更新日:2024年12月26日
オフィスや事務所のエアコン掃除方法|手順や注意点などを解説!

エアコンは快適な室内環境を保つために欠かせませんが、定期的な掃除を怠ると性能が低下し、カビやホコリが発生しやすくなります。自分でエアコンを掃除する際のポイントと注意点を紹介します。安全で効果的なメンテナンス方法を活用して、清潔で快適な空間を維持しましょう。
エアコン掃除は自分で簡単にできる?
エアコンの掃除は、自分で行える範囲と専門業者に依頼すべき範囲があります。フィルタや本体の表面は、比較的簡単に掃除できる部分です。しかし、エアコン内部は構造が複雑で、知識がない状態での分解清掃は事故や故障のリスクを伴います。そのため、目に見えない部分の汚れや臭いが気になる場合には、専門の業者に依頼する方が賢明です。ここでは、エアコン掃除はどこまで自分でできるか、業者に依頼すべきケースとその理由について詳しく解説します。
ある程度までは自分でエアコン掃除できる
店舗や事務所のエアコン掃除は、ある程度までは自分で行うことができます。特に、簡単にできる作業としては、フィルタや本体、そして室外機の掃除が挙げられます。エアコンを長期間使用していると、臭いや汚れが気になり、効きが悪くなることがあります。そうした場合、自分で掃除を試みるのは良いアイデアです。
具体的な掃除方法としては、まずフィルタのホコリを除去し、水洗いを行います。フィルタの掃除は、エアコンの効率を向上させるために非常に重要です。次に、本体カバーや吹き出し口など、表面を水拭きし、目に見える汚れを取り除きます。これにより、エアコンの清潔感が保たれ、快適な空調を維持できます。
ただし、エアコンの内部は構造が複雑であり、分解して掃除するのは専門知識が必要です。専門家でない場合、分解作業はリスクが伴うため、内部の掃除は避けるのが賢明です。普段のメンテナンスは自分で掃除できる範囲に限定し、定期的にフィルタや表面を掃除しましょう。
内部はエアコン掃除業者に依頼する必要がある
エアコンの内部は構造が非常に複雑であり、中まで掃除するには分解する必要があります。エアコン内部は、手の届かない場所にカビやホコリがたまりやすく、普段のメンテナンスでは取り除けないことも多いです。このような汚れが気になる場合や、掃除しても臭いが取れない場合は、専門の業者にエアコンクリーニングを依頼しましょう。
知識がない状態でエアコンを分解しようとすると、事故や故障のリスクが伴います。エアコンが故障した場合、修理費用が発生する可能性もあります。また、自分で分解清掃を行った結果、メーカー保証が受けられなくなるケースもあるため、注意が必要です。
業者によるエアコンクリーニングを行う頻度は、事務所やオフィスなど人の出入りが多い場所は1年に1回、寝室など汚れにくい場所では2年に1回が目安です。エアコン内部のカビやホコリを取り除くには、業務用の高圧洗浄機を使用し、適切な手順で洗浄する必要があります。専門の業者に依頼することで、安全かつ効率よくエアコン掃除をしてもらえて安心です。
エアコン掃除が必要な理由
エアコンの掃除は、快適な空間を維持するために欠かせません。掃除を定期的に行うことで、冷暖房の効きが良くなり、設定温度に達するまでの時間が短縮されます。エアコンの効率が向上することで、無駄な電力消費を抑え、電気代の節約にもつながります。しかし、長期間掃除を怠ると、内部にカビが繁殖し、不快な臭いを発生させる原因にもなります。エアコンを定期的に掃除すべき理由を見ていきましょう。
エアコンの効きが良くなる
エアコンの掃除を行うことで、冷暖房の効きが良くなる点が最も顕著な効果です。冷暖房の効きが悪くなる主な原因は、フィルタの汚れです。エアコンは、部屋の空気を吸い込み、設定した温度に調整してから吹き出します。この過程で、ホコリや花粉、タバコの煙、料理の臭いなどがフィルタに付着します。
フィルタが汚れていると、空気を吸い込んだり吹き出したりする能力が低下し、設定温度に達しにくくなります。その結果、「冷暖房の効きが悪くなった」と感じることが多くなります。しかし、フィルタを清掃してこれらの汚れを取り除くと、エアコンの機能が回復します。
