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更新日:2024年4月30日

防草シートとは?敷き方や製品の選び方を詳しく解説!

個々人はもちろん、経営者や施設管理者のなかには、敷地内に生えてくる雑草をどのように処理すれば良いのかお悩みの方がいるかもしれません。

雑草対策に役立つアイテムに草刈機や刈払機がありますが、防護対策を行ったうえで定期的に作業をしなければならないため、時間や金銭、人員の面でコストがかかることも少なくないでしょう。

そこでおすすめなのが、防草シートの活用です。雑草が生えてくる場所に敷くだけで長期間効果が持続するため、作業に要するコストを削減することが可能です。

この記事では、防草シートがどのようなアイテムなのかを解説したうえで、敷き方や製品の選び方も詳しく解説します。

雑草でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

防草シートとは?

防草シートとは、雑草の繁茂を防ぐ目的で使用される遮光率が高いシートのことです。多くの植物は光合成をしなければ生存に必要な栄養を確保できません。

防草シートを使用すると、覆われた部分には日光が届きにくくなり、充分に光合成ができなくなるため、次第に雑草が枯れて繁茂を防げるという仕組みになっています。

敷地内に雑草が生えてこなくなると見栄えが良くなることに加えて、害虫や害獣の住処や侵入経路になりにくくなったり、火災が起こりにくくなったりするため、安全性の向上も期待できます。

ただし、防草シートだけの施工では雑草がシートを持ち上げたり突き破ったりすることがあるので、荷重と防草効果を高めるために人工芝や砂利の同時施工もおすすめです。

防草シートのメリット

草刈機で雑草を刈り取ったり、除草剤を撒いて除去したりするためには、多大な時間・労力がかかります。それに加えて、作業者の安全を確保するための防振手袋やヘルメット、安全靴、すね当て、イヤーマフ、耳栓防護用といったアイテムも用意しなければなりません。

また、雑草は一度処理をしても一定期間が経過すると再び生い茂ってしまうため、定期的に処理を行う必要があります。

しかし防草シートを使用すれば、地面に敷いておくだけで雑草の繁茂をある程度は阻止してくれるため、こまめに草むしりなどの手入れをする手間がかかりません。

更に、「動物に薬品の影響がおよぶ心配がない」「1枚あたり数千円程度の製品が多く、低コストで対策できる」といった点も防草シートの魅力です。

ただし、防草シートの施工によって雑草の繁殖が完全になくなり、ノーメンテナンスでよくなることはありません。防草シートの端や際などから出てきた雑草はマメに抜きとる必要があります。

小さな雑草を放置しておくと、気づいたときには繫殖している可能性があります。防草シートを敷いたからと安心せずに、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。

防草シートのデメリット

防草シートは、雑草が生い茂っている状態では使用できません。敷く前に、丁寧に雑草を抜いておく必要があります。

また、防草シートの色によっては周囲の風景に溶け込まない可能性があります。周囲の風景との差が気になる場合は、シートの上に砂利を敷き詰めることを検討しても良いかもしれません。

更に、防草シートには撤去や張り替えの手間がかかることもデメリットです。防草シートは化学物質が使用されているものが多いため、放置しても分解されにくく、人間の手で撤去しなければなりません。

また、耐用年数が過ぎると効果が薄れてしまうため、張り替え作業が必要になります。

防草シートの敷き方

下記は防草シートを敷く手順です。

  1. 雑草を丁寧に除去する
  2. 異物や砂利などを除去し、整地する
  3. 防草シートを広げて敷く
  4. 固定用のピンを打ち込む

各ステップについて詳しく説明します。

ステップ1. 雑草を丁寧に除去する

まず防草シートを敷く場所を決めて、生えている雑草を除去しましょう。手作業で抜くことも可能ですが、ある程度の腕力を要するうえに、時間もかかります。効率的に除去するために、鎌や草刈機、除草剤などを使用することをおすすめします。

雑草が残っていると、防草シートに凹凸が生じて砂ボコリなどがたまってしまう可能性があるため、しっかり除去しておきましょう。

ステップ2. 異物や砂利などを除去し、整地する

次に、硬い異物や石、砂利などを除去して地面を整地してください。なるべく平らな状態になるように、スコップや鋤簾(じょれん)といった道具を駆使して丁寧に整えましょう。
手間がかかるため「少しくらいは凹凸があっても問題ないのでは」とお思いの方もいるかもしれません。しかし、異物があると防草シートが裂ける原因になりかねないので、隅々までチェックしてしっかりと取り除いておくことが大切です。

柔らかい土のままだと雑草が生えやすいので、場所によっては機械転圧で地面を固めるなど業者に依頼することがおすすめです。

ステップ3. 防草シートを広げて敷く

雑草や異物の除去・整地作業が完了したら、防草シートを広げて敷きましょう。複数枚のシートを敷く場合は、隙間から雑草が生えてこないようにシートの端と端を10cm以上重ねてください。

景観が気になるのであれば、防草シートの上に砂利を敷き詰めることも可能です。その場合は、壁面側のシートの端を長めに取り、壁面にかぶせるように防草シートを敷きましょう。

