更新日:2024年4月30日
車椅子の種類や選び方は?事前に調べておくべきポイントや購入方法を紹介

車椅子にはさまざまな種類があり、どれを選べば良いか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。種類ごとに特徴や向いている環境などが異なるため、利用者に合った種類を選ぶことが大切です。
この記事では、車椅子の種類とその特徴を詳しく解説します。車椅子を選ぶときに確認すべきポイントも紹介するので、ぜひ参考に車椅子を選んでください。
車椅子に搭載可能な機能
車椅子には状況に応じて以下のような機能を搭載することができます。
- ヘッドレスト
- ティルト・リクライニング機能
- 肘掛け跳ね上げ機能
これらは、自走用・介助用・自走介助兼用・電動式車椅子のうち、どのタイプにも備えることができる機能です。利用者(座る人)の状態に合わせて必要な機能をプラスすると良いでしょう。
ヘッドレスト
ヘッドレストは、上下、左右、前後に高さや角度を変えられるため、利用者の状態に合わせて調節できます。利用者がより楽な姿勢で安全に座り続けることができ、快適に車椅子を利用できるでしょう。
元からヘッドレストが備わった車椅子もありますが、あと付けできるタイプのヘッドレストも販売されています。
ティルト・リクライニング機能
利用者が楽な姿勢で体重を支えられるよう、ティルト・リクライニング機能を備えた車椅子もあります。ティルト・リクライニング機能があると、車椅子に角度をつけることができるため、身体への負担を軽減できます。
つらい姿勢で体重を支え続けると、疲れや痛みを引き起こす可能性があります。しかし、ティルト・リクライニング機能を使えば状態に合わせて角度を調節することができ、利用者がより楽に座れるようになります。
肘掛け跳ね上げ機能
肘掛けが撥ね上げ式のタイプの車椅子も販売されています。標準的な車椅子では、車椅子を乗り降りする際に身体を90度回転させる必要がありますが、肘掛け部分が上部に跳ね上がることで、動ける範囲が広がり乗り降りしやすくなります。
ベッドやトイレ、浴室などにスムーズに移動することができるため、利用者だけでなく介助者の負担を減らすことにも繋がります。
車椅子の部位
標準的な車椅子は、主に以下の部位から構成されています。
| 部位 | 役割 |
|---|---|
| 手押しハンドル | 介助をする人が車椅子を操作する際に掴む部分 |
| 介助用ブレーキ | 介助をする人が、車椅子操作時に使うブレーキで、自転車のブレーキと同様に停止時やスピード調節時に使う |
| バックサポート(背もたれ) | 車椅子利用者が、姿勢を保ったり寄りかかったりするための部位 |
| アームサポート(肘掛け) | 車椅子利用者が姿勢を保ったり乗降時に身体を支えたりするために使う部位 |
| サイドガード | 衣類などが車輪に当たらないようにするためのカバー |
| シート | 車椅子利用者が座るための部位 |
| フットサポート | 車椅子利用者が足を乗せるための部位 |
| レッグサポート | 車椅子利用者が膝から下の足を支えるための部位 |
| ブレーキ(駐車ブレーキ) | 車椅子駐車時に、後輪が動かないようにするためのブレーキ |
| キャスター(前輪) | 360度回転する小さい車輪で、方向転換の際に重要な役割を果たす部位 |
| 駆動輪(後輪) | 車椅子に駆動力を与える大きい車輪で、前後に動かす部位 |
| ハンドリム | 自走用車椅子の後輪の外側に付属する輪で、車椅子利用者が手で漕ぐ際に使う部位 |
| ティッピングレバー | 介助をする人が、段差を超える際に車椅子の前輪を持ち上げるために使う部位 |
| 背ポケット | 車椅子利用者や介助する人が荷物を入れるための部位 |
部位ごとに役割があり、どれも車椅子には欠かせないものです。それぞれの部位がどのような働きを担っているのかを把握することで、状況に応じて必要な機能を備えた車椅子を選ぶことができます。
車椅子の種類

車椅子には以下のような種類があります。
- 自走用車椅子
- 介助用車椅子
- 自走介助兼用車椅子
- 電動式車椅子
それぞれの特徴を詳しく解説します。
自走用車椅子
自走用車椅子は、車椅子の利用者が自ら操作をするタイプです。公共施設でも使用されているスタンダードなタイプや、体型・状態に合わせて選べるモジュールタイプ、足で動かせるタイプなどがあります。
介助用車椅子と比較すると駆動輪(後輪)が大きく、標準的な自走用車椅子の場合だと22~24インチです。駆動輪の外側についているハンドリムを使って自分で漕いで操作できます。
また、標準的な自走用車椅子のハンドリムは、駆動輪の直径よりも5㎝ほど小さく設計されています。手押しハンドルもついていますが、介助ブレーキはついていない点が特長です。
豊富な種類の中から、利用者のニーズに合ったものを選ぶことが可能です。
介助用車椅子
車椅子の利用者ではなく介助者が操作をするタイプが、介助用車椅子です。自走式車椅子と比較すると駆動輪(後輪)がやや小さく、14~18インチが標準的な大きさです。
