更新日:2024年12月26日
トイレ掃除の正しい順序とは?トイレタンクの掃除方法や便利な掃除グッズも紹介

職場のトイレを清潔に整え、従業員に気持ちよく使ってもらいたいが、そもそもトイレ掃除の正しいやり方を知らず悩んでいませんか。本記事では、トイレ掃除の手順や便利グッズを用いた清掃方法について解説していきます。トイレ掃除を億劫に思う気持ちを軽くしたい方はぜひ参考にしてください。
トイレ掃除で便利な掃除グッズ

トイレ掃除にはそれぞれの場所に適した道具を使うことが大切です。トイレ掃除に使う道具の中でも、「トイレブラシ」「トイレ用お掃除シート」「トイレ用洗剤」は欠かせないものといえます。
以下ではこの3つの掃除グッズを用途別に紹介します。
トイレブラシ
トイレブラシには2種類のタイプがあり、丸型の半球タイプが広い面を磨くのに適しており、先が曲がった細いタイプは細かい部分の掃除に役立ちます。ブラシの先端は硬めのプラスチック製と柔らかいスポンジ製があります。プラスチック製は頑固な汚れをこすり落とし、水切れが良く衛生的ですが、水が飛び散る可能性があります。
一方スポンジ製は、便器を傷つけず洗うことができ、水の飛び散りが少ないですが、その分水切りが悪いので小まめな交換が必要です。
ヘッド部分が使い捨てのブラシもあり、掃除ごとに交換できる点で衛生的です。
トイレ用お掃除シート
使い捨てのトイレシートは、普段の掃除で気軽に使えるのでおすすめです。
特に、厚手のシートは破れにくく、1枚でしっかり掃除をすることができるので、普段の掃除のハードルが下がります。
しかし、トイレシートは乾燥すると汚れを拭き取れなくなるので、密閉できる容器を用意しましょう。
そして、使ったお掃除シートは、水に溶けにくいものもあり、節水タイプのトイレだと詰まりやすく、トイレに流すことを禁止しているメーカーもあります。流れても配管の中で詰まることもあるので、1枚ずつ流すか、可燃ゴミとして捨ててください。
トイレ用洗剤
トイレ掃除用の洗剤には中性と酸性、塩素系の3種類の成分があり、汚れやどこに使用するかによって使い分けてください。使い分けることでトイレ、壁、床に損傷を与えることなく、洗剤の効果を最大限に発揮することができ、しっかりと汚れを落とすことができます。ここでは正しい洗剤の選び方や特徴について詳細に解説します。
- 中性タイプ
中性タイプの洗剤は、一般的な汚れを落とすことができるので、トイレ掃除に必要不可欠です。
普段のお掃除で使用する場合、除菌成分や消臭効果のあるタイプを選ぶとさらに効果的です。
刺激が強くないので、便器や便座だけではなく、床や壁など多用途で使用できます。
掃除する人にとっても皮膚や爪への影響が少なく、手袋をつけなくても気軽に使用でき、トイレ掃除を習慣化しやすくなります。
- 酸性タイプ
酸性タイプの洗剤は、便器の黄ばみや尿石、ノズルの水垢汚れに効果的です。尿汚れを放置すると、黄ばみや尿石が蓄積し、臭いの原因になります。
酸性タイプの洗剤はとても強力です。床や壁に飛び散った尿の掃除で使用する場合は、水で薄めた洗剤を汚れに吹きかけ、床や壁が傷まないようにしっかり水拭き、乾拭きで仕上げましょう。
- 塩素系タイプ
塩素系タイプの洗剤は、便器の水たまりに沿ってできる黒ずみラインに効果的です。この黒ずみはカビやホコリ、水垢が原因で発生します。
ジェル状の洗剤は粘性が高いので黒ずみに成分が吸着し、こすらず落とすことができるのでおすすめです。
トイレ掃除の順序
トイレ掃除は菌を広げないためにも手順が大切です。
まず洗面台や鏡を掃除し、ゴミや汚物を回収することから開始してください。水まわりやゴミ箱、サニタリーボックスが清潔だとトイレの印象を良くします。鏡のうろこ汚れは弱酸性のクエン酸水を使い、しっかり掃除しましょう。その後は以下の6STEPで掃除を行うことで、清潔を保てます。
- トイレ用シートで便器の外側を拭く
- トイレブラシに洗剤をつけてこする
- マイクロファイバークロスで水拭きする
- 壁を拭く
- 床のゴミを取り除く
- 消耗品を補充する
それぞれ詳しく解説します。
1.トイレ用シートで便器の外側を拭く
「トイレ掃除用シート」を使って、菌の広がりを防ぐために汚れの少ない場所から掃除をします。
