシミになる場合もありメンテナンスや掃除に手間がかかります。
メンテナンスに余計な手間をかけたくない、小まめに掃除したいなどの希望があるなら、メラミン樹脂製や強化ガラス製などの、シミが付きにくく耐久性が高い袖机を選ぶと失敗しにくくなります。また、木製でも防汚効果のあるコーティングが施されている場合は、無加工のものと比べてシミが付きにくいため掃除の手間が省けます。
また、キャスター付きの場合、キャスターのメンテナンスと掃除も欠かせません。髪の毛や異物を巻き込みにくいキャスターか、キャスターが破損した場合に交換できるかなども確認しましょう。
組立品もしくは完成品か
袖机を購入する際には、自分で組み立てるのか、完成品が届くのかも調べることが重要です。組立品の場合、自分で組み立てる手間がかかる代わりに、同程度の完成品よりも価格が安くなります。コンパクトに梱包されて届くため、搬入経路に問題はないかを心配する必要もありません。
しかし、組み立てに時間がかかる上に、袖机のような大きな家具の場合は1人での作業が難しいため人手も必要です。製品によっては、組立用の工具もそろえる必要があります。
一方、完成品は自分で組み立てる手間がかからない代わりに、組み立て作業代が上乗せされるため価格が高くなりがちです。さらに梱包後のサイズが大きいため、送料も高額になります。
袖机のサイズによっては、エレベーターに入らなかったり出入り口を通り抜けられなかったりするため、搬入経路の高さや幅を計測しておく必要もあります。
袖机のような大きく重量がある家具の場合、玄関先での受け渡しになると設置場所間で運ぶのに苦労するため、搬入・設置のサポートサービスがあるかどうかも確認しておきましょう。
まとめ
オフィス用のデスクにはいろいろな種類がありますが、天板と収納が一体化した袖机なら、スペースを節約しつつ収納を確保できます。より省スペースな片袖机と、収納たっぷりの両袖机があるので、設置場所や用途に合う方を選びましょう。
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