更新日:2024年12月26日
冬の乾燥で喉が痛い!ケア方法と対策グッズを紹介

冬に気になるのが喉の痛みです。カサカサ、イガイガしたり、咳が出てきたりすることもあります。また、風邪も引きやすくなります。特にエアコンが効いたオフィスや乗り物の中などは、かなり乾燥していることがあるので注意が必要です。そこで、冬の乾燥と喉の痛みをケアするための対策について紹介します。
乾燥して喉が痛い状態とは
冬になると大気の湿度が下がります。特にオフィスをはじめとした職場は、エアコンやストーブといった暖房の影響もあって乾燥しがちです。喉がカサカサ、イガイガしているのを放っておくと、やがて痛みや風邪などの病気に発展しかねません。
空気の乾燥と喉の痛みには、密接な関係があります。空気や食べ物などの通り道である喉には、ウイルスや細菌、ほこり、花粉などを防ぐバリア機能があります。それが、喉と肺が接するあたりの気道にある線毛です。この線毛は、異物を検知すると外へと追い出してくれる役目を果たしています。
喉が潤っている間はいいですが、乾燥するとバリア機能が正常に働きません。そうなると異物が追い出されず、炎症を引き起こします。一度炎症が起こると、免疫機能も弱まり、ウイルスや細菌に感染しやすくなってしまいます。
こうした外敵による細胞の攻撃を受けると、身体は自分を守るために化学物質を放出し、血管を拡張させます。これにより血液の成分やリンパ液が溜まった状態が、喉の腫れです。腫れは神経を刺激し、喉に痛みが生じます。
喉が痛くなる原因

喉が乾燥して痛くなる原因には以下のようなものがあります。
- 口呼吸
- エアコンの使用
- ストレス
ちょっとした油断が乾燥と痛みを引き起こすので注意しましょう。
口呼吸
口呼吸は、喉の乾燥を引き起こす要因のひとつです。本来、鼻で呼吸するのが理想とされますが、何らかの理由で、口呼吸が中心となってしまう場合があります。口呼吸をすると空気が直接喉に入り、乾燥状態を招くので注意が必要です。日ごろからの癖だけでなく、風邪や花粉症などで鼻が詰まることにより口呼吸となるケースもあります。
また、朝起きると喉が痛い人は口呼吸をしている可能性があります。いびきをかいたり、寝ているときによだれが出たりする人も、口呼吸しているかもしれません。
エアコンの使用
エアコンやストーブなどの暖房機は部屋を乾燥させやすいので、稼働時間には注意が必要です。特につけっぱなしで寝てしまうと、朝起きたときに喉が痛くなっていることがあります。口や喉が乾燥すると唾液の量が減って粘膜の働きが衰え、細菌やウイルスが喉に付着して炎症を起こしかねません。
とはいえ、寒い季節に暖房を切っておくと風邪を引く恐れもあります。喉の乾燥を防ぐためには、室温を20~25℃に設定しつつ、加湿器で湿度50~60%を保つようにしましょう。石油ストーブの場合、上に水の入ったやかんを載せておくのもおすすめです。
就寝時にはエアコンのタイマーを活用して調整してください。また、湯たんぽを使用すると、長時間エアコンを稼働させなくとも冷えを防げます。さらに、ベッドのそばに濡れたタオルをかけておくだけでも乾燥をやわらげられます。
ストレス
ストレスや緊張で、喉が渇くと感じた経験がある人は少なくないでしょう。
渇きの原因は、ストレスや強い緊張によって交感神経が刺激され、唾液の量が減少することです。また、アドレナリンやノルアドレナリン、コルチゾールが分泌され、さらにストレスがかかっていくために喉の渇きが増し、痛みや不快感を引き起こすと考えられています。
ストレスが解消されると症状は軽減しますが、喉の渇きが生活に支障をきたすレベルであったり、長期間ストレスが解消されないと感じたりする場合は、放置すると慢性化しかねないため、早めに受診するとよいでしょう。
乾燥で喉が痛くなった場合のケア方法
乾燥が原因で喉が痛くなったら、以下のような方法で対処してください。
- 喉を刺激しないよう注意する
- 内服薬・外服薬を使用する
- 医療機関を受診する
喉を刺激しないよう注意する
喉が痛いときには喉への刺激を避けてください。例えば硬い食べ物、辛い食べ物、極端に熱い飲み物や食べ物などは喉に刺激を与えます。
ほかには、カフェイン入りの飲み物も喉を刺激するため、痛みがある際は控えるべきです。また、タバコを吸うと炎症が悪化する可能性があるため、これも避けることをおすすめします。飲食だけではなく、大声を出すこともなるべく控え、喉に刺激を与えないよう静かに過ごしましょう。
喉がつらいと感じたら、はちみつや大根おろしなどを食べるのもおすすめです。はちみつには殺菌作用があり、大根は水分も豊富で、喉の痛みをやわらげる効果が期待できる酵素を含んでいます。
内服薬・外服薬を使用する
自然にカサカサや痛みが治まらないようなら、内服薬や外服薬を使うのも手です。
内服薬のイブプロフェンやアセトアミノフェンは鎮痛作用や炎症抑制作用があり、喉の痛みを抑える際にも有効とされています。外用薬としてはアズレンスルホン酸ナトリウムなどを成分としたトローチやうがい薬があります。殺菌を目的にするのであれば、アズレンスルホン酸ナトリウムを成分としたのどスプレーや、うがい薬などの使用が適切です。
また、医薬品以外にも、喉の潤いを保ち、痛みをやわらげる方法として、マスクの着用が挙げられます。
医療機関を受診する
いつもよりも喉の違和感が大きいと思えたら、がまんをせずに医療機関へ行ってください。喉が痛む場合、乾燥や酷使とは別に、何らかの病気である可能性も考えられるからです。
もし風邪やインフルエンザだったら、職場の人や家族にうつしてしまうかもしれません。また、もっと別の病気からくる痛みの可能性もあります。
例えば、以下のような症状がある場合は、速やかに受診することが大切です。
- 頭痛、嘔吐、発熱、腹痛、頻尿などの症状を伴う
- 喉が渇いているのに水が飲めない
- 喉が痛くて食欲が出ない
- 喉の奥に白い斑点のようなものが見える
- 喉の痛みが1週間近く続いている
ほかにもさまざまな症状があるので、心配なときにはすぐに医師に相談してください。
喉の乾燥を対策する方法・グッズ