まず、便座の裏表をしっかり拭きます。丸まっている箇所の裏を念入りに拭くのがコツで、汚れやすい手前側を重点的に掃除しましょう。
次に、便器の外側を拭きます。男性が立って用を足すと、便器内に溜まった水で尿がはねて便器の外側に付着しますので、忘れずに拭いてください。
2.トイレブラシに洗剤をつけてこする
小便器内はトイレブラシにトイレ用中性洗剤を塗布してこすり洗いします。
目皿裏は、尿石が付着しやすいので、歯ブラシを使い、細かい部分まで磨きましょう。
大便器も同様の方法でこすり洗いします。便器のフチ裏から排水溝の奥まで全体を洗います。特にフチ裏は汚れが付着しやすいので、しっかりこすってください。
最後に水で洗剤と汚れをまとめて流します。
3.マイクロファイバークロスで水拭きする
固く絞ったマイクロファイバークロスでタンクの周りを水拭きします。
タンクは乾いた布やトイレットペーパーで拭くと損傷する恐れがあるので、繊維が細かく柔らかいマイクロファイバークロスを使用しましょう。
また、マイクロファイバークロスは合成繊維なので、布製の雑巾よりも菌が発生しにくく、速く乾き臭いも抑えられます。
次に、金属部分を水拭きし、菌が広がらないように便座フタ、最後に便器本体(小、大便器)の順に水拭きをします。
4.壁を拭く
壁の掃除は汚れている部分を念入りに行います。
男性が立って用を足すと、壁に尿が付着するので、両脇や腰の高さまでしっかり掃除しましょう。
重曹を、ぬるま湯200mlに大さじ1を溶かし、スプレーボトルで雑巾に吹きかけ、黄ばみや臭いを取り除きます。クエン酸は、ぬるま湯200mlに小さじ1を溶かし、重曹と同様に使用してください。尿石防止に効果があります。
カビによる黒ずみは、消毒用エタノールスプレーを雑巾に吹きかけて拭きます。壁の素材によっては傷んでしまうので、確認した上で行いましょう。
5.床のゴミを取り除く
床は、壁よりも尿がはねて非常に汚れる場所なので念入りに掃除しましょう。
ホウキや掃除機でホコリやゴミを取り除いた後、モップがけまたは固く絞ったマイクロファイバークロスで水拭きをします。便器と床の間はゴミが溜まりやすいので、歯ブラシなどを使い取り除きましょう。排水口は臭いが発生しやすいので、定期的に中やフタは、中性洗剤を塗布した歯ブラシでこすってください。
6.消耗品を補充する
最後に、トイレットペーパーやハンドソープなどの消耗品を補充します。消耗品が補充されていないと、管理されていない印象を与えてしまいます。トイレットペーパーのストックは快適に使えるよう衛生面を考えて配置してください。
掃除が当番制の場合は、チェック表に記入しましょう。チェック表を作ることで、いつ誰が清掃をしたか分かり、トイレの衛生管理ができているか確認できます。また、手順を目で確認することで、清掃漏れを防ぐことができるので安心です。
トイレタンクの掃除方法
トイレタンクの中はあまり見る機会がなく、掃除をすることを忘れてしまいます。しかし、トイレタンクは水をためているので、水垢や黒カビが発生しやすく、その汚れを流すことで便器内の黒カビの原因にもなり得ます。
以下の3STEPを参考に、最低でも月1回は掃除しましょう。
- 止水栓を閉める
- 中性洗剤をつけたスポンジでタンク内をこする
- 水で洗剤等を流して完了
それぞれ詳しく解説します。
1.止水栓を閉める
まずは水が流れて来ないよう、タンクのフタを外す前に止水栓を閉めます。次にレバーを回して水を抜くと、掃除がしやすくなります。
2.中性洗剤をつけたスポンジでタンク内をこする
タンクのフタを開け、中性洗剤をつけたスポンジでタンク内をこすり、パイプや溝のある部品の細かい汚れは歯ブラシを使います。部品が壊れないように、優しくこすりましょう。
タンク内の掃除には必ず中性洗剤を使用し、酸性やアルカリ性の洗剤は使用を避けてください。なぜならタンク内の器具を痛める可能性があるからです。
しかしタンクのフタに付着した水垢の掃除には、酸性のクエン酸を使用します。タンクの中にクエン酸が流れ込まないよう注意して使用してください。
こすっても落ちない汚れは、紙やすりで削り落としましょう。
3.水で洗剤等を流して完了
最後に止水栓を緩めますが、水がたまらなかったり、あふれたりすることを防ぐためにも、元の水位まで水がたまるように止水栓を調整しましょう。
