更新日:2026年2月26日
介護用食器とカトラリーの選び方!施設・在宅介護のおすすめアイテム

介護では、利用者の状態に合わせた介護用の食器を選ぶことが重要です。介護用の食器を活用することで、安全で満足度が高い食事を実現できます。
この記事では、介護用食器と一般食器の違いや介護用食器の種類と特徴、介護用食器を選ぶポイントを詳しく解説します。また、介護用食器と一緒に使うことで、介護施設や訪問介護などの介護現場での食事環境をさらに良くする関連アイテムも紹介します。
介護用食器とは?一般の食器との違い

介護用食器とは、加齢や病気、ケガなどにより、一人で食事をすることが難しい方でも使いやすいように設計された専用の食器です。
一般的な食器とは異なり、握力が弱い方や手先を思うように動かせない方でも、扱いやすい形状や素材が採用されています。持ちやすいハンドル、すくいやすい深型形状、滑りにくい底面など、日常の食事動作をサポートする工夫が随所に施されているのが特徴です。
介護用食器の一例は以下です。
- 力が弱くても持ち上げやすいよう軽い素材で作られているお皿
- すくいやすいよう縁に高さを付けたお皿
- 持ち手が付いていることで持ち上げやすくなっているお椀
- 握りやすいように柄を曲げられるカトラリー
- 蓋と吸い口が付いておりこぼれにくいコップ
- 落としても壊れにくい樹脂やメラミンで作られた食器
介護用食器を活用すれば、食事への意欲が高まり、食欲の維持や自立につながります。さらに、食事環境の改善によって介護者の負担軽減も期待できます。
介護用食器・カトラリーの種類と特徴

介護用の食器には、さまざまな種類があり、食事環境を整えるには、利用者の状態や目的に合ったアイテムを選ぶことが重要です。
ここでは、介護現場や在宅介護で広く使用される代表的な食器・カトラリーの種類と、その選び方のポイントを紹介します。介護用食器の導入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
介護用食器の主な種類と選び方のポイント
介護用食器には、プレートやボウル、ご飯茶碗、汁椀、コップなどがあります。それぞれの特徴を以下で確認しましょう。
| 食器の種類 | 介護用食器としての特徴 |
|---|---|
| お皿 |
|
| ご飯茶碗 |
|
| 汁椀 |
|
| コップ |
|
介護用食器は、落としても割れにくく、軽くて扱いやすいという特性から、プラスチック製のものが多く使用されています。プラスチックは滑りやすい素材のため、底面に滑り止め加工が施されているタイプを選ぶと安心です。
滑り止めが付いていない場合は、後付けの滑り止めシールを貼り付けたり、トレーに滑り止めマットを敷いたりすることで、安定して使用できるようになります。
介護用カトラリーの種類と使いやすさの工夫
食事をするには、食器だけでなく使いやすいカトラリーを揃えることも重要です。代表的な介護用のカトラリーには、以下のものがあります。
| カトラリーの種類 | 介護用カトラリーとしての特徴 |
|---|---|
| スプーン/フォーク |
|
| 箸 |
|
使う方の握力、指や手首の可動域、嚥下状態などに合わせてカトラリーを選ぶことで、自分で食べる意欲の向上につながります。
また、介助を行う人向けに設計されたカトラリーもあります。例えば、柄が長く、スプーンの角度が浅いタイプは、食べ物をすくって運ぶ動作がしやすく、介助の負担を軽減できます。介護用品として販売されているものだけでなく、ベビー用品店で扱われているスプーンなども代用しやすいため、状況に応じて活用するとよいでしょう。
利用者の状態に合わせた選び方のポイント