喉の乾燥が気になるときには、以下のような対策をしてください。
- 部屋を常に加湿しておく
- マスクを着ける
- 水分補給を欠かさない
- 小まめにうがいする
- のど飴をなめる
乾燥をやわらげるのにおすすめのグッズも紹介します。
部屋を常に加湿しておく
冬の空気は乾燥しがちなうえ、暖房を稼働させていて部屋の湿度が不足することもよくあります。部屋の湿度は40~60%以上を保つことが望ましいとされているので、加湿器を使って部屋が乾燥しないようにしてください。
洗濯物を室内に干したり観葉植物を置いたりするのも効果的です。とりわけ植物は根から吸い込んだ水を葉から蒸散するので、部屋に潤いを与えてくれます。緑がストレスを軽減してくれるという点でもおすすめです。
参照:東京都福祉保健局 「健康・快適居住環境の指針」
<参考>
マスクを着ける
外出時や、睡眠時、部屋の乾燥時におすすめなのがマスクの着用です。マスクを着けていると自分の息で口の周りの湿度が高まり、喉の乾燥を防ぎやすくなります。ずっと着用するのはつらいという場合も、バッグに一枚入れておいて、気になるときに着用しましょう。
マスクには、素材やサイズ、形状などさまざまな種類があります。吸い込む飛沫量、吐き出す飛沫量ともに低いのが不織布マスクです。また、保湿性を期待するのであれば平型が向いています。
<参考>
水分補給を欠かさない
喉の乾燥を防ぐには適切な水分補給が重要です。目安として1日2~2.5リットルの補給が推奨されています。食事から約1リットルの水分が補給できたとして、残りの分は飲料水から摂取しなければなりません。
体内の水分量が足りないと喉も乾燥しやすくなるため、喉の渇きを感じてからではなく、定期的に水分を摂取することが大切です。利尿作用があるカフェイン飲料は避け、水や白湯、麦茶などで水分補給を行うようにしてください。
小まめにうがいする
うがいは喉の乾燥対策になり、ほこりなどの違和感の原因を洗い流します。喉に付着したウイルスも洗い流し、風邪の予防に役立ちます。風邪を引いて鼻が詰まり口呼吸になると、余計に喉が渇くようになるので、予防対策はしっかりと行ってください。
外出から帰ったとき、食事の前などが、うがいをする適切なタイミングです。ほかにもイガイガしていると感じたら、うがいをしましょう。その際、うがい薬を使うのもおすすめです。
のど飴をなめる
飴をなめると唾液が分泌されて喉の乾燥がやわらぎます。飴には以下の種類があり、用途に合わせて選びましょう。
- 医薬品タイプ
- 医薬部外品タイプ
- 食品タイプ
医薬品タイプは喉の腫れや痛みなどの症状があるときになめるタイプで、ドラッグストアや薬局で販売されています。医薬部外品タイプは医薬品タイプに比べて手軽に買えます。効果はゆるやかですが、副作用も少ないので少し喉がイガイガするといったときに最適です。
食品タイプは一般的なお菓子として販売されている飴です。口寂しいときや気分転換したいときなどに適しています。食品タイプでも唾液は出るので、乾燥している程度ならば食品タイプでも十分です。
対面での顧客対応などがない部署では、共有スペースに置いておくといった形で、福利厚生の一環として従業員に支給している企業もあります。ぜひ、検討してみてください。
まとめ
冬の乾燥は喉の大敵です。鼻が詰まって口呼吸をしたり、エアコンをつけっぱなしにしたりするとさらに喉が渇き、痛みがひどくなります。そこで、加湿器やのど飴、マスクなどのアイテムを活用して、乾燥を防ぐことをおすすめします。喉の乾燥から風邪、インフルエンザにかかるのを防ぐためにも、日ごろから注意しましょう。