元の水位まで水がたまったことを確認後、タンクのフタをして水を流し、汚れや洗剤が全て流れてきれいな状態になれば終了です。
頑固なトイレの汚れを掃除する方法

蓄積された尿の黄ばみや便器の黒ずみなどの頑固な汚れは、普段のトイレ掃除ではなかなか落とすことができません。その汚れに合った正しいやり方で、頑固なトイレ汚れを掃除しましょう。
頑固汚れの代表は以下の2つです。
- 尿の黄ばみ
- 黒ずみ
それぞれ詳しく解説します。
尿の黄ばみ
アルカリ性である尿の汚れによる黄ばみや尿石は、酸性洗剤を使用することで効率的に汚れを落とすことができます。酸性洗剤は洗浄力が高く、肌に触れると危険ですので、ゴム手袋をしてください。
便座の裏や便器のフチも黄ばみやすい場所です。特に便器の広範囲の汚れには、トイレットペーパーを敷き、酸性洗剤をかけて30分から1時間ほど放置すると汚れが落ちやすくなります。水の中に黄ばみがある場合は、水位を下げて洗剤が薄まるのを防ぎましょう。最後に水を流してトイレブラシでこすれば完了です。
黒ずみ
水面近くにできる黒い輪っかは、カビやホコリ、水垢が原因です。汚れが落ちにくい場合は、酸性洗剤を使用し、まずは尿石を落としましょう。それでも効果がなければカビが原因で汚れていることが多いので、塩素系の漂白剤を使用します。水面近くの便器内に貼り付けたトイレットペーパーの上に漂白剤をかけ、放置した後に水を流し、ブラシでこすってください。
洗剤はとても強力なので、掃除の際は手袋を着用します。また、酸性洗剤と塩素系の漂白剤は混ざると有毒ガスが発生する恐れがあるので、換気を十分に行い、空気を入れ替えてからトイレは使用しましょう。
トイレ掃除をする際の注意点
トイレ掃除が簡単になる便利なグッズがさまざまありますが、使用方法を間違うと逆効果になる場合があります。より効果を発揮するために、以下に挙げる3つのポイントに注意しましょう。
- 掃除道具を便器の素材によって分ける
- トイレブラシは定期的に交換する
- 掃除する順番を守るようにする
それぞれ詳しく解説します。
掃除道具を便器の素材によって分ける
トイレはパーツによって素材が異なっているので掃除道具も変える必要があります。
トイレの便座やフタは非常に傷つきやすい樹脂でできており、損傷すると見た目が悪くなるだけでなく、汚れも付着しやすくなります。
損傷を回避するためにも、繊維の硬いトイレットペーパーではなく、柔らかいタオルやウェットシートで掃除してください。便器本体やタンク、タンクの手洗い部分は、陶器でできているため、トイレブラシやスポンジを使用します。また、直接便器に触ることに抵抗がある場合は、使い捨て手袋を使うと掃除がしやすくなり、おすすめです。
トイレブラシは定期的に交換する
トイレブラシは最も汚れているもののひとつであり、数か月で億単位の雑菌が繁殖します。
せっかく掃除しても汚れたブラシではトイレはきれいになりません。ブラシを取り出したときに驚くほど汚れていると感じたら、すぐに買い替えましょう。ブラシの交換目安として、毛先が広がってきたら、スポンジ製のブラシであれば2か月に1回程度の交換がおすすめです。
使い捨てタイプのブラシは、コストはかかりますが、使うたびに交換できるので衛生的です。また、ブラシ自体に洗剤が染み込んでいるタイプは、手軽に掃除できるという利点があります。
掃除する順番を守るようにする
トイレ掃除の基本的な順番は、便器(トイレ本体)→壁→床の順で行ってください。上から下へ、奥から手前へ掃除しましょう。掃除の順番を守ることで雑菌の広がりを防ぐことができます。
また、一定の順番を決めておくと、作業漏れを防ぎ、効率よく衛生的に仕上げることができます。
掃除の頻度は「汚れを見たらすぐ掃除」を基本にしつつ、週に1回は全体の掃除をしましょう。
まとめ
トイレ掃除は、洗剤を使い分け、手順を守り正しい方法で掃除することが大切です。普段の掃除や月1のタンク掃除を続けることで、清潔なトイレを保つことができます。ぜひ快適なトイレで、従業員が業務により取り組める環境を整えていきましょう。
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