また、エアコン内部をきれいに掃除すると、運転効率が向上し、エアコンの空気を吸い込む力や熱交換の効率、吹き出し能力が正常に戻ります。特に送風ファンの目詰まりが解消されると、風量が改善され、快適な室内環境を実現できます。定期的な掃除は、エアコンのパフォーマンスを保つために不可欠です。
電気代の節約につながる

エアコンの掃除は、電気代の節約にも大いに貢献します。フィルタが目詰まりしていると、エアコンは冷暖房効果が低下し、設定温度に達するために多くの空気を吸い込む必要があります。このフル稼働状態が続くと、消費電力が増え、結果的に電気代も高くなります。
定期的にフィルタを掃除することで、冷房時は約4%、暖房時は約6%の消費電力を削減できるとされています。消費電力の削減は、エアコンの運転効率アップが鍵です。フィルタがきれいな状態で運転を行うと、エアコンは少ない電力で必要な空気を吸い込むことができるため、電気代の節約につながります。
エアコンの効率を維持するためには、フィルタの掃除は欠かせません。電気代の無駄を防ぐためにも、定期的なメンテナンスを心がけることが重要です。
カビの臭いがなくなる
エアコン内部の掃除を行うことで、カビの臭いを取り除くことができます。特に冷房時、エアコン内部には結露が発生しやすくなります。この結露によって湿り気が生じ、そこにホコリなどが混ざることでカビが繁殖しやすくなるのです。エアコンを使用するとカビの胞子が空気中に放出され、その結果としてカビ臭が漂うことになります。
カビはアレルゲンのひとつであり、吸い込むと咳やくしゃみなどのアレルギー反応を引き起こすことがあります。特に免疫力が低い赤ちゃんや高齢者にとっては、肺炎や呼吸器疾患など、より深刻な健康問題につながる可能性があります。そのため、できるだけカビの発生を防ぐことが大切です。
エアコン内部は湿気やホコリが集まりやすく、カビが一度発生すると急速に増殖します。このため、定期的な掃除が欠かせません。カビの発生を減らすことでアレルゲンを抑え、安心してエアコンを使用でき、快適でクリーンな空間を維持できます。
エアコン掃除の頻度
業務用エアコンの掃除頻度は、使用環境や利用状況に大きく影響されます。一般的な目安として、フィルタの掃除は2か月に1回、本格的なクリーニングは2年に1回行うことが推奨されています。しかし、頻繁にエアコンを使用する場合やホコリの多い環境では、汚れが蓄積しやすくなるため、掃除の頻度を増やす必要があります。
例えば、飲食店や人の出入りが多い場所では、料理の油煙や微細な粉塵がエアコン内部に蓄積しやすいです。そのため、最低でも1か月に1回のフィルタ掃除を行い、できれば2週間に1回のペースで実施することが望ましいです。また、こうした環境では本格的なクリーニングも1年に1回は行う方が良いでしょう。
一方、オフィスなどで1日の稼働時間が10時間程度であり、空間内をあまり頻繁に人が歩かない場合、ホコリの舞い上がりも少なく比較的清潔な状態を保てます。このような環境でも、フィルタ掃除は2か月に1回、本格的なクリーニングは2年から3年に1回の頻度で行うと安心です。
使用状況に応じた頻度で掃除やクリーニングを行うことで、エアコンの性能を維持し、快適な空間を維持できます。
自分でできるエアコン掃除の手順
エアコンを安全に掃除するためには、掃除前に必ずエアコンの電源を切り、コンセントを抜いてください。これにより、漏電や事故を防ぐことができます。特に業務用エアコンは複雑な構造のため、掃除は慎重に行いましょう。以下に、準備からフィルタや内部のホコリ除去、仕上げの取り付けまで、エアコン掃除の手順をわかりやすく解説します。この手順に沿って進めることで、効率よくエアコン掃除ができます。
1. 必要なものを準備する
エアコン掃除を始める前に、必要な道具を準備します。特別な掃除道具は不要で、家庭や事務所にある日用品で対応可能です。次に挙げるものを備えておくと安心です。