介助用のため、自走用車椅子に装備されているハンドリムはついていません。自分で車椅子を操作するのが難しい場合や、持ち運びをする機会が多い場合に向いている車椅子です。
自走介助兼用車椅子
自走が可能かつ、介助用のハンドルにブレーキがついているのが自走介助兼用車椅子です。自分で操作ができる他、介助が必要な場面では介助者が押して使うこともできるため、さまざまなシーンで活用できます。
平坦な場所では自分で操作して、坂道など負荷がかかる場面では介助者がブレーキ操作を行うような使い方も可能です。自走用と介助用のどちらの機能も求める場合や、不特定多数の方が利用するシーンにぴったりです。
電動式車椅子
電動式車椅子は車輪にモーターがついており、利用者が手元のリモコンやレバーで操作をするタイプの車椅子です。電動式車椅子には、多機能型電動式と普通型電動式の2種類があり、後者にはハンドリムがついていて手動で漕ぐことも可能です
長距離の利用でも、体力を消耗せずに移動できるため、日頃から移動距離が長い方に向いています。ただし、バッテリーを搭載している分、通常の車椅子よりも重い傾向にあります。
車椅子を選ぶときに確認すべきポイント
続いて、車椅子を選ぶ際に注目したい、いくつかのポイントを紹介します。
- 利用目的
- 前座高と座幅
- 車椅子の重量
- ドアや廊下の寸法
- 折り畳み時の寸法
それぞれ詳しく解説します。
利用目的
まずは誰がどこでどのように使うのかを目的を明確にして、それに合う条件の車椅子を探すことが大切です。自宅と外出先、室内と屋外、介助者がつく場合とつかない場合では、選ぶべき車椅子の種類は異なります。
また、自分で操作ができるか、漕ぐ体力や腕力があるかなど、利用者の身体状態によっても向いている車椅子の種類は異なります。生活のしやすさを向上させるためにも、利用目的に合った車椅子を選びましょう。
前座高と座幅
車椅子を選ぶ際、前座高と座幅が体に合っていないと、余計な負担がかかるため注意が必要です。
前座高は、床から車椅子の座面までの高さのことで、足の長さに合わせて選ぶ必要があります。前座高が高すぎると足が地面につかず、降りる際に転倒の恐れがあるため重要なポイントです。また、前座高が低すぎると立ち上がる際に膝に負担がかかるため、身体に合った高さを選びましょう。
また、体型や身体の状況に合った座幅を選ぶことも大切です。座幅は車椅子の座る部分の横幅のことで、標準的なサイズは40cm前後です。しかし、小柄な方や大柄な方に向けた座幅の車椅子もあるため、利用者に合わせて選ぶことができます。
車椅子の重量
介助用の場合は、介助者が持ち上げられる重量でないと十分に介助できない場合があるため、車椅子自体の重量に注目しましょう。特に、車に乗せて移動する場合は、介助者が持ち上げて車に乗せられるかどうかも確認が必要です。
一般的な車椅子は15kg前後が多く、10kg以下だと超軽量モデルに分類されます。電動タイプの車椅子だと、バッテリーの影響で重いものが多く、なかには100kg前後の車椅子もあります。快適に使用するためには、扱いやすい重量のものを選ぶことが大切です。
ドアや廊下の寸法
室内で車椅子を使う予定なら、室内のドアや廊下、コーナーの幅を確認しましょう。車椅子の幅が大きすぎると、廊下を通れない、部屋に入りづらいなどの不便が生じます。
自走式車椅子を利用する場合は、車椅子の幅以上にスペースが必要です。ハンドリムを操作することを念頭に置いて、ドアや廊下、コーナーの寸法を測りましょう。
車椅子がドアや廊下を通れない場合、車椅子本来の快適性が損なわれてしまいます。あとから後悔しないよう、使うシーンを具体的に想定して必要な寸法を確認してください。
折り畳み時の寸法
折りたたみ式の車椅子は、折りたたんだときにどのくらいの大きさになるかも把握しておきたいところです。多くの場合、座面を上へ引き上げると幅を縮めることができ、コンパクトなサイズに折りたたんで収納できます。
外出時に利用する場合は、自分の車のトランクやタクシーのトランクに乗せられるかどうかも確認しましょう。また、簡単に広げたり畳んだりできるかどうかも重要なポイントです。
車椅子の購入方法
車椅子は、医療機器を扱う店や車椅子専門店、通販サイトで購入できます。店舗に足を運んで購入するメリットは、実際に車椅子に座って、座り心地や操作のしやすさを確認できることです。お店のスタッフに気になった点を聞きながら決めることもできるでしょう。
通販サイトで購入する場合は、多くの車椅子を比較してじっくり検討できます。また、商品レビューなどで利用者の率直な感想を読めるため、より利用者に合った車椅子を見つけられるでしょう。店舗では販売されていない車椅子が、通販サイトだと在庫があるケースもあります。
まとめ
車椅子には、自走式や介助式をはじめさまざまな種類があります。利用目的や身体の状態に合わせて選び、快適に利用できる車椅子を見つけましょう。
この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひ利用者に合った車椅子を探してみてください。
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