砂利を敷き詰めることにより、周りの風景とのギャップを小さく見せる効果はもちろんですが、紫外線の影響が軽減され、防草シートの寿命を延ばす効果も期待できます。

砂利を敷き詰めない場合は、端が壁際にぴったりと触れるように防草シートを敷いてください。敷地内にエアコンの室外機、灯油タンクといった障害物がある場合は、適宜、防草シートをカットして調整しましょう。

ステップ4. 固定用のピンを打ち込む

最後に、防草シートの上から地面に向けて固定用のピンを等間隔で打ち込み、風で飛ばされないように固定しましょう。メジャーを使用して、ピンを打ち込む個所にマークを付けておくと効率的に作業できます。

固定用のピンの長さは、一般的に15cm・20cm・25cm・30cmのものが販売されていることが多いです。ピンの長さによって固定の強さが異なるため、使う現場に合わせて長さを選択するようにしましょう。

また、ピンの形状にもU型・J型・釘型など、さまざまな種類があります。地面が硬い場合や、土の中に石が多い場合には釘型やL字型、地面が軟らかい場合や、風当たりが強い場合にはU字型がおすすめです。

なお、複数枚のシートを使用する場合は合わせ目の部分に粘着テープを貼りましょう。防草シートだけを用意しても、作業を完成させることはできません。防草シートと一緒にピンや粘着テープも併せて購入することをおすすめします。

ピンを打ち込む際はハンマーを使用するため、ケガ防止のため必ず手袋を着用しましょう。

防草シートのおすすめの選び方

防草シートを選ぶ際は、下記のポイントをチェックしましょう。

  1. 強度や遮光性の高さをチェック
  2. 水はけの良さをチェック
  3. 半永久的な効果を望むなら耐久性をチェック

それぞれについて詳しく説明します。

防草シートの選び方①強度や遮光性の高さをチェック

強度が低い防草シートの場合、イネ科の植物やスギナ、チガヤ、ヨシといった貫通力の高い植物が突き抜けてしまう可能性があります。貫通力の高い植物の繁茂を抑えるために、なるべく強度が高い防草シートを選びましょう。

また遮光性が高い製品のほうが、雑草が生えてくるのを抑制しやすいのでおすすめです。厚さがある防草シートや黒色の防草シート、織り目が細かい防草シートは、遮光性が高い傾向があります。メーカーの公式サイトを閲覧し、遮光率がどのくらいなのかを確認したうえで購入しましょう。

防草シートの選び方②水はけの良さをチェック

水はけの良さをチェックすることも重要です。水はけが悪い防草シートを使用すると、表面にできた水たまりに雑草の種子が飛来し、発芽するケースがあります。

通常の防草シートは透水性があり、シートの上に水がたまることはほとんどありません。しかし道路脇などの法面用の製品では、シートの下に水がしみ込んで土が崩れるのを防ぐため、水を通さない作りになっていることがあります。

「水を通さなくても問題ないのでは」とお思いの方もいるかもしれません。しかし、雨が降った際に土に水を浸透させて排水させる自然排水を可能にするために、オフィスや店舗などの敷地内では透水性のあるシートを使用するのが一般的です。

敷地内に木が生えている場合、完全に水を通さない製品を敷くとかえって悪影響がおよぶ可能性があるので注意しましょう。

防草シートの選び方③半永久的な効果を望むなら耐久性をチェック

「なるべく長期間、防草シートを使用したい」「張り替える頻度・手間を減らしたい」という方は、製品の耐久性もチェックしましょう。

防草シートには耐用年数が設定されており、同じものを永久的に敷き続けることはできません。ただし耐久性の高い製品であれば長期間の使用や交換の手間を軽減することが可能です。耐用年数は主にメーカーの商品説明などに記載されているので、それぞれの公式サイトで詳細を確認してみましょう。

ポリプロピレン100%使用の防草シートは加水分解が起こらないため耐久性に優れています。一般的に密度が高い製品ほど破れにくく長持ちすることを覚えておきましょう。

紫外線にさらされる頻度が多い場所に防草シートを敷きたいとお考えの場合は「紫外線で劣化しにくい特殊素材」が使用されている防草シートもおすすめです。

まとめ

敷地内に生えている雑草を放置すると、景観が悪くなるほか、防犯的にも好ましくなく、ゴミの投棄や火災の原因になる可能性があります。また、害虫・害獣の住処や侵入経路になる場合もあるので、何らかの方法で除去しなければなりません。

草刈機や除草剤で雑草を処理することも可能ですが、しばらく時間が経過すると再び生えてきてしまうため、定期的に対応する必要が出てきます。時間や労力をなるべく節約したい場合は、防草シートを活用してはいかがでしょうか。

防草シートは製品ごとに強度や遮光性、水はけの程度、耐久性などの特長が異なるので、メーカーの公式サイトで仕様をチェックしたうえで購入することをおすすめします。

多種多様な製品が販売されているので、価格や特性を比較しながら、自社に適した防草シートを探してみましょう。

監修者

なかむら ガル事務所

商社での切花の輸出入業務の経験を活かし、25歳のときに独立。以来お花と樹木に30年以上関わり続けている。ひきこもり支援相談士としての活動では、お花や樹木に触れることで情緒の安定や老人介護施設での痴ほう療養に貢献する『園芸療法』や、過疎地での独立就農支援のための花卉栽培技術指導に力を入れている。東日本大震災の際にはボランティア活動として花苗栽培と植込みを行うなど、造園業界に新風を吹かせるべく、日夜奮闘中。

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