きれいなタオルを2枚用意します。これらはエアコン本体を拭く際に使用します。汚れ落としには台所用の中性洗剤が良いでしょう。
古歯ブラシも役立ちます。細かいホコリを取り除くのに便利で、使い古しのものでも問題ありません。掃除機はフィルタに付着したホコリを吸い取るために必要です。ハンディモップもあると、手の届かない上部の掃除が簡単にできます。これらの道具を用意しておくと、効率よくエアコン掃除を行うことができます。
2. 掃除機でフィルタのホコリを吸う

エアコン掃除は、掃除機を使ってフィルタのホコリを吸い取ることから始めましょう。まず、フロントパネルを慎重に開けます。この時点でフィルタをすぐに外すのではなく、周りに付いたホコリを掃除機で吸い取ります。直接フィルタを外すと、衝撃でホコリが舞い散り、床の掃除が必要になるため、先に吸い取ることがポイントです。
3. フィルタを外して汚れを落とす
ホコリをある程度吸い取った後は、フィルタを優しく取り外します。エアコンのフィルタは薄いプラスチック製のため、強い力を加えると歪んだり破損したりする可能性があり、慎重に扱うことが求められます。外したフィルタにはまだホコリが残っているため、表面から再度掃除機をかけます。裏面から吸引すると、ホコリがフィルタの目に詰まることがあるので注意が必要です。
掃除機だけでは細かいホコリを完全に除去することは難しいため、汚れが気になる場合は浴室でシャワーを使って水洗いします。水圧をかける際は、表側からではなく裏側からシャワーを当てることが重要です。表面から水をかけると、ホコリがフィルタの目に詰まる恐れがあります。
水洗いで落ちない汚れがある場合は、台所用の中性洗剤を水で薄めて使います。この洗剤を少量フィルタにかけ、古歯ブラシなどの柔らかいブラシで優しくこすります。この際、フィルタを傷めないように優しく扱ってください。ブラシでの掃除が終わったら、再度裏面から水洗いを行い、ホコリを押し出すイメージでしっかりと流します。フィルタを清潔に保つためにも、洗剤が残らないように丁寧に水洗いすることが重要です。
4. ハンディモップや掃除機でホコリを取り除く
フィルタの掃除が終わったら、ハンディモップを使ってエアコン内部の目に見えるホコリを取り除きます。この際、取り除くのはあくまで見えている部分のホコリのみにとどめておきます。内部の部品や送風ファンに手を触れないように注意が必要です。特に、素人が内部に手を入れると、機器を傷めたり、異物を押し込んだりするリスクがあるため、軽い力でサッと掃除を行うことが重要です。
ハンディモップは軽くて扱いやすく、届きにくい場所にもアクセスできます。ホコリを取り除く際は、力を入れすぎず、丁寧な動作を心がけることで、内部の部品を傷めることを避けられます。
掃除機を併用することで、ホコリの除去がより効率的になります。ホコリが舞い上がらないよう、掃除機のノズルを近づけて、優しく吸引することがポイントです。エアコン内部はデリケートなため、扱いに十分注意しながら作業を進めてください。エアコンの状態を良好に保つために、定期的にこの手順で掃除を行うことをおすすめします。
5.プラスチック部分の水拭きをする
エアコン上部やフロントパネルの表裏、吹き出し口など、プラスチック製の部分を固く絞った雑巾で水拭きします。エアコン内部の熱交換器や電子部品部分は濡らさないよう、拭き取る範囲はあくまでプラスチック部分のみに限ります。内部に水が入ると故障の原因になるため、しっかりと雑巾を絞り、表面の汚れを軽く拭き取る程度にとどめてください。
また、洗剤の使用も故障のリスクを高めるため、必ず水だけで拭き掃除を行います。水拭きでプラスチック部分の汚れを取り除くことで、エアコン表面をすっきりと清潔な状態に保つことができます。
6. 乾燥させたフィルタを取り付ける
洗ったフィルタは、陰干しで半日から1日ほど乾かすか、タオルで水分を優しく拭き取ります。完全に乾く前に取り付けるとカビや故障の原因となるため、しっかりと水分が抜けるまで待ちましょう。フィルタが完全に乾いたら、本体に慎重に取り付けて掃除完了です。