介護用の食器やカトラリーを揃えても、使用する方の身体の状態に合っていなければ、十分に機能しない可能性があります。ここでは、高齢者や要介護者の身体機能に合わせた、食器やカトラリーの選定基準を具体的に見ていきましょう。
嚥下機能・かむ力が低下している方の場合
嚥下機能やかむ力が低下している方は、スムーズな飲み込みが難しく、食べ物がのどにつかえたり、むせたりするおそれがあります。
このような方には、スムーズに飲み込めるようサポートする介護用食器が必要です。具体的には、以下のものがあります。
- 軽量ボウル
- 内部に傾斜を付けたコップ
- 深型プレート
軽量ボウルや内部に傾斜を付けたコップを選ぶことで、首を反らすことなく食べ物や飲み物を口に運ぶことができ、嚥下負担を軽減します。また、やわらかくとろみがあるメニューでも深型のプレートであればすくいやすく、食事をよりスムーズに行うことができます。
握力・手指の動きが弱い方の場合
握力や手指の動きが弱い方は、食器をスムーズに使えないケースが多くあります。食器を使うこと自体が大きな負担となり、食事への意欲低下や、落下によるやけど・けがのリスクがあります。
握力が弱い方に適した食器・カトラリーの例は以下の通りです。
- 滑りにくい持ち手のカトラリー
- 持ち手が太いカトラリー
- 深型の皿
- 軽量素材でできた食器
- 割れにくい素材でできた食器
滑りにくく太い持ち手や深型皿を使用することで、少ない力でもすくいやすくなります。さらに、軽量素材や割れにくい素材を選ぶことで落下時の安全性が向上し、滑り止めマットやトレーと併用すると、ズレや倒れによるストレスも軽減できます。
片手で食事をされる方の場合
片手で食事をされる方は、食器を持ち上げたり傾けたりする動作が難しく、食べ物をすくったり掴んだりしづらいことがあります。その結果、食事への意欲が下がることもあります。
このような方には、片手で扱いやすい食器・カトラリーを選ぶことが重要です。また、食器を押さえながらの食事が難しいため、滑りにくい食器が便利です。
片手で食事をされる方に適した食器・カトラリーの例は以下の通りです。
- 側面に返しの付いた皿
- 底に滑り止めの付いた食器
- 取っ手の付いたお椀やコップ
返しや縁付きの皿は食べ物をすくいやすく、滑り止め付き食器は手で押さえなくても安定します。滑り止めがない場合は、滑り止めマットを併用するとさらにスムーズに食事が可能です。食器に加えて、角度調整できるスプーンやバネ付きの箸などを使えば、食事時の負担を軽減できます。
介護食を支える関連アイテムの活用

介護の食事では、食器やカトラリーに加え、関連アイテムを揃えることで、より安全で快適な食事環境を整えることができます。
介護用食器と併せて活用すると効果的な代表的なアイテムには以下があります。
- 食事用エプロン
- トレー(おぼん)や滑り止めマット
- キャップオープナー
それぞれを詳しく見ていきましょう。
食事用エプロン
食事用エプロンは、食事中の衣類や食卓の汚れを防ぐために使用するエプロンです。利用者の状況やシーンに応じて適切なタイプを選ぶことで、介護現場での食事がより快適になります。
代表的な種類には以下があります。
- ポリエステル製:洗って繰り返し使用可能で、日常の食事に向く
- 紙製(使い捨て):外出時や外食時に便利
- シリコン製:汚れが落としやすく、清掃が簡単
さらに、食べこぼしをキャッチする「ポケット付きタイプ」や、袖までカバーする「袖付きタイプ」などもあり、使用シーンや利用者の動作に合わせて選ぶことが可能です。
素材やデザインを比較検討し、使う方に合ったものを見つけましょう。
トレー(おぼん)や滑り止めマット
トレー(おぼん)は、食べこぼしを受け止める役割があり、万が一こぼしても汚れを広げにくくする効果があります。
さらに、滑り止め加工が施されたトレーや滑り止めマットとの併用により、食器の滑りを軽減できます。食器の滑りが抑えられれば、コップやお椀をひっくり返すリスクを抑えられるだけでなく、食材をすくったり、掴んだりする動作もスムーズになり、利用者がより安全に食事を楽しめる環境を作れます。
キャップオープナー
キャップオープナーは、ペットボトルや瓶のキャップ、缶詰の蓋などを少ない力で開けられる補助グッズです。
手や腕の力が弱い方や、指先の細かい動作が難しい方にとって、キャップの開閉は負担となります。キャップが思うように開けられないと、好きなタイミングで食事や水分補給が難しくなり、食事の自立や意欲にも影響することがあります。
こうした場合には、キャップオープナーの活用を検討することで、利用者が自分で食事や飲み物を扱いやすくなり、介護者のサポート負担も軽減できます。
まとめ
介護用食器とは、加齢や病気、ケガなどにより、一人で食事をすることが難しい方でも使いやすいように設計された専用の食器です。
具体例としては、食べ物をすくいやすい縁付きのお皿、持ちやすい取っ手付きのお椀、口に運びやすい角度付きのスプーンなどがあります。また、滑り止めマットや介護用エプロンなども、食事環境を安全・快適にする介護用品として活用できます。
介護用食器を適切に導入・活用することで、食事の安全性の向上はもちろん、利用者の食事への意欲を高める効果も期待できます。介護施設や在宅介護で食事環境を改善したい方は、介護用食器やカトラリーの導入を検討してみてください。
<参考>
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