フィルタ取り付けの際は、取扱説明書やメーカーの指示に従い、正しい手順で行います。また、天井設置型のエアコンの場合は、安全のため脚立を使い、可能であれば複数人で作業すると安心です。
エアコンをきれいに保つ方法
エアコンを清潔に保つことは、快適な室内環境とエアコンの寿命を延ばすためにも重要です。エアコン内部にはホコリや湿気がたまりやすく、放置するとカビや臭いの原因になることがあります。定期的なフィルタ掃除のほか、冷房運転後の送風モード活用や小まめな換気を行うことで、エアコンの内部を清潔に保ちやすくなります。
定期的にフィルタ掃除を行う
エアコンのフィルタを定期的に掃除することで、内部に汚れがたまりにくくなります。特に使用頻度が高い場合や、ペットや小さなお子さんがいる家庭では、1か月に1~2回の掃除がおすすめです。掃除のタイミングを決めて習慣にすることで、エアコンの性能を維持し、効率的に動かすことができます。フィルタが目詰まりしているとエアコンの負荷が増え、電力消費が上がるため、定期的な掃除は電気代の節約にもつながります。また、ホコリやカビの発生を防ぐためにも、フィルタを清潔に保つことが重要です。
冷房を使ったら送風運転をする
エアコンの冷房運転後は、内部に結露が発生し、湿度が高くなるため、カビが生えやすい環境が整います。これを防ぐために、冷房使用後は送風運転を1時間程度行い、内部をしっかり乾燥させましょう。送風運転によって内部の湿気を排出し、エアコン内部を清潔に保つことができます。また、機種によっては「内部乾燥機能」が搭載されている場合もあります。この機能を利用することで、さらに効果的にカビを防止できます。エアコンの結露を放置せず、送風運転や内部乾燥機能を積極的に活用し、常に清潔な状態を保つことが大切です。
小まめに換気を行う
エアコンをきれいに保つためには、小まめな換気が欠かせません。エアコンは室内の空気を取り込み、温度調整をして再び室内に放出するため、基本的に換気機能がありません。そのため、汚れた空気がそのまま循環し続けると、エアコン内部にも汚れがたまりやすくなり、カビの原因にもつながります。特に料理や掃除機をかけた後は、室内にホコリ、湿気、油煙がこもりがちですので、適度に窓を開けて換気を行い、空気の入れ替えを心がけることが大切です。換気をすることで、エアコンも室内の空気も清潔に保つことができます。
自分でエアコン掃除をするときの注意点
エアコン掃除を安全に行うためには、いくつかの注意点を守ることが重要です。以下では自分でエアコンを掃除するときの注意点を解説します。
電源を落としてコンセントを抜く
エアコン掃除を始める際は、必ず電源を切り、コンセントを抜いておきます。エアコンの電源が入ったままで作業を行うと、感電や漏電のリスクが高まるほか、ファンが回転して怪我をする可能性もあります。また、機器の故障を防ぐためにも、可能であればブレーカーも落として安全に作業しましょう。特に業務用エアコンのような大型機器は事故のリスクが高まるため、電源管理に細心の注意を払ってください。
エアコンを分解しない
エアコンの汚れがひどく見えても、自分で分解しての掃除は避けることが大切です。特に、電気系統や複雑な内部部品に触れてしまうと、思わぬ故障や事故につながる恐れがあります。また、分解を行うとメーカー保証が受けられなくなる可能性もあるため、むやみに手を加えない方が賢明です。内部の洗浄が必要な場合は、専門知識と工具を備えたプロの清掃業者に依頼するのが安心です。専門業者であれば、適切な方法で分解・清掃を行い、エアコンを清潔に保つことができます。
まとめ
エアコン掃除は、自分でできる範囲と注意すべき点を意識することが大切です。掃除前には必ず電源を切り、フィルタ掃除や外部の水拭きといった定期的なメンテナンスでエアコンを清潔に保ちましょう。また、内部や電気系統の分解は故障や感電のリスクがあるため避け、プロに依頼するのが安全です。
<参考>
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